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【発明の名称】 樹木移植法
【発明者】 【氏名】三苫 達久
【住所又は居所】福岡市東区大岳1丁目10番14号 海浜公園振興株式会社内

【氏名】大谷 末夫
【住所又は居所】福岡市東区松田3丁目1番20号 ティーエヌビー株式会社内

【要約】 【課題】樹木1の移植に際し、活着率の高い移植法を提供することを目的とする。

【解決手段】樹木1の周りの根2及び土壌3を、該樹木1の移植地面4に掘削した根鉢植込み穴5と該樹木1の根鉢1’との間に介在させる方法であって、上記植込み穴5の底面5’に上記根2及び土壌3を埋戻6し、その上に上記根鉢1’の下面1”を載置した後、該根鉢1’の外側面と上記植込み穴5の内側面との間に上記根2及び土壌3を埋戻し7する方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木の周りの根及び土壌を、該樹木の移植地面に掘削した根鉢植込み穴と該樹木の根鉢との間に介在させることを特徴とする樹木移植法。
【請求項2】
上記植込み穴の底面に上記根及び土壌を埋戻し、その上に上記根鉢の下面を載置した後、該根鉢の外側面と上記植込み穴の内側面との間に上記根及び土壌を埋戻しする請求項1記載の樹木移植法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹木の移植技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹木の移植は、大木になる程運搬等の都合上、根鉢は大きくとれず、その為多くの根が切断され移植後、養水分の吸収が落ち樹木へのダメージは大きい。枯死の率が高くなる。
【0003】
そこで樹木の移植に際し、根鉢の外面を根巻材で被覆することによって活着率を向上させた(例えば特許文献1,2,3)。
【0004】
即ち上記根巻材は肥料、吸水性高分子化合物からなる保水剤及び易溶性カルシウム剤等の植物活性剤とを含有させた材料であり(特許文献1)、
又は土材、繊維材、硬化剤及び水を調合した調合液を吹き付け又は注入して移植用根鉢を形成した(特許文献2)。
【0005】
さらに発根に適した土即ち「改良土」を「根回し」時における「根鉢」の「埋戻土」として用い、これにより「細根」の発生と生長に適する用土を「根鉢」の「埋戻土」として用い、細根の発生量と生長量を増加させた(例えば特許文献3)。
【0006】
最新の方法として胞子の土壌混在や、ペレット化して接種源の保存と接種源の活性維持を図る商品が開発されている。しかしながら、微生物は土着菌との競合関係が強く、商品と移植樹木の土着菌とも競合関係が発生し、その商品の効果はバラつき、あるいは疑問があるといわれている。
【0007】
従来の樹木の移植は根鉢をつけて移植されるが、樹木の周りの土壌微生物主として菌根菌類の感染源である、根や土壌をその樹木とともに移動し埋め戻しに利用する方法はとられていない。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−86号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平11−243794号公報(請求項1〜7)
【特許文献3】
特開2002−65063号公報(第4頁第5欄第5行目〜第11行目)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は土壌微生物主として菌根菌類の接種源としての感染根、感染土壌をなるべく多く集め良好な状態に保管し樹木の移植とともに移動させ、その樹木固有の土着菌をより多く、その樹木の埋め戻しに使用し根を切断され養水分の供給が減少した樹木に土壌微生物主として菌根菌を多く感染させ、また埋め戻しの客土にもその樹木の土着菌が早く広がる環境づくりを行うことにより菌根菌類からの樹木への養水分の供給をふやし、樹木の活着を向上させることを目的とした工法である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に樹木の周りの根及び土壌を、該樹木の移植地面に掘削した根鉢植込み穴と該樹木の根鉢との間に介在させることを特徴とする樹木移植法、
第2に上記植込み穴の底面に上記根及び土壌を埋戻し、その上に上記根鉢の下面を載置した後、該根鉢の外側面と上記植込み穴の内側面との間に上記根及び土壌を埋戻しする上記第1発明記載の樹木移植法、
によって構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
