| 【発明の名称】 |
赤玉土代用品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡 洋良
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| 【要約】 |
【課題】家庭園芸の鉢土やプランターの土として多用される赤玉土のような土質の土を安定して確保出来るようにする。
【解決手段】ローム土に接着剤(バインダー)を添加して混練・造粒した後、この混練・造粒物を乾燥させ、この乾燥物を所定サイズの粒状物に細粒化及び/又は篩い分けることにより赤玉土代用品を製造する。そして細粒化及び/又は篩い分ける際に生じる粉を混練・造粒工程に戻して再利用するようにする。また、必要に応じて、混練工程で植物の養分を添加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ローム土にバインダーを添加して混練・造粒する工程と、この混練・造粒物を乾燥させる工程と、この乾燥物を所定サイズの粒状物に細粒化及び/又は篩い分ける工程を備えたことを特徴とする赤玉土代用品の製造方法。 【請求項2】 前記乾燥物を細粒化及び/又は篩い分ける際に生じる粉を混練・造粒工程に戻して再利用することを特徴とする請求項1に記載の赤玉土代用品の製造方法。 【請求項3】 前記混練・造粒工程で植物の養分を添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の赤玉土代用品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ローム土を利用して赤玉土と同等の物性の土を製造する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、園芸用に適した土としては、通気性、排水性、保水性、保肥性などに優れるとともに、弱酸性で有機物を適度に含むことが好ましいといわれており、このような土は限られた地層に存在する有限の資源であることから、例えば、元々産業廃棄物として処理されていた脱水ケーキを植栽用の土として利用するようにした技術が知られている。そしてこのような技術では、例えば、フィルタープレス等の脱水機から排出された脱水ケーキを解砕した後、水溶性高分子を加えてバドルミキサー等の混合機で混合し、分級工程を経た生成物に土壌改良資材や肥料を混合して堆積、養生することで植生土を得るようにしている。(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 【特許文献1】 特開平11−315280号 【0004】 一方、特に、家庭園芸における鉢やプランター等の用土としては、通気性や保水性などに優れた赤玉土と、有機物を含む腐葉土等を混ぜて使用されることが多く、このような赤玉土の製造は、図3に示すように、赤玉土層から掘り出された赤玉土を乾燥させた後、クラッシャー等で破砕し、これを篩いにかけて一定の大きさに選別して袋詰した後、出荷するようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところが、上記のような赤玉土の製造方法において、一般的に乾燥時の収縮率は40%程度であり、また、クラッシャーによる破砕・篩い分け時に粉分となって離脱するロス分が40%程度発生するため、最終歩留り率が36%程度と低くなり、効率が悪いという問題があった。そして、家庭園芸等で用いられる赤玉土も、限られた地層に存在する有限の資源であり、園芸用土産業界にとってこの資源の安定確保は長期的事業の継続の面からも最重要事であった。 【0006】 そこで本発明は、家庭園芸の鉢土やプランターの土として多用される赤玉土のような物性の土を安定して確保出来るようにすることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため本発明は、ローム土にバインダーを添加して混練・造粒した後、この混練・造粒物を乾燥させ、この乾燥物を所定サイズの粒状物に細粒化及び/又は篩い分けることにより赤玉土代用品を製造するようにした。 【0008】 ここで、ローム土とは、火山灰が風で運ばれる等によって堆積した土のことで、主として、富士山や箱根の火山灰として北関東周辺に広く分布している関東ローム層では赤みがかかった土であり、従来は、粒子が細かくて粘着性が強く(殆どが5μm以下の粘土分)、通気性や排水性等の面から園芸用土としては、一部の育苗土としての利用のほか、殆ど使用されていなかったものである。 そして、このようなローム土に適切なバインダーを混ぜて混練・造粒することにより、ローム土を塊状化もしくは粒状化することができ、この際、バインダーとしては、事務用糊や合板用接着剤や紙用接着剤として使用される一般の接着剤等を使用することが出来る。 【0009】 また、混練・造粒する際は、ロールミルやねっか機等によって混練した後、造粒機等を使用して造粒するようにしても良いが、ローム土の土質は脱水ケーキ(砕石洗浄排水等の汚泥を多量に含んだ泥水をフィルタープレス等の脱水装置にかけて絞った塊)の土質に似ているため、例えば解砕・混合・ねっか・造粒を同時に行うような脱水ケーキ改良装置等を利用しても良い。 