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【発明の名称】 防草シート
【発明者】 【氏名】木津 祐晴
【住所又は居所】福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレン株式会社内

【氏名】久島 平克
【住所又は居所】福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレン株式会社内

【氏名】松村 重信
【住所又は居所】福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレン株式会社内

【要約】 【課題】農業分野や土木分野にて雑草等の繁殖を抑えるために用いられる防草シートであって、充分な透水性と遮光性を備え、更に耐候性にも優れた防草シートを提供する。

【解決手段】織物または編物による多重構造からなる、遮光性が90%以上、透水性が1.0×10−3cm/sec以上、かつ耐候性が50%以上であることを特徴とする防草シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物または編物による多重構造からなる、遮光性が90%以上、透水性が1.0×10cm/sec以上、かつ耐候性が50%以上である防草シート。
【請求項2】
織物による多重構造が、2重織組織であることを特徴とする請求項1記載の防草シート。
【請求項3】
編物による多重構造が、2枚以上の筬をもつ経編機によって編成される経編地であることを特徴とする請求項1記載の防草シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業分野や土木分野にて雑草等の繁殖を抑えるために用いられる防草シートに関し、更に詳しくは、透水性、遮光性を有し、更に耐候性にも優れた防草シートに関するものである。
【0002】
【従来技術】防草シートは果樹園や野菜園等の栽培地面に直接敷設して雑草の繁茂防止用として使用されたり、建物や街路樹の周囲の美観を維持するために雑草の生育防止に用いられたり、或いは道路の造成や河川の護岸工事において堤防法面の表面処理やアスファルトやコンクリート等を打設する際の下敷きとして用いられている。
【0003】
従来、防草手段としては、ビニールシートやゴム引きの織物シート等を敷設するといった手段がとられていたが、シートに透水性が無く降雨等による水がシート表面に溜まるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために透水性を有する防草シートとして、例えば、特開平9−248070号公報には、長繊維不織布の片面に透水性樹脂層が積層された防草シートが開示されている。しかしながら、このような防草シートは、製造工程が煩雑で生産性に劣ったものとなってしまい、また、不織布がベースとなっているためシートの遮光性や耐候性にも不安がありさらなる改良が要望されている。
【0005】
防草シートとして望まれる主要件としては、土壌が乾燥せず、また降雨等の排水が出来る透水性、シートを敷設した場所から雑草が繁殖しない遮光性、そして、屋外での長期使用における紫外線による劣化を考慮した耐候性、等が挙げられるが、従来より提案されている防草シートではこれらの要件を全て満たすものはないというのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を解決するために、充分な透水性と遮光性を備え、更に耐候性にも優れた防草シートを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した目的を達成するものであって、織物または編物による多重構造からなる、遮光性が90%以上、透水性が1.0×10−3cm/sec以上、かつ耐候性が50%以上である防草シートを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、シート基材に織物または編物による多重構造を採用することに特徴を有する。
不織布や平織、綾織、朱子織、等の織物やシングルジャージ等の緯編の編物、等の一重構造では、組織を密にすれば遮光性はよくなるが、透水性が悪くなりシートの目付も重くなってしまう。逆に組織を粗にすると透水性はよくなるが、今度は遮光性が悪くなるといったように透水性と遮光性の両立は困難である。
【0009】
また、このような一重構造で遮光性を上げるためには、シートを紺、黒、等の濃色にする必要があるが、このため防草シートの色が制限されてしまったり、シート表面の温度が異常に上昇してしまうといった弊害が生じる。
【0010】
本発明においては、シートを織物または編物による多重構造により構成することにより良好な遮光性及び透水性を両立させることができる。また、良好な遮光性がシートの多重構造により達成されるため防草シートの色に制限が無く、白色、淡色といったシート配色が可能になることによりシート表面の温度上昇を抑制することができる。
【0011】
本発明において好ましい織物による多重構造としては、2重織組織(経2重、緯2重または経緯ともに2重の組織)が挙げられる。これら2重織の表裏の組織については、平織、あや織、朱子織、等いずれの組織も採用可能であるが、組織が密に形成でき遮光性を高められる点から表裏両面を朱子織にしたものが好ましく採用される。
【0012】
また本発明において好ましい編物による多重構造としては、2枚以上の筬をもつ経編機によって編成される経編地が挙げられる。さらに好ましくは、3枚以上の筬をもつ経編機によって編成される経編地である。筬の枚数が増加するに従ってより多重の構造をもつ編地の編み立てが可能になり、さらに遮光性の高い防草シートを得ることが出来る。これら2枚以上の筬をもつ経編機によって編成される経編地の各筬の組織については、特に限定されないが、少なくとも1つの筬の組織に3針以上横振りしたサテン状組織を採用することによりさらに遮光性の高い防草シートを得ることが出来る。
【0013】
使用される繊維種としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、等の合成繊維が強度や耐候性が良好である点より好ましく例示でき、単糸繊度が0.5デシテックス〜4デシテックスであるマルチフィラメントタイプで、77デシテックス〜330デシテックスのものが製織性がよいことから好ましい。
【0014】
さらに本発明の防草シートの目付重量としては、140g/m〜200g/mが好ましく、140g/m未満では防草シートの強度が得られず、200g/mより重いと施工が困難になり、製造コストも高価になってしまう。
