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【発明の名称】 緑化用ケース
【発明者】 【氏名】木谷 正明
【住所又は居所】富山県東砺波郡福野町100番地 株式会社日平トヤマ富山工場内

【氏名】田畑 勲
【住所又は居所】富山県東砺波郡福野町100番地 株式会社日平トヤマ富山工場内

【氏名】有沢 正道
【住所又は居所】大阪市中央区北浜四丁目7番28号 住友成泉株式会社内

【氏名】津幡 禎一
【住所又は居所】大阪市中央区北浜四丁目7番28号 住友成泉株式会社内

【要約】 【課題】側壁から外方に突出するような凸部を有することなく、複数個を互いに連結可能な緑化用のケースを提供する。

【解決手段】底壁に複数個の孔を有し、側壁の開口端および/または底壁側端に少なくとも1個の切欠きが形成された断面方形状のトレイ状物と、該トレイ状物を複数個並列状に配置した状態で互いに隣り合うトレイ状物の切欠きにそれぞれ嵌合することによって該隣り合うトレイ状物同士を連結し得る連結具とを備える緑化用ケース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁に複数個の孔を有し、側壁の開口端および/または底壁側端に少なくとも1個の切欠きが形成された断面方形状のトレイ状物と、
該トレイ状物を複数個並列状に配置した状態で互いに隣り合うトレイ状物の切欠きにそれぞれ嵌合することによって該隣り合うトレイ状物同士を連結し得る連結具とを備える緑化用ケース。
【請求項2】
上記切欠きが、全ての側壁の開口端および/または底壁側端の両端部に形成されてなるものである、請求項1に記載の緑化用ケース。
【請求項3】
連結具が、1個の連結具で4個のトレイ状物の切欠きにそれぞれ嵌合し得る中央部用連結具を少なくとも含有する、請求項2に記載の緑化用ケース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個を互いに連結可能な緑化用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスビルや家庭内での緑を強調した環境づくりが注目されつつあり、緑化運動の推進が施されている。特に屋上緑化によって、輻射熱の軽減(ヒートアイランド現象の防止)効果を有するとの報告があり、冷房費の節約にも大きく貢献するものとして期待されている。この緑化運動の一環として、近年では、特に、家屋や建造物(ビル)の屋内、屋上、ベランダ、テラスなどに芝生を敷設する試みが盛んに行われている。しかし、屋上やベランダでは、植物の根、特に芝生の根は、コンクリート床やタイルの目地などのごく小さなクラックにも入り込んで水漏りの原因となり、建築物の耐用期限までも縮めることがある。
【0003】
このような問題を解決するための工夫の一例として、例えば、底面には通水孔と適宜の間隔をおいて側壁部分の高さを越えない高さの複数本の直立柱状体とが設けられ、さらに、底面には根止用の不織布が密着して接合されているガーデニングタイル用トレイが開示されている(特許文献1を参照)。かかるガーデニングタイル用トレイによれば、接合・固定と離脱が容易で十分な根止めが施され造成後の態様を配慮されているので、特別な専門業者に依頼しなくとも、屋上やベランダを利用して容易に組立芝生ガーデンに造成できる。また、コンクリート床やタイル床における水漏りや建物の損傷の心配が解消され、長期にわたり安心して模様替えをしたり広げたりしながらガーデニングを楽しむことができる。
【0004】
上記ガーデニングタイル用トレイは、原則としてその複数個を配列し、敷き詰めて使用するものである。しかしながら特許文献1には、ガーデニングタイル用トレイを複数個敷き詰めた状態でこれらを連結するための手段として、トレイに雄形の接合固定部と雌形の接合固定部とを一体に成形しておき、隣り合う該雄形の接合固定部と雌形の接合固定部とを互いに嵌合させることが記載されている。このため、個々のガーデニングタイル用トレイは、その側壁から雄形の接合固定部が外方へ突出するかたちとなる。このように側壁から外方に突出するような凸部が存在すると該接合固定部が邪魔で運搬性、組み付け作業性が悪く、また見栄えが悪いという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−101755号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、側壁から外方に突出するような凸部を有することなく、複数個を互いに連結可能な緑化用のケースを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)底壁に複数個の孔を有し、側壁の開口端および/または底壁側端に少なくとも1個の切欠きが形成された断面方形状のトレイ状物と、
該トレイ状物を複数個並列状に配置した状態で互いに隣り合うトレイ状物の切欠きにそれぞれ嵌合することによって該隣り合うトレイ状物同士を連結し得る連結具とを備える緑化用ケース。
(2)上記切欠きが、全ての側壁の開口端および/または底壁側端の両端部に形成されてなるものである、上記(1)に記載の緑化用ケース。