そして、この混練・造粒物を乾燥させると、適切な硬度もしくは強度のある塊状物ができあがり、必要に応じてこれをクラッシャー等で細粒化するか、または篩い分けて適当なサイズに選別すれば、水に接しても形が崩れることがなく、しかも内部に適度の空隙があって保水性や通気性に優れた赤玉土代用品が製造される。 また、赤玉土の直下に存在するローム土は、植物育成に好適な弱酸性(PH5.5〜6.5程度)で、しかも赤玉土より深層の無菌状態であるため、バインダーを適切に選定することにより、ローム土本来のPH5.5〜6.5程度の土質、及び無菌状態を維持することが出来る。 【0010】 また本発明では、前記乾燥物を細粒化及び/又は篩い分ける際に生じる粉を混練・造粒工程に戻して再利用するようにした。 このように、乾燥物をクラッシャー等で細粒化したり、または篩い分ける際に生じる不用な粉を混練・造粒工程に戻して再利用するようにすれば、資源の100%活用が図られ、無駄が出ない。 【0011】 また本発明では、前記混練・造粒工程で植物の養分を添加するようにした。 すなわち、従来の赤玉土は、地層から掘り出した土を乾燥させて細粒化するだけの工程であるため、養分等を添加することは殆ど不可能であったが、本発明では、混練過程において任意の養分等を混合することが可能となり、従来にない園芸用土が製造できてその用途が広がる。 【0012】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。 ここで、図1は本発明に係る赤玉土代用品の製造方法の工程図、図2はある地域の土層の一例図である。 【0013】 本発明に係る赤玉土代用品の製造方法は、家庭園芸の鉢土やプランターの土として多用される赤玉土と同等の物性の土を安定して確保出来るようにされ、従来では園芸用土としては不向きであったローム土から製造することを特徴としている。 【0014】 ここで、本発明の製造方法について説明する前に、園芸用土等の分布について、例えば鹿沼市茂呂地区を例にとって説明すると、図2に示すように、表層の黒土層が0.6m程度、その下層の赤玉土層が1.5m程度、その下層の鹿沼土層が1.0m程度存在する。そして、更にその下層にローム土層が2.5〜5m程度存在し、上層の黒土や赤玉土や鹿沼土は園芸用土として利用され、特に、赤玉土の付加価値は高いが、下層のローム土は園芸用土としては殆ど使用されていない。 【0015】 そこで、このローム土を園芸用土として利用することが出来れば、新たに膨大な量の園芸用土資源を確保できることになり、園芸用土産業界にとって長期的事業の継続等の面から大いにプラスになる。そこで、本発明は、このローム土から園芸用土として付加価値の高い赤玉土代用品を製造するようにしており、その際、本実施例では、混練、造粒工程で脱水ケーキ改良装置を使用するようにしている。 【0016】 すなわち、図1に示すように、ローム土を採得し、このローム土を混練・造粒する。 この際、ローム土の土質(含水比、粒度、塑性指数)は、脱水ケーキの土質に類似しているため、本実施例では、脱水ケーキの土質改良を図るための各種脱水ケーキ改良装置のうち、特開2000−140820号に示されるような「再生造粒物の製造装置」を利用してローム土を混練・造粒するようにしている。 【0017】 ここで、脱水ケーキ改良装置の共通する動作は、「解砕」「混練」「造粒」であり、通常、脱水ケーキ(含水率30〜50%)の含水比の低下、強度アップのためセメント、生石灰等の固化材を添加するのが一般的であるが、本発明では、固化材(セメント、生石灰)の代わりに、接着剤(バインダー)を添加するようにしており、具体的には、商品名デンカポバールK−17C(電気化学工業株式会社製)を使用している。 因みに、このデンカポバールK−17Cの主成分(94%以上)は、ポリ・ビニル・アルコールである。 【0018】 そして、前記脱水ケーキ改良装置のドラム内にローム土を投入して破砕するとともに(破砕工程)、その後、破砕物に接着剤(バインダー)と少量の水を加えて混練し(混練工程)、最後に小さい固まりに分断する(造粒工程)。この際、ドラム内の攪拌翼やロータの回転速度、及び回転方向を変化させながら、破砕、混練、造粒を同一の装置で連続的に行うものであるが、混練時に添加した接着剤(バインダー)は硬化後安定し、植物に対して無害であるとともに、弱酸性(PH5.5〜6.5)の土質を維持することが出来る。 尚、本実施例では、ローム土1立方メートルあたり、0.8kg程度の接着剤(バインダー)を添加するようにしており、塊状化の状況等により増量するようにしている。 【0019】 造粒物が製造されるとこれを乾燥する。この乾燥は、例えばビニールハウスの内部で天日乾燥することにより、燃料油や電気等を使用して強制乾燥することに比べて低コスト化を図るようにしている。 因みに、この乾燥時の収縮率は5%程度である。 【0020】 乾燥が終えると、サイズの大きい塊はクラッシャーにより細粒化し、細かいサイズの粒状物は篩い分ける等によって一定のサイズのものを選別する。 因みに、店頭で販売もしくは業者間で取引される赤玉土製品の一般的なサイズは、大が11.00〜18.00mm、中が5.15〜11.00mm、小が1.97〜5.15mm、細が1.07〜1.97mm程度、1.07mm程度以下が粉であり、これと同様にサイズ分けすることができる。 