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【発明の名称】 芝生地穿孔用のタイン
【発明者】 【氏名】高谷 勉
【住所又は居所】茨城県水戸市三の丸3丁目3番15−101号(三の丸サンハイツ) ビックベンテック合資会社内

【要約】 【課題】穿孔作業の際にその内部に進入する土壌を上方から吐出させ得、かつその土壌が目土として利用可能な砂状のものとして吐出され得るようにする。

【解決手段】差込筒部1とその上部に位置する円柱状の把持部2とで構成したものであり、差込筒部1には、その側部に下端から把持部直下まで連続する側部開口部3と、下端の差込刃部4と、側部開口部3の両外縁に差込刃部4に向かって形成した傾斜部5とが備えてある。側部開口部3は、差込筒部1の内周部の仮想直径線の両端からこれに直交する直交線に沿って開口してある。傾斜部5は、側部開口部3の両縁を、その下部途中から差込刃部4に向かって、差込筒部1が先細りになるように斜めに削除した形状に形成してある。傾斜部5の下端は、差込刃部4の部位の仮想直径線に一致した位置になっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝生地を穿孔するためのタインであって、差込筒部とその上部に位置する、穿孔機のタインホルダに取り付けるための把持部とからなる芝生地穿孔用のタインに於いて、
前記差込筒部の下部を下端に向かって細くなるテーパ状の差込刃部に形成し、該差込筒部の側部に最下部の差込刃部から最上部まで連続する側部開口部を形成し、かつ該側部開口部の両縁を、該差込筒部の下部に於いて、前記差込刃部に向かって先細りになるように斜めに削除した形状の傾斜部に形成した芝生地穿孔用のタイン。
【請求項2】
前記側部開口部を、差込筒部の内周部の仮想直径線の両端からこれに直交する線に沿って開口した請求項1の芝生地穿孔用のタイン。
【請求項3】
前記側部開口部の外縁を面取りした請求項1又は2の芝生地穿孔用のタイン。
【請求項4】
前記傾斜部の下端を前記差込刃部の仮想直径線の位置に一致させた請求項1、2又は3の芝生地穿孔用のタイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフ場等の芝生地に均一な間隔で多数の孔を開け、耕耘効果を上げて、土壌固結の緩和、透水性の向上、通気性の向上及び土壌の表面硬度の緩和等により芝生をリフレッシュさせるために使用する芝生地穿孔用のタインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来一般的に使用されている芝生地穿孔用のタインは、穿孔用の差込筒部と、その差込筒部の上部に位置する把持部とで構成されている。前記把持部は、これを取り付ける穿孔機のホルダ径に合わせた円柱状又は円筒状に構成されているものであり、差込筒部の径がホルダの径と一致している場合は、把持部は差込筒部からストレートに延びているだけのものとなる。また前記差込筒部はその下端に環状の刃部を備えており、穿孔動作により該刃部の内側に進入した土壌コアは、後続する穿孔動作により、筒部が該差込筒部から把持部の上端まで延長して開口するトップオープンタイプのタインの場合には、その上端の開口部から吐出されるようになっており(特許文献1及び特許文献2)、筒部が該差込筒部の途中で側方に開口するサイドオープンタイプのタインの場合は、その側方の開口部から吐出されるようになっている(特許文献3)。
【0003】
これらのタインは、これによって芝生地の穿孔動作を行うと、いずれのそれを用いた場合であれ、土壌コアの吐出される開口部は異なるものの、穿孔作業の後には、芝面上にタインから吐出された円柱状の土壌コアが散乱することとなり(特許文献1)、これらを掃き集めたり回収装置等を用いて集めて何らかの処分をする必要があり、これらがなかなか労力を要する厄介な作業となっている。
【0004】
他方、芝生地には、その維持管理、即ち、芝面の不陸の調整、サッチの集積の抑制、芝草の生長点の保護、表層土壌の改良、土壌の保水能力の増加、芝面の補修等のために、芝生の状態等を観察しながら、年に2〜6回程度は目土を施用する必要があり、これもかなりの労力及び費用を要するものとなっている。