【0015】
本発明では更にシート基布に耐候剤を含有させ、防草シートの耐候性を向上させることが好ましい。含有させる耐候剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤が例示できる。また本発明においては耐候剤以外にも難燃剤、除草剤、防カビ剤、防虫剤、等をシート基布に含有させてもよい。
【0016】
本発明の防草シートは、遮光性が90%以上であることが好ましく、更に好ましくは98%以上である。遮光性が90%未満であると雑草の生長を防止するための遮光性が不充分で、防草シートの敷設された地面の雑草が生長する可能性がある。
【0017】
さらに透水性は1.0×10−3cm/sec以上であるものが好ましく、透水性が1.0×10−3cm/sec未満であると、降雨での水の浸み込みがほとんどなく、敷設したシートの下の地面が乾燥状態となって土壌が崩れやすくなってしまうおそれがある。
【0018】
また耐候性は50%以上であることが好ましく、耐候性が50%未満であると屋外での長期使用に際して、シートの強度が大幅に低下しシートが破れてしまうおそれがある。尚、本発明における耐候性とは、JIS A 1415(プラスチック建築材料の促進曝露試験方法)に準じて測定した引裂強度保持率のことである。
【0019】
【実施例】以下の実施例によって本発明の防草シートを具体的に説明する。
〔評価方法〕
1.遮光性(%)
JIS L 1055 A法(カーテンの遮光性試験方法)に準じて測定した。
2.透水性(cm/sec)
JIS A 1218(土の透水試験法)に準じて測定した。
3.耐候性(%)
JIS A 1415(プラスチック建築材料の促進曝露試験方法)に準じ、光源の種類はサンシャインカーボンアーク燈を用い、温度63±3℃、スプレーサイクル120分中18分、照射時間は波長300〜400nmの積算紫外線エネルギー量が220MJ/m(実曝10ヶ月想定)となるように設定した。
この条件にて照射前後での引裂強度保持率を耐候性とした。
4.引裂強度(N)
JIS L 1096 8.15.1 A−1(シングルタング)法に準じて測定した。
5.難燃性(mm)
日本防炎協会・防炎製品認定委員会制定の防炎製品の性能試験基準に準じて測定した。
第一 寝具類 (3)完成品 ▲4▼水平たばこ法による。
6.防草効果
雑草の多く生えている荒地を適当に選定して、地表の雑草を除去し平らにした後、作製した防草シートを釘止めして地面に敷設した。そして、2年後の防草シートの状態について評価を行った。
○:シートの破損は認められず、シートを敷設した場所に雑草の発生は認められなかった。
×:シートの破損があり、破損した個所から雑草の生育が認められた。
【0020】
〔実施例1〕経糸にポリエステル セミダル加工糸(白) 84dtex/36f(帝人(株)製)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸 167dtex/48f(帝人(株)製)を用いて両面7枚朱子の経2重織(密度:経250本/インチ、緯94本/インチ)を織成した。
得られた防草シートについて、上記測定方法に従って各特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0021】
〔実施例2〕経糸にポリエステル セミダル加工糸(グリーン) 84dtex/36f(帝人(株)製)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸 167dtex/48f(帝人(株)製)を用いて両面7枚朱子の経2重織(密度:経250本/インチ、緯94本/インチ)を織成した。
得られたシート基布に、紫外線吸収剤「サンライフLP−1100」(日華化学(株)製)2%owf、難燃剤「フランEM1500TRZ」(大和化学工業(株)製)5%owfにて吸尽処理(130℃)を行いセッターにて乾燥セットした。
得られた防草シートについて、上記測定方法に従って各特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0022】
〔実施例3〕フロント筬およびバック筬にポリエステル セミダル加工糸(白)84dtex/36f(帝人(株)製)、ミドル筬にポリエステル 黒原着加工糸 84dtex/24f(帝人(株)製)を用いて編み組織がフロント部を3針横振りしたサテン組織、バック部をハーフ組織、ミドル部をデンビ組織とし、ゲージが28GのKSタイプ編機で3枚の筬を用いて編成した経編地(密度:80CPI、28WPI)を得た。後の工程については実施例2と同様に行い、本発明の防草シートを得た。
得られた防草シートについて、上記測定方法に従って各特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0023】
〔比較例1〕経糸にポリエステル セミダル加工糸(白) 167dtex/48f(帝人(株)製)、緯糸にポリエステル 黒原着加工糸 167dtex/48f(帝人(株)製)を用いて織成した平織物(密度:経90本/インチ、緯80本/インチ)を得た。後の工程については実施例2と同様に行い、防草シートとした。
得られた防草シートについて、上記測定方法に従って各特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0024】
〔比較例2〕基材として、ポリエステル黒原着スパンボンド不織布((株)東レ製)を用いて、後の工程については実施例2と同様に行い、防草シートとした。
得られた防草シートについて、上記測定方法に従って各特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】


【0026】
【発明の効果】以上のように本発明は、適度な遮光性と透水性を両立させ、かつ耐候性にも優れたシート体であるから、長期の使用にも優れた防草効果がある防草シートを得ることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
【住所又は居所】福井県福井市毛矢1丁目10番1号
【出願日】 平成14年8月22日(2002.8.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−73146(P2004−73146A)
【公開日】 平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願番号】 特願2002−241899(P2002−241899)