(3)連結具が、1個の連結具で4個のトレイ状物の切欠きにそれぞれ嵌合し得る中央部用連結具を少なくとも含有する、上記(2)に記載の緑化用ケース。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好ましい一例の緑化ケース1を簡略化して示す斜視図であり、図2は図1に示すトレイ状物2の平面図である。また図3および図4は、緑化ケース1のトレイ状物2同士の連結を説明するための斜視図である(図3は連結前、図4は連結後)。本発明の緑化用ケース1は、その内部に植物類を植栽して使用するためのトレイ状物2と、該トレイ状物2を並列状に配列した状態で互いに連結し得る連結具3とを、基本的に備える。本発明の緑化用ケースは、上記のようにトレイ状物の切欠きと連結具とが互いに嵌合し得ることで連結されるので、トレイの側壁から外方へ突出する連結構造を形成することなく並列状に互いに連結することができるものである。
【0009】
本発明におけるトレイ状物2は、厚み方向一方Z1側が全面にわたって開口した断面が方形状(正方形状、長方形状)の箱状体であって、底壁4(開口5に対向する厚み方向他方Z2側の壁)に複数個の孔6を有し、側壁7の開口端7a(各側壁7の開口5側の端部)および/または底壁側端7b(各側壁7の底壁4側の端部)に少なくとも1個の切欠き8が形成されてなるものである。該切欠き8は、トレイ状物2を複数個並列状に配置した状態で、後述する連結具3によって互いに隣り合うトレイ状物2同士を互いに連結可能とするために形成される。連続的に連結可能とし得る、また、設置位置、設置方向の自由度を保つことができるなどの理由からは、切欠きは、全ての側壁7の開口端7aおよび/または底壁側端7bの両端部に形成されたものであるのが好ましい。ここで、上記「開口端7aおよび/または底壁側端7bの両端部」は、トレイ状物2の側壁に沿った上記厚み方向に垂直な二つの方向(図中、第一方向X、第二方向Y)に関する側壁の両端近傍の部分を指し、後述する角部を形成する各側壁の最末端から距離D1をあけた位置を指す。該距離D1は、材料の強度によって決まるが、可能な限り最小の距離とするのが好ましい(例えば、ポリプロピレンでトレイ状物2を形成する場合、3mm〜7mm程度)。また、トレイ状物2の連結の際の作業性、或いは解体時の作業性の観点から、切欠きは、開口端7aに形成されるのが好ましい(図1に示す例では、全ての側壁7の開口端7aと底壁側端7bの両側に切欠き8が形成された例を示す。また図3、図4は、開口端7aにおいて、後述する中央部用連結具3aにて連結し得る箇所のみにも切欠き8が形成された例を示す。)。なおトレイ状物の美観的な観点から、底壁側端7bにのみ切欠きを形成してもよい。
【0010】
トレイ状物2における切欠きの形状は、連結具との嵌合形状に併せて適宜選択されるものであればよいが、加工上の観点から、直線状の溝として形成されるのが好ましい。該直線状の溝に形成される場合、切欠きの幅は、強度、取扱い性の観点から、3mm〜10mmであるのが好ましい。また切欠きの深さは、強度、取扱い性の観点から、5mm〜10mmであるのが好ましい。
【0011】
また、本発明における連結具3は、上記トレイ状物2を複数個並列状に配置した状態で互いに隣り合うトレイ状物2の切欠きにそれぞれ嵌合することによって該トレイ状物2同士を互いに連結可能とするものであれば、その形状は輪状や方形状など特には制限されず、トレイ状物2に形成する切欠きと併せて適宜選択すればよい。
該連結具3は、好ましくは、1個の連結具にて互いに隣り合う4個のトレイ状物の各切欠きに嵌合してこれらを互いに連結し得る中央部用連結具3aを少なくとも含有することが好ましい。具体的には、図1、図3および図4に簡略化して示すように、トレイ状物2の切欠き8が上記のような直線状の溝として形成される場合、中央部用連結具3aは、四角枠状(切欠きに嵌合した状態で角部を収容する四角状の孔がその中央に形成される)に実現される。このように連結具3が中央部用連結具3aを含有することで、図3および図4に示すように非常に効率よく規則的、連続的に複数個のトレイ状物を並列状に配置することが可能となる。
【0012】
図5および図6は、図1の緑化ケース1のトレイ状物2同士の連結を説明するための斜視図である(図5は連結前、図6は連結後)。本発明における連結具3は、上記中央部用連結具3aに加えて、1個の連結具にて互いに隣り合う2個のトレイ状物の各切欠きに嵌合してこれらを互いに連結し得る端部用連結具3bをさらに有していてもよい。該端部用連結具3bは、図5および図6に簡略化して示すように、トレイ状物2の切欠き8が上記のような直線状の溝として形成される場合、断面コ字状(四角枠状の中央部用連結具3aを半分に分割したような形状)に実現される。このような端部用連結具3bをさらに有することで、複数個のトレイ状物を中央部用連結具3aにて連結した上に、さらにその端部においても連結することで、トレイ状物間に隙間も生じにくくなり、より強固な連結が可能となる。
【0013】
本発明におけるトレイ状物2は、上述したようにその内部空間内に植物を植栽し得る大きさであれば特に制限はないが、建築物の設計上、或いは設置区画寸法の観点から、その一辺が好ましくは25cmまたは30cm(より好ましくは30cm)であり、その高さが好ましくは2cm〜6cm(より好ましくは3cm〜5cm)である。