樹木1を移植する場合には幹1aの根元の地面7を幹1aを中心に切削円に沿ってショベルや鍬あるいはバックホウ等で掘削し根鉢1’を形成し、その際ノコギリ、チェンソー等で太根8等の根を切断し、地面7から分離する(図1)。
【0012】
根鉢1’の外側地盤内には細根2が残留し、該細根2及び土壌3は土壌微生物主として菌根菌類に感染しているため、これを感染根2及び感染土壌3という。
【0013】
上記感染根2及び感染土壌3を掘起して、移植地面4(図2)に搬送し、上記根鉢1’の径及び高さよりも大きい根鉢植込み穴5を地面4に掘削する。
【0014】
上記植込み穴5の底面5’に上記感染根2及び感染土壌3を一定高さに埋戻6し、その上に植込み穴5の附近に移送した上記樹木1の根鉢1’の下面1”を載置し、該樹木1を起立させる。
【0015】
その後、植込み穴5の内側面と根鉢1’の外側面との間隙又は空間に上記感染根2及び感染土壌3を埋戻6’して図2に示すように移植作業を終る。
【0016】
菌根菌類(内生菌根、VA菌根、外生菌根等)と樹木との共生関係は深い。樹木から菌根菌類への炭水化物の供給は樹木の光合成による生産量の5〜30%にあたるといわれている。この量は菌根菌類との共生関係の深さを示している。樹木は菌根菌類によって養、水分の吸収が増大し成長が促進されるがそれは外生菌子が根の機能をはたし根の養水分吸収面積を飛躍的に拡大し、養水分の可給の度合いを増大させている。例えていえば、土壌微生物と樹木の根の関係は、人や動物の腸内環境の養分摂取等における微生物との共生関係にあたる。
【0017】
菌根菌類は接種源の純粋人工培養が出来ない為、感染根、感染土壌を使って増殖する以外にない。かつてオーストラリア等への松の導入が行われたが種子による導入は失敗した。しかし、苗による導入は成功した。苗による菌根菌を持ちこんだ結果によると理解されている。
【0018】
また、古来より植林の苗木は圃場で育てられ土のついたまま山に植えられてきた。これは土壌微生物主として菌根菌の働きを理解していなかったが経験上の方法であった。
【0019】
ところで上記感染根2及び感染土壌3は土壌微生物主として菌根菌類に感染していて図2に示す植込み穴5内における移植樹木1の土着菌であるため移植根鉢1’と競合はなく土壌微生物の着生成長も早く移植根鉢1’は土壌微生物との共生関係において失った根の機能を一部土壌微生物が補充し順調に生育し、移植地面4に活着する。
【0020】
上記感染根2及び感染土壌3は根鉢1’の植込み穴5と根鉢1’との間に介在させるが、必ずしも根鉢1’の外面と植込み穴5の内面との全面に介在(埋戻し)する必要はなく、介在(埋戻し)厚さも適宜選定すれば足りる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は上述の樹木移植法によったので樹木の移植による活着を安定し得るばかりでなく、大樹程根鉢は幹と比較して小であるにも拘わらず活着率は安定するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】移植前の樹木、根及び土壌を示す図である。
【図2】本発明方法による移植後の樹木、根鉢、感染根及び感染土壌を示す図である。
【符号の説明】
1   樹木
1’  根鉢
1”  下面
2   根
3   土壌
4   移植地面
5   根鉢植込み穴
5’  底面
6,6’ 埋戻し
【出願人】 【識別番号】591223459
【氏名又は名称】海浜公園振興株式会社
【住所又は居所】福岡市東区大岳1丁目10番14号
【識別番号】598032483
【氏名又は名称】ティーエヌビー株式会社
【住所又は居所】福岡県福岡市東区松田3丁目1番20号
【出願日】 平成14年9月20日(2002.9.20)
【代理人】 【識別番号】100068973
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 信行

【識別番号】100108408
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 信孝

【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男

【公開番号】 特開2004−105128(P2004−105128A)
【公開日】 平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願番号】 特願2002−274662(P2002−274662)