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【発明の名称】 屋上緑化装置
【発明者】 【氏名】吉田 立志
【住所又は居所】静岡県静岡市常磐町2丁目4番地の25 株式会社プログレス内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物や構築物の屋上又はそれに類似した環境の緑化のための装置であって、肉抜きにより軽量化された板状の部材に、浸食や変形の防止等のための外皮を形成した基盤材を、結合手段を用いて、組み合わせることによって軽量基盤を形成し、基盤材又は軽量基盤を設置した防水工を有する緑化領域に植物育成に必要な土壌層を形成したことを特徴とする屋上緑化装置。
【請求項2】
基盤材は、材厚が比較的薄く、肉抜きの比較的少ない部材Aと、材厚が比較的厚く、表裏貫通状の肉抜きのある部材Bとから成る請求項1記載の屋上緑化装置。
【請求項3】
基盤材は、植物に水分を供給する保水手段を肉抜き部分に有している請求項1又は2記載の屋上緑化装置。
【請求項4】
基盤材は、表裏を貫通する複数の部分を有していて、基盤材を多段に積み重ねたときに、水が流れ落ちる通路ともなる請求項1〜3のいずれかに記載の屋上緑化装置。
【請求項5】
基盤材は、肉抜き部分を小区画に区切る突部を有し、その突部には、区切られた小区画同士を通じる凹部が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の屋上緑化装置。
【請求項6】
基盤材の突部の凹部は通水管を配置するための配管受けとなっており、肉抜き部分には灌水のための手段が設けられていて、灌水手段は通水管から給水されるようになっている請求項5記載の屋上緑化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物や構築物の屋上又はそれに類似した環境の緑化のための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、ヒートアイランド現象の緩和等を目的として、都市の屋上緑化が叫ばれ、実施されるようになってきた。屋上緑化の実現には軽量な構築用ブロックが必要であり、従来の軽量ブロックには無垢の発泡スチロール製品が使用されていたため、材料費が高く経済的でない上、発泡スチロール類は強度特性が低いため、ボルト止めなどによる結合ができないという問題があった。
【0003】
このような状況において屋上緑化を推進することは、従来の軽量ブロックのみでは為し得ず、他の材料の併用であるとか、適用箇所に応じた特殊工事等を必要とし、相当に経済的負担を伴うこととなった。加えてさらに灌水や排水のための設備も必要であり、屋上緑化の推進にはこうした点をクリヤーしていかなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、強度や耐久性において問題のない、軽量な構築用ブロックを用いて、屋上緑化を実現することである。また、本発明の他の課題は、経済性の問題なく、また合理的に屋上緑化装置を提供できるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため本発明は、建築物や構築物の屋上又はそれに類似した環境の緑化のための装置について、肉抜きにより軽量化された板状の部材に、浸食や変形の防止等のための外皮を形成した基盤材を、結合手段を用いて、組み合わせることによって軽量基盤を形成し、基盤材又は軽量基盤を設置した防水工を有する緑化領域に、植物育成に必要な土壌層を形成するという手段を講じたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る屋上緑化装置は、建築物や構築物の屋上又はそれに類似した環境の緑化のためのものである。この装置は軽量な構築用ブロックを使用して基盤を構築し、構造重量の過大となるのを避けるものであるが、構築対象が緑化装置の基盤であるので、構築用ブロックとはいわず、板状の部材或いは基盤材と呼んでいる。その部材は、発泡成形によって軽量に形成されたものであることが望ましく、発泡コンクリートの類を包含する。また発泡プラスチック製や紙製、木製等のものを含む。
【0007】
上記板状の部材は、侵食防止や変形防止等のために外皮を形成、つまり板状の部材表面を外皮で覆い、それによって基盤材となる。基盤材は、結合手段を用いて組み合わせることによって軽量基盤となるが、基盤材も軽量基盤もどちらも緑化領域の基盤として使用することができる。つまり、基盤材又は軽量基盤を用いて緑化領域を設置し、その緑化領域に防水工を施すとともに、植物育成に必要な土壌層が形成される。これによって重量過大とならない、施工の容易な屋上緑化装置が実現可能となる。植物の育成に不可欠な水の給排については、特別の給排水設備を具備していても良いし、または必要に応じて水遣りを行う従来慣用されている方法によっても良い。
【0008】
基盤材は、板圧が比較的薄く、肉抜きの比較的少ない板状の部材Aと、板厚が比較的厚く、表裏貫通状の肉抜きのある板状の部材Bとを含むものとすることができる。部材Aと部材Bとは併せて使用することができかつそのために便利な構造を備えている、というものであっても良い。しかし、部材Aのみ単独で、或いは部材Bのみ単独で使用しても本発明の屋上緑化装置を構成することができる。
【0009】