【0005】
ところで、例えば、ゴルフ場のフェアウェイ等では、大径のタインで穿孔作業を行い、多数の大径の孔を生じさせても特別にプレーに影響を与えることもないので、問題とされないが、グリーンのようなボールの転がりの微妙な変化がプレーに影響を与えるエリアでは大径のタインによる穿孔作業は好ましくない。そこで小径のタインによる穿孔作業が望まれるが、直径6mm以下のタインを製作して穿孔作業を行ってみると、土壌コアがその内部に詰まってしまってこれを芝生地上に吐出させることができないのが実情である。これはトップオープンタインのみならず、サイドオープンタインでも同様である。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−312904号公報(第3頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開平6−98604号公報(第2頁、図1〜図7)
【特許文献3】
特開平9−313005号(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本件発明者は、ゴルフ場のグリーンのような大径のタインによる穿孔作業が不適なエリアで穿孔作業に使用できる小径のタイン、即ち、直径6mm以下のタインであって、穿孔作業の際にその内部に土壌が詰まらず、引き続く穿孔作業で順次上方に押し出され得る芝生地穿孔用のタインを提供することを解決の課題とする。
【0008】
目土として利用する素材は、芝生地の床土が砂の場合は、床土と同じ砂を用いるべきであり、床土が砂でない場合も、いずれ砂に変更してゆくとしても、なるべく床土に似た素材の土を用い、徐々に砂の割合を増加させて行くべきものである。
【0009】
そこで本件発明者は、一面では、穿孔作業によって芝生地上に吐出される土壌が芝生地の床土そのものであることに着目し、かつ目土の実施時期と穿孔作業の実施時期とが概ね重なることに着目し、穿孔作業によって生じる吐出土壌が目土として容易に利用し得るものとなるようにすることにより、穿孔作業後のそれらの回収作業を不要とするとともに、そのままそれを目土として利用することにより、別個に目土を用意してこれを芝生面に施用すると云う目土作業を軽減することのできる芝生地穿孔用のタインを提供することを解決の課題とする。
【0010】
即ち、前記のような小径のタインであって、穿孔作業時に芝生地上に吐出される土壌がコア状の塊ではなく、砂状に砕けた状態のものとなり得る小径の芝生地穿孔用のタインを提供することを解決の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は、芝生地を穿孔するためのタインであって、差込筒部とその上部に位置する、穿孔機のタインホルダに取り付けるための把持部とからなる芝生地穿孔用のタインに於いて、
前記差込筒部の下部を下端に向かって細くなるテーパ状の差込刃部に形成し、該差込筒部の側部に最下部の差込刃部から最上部まで連続する側部開口部を形成し、かつ該側部開口部の両縁を、該差込筒部の下部に於いて、前記差込刃部に向かって先細りになるように斜めに削除した形状の傾斜部に形成した芝生地穿孔用のタインである。
【0012】
前記差込筒部は、前記側部開口部が最下端部から最上端部まで開口しているので、文字通りの筒体ではない。また前記把持部は、穿孔機のホルダ径に合わせた径の円柱状又は円筒状の構成要素であり、上記ホルダ径が差込筒部の径と一致している場合には見かけ上把持部は独立した構成要素に見えないこともあり得る。
【0013】
前記差込刃部は、既存の穿孔用のタインの下端に形成してあるそれとほぼ同様である。下端に向かって細くなるテーパ状に形成してあり、これによって下端に文字通りの刃を形成し、芝生地に差込し易くするものである。
【0014】
前記側部開口部は、前記のように、前記差込筒部の側部に最下部の差込刃部から最上部、即ち、把持部の直下まで連続して形成したものである。開口部の寸法形状は、芝生地に穿孔操作を行った際に差込筒部内に進入する土壌の上方への抜けに影響を与える。差込筒部の内径に対して開口部の幅が狭すぎると土壌が内部に詰まってしまう傾向がある。土壌の性質にも当然関係する。最適な開口部の幅は、差込筒部の内径の寸法や前記傾斜部の角度等を考慮し、かつ使用する芝生地の土壌の性質も考慮した上で、実験的に定めることができる。
