| 【発明の名称】 |
魚介藻類用の収穫網の清浄化剤、清浄化方法および清浄化装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿知波 信夫 【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザキ電機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】漁網、貝類の捕獲網、魚介類の養殖網、海苔の養殖網等、魚介藻類用の収穫網を清浄化するための新たな清浄化剤、清浄化方法および装置を提供する。
【解決手段】海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を有効成分とする洗浄機能を有する清浄化剤、強酸性の電解生成酸性水を有効成分とする殺菌機能を有する清浄化剤、前者を洗浄剤として洗浄処理する方法、後者を殺菌剤として殺菌処理する方法および清浄化装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化剤であり、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を有効成分とする洗浄機能を有することを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化剤。 【請求項2】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化剤であり、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水を有効成分とする殺菌機能を有することを特徴とする漁獲藻類用の収穫網の清浄化剤。 【請求項3】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化方法であり、拡張状態で搬送される前記収穫網に、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄機能を有する清浄化剤を均等に付与することを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化方法。 【請求項4】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化方法であり、拡張状態で搬送される前記収穫網に、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水である殺菌機能を有する清浄化剤を均等に付与することを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化方法。 【請求項5】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化方法であり、拡張状態で搬送される前記収穫網に、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄機能を有する清浄化剤を均等に付与し、次いで、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水である殺菌機能を有する清浄化剤を均等に付与することを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化方法。 【請求項6】 請求項4または5に記載の魚介藻類用の収穫網の清浄化方法において、前記清浄化剤を付与する手段は、前記清浄化剤を前記収穫網に散布する手段、または、前記収穫網を前記清浄化剤に浸漬する手段であることを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化装置。 【請求項7】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化装置であり、前記収穫網を拡張状態で搬送する搬送手段と、同搬送手段が形成する搬送経路の中間の部位に位置する洗浄機能を有する清浄化剤付与手段と、同搬送経路における前記清浄化剤付与手段の下流側の部位に位置するブラッシング手段を備えていることを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化装置。 【請求項8】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化装置であり、前記収穫網を拡張状態で搬送する搬送手段と、同搬送手段が形成する搬送経路の中間の部位に位置する殺菌機能を有する清浄化剤付与手段と、同搬送経路における前記清浄化剤付与手段の上流側の部位に位置するブラッシング手段を備えていることを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化装置。 【請求項9】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化装置であり、前記収穫網を拡張状態で搬送する搬送手段と、同搬送手段が形成する搬送経路の中間の部位に位置する洗浄機能を有する清浄化剤付与手段と、同搬送経路における前記清浄化剤付与手段の下流側の部位に位置する殺菌機能を有する清浄化剤付与手段と、これら両清浄化付与手段間に位置するブラッシング手段を備えていることを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化装置。 