基盤材は、植物に水分を供給する保水手段を肉抜き部分に有していたり、或いは表裏を貫通する複数の部分を有していて、基盤材を多段に積み重ねたときに、水が流れ落ちる通路ともなるように構成することができる。保水手段には、スポンジ、イソライト等を使用可能であるし、肉抜き部分は貫通している部分だけではない。また基盤材には表裏を貫通する小孔を形成することにより、ブロック全体が排水構造を有するように構成することができる。
【0010】
また、基盤材の肉抜き部分を小区画に区切る突部を有し、その突部には、区切られた小区画同士を通じる凹部を設けることができる。この凹部は、通水管を配置するための配管受けとなり、肉抜き部分には灌水のための、給水口やスプリンクラーのような手段を設けることができる。そうした灌水手段には通水管から水が供給される。
【0011】
【実施例】
以下図示の実施例を参照し本発明をより詳細に説明する。図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(c)は、本発明装置を構成する板状の部材Aの例示であり、部材Aは50mm前後と相対的に薄い板厚を持ち、平面的な形態の第1面11と窪み状の肉抜き構造を有する第2面12とから成る扁平なパネル状を有する。第1面11には縦横多数の溝部13が方形格子状に設けられており、その内、太い溝部13′は第1面11を十字状に仕切って正四分しているので、それらの一つは最小単位の正方形を構成している。最小単位の正方形の四隅に相当する箇所には接続部14が設けられている。例示の接続部14は表裏貫通状のもので、ボルトを挿通可能であり、2個1組として放射状に配置されている。
【0012】
第2面12には肉抜き構造として、規則的かつ全体に均等に窪み状の肉抜き部15が設けてあり、縦横に桟状に残された突部16が、平面的な形態を提供している第1面(表面)の板状部分とともに、構造強度を負担している。裏面(第2面)のそうした凹凸模様は、表面の四分された溝模様の位置と位置的に対応しており、太い溝部13′に相当する位置は第2面12を十字状に仕切って正四分する同じ突部としての太い梁17となっている。突部16及び太い梁17には、部材同士を重ね合わせ一体化する手段の一部として、軸体18を嵌め合わせる小穴19が多数設けられている。図5参照。
【0013】
図3(a)〜(d)及び図(a)、(b)は、本発明装置を構成する板状の部材Bを示している。部材Bは両面21、22共同様の肉抜き口があらわれる表裏貫通状の構造を有する相対的に厚い板厚を持つパネル状の部材である。その肉抜き構造は規則的かつ全体に均等に凹状の肉抜き部25が縦横の桟状の突部26によって仕切られた構造を有する。その平面形状はブロック素材Aと同形とし、両面共十字状に仕切って正四分し、その内の一つが最小単位の正方形を構成するようになっているので、最高度の軽量化がなされたものである。また接続部24として、部材Aと同様に貫通孔が最小単位の正方形の四隅に放射状に2個1組で設けられている。
【0014】
部材Bの両面21、22に設けられている肉抜き構造は、規則的かつ全体に均等に設けられた貫通状の肉抜き部25であり、両面21、22の肉抜き部25、25は位置的に対応して平面形状を正4分した突部としての太い梁27によって4箇所の領域に分けられており、突部26及び太い梁27には、前記軸体18を嵌め合わせる小穴29が多数設けられている。
【0015】
このような構成を有する部材A及びBは、発泡スチロールの型成形品として製造される。従って両部材A、B共に必要に応じて切断可能であり、その場合を予定して切断指示線を両面21、22の太い梁17、27の部分などに設けることができる。また、両部材A、Bの外側面には所定間隔で溝部13″が設けられている。
【0016】
部材A、Bは、夫々、肉抜き部分を突部16、26や梁部17、27で区切った構造を有するが、それらの部分によって区切られた区画同士を通じるために凹部23、23′が設けられている(図1〜図5参照)。部材Aでは凹部23は第2面12にのみ設けられるが、部材Bの凹部23′は第1、第2両面21、22に設けられる。これらの凹部23、23′は、通水管49を配置するための配管受けとしても利用される(図11)。
【0017】
部材A、Bは、外表面をセメント系ペースト材又は合成樹脂材料より成る硬質な外皮31によって被覆し、図6(a)、(b)に示した軽量な構築用ブロック即ち基盤材10、20が形成される。セメント系ペースト材又は合性樹脂材料によって外皮31を被覆するために、成形型内に部材A又はB…を配置し、部材A又はBの外表面と成形型面との間にセメント系ペースト材又は合性樹脂材料を流し込み、その硬化完了後、型を外し、最終製品を得る。図6(a)は、さらに、被膜外皮31の上に接着剤32としてのモルタルを介して張材と称する補強手段33を設けた例が示されており、部材Aの外力による陥没や外乱による変形を防止している。また、部材A、Bは重ね合わせて一体化したものとし、さらにその外表面に外皮31を被覆することができ、この例は図6(b)に示されている。外皮31による被覆の結果、浸食に対しても耐久性が高まり、水容器としての機能も備わる。
【0018】
なお、部材A、Bに外皮31を形成するには前記の流し込み成形のほかに、セメント系ペースト材又は合成樹脂材料を部材A、Bを必要な外表面に吹き付けて形成する方法を取り得る。また本発明の屋上緑化装置には、外皮31を有していない部材A、Bを使用しても良い。その場合の部材A、Bは発泡性樹脂を、低発泡度に発泡させた高密度発泡プラスチックによって形成し、必要な強度特性等が確保される。