【0015】
前記傾斜部は、前記のように、前記側部開口部の両縁を、前記差込筒部の下部に於いて、前記差込刃部に向かって先細りになるように斜めに削除した形状に形成したものである。その差込筒部の軸心との間の傾斜角度及び該差込刃部のどこまで削除した形状とするかは、芝生地に穿孔操作を行う際の差込圧力や差込刃部の芝の茎等の間への進入し易さ等に影響を与える。これらは穿孔作業を行う芝生地の状態等を考慮した上で、実験的に定めることができる。
【0016】
従って本発明の1の芝生地穿孔用のタインによれば、これを直径6mm以下のタインに適用し、穿孔機に取り付けて芝生地の穿孔作業を行った場合でも、該タインはスムーズに芝生地を穿孔し、かつその中に進入する土壌は、順次、引き続く穿孔動作時に差込筒部内を押し上げられ、前記側部開口部の芝生地上に露出している部位から砂状となって吐出され、これらが芝面上に散乱した状態となる。
【0017】
前記差込刃部は、前記傾斜部の楔効果により芝生地に於いて水平方向に縦横に展開する芝の茎を押し分けて地中に進入可能となり、そのため小さな差込力によるスムーズな穿孔動作が確保できることとなる。
【0018】
芝の茎を上記のように押し分けない場合には、該芝の茎の差込刃部の下方に位置する部位が該差込刃部に掛け渡された網状に作用して、進入しようとする土壌を圧縮し、いずれ該芝の茎は該差込刃部で切断され、その内部に進入することになるが、土壌と共に差込筒部内に固く詰まった状態になってしまうものである。
【0019】
これに対して、本発明の1の芝生地穿孔用のタインによれば、前記のように、その差込刃部が、前記傾斜部の楔作用で芝の茎を押し分けて地中に進入できるため、差込筒部内には、直接に芝の茎より下方の土壌が進入することとなり、前記のような圧縮作用を受けない。それ故、差込筒部内の土壌は砂状の状態を保持し、容易に後続する穿孔動作時に押し上げられることとなる。
【0020】
また本発明の1の芝生地穿孔用のタインによれば、その側部開口部が差込筒部の最下端の差込刃部から開口しているので、土壌の相対的な上昇移動時の抵抗が小さくなり、差込筒部に進入した土壌は順次引き続く穿孔動作時に上昇して、側部開口部の芝生地上に露出している部位から吐出されることとなる。土壌は、このように圧縮されることなく差込筒部中を上昇するものであり、かつ芝の茎等を殆ど含まないものであるため、砂状の状態で吐出される。
【0021】
そこでこのように吐出された後は、例えば、箒等を用いて掃き均すようにすると、砂状土壌は更に細かく砕けながら芝草間に入ってゆくこととなる。それ故、土壌の回収作業が不要となるとともに、目土用材料を用意することなく、目土作業が行えることとなるものであり、全体として作業労力が軽減され、かつ目土材料に要する費用も軽減されることとなるものである。
【0022】
更に、ゴルフ場のグリーン等に於いては、直径6mm以下程度のこのようなタインで穿孔作業を行った場合は、芝生面に形成される孔が非常に小径であると共に、芝の茎を殆ど切断しないものであるため、地中の孔空間は残りながらも、その上端の開口部が忽ち閉じた状態となり、グリーン上に於けるプレーに殆ど影響を与えない状態となる。それ故、いつでも穿孔作業を行うことが可能となる。
【0023】
本発明の2は、本発明の1の芝生地穿孔用のタインに於いて、前記側部開口部を、差込筒部の内周部の仮想直径線の両端からこれに直交する線に沿って開口したものである。
【0024】
従って本発明の2の芝生地穿孔用のタインによれば、差込筒部内に進入した土壌を適切な保持力で保持すると共に、該差込筒部内を上昇する土壌に過剰な抵抗を与えず容易に上昇できるようにすることにより、土壌を圧縮して固め、差込筒部内に詰まらせてしまうような虞はなく、土壌のスムーズな上昇及び吐出を確保することができることとなったものである。また差込筒部の穿孔差込時に側部開口部を通じて結合している差込筒部の内外の土壌を、その引き上げ時に容易に分断できる程度の断面積にとどめ、更に分断された内外の土壌の対面部による上昇時の抵抗も差込筒部内の土壌の上昇を阻止するほどの大きさにならないようにとどめ得るものとなるものである。