【請求項10】 請求項8または9に記載の魚介藻類用の収穫網の清浄化装置において、前記清浄化付与手段は、前記清浄化剤を前記収穫網に散布する散布手段、または、前記収穫網を前記清浄化剤に浸漬する浸漬槽であることを特徴とする魚介藻類用の収穫網の清浄化装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化剤、清浄化方法および清浄化装置に関する。本発明における魚介藻類用の収穫網とは、漁網、貝類の捕獲網、魚介類の養殖網、海苔の養殖網等を意味し、本発明では、これらの網類を総称して魚介藻類用の収穫網と称する。 【0002】 【従来の技術】 魚介藻類を収穫した後の魚介藻類用の収穫網には、多くの海藻類や雑菌類が付着している。このため、当該収穫網を長期間収納する場合や次の操業までの短期間保管する場合等には、収納や保管に先だって、付着している海藻類や雑菌類を除去または駆除することによって清浄化することが必要である。従来では、当該収穫網を洗浄剤を使用して洗浄処理することによって清浄化し、または、当該収穫網を殺菌剤を使用して殺菌処理することによって清浄化することが行われている。また、近年、収穫網の清浄化処理(洗浄処理や殺菌処理)として、次のごとき方法が提案されている。 【0003】 当該収穫網の洗浄処理による清浄化では、洗浄剤として次亜塩素酸塩を有効成分とする洗浄剤を採用する方法が提案されていて、次亜塩素酸塩の水溶液を漁網に散布することによって、漁網に付着している海藻類を死滅させて除去する清浄化方法が採られている(例えば特許文献1)。 【0004】 また、当該収穫網の殺菌処理による清浄化では、殺菌剤として上水道水を被電解水とする電解にて生成される電解生成酸性水を有効成分とする殺菌剤を採用する方法が提案されていて、殺菌剤である電解生成酸性水中に海苔養殖網を浸漬することによって、養殖網に付着する雑菌類を殺菌する清浄化方法が採られている(例えば特許文献2)。 【0005】 【特許文献1】 特開昭58−25399号公報 【0006】 【特許文献2】 特開平5−123383号公報 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、上記した収穫網の清浄化方法のうち前者の清浄化方法では、清浄化剤として、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カリウムの水溶液からなる洗浄剤を使用するものである。このような洗浄剤を使用する清浄化方法は、洗浄剤が大量に必要する収穫網の洗浄にあっては、洗浄処理コストが高くつくという大きな問題があり、洗浄処理コストを抑えるべく洗浄剤の使用量を制限すれば、収穫網の洗浄が不十分になるおそれがある。 【0008】 また、収穫網の洗浄処理は通常海岸で行われ、洗浄処理に使用された洗浄剤は当然のことながら海岸の海域に投棄されることとなるが、当該洗浄剤は、海水とは別の化合物を原料として調製されるものであることから、当該洗浄剤が投棄される海域では洗浄剤による海水の汚染の問題が発生し、例えば汚染海域が海苔や魚介類の養殖場である場合や、当該養殖場に隣接する海域である場合には、魚介海藻類の養殖に悪影響を及ぼすおそれがある。また、汚染海域での海水の中和処理も必要となって、特別に中和剤を準備しなければならなくなる。 【0009】 一方、上記した収穫網の清浄化方法のうち後者の清浄化方法では、清浄化剤として、上水道水を被電解水とする電解にて生成される電解生成酸性水を殺菌剤として使用するものである。このような殺菌剤を使用する殺菌処理は、収穫網の洗浄処理を前提とするものであって、洗浄処理された収穫網を殺菌処理するものである。 【0010】 当該殺菌処理では、殺菌剤として、上水道水を被電解水とする電解にて生成される電解生成酸性水を使用するものであるが、電解生成酸性水の殺菌機能は、含有する塩素成分(有効塩素成分)に起因するものであって、被電解水の原水である上水道は塩素成分を規制値以下のわずかな範囲の量しか含有しないことから、このような原水を被電解水とする電解生成酸性水は十分な殺菌機能を有するものではない。このため、当該電解生成酸性水を殺菌剤とする収穫網の殺菌処理では、殺菌処理が不十分であって、殺菌処理効果を向上させるには、大量の殺菌剤を使用して長時間の処理が必要になる。また、収穫網の清浄化処理に当該殺菌処理を採用する場合には、その前提となる収穫網の洗浄処理に如何なる洗浄処理を採用するかの問題が残っている。 【0011】 従って、本発明の目的は、漁網、貝類の捕獲網、魚介類の養殖網、海苔の養殖網等、魚介藻類用の収穫網を清浄化するための新たな清浄化剤、清浄化方法および清浄化装置を提供して、上記に指摘した、収穫網の洗浄処理や殺菌処理で発生する全ての問題を解決することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】 本発明は、漁網、貝類の捕獲網、魚介類の養殖網、海苔の養殖網等、魚介藻類用の収穫網を清浄化するための清浄化剤、清浄化方法および清浄化装置に関するものである。 