【0021】 ここで、クラッシャーによって細粒化する際に発生する粉、または造粒時に排出される粉については、例えば本実施例の場合、約20%程度発生するが、これを混練・造粒工程に戻して再利用するようにしている。 そしてこのように、粉を再利用するようにすれば、資源の有効活用が図られ、歩留り率を95%と高い状態に出来る。 【0022】 以上のような方法により製造された赤玉土代用品は、硬度ないし強度において、ドライな状態はもとより湿潤状態においても本来の赤玉土より同等以上であり、排水性、通気性は長期間わたって良好で、しかも、保水性についても赤玉土より同等以上である。 【0023】 次に、以上のような赤玉土代用品と本来の赤玉土の物性等の違いについて簡易的に比較した試験結果を示す。 まず、混練・造粒した赤玉土代用品と赤玉土を乾燥させた際の違いは、乾燥速度は赤玉土代用品の方がややはやく、また、乾燥による収縮率は赤玉土が40%であるのに対して、赤玉土代用品は5%であった。 【0024】 次に、吸水性を比較するため、ドライな状態の赤玉土200ml、重量140gを5分間水に浸したところ、水除去後の重量は170gであり、水の吸水量は30gであった。 これに対して、ドライな状態の赤玉土代用品200ml、重量150gを5分間水に浸したところ、水除去後の重量は180gであり、水の吸水量は同じく30gであった。この結果、吸水量については、ほぼ同等の性能を有することが確認された。 【0025】 また、吸水後の土粒からの水分の沁み出しは、赤玉土、赤玉土代用品の両者に見られず、保水性は同等であった。 【0026】 次に、繰り返して5回給水した時の排水に要する時間を測定した。ここで排水の完了は、目視によって流水が停止した時点とし、沁み出し程度の流水は含まないようにしたが、一回目は、赤玉土が15秒であるのに対して赤玉土代用品が12秒、二回目は、赤玉土が18秒であるのに対して赤玉土代用品が15秒、三回目は、赤玉土が23秒であるのに対して赤玉土代用品が20秒、四回目は、赤玉土が25秒であるのに対して赤玉土代用品が22秒、五回目は、赤玉土が30秒であるのに対して赤玉土代用品が26秒と、各回とも両者はほぼ同等の時間であり、排水性にも問題のないことが確認された。 以上のことから、本赤玉土代用品は、赤玉土の代替品として充分な物性等を有することが確認された。 【0027】 ところで、以上の実施例では、ローム土から単なる赤玉土代用品を製造する場合を例にとったが、混練工程において、植物の栄養分を添加することも可能である。 例えば、植物の種類等に合わせて、チッソや、リン酸や、カリや、マグネシウム等の適切な養分を添加して混練・造粒することにより、従来にない園芸用土が製造される。 【0028】 尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。 例えば、本実施例で用いた脱水ケーキ改良装置は一例であり、その他の装置を使用するようにしても良い。また、バインダー(接着剤)の具体的種類等も例示である。 【0029】 【発明の効果】 以上のように本発明に係る赤玉土代用品の製造方法は、ローム土にバインダーを添加して混練・造粒した後、この混練・造粒物を乾燥させ、この乾燥物を所定サイズの粒状物に細粒化及び/又は篩い分けることにより赤玉土代用品を製造するようにしたため、従来では園芸用土として無視されていた膨大な量の資源を活用出来るようになり、園芸用土業界の長期事業の安定化が図れるようになった。 この際、乾燥物を細粒化及び/又は篩い分ける際に生じる粉を混練・造粒工程に戻して再利用するようにすれば、資源の100%活用が図られ、無駄が出ず、また、混練・造粒工程で植物の養分を添加するようにすれば、従来にない園芸用土を製造することができてその用途が広がる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る赤玉土の製造方法の工程図 【図2】ある地域の土層の一例図 【図3】従来の赤玉土の製造方法の工程図
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| 【出願人】 |
【識別番号】502352140 【氏名又は名称】小山産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年9月27日(2002.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103126 【弁理士】 【氏名又は名称】片岡 修
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| 【公開番号】 |
特開2004−113144(P2004−113144A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月15日(2004.4.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−282126(P2002−282126) |
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