【0025】
本発明の3は、本発明の1又は2の芝生地穿孔用のタインに於いて、前記側部開口部の外縁を面取りしたものである。
【0026】
従って本発明の3の芝生地穿孔用のタインによれば、芝生地の穿孔作業時に差込筒部内に進入した土壌を順次引き続く穿孔動作時に該差込筒部内を上昇させ、その側部開口部の内、芝生地上の露出する部位から良好に吐出させることができる。
【0027】
本発明の4は、本発明の1、2又は3の生地地穿孔用のタインに於いて、前記傾斜部の下端を前記差込刃部の仮想直径線の位置に一致させたものである。
【0028】
従って本発明の4の芝生地穿孔用のタインによれば、その差込刃部が、容易に前記傾斜部の楔作用で芝の茎を押し分けて地中に進入できることとなるため、差込筒部内には、直接に芝の茎より下方の土壌が進入することとなり、穿孔作業時の差込筒部の下降の際に該土壌がその上方から網状に展開している芝の茎によって圧縮作用を受けるようなことがない。そのため差込筒部内に進入する土壌は砂状の状態を保持し、容易に後続する穿孔動作時に下方から新たに進入する土壌によって押し上げられることとなる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
<実施例>
図1〜図3は本発明を適用した実施例の芝生地穿孔用のタインを示しており、図1(a)はそのタインの正面図、図1(b)はそのタインの側面図、図2(a)はそのタインの拡大底面図、図2(b)は、図2(a)のA部の拡大図、図3(a)は、図1(a)のA−A線切断部拡大断面図、図3(b)は、図1(a)のB−B線切断部拡大断面図、図3(c)は、図1(a)のC−C線切断部拡大断面図である。
【0031】
この実施例の芝生地穿孔用のタインは、図1(a)、(b)及び図2(a)に示すように、差込筒部1とその上部に位置する円柱状の把持部2とで構成したものであり、該差込筒部1には、その側部に下端から把持部直下まで連続する側部開口部3と、下端の差込刃部4と、側部開口部3の両外縁に差込刃部4に向かって形成した傾斜部5とが備えてあるものである。
【0032】
前記把持部2は、先に述べ、かつ図1(a)、(b)及び図2(a)に示すように、円柱状であり、その径は、この実施例では、穿孔機のホルダ径に対応させて9mmに設定してある。この把持部2は、この実施例では、その下方に位置する差込筒部1と一体に構成する。
【0033】
前記差込筒部1は、図1(a)に示すように、前記側部開口部3が最下端から最上端(把持部2の直下)まで開口しているので、文字通りの筒体ではない。この実施例では、その外径を6mmに設定し、かつ内径を4mmに設定してある。またこの差込筒部1は、上記のように、前記把持部2と一体に構成する。
【0034】
前記側部開口部3は、図1(a)に示すように、前記差込筒部1の側部に最下部の差込刃部4から最上部、即ち、把持部2の直下まで連続して形成したものである。該側部開口部3の両開口縁間の間隔は、この実施例では、該差込筒部1の内径と一致させた寸法である4mmとしてある。即ち、該側部開口部3は、図1(a)に示すように、該差込筒部1の内周部の仮想直径線L1の両端からこれに直交する直交線L2、L2に沿って開口してあるものである。また該側部開口部3の外縁は、図2(a)及び(b)に示すように、面取りしてある。この面取り部3aの寸法L3は、この実施例では、0.1mmに設定してある。
【0035】
前記差込刃部4は、図1(a)、(b)、図2(a)、図3(c)に示すように、その外周側が下端に向かって細くなるテーパ状に形成してあり、これによって差込筒部1の内周下端部に文字通りの刃に形成してなるものである。
【0036】
前記傾斜部5は、図1(a)、(b)、図2(a)、図3(b)、(c)に示すように、前記側部開口部3の両縁を、その下部途中から前記差込刃部4に向かって、前記差込筒部1が先細りになるように斜めに削除した形状に形成したものである。この実施例では、図2(a)に示すように、該傾斜部5は、その下端を該差込刃部4の位置に於ける仮想直径線L1の位置に一致した位置になるようにしてある。即ち、図1(b)に示すように、最下端の該差込刃部4の部分が半分になるように構成してあるものである。