【0013】 本発明に係る収穫網の第1の清浄化剤は、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を有効成分とする洗浄機能を有するものであることを特徴とするものである。 【0014】 本発明に係る収穫網の第2の清浄化剤は、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水を有効成分とする殺菌機能を有するものであることを特徴とするものである。 【0015】 本発明に係る収穫網の第1の清浄化方法は、拡張状態で搬送される収穫網に、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄機能を有する清浄化剤を均等に付与することを特徴とするものである。 【0016】 本発明に係る収穫網の第2の清浄化方法は、拡張状態で搬送される収穫網に、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水である殺菌機能を有する清浄化剤を均等に付与することを特徴とするものである。 【0017】 本発明に係る第3の収穫網の清浄化方法は、拡張状態で搬送される収穫網に、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄機能を有する清浄化剤を均等に付与し、次いで、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水である殺菌機能を有する清浄化剤を均等に付与することを特徴とするものである。 【0018】 本発明に係るこれらの清浄化方法においては、前記清浄化剤を付与する手段として、前記清浄化剤を前記収穫網に散布する手段、または、前記収穫網を前記清浄化剤に浸漬する手段を採用することができる。 【0019】 本発明に係る収穫網の第1の清浄化装置は、収穫網を拡張状態で搬送する搬送手段と、同搬送手段が形成する搬送経路の中間の部位に位置する洗浄機能を有する清浄化剤付与手段と、同搬送経路における前記清浄化剤付与手段の下流側の部位に位置するブラッシング手段を備えていることを特徴とするものである。 【0020】 本発明に係る収穫網の第2の清浄化装置は、収穫網を拡張状態で搬送する搬送手段と、同搬送手段が形成する搬送経路の中間の部位に位置する殺菌機能を有する清浄化剤付与手段と、同搬送経路における前記清浄化剤付与手段の上流側の部位に位置するブラッシング手段を備えていることを特徴とするものである。 【0021】 本発明に係る収穫網の第3の清浄化装置は、収穫網を拡張状態で搬送する搬送手段と、同搬送手段が形成する搬送経路の中間の部位に位置する洗浄機能を有する清浄化剤付与手段と、同搬送経路における前記清浄化剤付与手段の下流側の部位に位置する殺菌機能を有する清浄化剤付与手段と、これら両清浄化付与手段間に位置するブラッシング手段を備えていることを特徴とするものである。 【0022】 本発明に係るこれらの清浄化装置においては、前記清浄化付与手段として、前記清浄化剤を前記収穫網に散布する散布手段、または、前記収穫網を前記清浄化剤に浸漬する浸漬槽を採用することができる。 【0023】 【発明の作用・効果】 本発明に係る収穫網の第1の清浄化剤は高い洗浄機能を有し、また、第2の清浄化剤は高い殺菌機能を有していて、収穫網に対して高い洗浄効率、高い殺菌効率を発揮する。しかも、このように有効なこれらの清浄化剤は、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成されるものであることから、原料および製造コスト共に安価であり、かつ、短時間で大量に生成することができることから、必要量をコスト的にもまた量的にも何等制約されることなく自由に使用することができる。このため、収穫網を斑なく洗浄、殺菌等の清浄化を行うことができる。 【0024】 なお、本発明に係るこれらの清浄化剤においては、海水を被電解水とする場合、換言すれば、原料を海水とする場合には、原料および製造コスト共に一層安価となることから、各清浄化剤の原料として海水を採用することが一層好ましい。 【0025】 これらの各清浄化剤は、海水を構成する組成以外の組成を含有していないことから、当該清浄化剤の使用による有害成分の残留性の問題は生じるおそれは全くない。このため、使用済みの当該清浄化剤の海域への投棄による海域の環境汚染はなく、海洋生物に及ぼす影響はない。 【0026】 また、各清浄化剤の生成時には、洗浄機能を有する強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である第1の清浄化剤と、殺菌機能を有する強酸性の電解生成酸性水である第2の清浄化剤が同時に生成される。このため、一方の清浄化剤のみを大量に使用してこれを投棄することによって、投棄海域の環境が一時的にpHの影響を受けるそれがある場合には、必然的に生成される他方の電解生成水を同期的に投棄することによって、投棄海域の海水を中和することができる。両清浄化剤を直列的または並列的に使用する場合には、両清浄化剤の同じ海域への投棄が同期的になされることから、投棄海域の海水の中和は必然的になされることになるため、中和処理について配慮する必要はない。 