| 【発明の名称】 |
園芸用培土ならびに酸性土壌の改良方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】古屋 知之
【氏名】坂本 一憲
【氏名】宮澤 博
【氏名】中谷 耕太郎
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| 【要約】 |
【課題】透水性に加えて通気性を向上させ、微生物活性に富んだ園芸用培土を提供する。
【解決手段】天然土壌とガラスカレットを混合して園芸用培土とし、望ましくはガラスカレットの粒度を3mm以下とし、またガラスカレットの配合率を体積で10%以上50%以下とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 天然土壌とガラスカレットとを混合したことを特徴とする園芸用培土。 【請求項2】 ガラスカレットの粒度が3mm以下である請求項1に記載の園芸用培土。 【請求項3】 ガラスカレットの配合率が体積で10%以上50%以下である請求項1または2に記載の園芸用培土。 【請求項4】 酸性の天然土壌にガラスカレットを混合することを特徴とする酸性土壌の改良方法。 【請求項5】 ガラスカレットの粒度が3mm以下である請求項4に記載の酸性土壌の改良方法。 【請求項6】 ガラスカレットの配合率が体積で10%以上50%以下である請求項4または5に記載の酸性土壌の改良方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、透水性とともに通気性を高めて微生物の代謝活性を向上させた園芸用培土、ならびに酸性土壌の改良方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 野菜、花卉等の栽培対象となる植物には、乾燥土壌に適したもの、保水性の土壌を必要とするもの、酸性土壌に適合するもの、アルカリ性土壌に適合するものなどさまざまあるが、一般には保水性のある中性土壌に適合するものが大部分で、酸性土壌に対しては各種の改良手段が講じられる。 【0003】 とくに関東地方などに多い赤土と呼ばれる土壌は、保水後に乾燥すると固化する性質があり、植物の育成には適していない。 一方、不燃ごみとして扱われる廃棄ガラスのうち、窓ガラス用等の無色のものは回収して溶解することにより、再利用できる。またビール瓶などの一部のガラス瓶はリターナブル瓶として回収、洗浄して再使用することが行われているが、緑色、青色等の着色ガラス瓶や、国内品と形状や成分の異なる輸入ワインなどのガラス瓶は回収しても再利用、再使用できないため、やむを得ず廃棄物として埋め立て処理などが行われている。 【0004】 また、特許文献1(特開2002−161504号公報)には、ガラスを破砕して得られるガラス破砕品(カレット)の透水性に着目し、自然土壌からなる地盤と、この地盤の上に敷き込んだガラス破砕品からなる保水層と、この保水層の上に敷き込んだ自然土壌とガラス破砕品を混合した透水層とによって構成される透水性にすぐれた地盤構造が記載されている。 【0005】 図9はこの特許文献1に記載された図1であり、符号1は自然土壌およびガラス破砕品の混合物からなる層(透水層)、2はガラス破砕品からなる層(保水層)、3は自然土壌からなる地盤である。 図10は特許文献1に記載されているものではないが、ガラスカレットの保水性を実験した測定結果を示すグラフである。横軸はガラスカレットの配合率(体積比)、縦軸は乾土に対する最大容水量を重量%で表したものである。例えば粒径1mmのガラスカレットを10%混合した土壌では、100 gの乾燥土が94.1gの水分を保持できることを示している。このとき試験に供した土壌の最大容水量は149.7 %である。ガラスカレット自体が水を含まないため、ガラスカレットを混入すればする程含水率は低下するが、これによって逆に透水率は上昇し、水はけのよい土壌が得られる。 【0006】 【特許文献1】 特開2002−161504号公報(第1−6頁、図1) 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、再利用できない廃棄ガラスを破砕して得られるガラスカレットを土壌に混合させることにより透水性に加えて通気性を向上させ、微生物活性に富んだ園芸用培土を提供するとともに、ガラスカレットを酸性土壌の改良剤として利用する酸性土壌の改良方法を実現することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明の園芸用培土は、天然土壌とガラスカレットとを混合したことを特徴とするものであり、望ましくは前記ガラスカレットの粒度が3mm以下であり、またガラスカレットの配合率が体積で10%以上50%以下である前記の園芸用培土である。 【0009】 また、本発明の酸性土壌の改良方法は、酸性の天然土壌にガラスカレットを混合することを特徴とするものであり、望ましくは前記ガラスカレットの粒度が3mm以下であり、またガラスカレットの配合率が体積で10%以上50%以下である前記の酸性土壌の改良方法である。 