【0037】
従ってこの実施例の芝生地穿孔用のタインによれば、これを穿孔機に取り付けて芝生地の穿孔作業を行った場合に、このタインはスムーズに芝生地を穿孔し、かつその中に相対的に進入する土壌は、順次、引き続く穿孔動作時にその差込筒部1内を押し上げられ、前記側部開口部3の芝生地上に露出している部位から砂状状態で吐出され、これらが芝面上に散乱した状態となる。
【0038】
前記差込刃部4は、その部位の仮想直径線L1の位置から傾斜状態に構成されている傾斜部5の楔作用により、芝生地に水平方向に縦横に展開している芝の茎を押し分けて地中に進入することが可能となり、そのため小さな差込力によってもスムーズな穿孔動作が確保できることとなる。
【0039】
即ち、この実施例のタインによれば、その差込刃部4が、前記傾斜部5の楔作用で水平方向に展開している芝の茎の間を押し分けて地中に進入できることとなるため、差込筒部1内には、直接に芝の茎より下方の土壌が進入することとなり、この土壌は、差込刃部4によって押し下げられる網状となっている芝の茎による圧縮作用を受けることはない。それ故、差込筒部1内の土壌は砂状状態を維持し、容易に後続する穿孔動作時に後続する土壌によって押し上げられることとなる。
【0040】
またこの実施例のタインによれば、前記側部開口部3が差込筒部1の最下端の差込刃部4から最上部まで連続して開口しており、かつ該差込筒部1の内周部の仮想直径線L1の両端からこれに直交する直交線L2、L2に沿って開口したものであるため、芝生地に於ける穿孔動作時に、差込筒部1内に進入した土壌を適切な保持力で保持することができる一方で、引き続く穿孔動作時に該差込筒部1内を上昇する土壌に加わる抵抗が適切に低減されることとなるため、容易に上昇できるようになるものである。
【0041】
そのため、穿孔動作時に、引き続いて進入する土壌によって先行する土壌が圧縮されて固まり、差込筒部1内に詰まってしまうような虞はなく、土壌のスムーズな上昇及び吐出を確保することができることとなったものである。
【0042】
また該側部開口部3の前記のような開口状態は、タインの穿孔差込時に側部開口部3を通じて結合している該差込筒部1の内外の土壌を、引き続く引き上げ時に容易に分断できる程度の断面積にとどめ、更に分断された内外の土壌の剪断対面部による上昇時の抵抗も差込筒部1内の土壌の上昇を阻止するほどの大きさにならないようにとどめ得るものとなるものである。
【0043】
更に前記側部開口部3の両外縁には、前記のように、面取り部3aが形成されているため、以上に述べた、芝生地の穿孔作業時に於ける差込筒部1内の土壌のスムーズな上昇がより良好に行われうるものとなる。
【0044】
以上のようにして芝生地上に吐出され、散乱している土壌は、先に述べたように、砂状状態であり、かつ殆ど芝の茎等も含まれていないものであるため、その後は、例えば、箒等を用いて掃き均すようにすると、それらの砂状状態の土壌は更に細かく砕けながら芝草間に入ってゆくこととなる。従って土壌の回収作業が不要となるとともに、目土用材料を用意することなく、目土作業が行えることともなるものであり、全体として作業労力が軽減され、かつ目土材料に要する費用も軽減されることとなるものである。
【0045】
またゴルフ場のグリーン等に於いては、このような直径6mmのタインで穿孔作業を行った場合は、芝生面に形成される孔が非常に小径であり、かつこのタインの場合は、先に述べたように、芝の茎を殆ど切断しないものでもあるため、穿孔作業による地中の孔空間は残りながらも、その上端の開口部が忽ち閉じた状態となり、グリーンに於けるプレーに殆ど影響を与えない状態となる。それ故いつでも穿孔作業を行うことが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の1の芝生地穿孔用のタインによれば、これを直径6mm以下の小径タインに適用し、穿孔機に取り付けて芝生地の穿孔作業を行った場合には、径の小さなタインでありながら、スムーズに芝生地を穿孔し、かつその中に進入する土壌を、順次、引き続く穿孔動作時に差込筒部内を上昇させ、前記側部開口部の芝生地上に露出している部位から砂状状態で吐出させることができる。