【0027】 本発明に係る第1の清浄化方法によれば、強力な洗浄機能を有する第1の清浄化剤を使用するものであることから、収穫網を確実に洗浄処理することができ、また、本発明に係る第2の清浄化方法によれば、強力な殺菌機能を有する第2の清浄化剤を使用するものであることから、収穫網を確実に殺菌処理することができる。さらに、本発明に係る第3の清浄化方法は、第1および第2の清浄化方法を合体させた清浄化方法であることから、当該清浄化方法によれば、収穫網の洗浄処理および殺菌処理が確実になされるという大きな利点がある。 【0028】 本発明に係る各清浄化方法は、本発明に係る各清浄化装置を使用することによって確実に実施することができるが、特に、各清浄化装置においては、収穫網の洗浄処理の後にブラッシング手段を配置しているため、洗浄処理によって離脱容易であるがなお離脱しない付着物を収穫網から一層確実に離脱させることができて、収穫網の一層の清浄化を図ることができる。 【0029】 【発明の実施の形態】 本発明は、漁網、貝類の捕獲網、魚介類の養殖網、海苔の養殖網等の収穫網の清浄化に関し、特に、魚介藻類を収穫した後の収穫網を清浄化するための清浄化剤、清浄化方法および清浄化装置に関するものである。 【0030】 本発明に係る清浄化剤は、当該収穫網の洗浄処理に使用するを清浄化剤(洗浄剤)、および、当該収穫網の殺菌処理に使用するを清浄化剤(殺菌剤)である。本発明に係る清浄化方法は、本発明に係る清浄化剤の一方または両方を使用して、当該収穫網を洗浄処理および/または殺菌処理する方法である。本発明に係る清浄化装置は、本発明に係る清浄化方法を実施するための清浄化装置である。 【0031】 本発明に係る第1の清浄化剤は、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を有効成分とする洗浄機能を有するものである。当該清浄化剤は、換言すれば洗浄剤であり、以下、当該清浄化剤を洗浄剤と称することがある。 【0032】 また、本発明に係る第2の清浄化剤は、海水または塩化ナトリウム水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水を有効成分とする殺菌機能を有するものである。当該清浄化剤は、換言すれば殺菌剤であり、以下、当該清浄化剤を殺菌剤と称することがある。 【0033】 本発明に係る洗浄剤は、実質的には、海水または塩化ナトリウム水溶液、好ましくは海水を被電解水とする、有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水であり、また、本発明に係る殺菌剤は、実質的には、海水または塩化ナトリウム水溶液、好ましくは海水を被電解水とする、有隔膜電解にて生成される強酸性の電解生成酸性水である。当該有隔膜電解では、当該洗浄剤は、有隔膜電解槽の陰極側電解室にて生成され、かつ、当該殺菌剤は有隔膜電解槽の陽極側電解室にて生成される。 【0034】 当該有隔膜電解では、収穫網を洗浄および殺菌処理する海岸の海域の海水を被電解水として採用して、適宜に制御された電解条件により、所望とする特性の洗浄剤および殺菌剤を生成することができる。海水の塩分濃度は、2.0〜3.0重量%の範囲にあり、海水を有隔膜電解すれば、電解条件の制御によって、陰極側電解室ではpHが8.0〜12.0の範囲の電解生成アルカリ性水(洗浄剤)が生成され、かつ、陽極側電解室ではpHが2.0〜6.0の範囲の電解生成酸性水(殺菌剤)が生成される。 【0035】 当該電解生成アルカリ性水は、pHが高くて強アリカリ性を呈することから、収穫網に付着する有機物を溶解する機能が高く、収穫網に付着する汚染物を溶解し除去するのに有効に作用して収穫網を洗浄処理する。従って、当該電解生成アルカリ性水は、それ自体で、または、pH等の特性を調整された状態で、収穫網を清浄化するための洗浄剤として採用することができる。 【0036】 また、当該電解生成酸性水は、pHが低くて強酸性であることから、強力な殺菌機能を有する塩素成分(有効塩素成分)を含有している。このため、当該電解生成酸性水は、収穫網に寄生する雑菌類の殺菌に有効に作用して、雑菌類を駆除する。従って、当該電解生成酸性水は、それ自体で、または、pH等の特性を調整された状態で、収穫網を清浄化するための殺菌剤として採用することができる。 【0037】 本発明に係る洗浄剤および殺菌剤は、海水または塩化ナトリウム水溶液を原料(被電解水)とすることから、海水には本来存在しない第三の物質を含有していない。このため、収穫網の清浄化処理に使用した後の当該洗浄剤および殺菌剤を海域に投棄しても、海水を汚染するおそれはない。また、収穫網の清浄化処理に当該洗浄剤および殺菌剤を直列的または並列的に使用すれば、収穫網の清浄化処理に使用した後の当該洗浄剤および殺菌剤を同期的に海域に投棄することができて、海水の一時的および局部的なpHの変動をも防止することができる。 【0038】 本発明に係る清浄化方法は、本発明に係るこれらの洗浄剤および/または殺菌剤を使用して、収穫網の洗浄および/または殺菌処理するものである。当該清浄化方法においては、洗浄処理と殺菌処理をそれぞれ単独で行ってもよいが、洗浄処理を行った後に、引き続いて殺菌処理を行う清浄化方法を採ることが好ましい。