【0010】 【発明の実施の形態】 ガラスは化学薬品を収容する容器として使用される程であるから、表面から成分が溶出することはあり得ないと考えられているが、本発明者らの実験により、破砕処理を行うことにより破砕面からガラス成分が溶出し、pH変化を起こすことがわかった。特に瓶ガラス、窓ガラスとして使用されるソーダ石灰ガラスは、Na2O、K2O 、CaO 、MgO などのアルカリ成分を含有しており、これらが溶出して酸性土壌を中和する作用がある。 【0011】 また、ガラスは破砕、篩分けが容易であり、所定の粒径の破砕ガラスを選択して任意に使用できる。破砕処理したガラスカレットを土壌と混合すると、ガラスカレットによる通気性と、アルカリによる中和作用により、土壌微生物に対してさまざまな影響が現れる。本発明者らは、ガラスカレットの粒度ならびに土壌への混合割合を変化させてその影響の度合いを測定した。 【0012】 土壌とガラスカレットを混合したものを以下「培土」と呼ぶ。混合割合はガラスカレットの占める体積比であらわし、例えば図1に示すようにガラスカレット40%、土壌60%のものは40%という。 測定項目はガラス電極法による土壌pH、微生物の代謝活性の指標である密閉アルカリ吸収法による二酸化炭素発生量ならびにクロロホルム燻蒸抽出法による微生物バイオマス炭素量、希釈平板法による細菌数、糸状菌数である。 【0013】 まず予備実験としてガラスカレットのみの試験区を作り、二酸化炭素発生量を測定したところ、ほとんど発生しないことがわかった。このことから、培土におけるガラスカレット部分には微生物活性はほとんどないと考え、微生物データ、すなわち二酸化炭素発生量、および微生物バイオマス炭素量、細菌数・糸状菌数を、培土全体当りの発生量として考える他に、培土中の土壌部分のみからの発生量と考え、測定値をそれぞれ培土重量および土壌重量当たりで示す二とおりの計算を行うこととした。なお、供試した土壌は千葉県松戸市、千葉大学園芸学部キャンパス内の緑地で採取した淡色黒ボク土である。 【0014】 使用したガラスカレットは粒径1mmのものおよび3mmのもの、混合比はそれぞれ10%から10%刻みに50%まで、そして比較のためのガラスカレット無添加を合わせ計11とおりの試験区を設け、いずれも培土の水分を最大容水量の60%とし、25℃で14週間培養を行った。また測定は全て3反復で行った。 はじめに培土のpH測定結果を説明する。図2に示すように、無添加区は弱アルカリ性を示している。粒径1mm区ではガラスカレットの混合比が高いほど強いアルカリ性を示しているが、これは粒径が小さいためガラスカレットと土壌との接触面積が大きく、その結果ガラス中のアルカリ成分が土壌内に溶出したためと考えられる。3mm区については無添加区との有意差は認められなかった。 【0015】 つぎに二酸化炭素発生量であるが、単位を乾土kg当たり、発生量mgCとして、前記のとおり発生量を培土全体当たりで示したものを図3、土壌部分の当たりで示したものを図4に示す。まず図3では、ガラスカレットの添加区のほとんどが無添加区を下回り、1mm区において、より低下している。しかし粒径3mmにおける40%と50%区の発生量は無添加区と同程度であり、10週目を過ぎると無添加区を超えている。これらは培土の約半分が本来微生物活性のほとんどないガラスカレットで占められているにもかかわらず、無添加土壌、つまり土壌100 %のものと発生量が同程度であることは注目される。 【0016】 図4は、前記のとおり培土中の土壌部分のみから二酸化炭素が発生するものとして土壌部分当たりで示したものであるが、ほとんどの区が無添加区を上回る発生量を示している。1mm区よりも3mm区が比較的高く、さらにガラスカレットの混合比が増す程発生量も高くなっている。3mm50%区では無添加区の約3.4 倍に達している。つまりガラスカレットの添加によって土壌部分がより活性化されていることを示している。 【0017】 微生物バイオマス炭素量を培土全体当たりで示したものを図5、土壌部分当たりで示したものを図6に示す。グラフは左から試験開始時点(無添加区のみ)、2週目、6週目、10週目、14週目を示す。またグラフ中の同じ英文字は、14週目の測定値においてTukey 検定( 5%有意水準)で有意差がないことを示している。経時的な変動はあるものの、1mm区は無添加区を下回っているが、3mm区は無添加区と同程度である。 【0018】 一方、微生物バイオマス炭素量を土壌部分当たりで示した図6においては、さきの図4の二酸化炭素発生量と似た傾向が見られ、1mm区では無添加と同程度であるが、3mm区ではガラスカレットの混合比が高くなる程発生量が多くなっている。 細菌数の測定結果を培土全体当たりで表したものが図7、土壌部分当たりで表したものが図8である。糸状菌数は細菌数とほとんど同傾向であったためグラフを省略した。縦軸は対数目盛りである。