【0019】
図7は、本発明の基盤材10、20、部材A、B等を用いた屋上緑化の第1例であり、屋上の床35及び壁36とともに、基盤を構築し、そこに熱アスファルト密着工法により防水工37を施した上、植物育成に必要な土壌層38を充填している。その最も土の深い部分には高木を植栽し、より浅い箇所には低木が、さらに浅い場所には草類が植栽される。図7(b)に、基盤の詳細が示されているが、それは部材Bを用いた基盤材20を上下に積重し、軸体18と接着によって強固に構築されており、最上部により薄い基盤材10を補強手段33と共に用いている。
【0020】
図8は、排水工部分の例示であり、その前提として床35及び壁36はシート状の防水手段37′によって被覆されているものとする。床35の隅などにドレイン39が設置され、そこへ向かって水が流れ込む傾斜を床35に設けている。ドレイン口はドレインカバー41によって囲まれており、それ以外の部分は部材Aから成る基盤材10を表層に設けたものとして示されているので、表面に落ちる水は部材A、Bから成る基盤内を流れ落ちるようにして床に達しドレイン39に導かれる。42は根の侵入を防ぐ防根シート、43は土留め部材を示す。図9は基盤材内の水の流れを示しており、多くは貫通状の肉抜き部25を通過し、また一部は溝部13″を通過する。
【0021】
図10は降水や散水が基盤材10、20を、図6(b)に示すように組み合わせて構成した保水槽44中の保水手段45に貯溜し、過分な量を越流堤46より排水するシステムを示す。保水手段45に溜められている水は、毛細管現象により土壌を上昇し、植物の育成用水として供給されるので、散水管理の必要性が低減される。そして水供給(b)と貯溜(a)とは循環される。図中、47はサイホン、48は吸い出し防止材を示す。
【0022】
図11は、本発明装置に適用される灌水システムの概要を示すものである。基盤材10の第2面12の突部16に設けた凹部23を通水管49のための配管受けとして使用し、通水管49には、樹木Tの周囲等に水浸透性材料等より成る灌水器51やスプリンクラー52の灌水手段が設けられている。水はコントローラー53により給水時間が制御されるようになっている。
【0023】
図12は本発明の屋上緑化装置の全容であり、肉抜きにより軽量化された板状の部材A及びBから成る基盤材10、20等によって植栽基盤が構築され、その上に必要な土壌層38が設置されている。このため植栽基盤の概略形状が基盤材10、20によって与えられ、所要土壌量が最少限度で済むとともに床への荷重が軽量なものとなり、建築物や構造物に対する負担を抑制することができ、その反射的効果としてより多くの樹々を植栽に適用可能となる。各部の構成はこれまで説明してきたものと同様であるので、符号及び説明を援用し詳細な説明を省略する。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成されるので、強度や耐久性に問題のない、軽量な構築用ブロックを用いて屋上緑化を推進することができるとともに、経済負担をより軽減し、合理的に屋上緑化装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る屋上緑化装置のための部材Aの1例を示す平面図。
(b)同じく側面図。
(c)同じく下面図。
(d)図1(a)のD−D断面図。
【図2】(a)図1のものの上側の斜視図。
(b)図1のものの下側の斜視図。
(c)図1のII部拡大図。
【図3】(a)本発明に係る部材Bの1例を示す平面図。
(b)同じく側面図。
(c)同じく下面図。
(d)図3(a)のD−D断面図。
【図4】(a)図3のものの上側の斜視図。
(b)図3のものの下側の斜視図。
【図5】結合手段である軸体の適用例を示す斜視図。
【図6】(a)本発明の基盤材の用例を示す断面図。
(b)同じく他の用例を示す断面図。
【図7】(a)本発明装置の実施例を示す断面図。
(b)図7(a)のVII部拡大図。
【図8】(a)本発明装置の排水工に関する1例を示す平面図。
(b)図8(a)のVIII−VIII部拡大図。
【図9】図8の例における水の流れを示す説明図。
【図10】(a)本発明装置による吸水工程の説明図。
(b)同じく水貯溜工程の説明図。
【図11】(a)本発明装置の灌水性を示す平面説明図。
(b)同じく断面図。
【図12】本発明装置の全容を示す断面説明図。
【符号の説明】
10、20 基盤材
15、25 白抜き部
16、17、26、27 突部
18 軸体
23、23′ 凹部
【出願人】 【識別番号】502144981
【氏名又は名称】ジャパンプログレス株式会社
【住所又は居所】静岡県静岡市常磐町2丁目4番地の25
【出願日】 平成14年9月30日(2002.9.30)
【代理人】 【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵

【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹

【公開番号】 特開2004−121031(P2004−121031A)
【公開日】 平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願番号】 特願2002−286598(P2002−286598)