図1および図2には、当該清浄化処理を実施する清浄化装置の二つの例を示している。 【0039】 図1に示す第1の清浄化装置10Aは、海苔の養殖用網Nを清浄化処理するための装置であって、清浄化剤を散布する散布方式を採用している。当該清浄化装置10Aは、複数のコンベアベルト11a,11b,11cと、2台のコンベアベルト11a,11b間、および、2台のコンベアベルト11b,11c間に配置された各洗浄用ブラシ12a,12bと、各洗浄ブラシ12a,12bの上方に配置された清浄化剤の散布機構13a.13bを備えている。第1散布機構13aは洗浄剤を散布し、かつ、第2散布機構13bは殺菌剤を散布する。 【0040】 各コンベアベルト11a〜11cは、養殖用網Nを拡張状態で搬送するもので、当該清浄化装置10Aでは、養殖用網Nを図示左方から右方へ搬送する。第1散布機構13aは、電解水生成装置20を構成する有隔膜電解槽21で生成される電解生成アルカリ性水(洗浄剤)を受け入れて、当該洗浄剤を養殖用網N上に散布するもので、第1散布機構13aには、有隔膜電解槽21の陰極側電解室R1に接続された流出管路22aが臨んでいる。また、第2散布機構13bは、電解水生成装置20を構成する有隔膜電解槽21で生成される電解生成酸性水(殺菌剤)を受け入れて、当該殺菌剤を養殖用網N上に散布するもので、第2散布機構13bには、有隔膜電解槽21の陽極側電解室R2に接続された流出管路22bが臨んでいる。 【0041】 電解水生成装置20は、有隔膜電解槽21を有する公知のもので、海水を被電解水としている。当該電解水生成装置20では、当該清浄化装置10Aが設置されている海岸に隣接する海域から汲み上げる海水を濾過器23を通して有隔膜電解槽21の各電解室R1,R2に供給し、海水を各電解室R1,R2で電解するようになっている。陰極側電解室R1にて生成された強アルカリ性の電解生成アルカリ性水は、流出管路22aを通って第1散布機構13aに供給される。第1散布機構13aに供給された電解生成アルカリ性水は、洗浄剤として、第1散布機構13aが有する多数のノズルから養殖用網N上に散布される。 【0042】 また、陽極側電解室R2にて生成された強酸性の電解生成酸性水は、流出管路22bを通って第2散布機構13bに供給される。第2散布機構13bに供給された電解生成酸性水は、殺菌剤として、第2散布機構13bが有する多数のノズルから養殖用網N上に散布される。 【0043】 各洗浄ブラシ12a,12bは、2台のコンベアベルト11a,11b間、および、2台のコンベアベルト11b,11c間にて回転可能に支持されていて、運転時には、図示反時計方向に回転して、養殖用網Nに残存している汚染物を掻き落とす作用を行う。 【0044】 当該清浄化装置10Aを使用すれば、本発明に係る第3の清浄化方法を実施することができる。すなわち、当該清浄化装置10Aの運転では、海苔を収穫した後の海草類が付着している養殖用網Nは、各コンベアベルト11a〜11cの駆動によって図示左方から右方へ搬送され、この間、搬送経路の上流側では、第1散布機構13aから洗浄剤が養殖用網Nの全面に均等に散布されて洗浄処理が行われ、かつ、搬送経路の下流側では、第2散布機構13bから殺菌剤が養殖用網Nの全面に均等に散布されて殺菌処理が行われる。 【0045】 洗浄処理では、洗浄機能が高い強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄剤が養殖用網Nに散布されて、養殖用網Nに付着残存している海草類が溶解されて脱落し、また、脱落せずに残存する海草類等の汚染物は回転駆動する洗浄ブラシ12aにて掻き落し、養殖用網Nの汚染状態を清浄化する。また、殺菌処理では、殺菌機能が高い強酸性の電解生成酸性水である殺菌剤が洗浄処理済みの養殖用網Nに散布されて、養殖用網Nに寄生している雑菌類を殺菌して駆除する。なお、この間、回転駆動する洗浄ブラシ12bにて、脱落しえないで残存する汚染物が掻き落される。 【0046】 図2に示す第2の清浄化装置10Bも、海苔の養殖用網Nを清浄化処理するための装置であって、養殖用網Nを清浄化剤に浸漬する浸漬方式を採用している。当該清浄化装置10Bは、複数のコンベアベルト14a,14b,14cと、2台の浸漬槽15a,15bと、第1浸漬槽15aに配設した複数のガイドローラ16a〜16dと、第2浸漬槽15bに配設した複数のガイドローラ16e〜16hと、2台の洗浄ブラシ17a,17bを備えている。第1浸漬槽15aには洗浄剤が収容され、第2浸漬槽15bには殺菌剤が収容されている。 【0047】 第2清浄化装置10Bは、図1に示す電解水生成装置20を備えている。第1浸漬槽15aには、電解水生成装置20を構成する有隔膜電解槽21で生成される電解生成アルカリ性水が洗浄剤として供給される。また、第2浸漬槽15bには、電解水生成装置20を構成する有隔膜電解槽21で生成される電解生成酸性水が殺菌剤として供給される。 【0048】 当該清浄化装置10Bによれば、本発明に係る第3の清浄化方法を実施することができる。