また、トレイ状物2の壁の厚みにも特に制限はないが、耐荷重強度、踏圧による破損事故防止の観点からは、底壁の厚みが好ましくは2mm〜5mm(より好ましくは2.5mm〜4mm)、側壁の厚みが2mm〜5mm(より好ましくは2.5mm〜3mm)である。なお、トレイ状物2の四方の角部9の厚みは、側壁と同じ厚みであってよいが、トレイ状物相互の引張りによる破損防止、取外し、取付けの容易性の観点から、側壁の2倍〜5倍の厚みの角柱状に形成されるのが好ましい。
【0014】
本発明における底壁4の孔6は、上述のようにトレイ状物2の内部空間に植物を植栽した際の水はけのために、底壁4に複数個形成されるものであって、その大きさ、形状、個数に特に制限はないが、良好な水はけの保持および補強の観点から、開口率(トレイ状物2の底面積に対する各開口の面積の総計)が5%〜20%となるように形成されるのが好ましく、7%〜12%となるように形成されるのがより好ましい。
図1には、円状の孔(面積が3.14cm)が25個並列状(5個×5個)に形成された例を示す。
【0015】
また、トレイ状物2内に植物を植栽する際の水はけの観点からは、トレイ状物2の底壁4に、底壁4が浮いた状態で載置されるように厚み方向他方Z2側へ突出して凸部10が形成されているのが好ましい。凸部10の大きさ、形状および個数は、平坦な面上に載置して底壁4が該面と平行となるように底壁4を浮いた状態とし得るならば、特に制限はないが、給水時の排水、空気層による植栽基盤への酸素の供給などの理由から、その突出長さが好ましくは2mm〜10mmであり、より好ましくは3mm〜5mmである。
なお、トレイ状物の底壁側端に切欠きを形成する場合には、これと嵌合させる連結具の嵌合部分を、切欠きの深さよりも厚く形成することで、トレイ状物を互いに連結させた状態で連結具が底壁から突出させ、連結具が凸部を兼ねるように実現されてもよい。
【0016】
本発明におけるトレイ状物2を形成する材料に特に制限はなく、例えば塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、EVA樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられ、中でも廃棄物対策、コスト、強度、成形性の観点から、ポリプロピレンまたはポリエチレンが好ましい。トレイ状物2は、上記材料を用いて当業者が通常行っている成形方法(例えばポリプロピレンにて形成する場合には、射出成形など)にて形成することができる。
【0017】
本発明における連結具3を形成する材料に特に制限はなく、例えば、上述したトレイ状物2の形成に用いられる各種樹脂や、アルミニウムなどの金属材料が挙げられる。
【0018】
本発明の緑化ケース1は、トレイ状物2の内部空間内に植物を植栽する際、植物の根が孔6を通ってトレイ状物2の外に這い出し、コンクリート床、タイルの目地などのクラックや隙間に入り込むのを防止するために、通常、底壁4に防根用シートを敷いて用いる。防根用シートとしては、当分野にて使用されているものを特に制限なく使用することができ、例えば、ポリエステル製の透水性防根シートが挙げられる。
該防根用シートの上から、培養土を敷き、直接植物の植栽を行ってもよいし、水はけ、保水性の観点から防根用シート上に親水性の不織布を敷き、その上に培養土を敷き、植物の植栽を行ってもよい。あるいは、防根用シート上に敷いた親水性の不織布上に直接植物を植栽してもよい。
【0019】
本発明の緑化ケースを用いて植栽し得る植物に特に制限はなく、例えば、芝生、タマリュウ(リュウノヒゲ)、なでしこ、ミント、ブラキカムなど、草本植物、本木植物、ハーブ類などの植栽に好適に使用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、側壁から外方に突出したような凸部を有することなく、複数個を互いに連結可能な緑化用のケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一例の緑化ケース1を簡略化して示す斜視図である。
【図2】図1に示すトレイ状物2の上面図である。
【図3】緑化ケース1のトレイ状物2同士の連結を説明するための斜視図である(連結前)。
【図4】緑化ケース1のトレイ状物2同士の連結を説明するための斜視図である(連結後)。
【図5】図1の緑化ケース1のトレイ状物2同士の連結を説明するための斜視図である(連結前)。
【図6】図1の緑化ケース1のトレイ状物2同士の連結を説明するための斜視図である(連結後)。
【符号の説明】
1 緑化ケース
2 トレイ状物
3 連結具
6 孔
8 切欠き
【出願人】 【識別番号】000152675
【氏名又は名称】株式会社日平トヤマ
【住所又は居所】東京都品川区南大井6丁目26番2号
【識別番号】502398551
【氏名又は名称】住友成泉株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号
【出願日】 平成14年11月1日(2002.11.1)
【代理人】 【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一

【公開番号】 特開2004−147622(P2004−147622A)
【公開日】 平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願番号】 特願2002−319643(P2002−319643)