図7では無添加区との大きな相違は見られないが、培養後期の3mm区で無添加区を上回る数値があるのが注目される。図8ではやはりさきの図4の二酸化炭素発生量と似た傾向が見られ、各添加区ではいずれの試験区においても無添加区を超えているが、14週目の3mm50%区において特に高い数値が見られる。 【0019】 以上を総合すると、つぎのことが言える。 まず培土全体当たりの微生物の呼吸活性ならびにバイオマスは、ガラスカレットの混合比を増すにつれて無添加区に対する低下が少なく、粒径3mmの40%ならびに50%区においては無添加区と同程度である。また全体的に3mm区に比べて1mm区は活性が低い。 【0020】 つぎに3mmの40%ならびに50%区における土壌部分当たりの微生物データを計算してみると無添加区の2〜3倍となり、これはガラスカレットが土壌に対して微生物活性を高める効果を示すものと考えられる。その理由は、ガラスカレットが混入することによって土壌中の孔隙が増加し、通気性が高まったからであると思われる。 【0021】 また、粒径1mmと3mmを比較すると、3mmの方が土壌微生物の呼吸活性とバイオマスを高める効果において優れている。つまりガラスカレットの粒径が大きい程、孔隙の増加がより顕著であるからと考えられる。そして1mm区の微生物データが3mm区や無添加区に比較して低いもうひとつの原因として1mm区の土壌pHが強くアルカリ化したことが考えられる。 【0022】 なお、粒径1mmは天然の砂と同レベルであり、これ以下に粉砕することはいたずらに粉砕コストを高めるのみで無意味であり、また3mm以上の粗い粉砕とすると破片により人体が傷つくおそれがあり好ましくない。 混合比については、これまで考察したように30%未満ではガラスカレット添加の効果が弱い。ガラスカレットは土壌の活性化を促す効果を有するものではあるが、活性力の根源はあくまで培土中の土壌部分であるから、混合比が50%を超えると、培土中の土壌が少なくなり、活性力を発揮できないので好ましくない。 【0023】 以上が土壌の測定結果であるが,別途行っている育成実験においてもガラスカレットを混入した培土においては目覚しい生育結果が認められ、前記のデータを裏付けている。 【0024】 【発明の効果】 本発明によれば、廃棄ガラスの有効利用が図られるとともに、ガラスカレットを土壌に混合させることにより透水性に加えて通気性を向上させ、微生物活性に富んだ園芸用培土が実現し、また、ガラスカレットを酸性土壌の改良剤として利用する酸性土壌の改良方法が実現するという、すぐれた効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明における土壌とガラスカレットを混合した培土を説明する円グラフである。 【図2】本発明の実施例における培土のpH値の測定結果を示すグラフである。 【図3】本発明の実施例における培土全体当たりの二酸化炭素発生量を示すグラフである。 【図4】同じく本発明の実施例における土壌部分当たりの二酸化炭素発生量を示すグラフである。 【図5】本発明の実施例における培土全体当たりの微生物バイオマス炭素量を示すグラフである。 【図6】同じく本発明の実施例における土壌部分当たりの微生物バイオマス炭素量を示すグラフである。 【図7】本発明の実施例における培土全体当たりの細菌数の測定結果を示すグラフである。 【図8】同じく本発明の実施例における土壌部分当たりの細菌数の測定結果を示すグラフである。 【図9】従来の技術における地盤構造を示す断面図である。 【図10】本発明に係わるガラスカレットの混入による土壌の保水性を示すグラフである。 【符号の説明】 1 自然土壌およびガラス破砕品の混合物からなる層(透水層) 2 ガラス破砕品からなる層(保水層) 3 自然土壌からなる地盤
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| 【出願人】 |
【識別番号】599090095 【氏名又は名称】株式会社エンライト・コーポレーション
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| 【出願日】 |
平成14年10月30日(2002.10.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099531 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 英一
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| 【公開番号】 |
特開2004−147547(P2004−147547A) |
| 【公開日】 |
平成16年5月27日(2004.5.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−315585(P2002−315585) |
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