すなわち、当該清浄化装置10Bの運転では、海苔を収穫した後の海草類が汚染物として付着している養殖用網Nは、各コンベアベルト14a〜14cの駆動によって図示左方から右方へ搬送され、この間、搬送経路の上流側では、第1浸漬槽15aに導入されて洗浄剤に浸漬されて洗浄処理が行われ、かつ、搬送経路の下流側では、第2浸漬槽15bに導入されて殺菌剤に浸漬されて殺菌処理が行われる。 【0049】 洗浄処理では、洗浄機能が高い強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄剤が養殖用網Nの全面に接触して、養殖用網Nに付着残存している海草類等の汚染物が溶解されて脱落し、また、脱落せずに残存する汚染物は回転駆動する洗浄ブラシ17aにて掻き落され、養殖用網Nの汚染状態を清浄化する。また、殺菌処理では、殺菌機能が高い強酸性の電解生成酸性水である殺菌剤が洗浄処理済みの養殖用網Nの全面に接触して、養殖用網Nに寄生している雑菌類を殺菌して駆除する。なお、この間、回転駆動する洗浄ブラシ17bにて、脱落しえないで残存する汚染物が掻き落される。 【0050】 このように、本発明に係る清浄化剤は高い洗浄機能を有し、また、本発明に係る殺菌剤は高い殺菌機能を有していて、付着残存する海草類が多くて極めて汚染の度合いが高い養殖用網Nに対して高い洗浄効率や高い殺菌効率を発揮する。しかも、このように有効なこれらの洗浄剤や殺菌剤は、海水を被電解水とする有隔膜電解にて生成されるものであることから、原料(被電解水)および製造コスト共に安価であり、かつ、短時間で大量に生成することができることから、本発明に係る清浄化方法を実施する場合には、洗浄剤および/または殺菌剤の必要量を、コスト的にもまた量的にも何等制約されることなく自由に使用することができる。このため、養殖用網を斑なく洗浄処理や殺菌処理等の清浄化処理を行うことができる。 【0051】 また、これらの洗浄剤および殺菌剤は、海水を構成する成分以外の成分を含有していないことから、これらの洗浄剤および殺菌剤の使用による有害成分の残留性の問題は生じるおそれは全くない。このため、本発明に係る清浄化方法を実施することに伴う使用済みの洗浄剤および/または殺菌剤の海域への投棄による海水の汚染はなく、海洋生物に及ぼす影響はない。 【0052】 また、これらの洗浄剤および殺菌剤の生成時には、洗浄機能を有する強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である洗浄剤と、殺菌機能を有する強酸性の電解生成酸性水である殺菌剤が同時に生成される。このため、これらの洗浄剤および殺菌剤の一方のみを大量に使用してこれを投棄することによって、投棄海域の海水が一時的にpHの影響を受けるそれがある場合には、必然的に生成される他方をを同期的に投棄することによって、投棄海域の海水を中和することができる。また、これらの洗浄剤および殺菌剤を直列的または並列的に使用する場合には、洗浄剤および殺菌剤の同じ海域への投棄が同期的になされることから、投棄海域の海水の中和は必然的になされることになるため、中和処理については配慮する必要はない。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る第1の清浄化装置を模式的に示す概略的構成図である。 【図2】本発明に係る第2の清浄化装置を模式的に示す概略的構成図である。 【符号の説明】 10A…清浄化装置、11a〜11c…コンベアベルト、12a,12b…洗浄用ブラシ、13a,13b…散布機構、10B…清浄化装置、14a,14b,14c…コンベアベルト、15a,15b…浸漬槽、16a〜16d,16e〜16h…ガイドローラ、17a,17b…洗浄ブラシ、20…電解水生成装置、21…有隔膜電解槽、22a,22b…流出管路、R1…陰極側電解室、R2…陽極側電解室、N…養殖用網。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000194893 【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社 【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16
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| 【出願日】 |
平成14年11月6日(2002.11.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064724 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷 照一
【識別番号】100076842 【弁理士】 【氏名又は名称】高木 幹夫
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| 【公開番号】 |
特開2004−154053(P2004−154053A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月3日(2004.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−322686(P2002−322686) |
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