【0047】
そこでこのように吐出させた後は、途上の散乱した芝生地上を、例えば、箒等を用いて掃き均すようにすると、砂状状態の土壌は更に細かく砕けながら芝草間に入って行くこととなる。そのため土壌の回収作業が不要となるとともに、目土用材料を用意することなく、目土作業が行えることとなるものであり、全体として作業労力が軽減され、かつ目土材料に要する費用も軽減されることとなるものである。
【0048】
更に、ゴルフ場のグリーン等に於いては、直径6mm以下程度の本発明による小径タインで穿孔作業を行った場合は、芝生面に形成される孔が非常に小径であると共に、芝の茎を殆ど切断しないものでもあるため、地中に形成された孔空間は残りながらも、その上端の開口部は芝の茎の作用により忽ち閉じた状態となり、グリーン上に於けるプレーに殆ど影響を与えない状態となる。それ故、いつでも穿孔作業を行うことが可能となる。
【0049】
本発明の2の芝生地穿孔用のタインによれば、穿孔作業時に差込筒部内に進入した土壌を適切な保持力で保持し得ると共に、引き続く穿孔動作時に該差込筒部内を上昇する土壌に無用な抵抗を与えることがなく、そのため土壌は容易に上昇できるものとなる。そしてこのように土壌の上昇時に無用な抵抗を与えないため、引き続く下方からの土壌により先行する土壌が圧縮されて固まり、差込筒部内に詰まってしまうような虞はなく、土壌のスムーズな上昇及び吐出を確保することができることとなったものである。
【0050】
また該側部開口部は、差込筒部の穿孔差込時に該側部開口部を通じて結合している差込筒部の内外の土壌を、その引き上げ時に容易に分断できる程度の断面積にとどめ、更に分断された内外の土壌の剪断対面部による上昇時の抵抗も差込筒部内の土壌の上昇を阻止するほどの大きさにならないようにとどめ得るものとなるものである。
【0051】
本発明の3の芝生地穿孔用のタインによれば、芝生地の穿孔作業時に差込筒部内に進入した土壌を順次引き続く穿孔動作時に該差込筒部内を上昇させ、その側部開口部の内、芝生地上の露出する部位から良好に吐出させることができる。
【0052】
本発明の4の芝生地穿孔用のタインによれば、その差込刃部が、容易に前記傾斜部の楔作用で芝の茎を押し分けて地中に進入できることとなるため、差込筒部内には、直接に芝の茎より下方の土壌が進入することとなり、穿孔作業時の差込筒部の下降の際に該土壌がその上方から網状に展開している芝の茎によって圧縮作用を受けるようなことがない。そのため差込筒部内に進入する土壌は砂状の状態を保持し、容易に後続する穿孔動作時に下方から新たに進入する土壌によって押し上げられることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例のタインの正面図。(b)は実施例のタインの側面図。
【図2】(a)は実施例のタインの拡大底面図。(b)は図2(a)のA部の拡大図。
【図3】(a)は、図1(a)のA−A線切断部拡大断面図。(b)は、図1(a)のB−B線切断部拡大断面図。(c)は、図1(a)のC−C線切断部拡大断面図。
【符号の説明】
1  差込筒部
2  把持部
3  側部開口部
3a 面取り部
4  差込刃部
5  傾斜部
L1 差込筒部の内周部の仮想直径線
L2 直交線
L3 面取り部の寸法
【出願人】 【識別番号】502165056
【氏名又は名称】ビックベンテック合資会社
【住所又は居所】茨城県水戸市三の丸3丁目3番15−101号(三の丸サンハイツ)
【出願日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【代理人】 【識別番号】100078879
【弁理士】
【氏名又は名称】木幡 行雄

【公開番号】 特開2004−129588(P2004−129588A)
【公開日】 平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願番号】 特願2002−298342(P2002−298342)