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【発明の名称】 マルチングシート
【発明者】 【氏名】神藤 岩雄

【氏名】笠松 茂三

【要約】 【課題】光を遮断して光合成を阻止し、通気・透水が良好で農作物の根腐れや病気を防止するとともに灌水の便をはかり、一定期間放置する間に分解して土に帰るマルチングシートを提供することを課題とする。

【解決手段】植物繊維の織布12または不織布の表面に、植物粘質物または海藻粘質物に黒色顔料と発泡剤と整泡剤を添加し、高速攪拌して発泡させた発泡樹脂組成物13を塗布乾燥してなるものであり、上記発泡樹脂組成物には増量材を充填することができ、さらに易崩壊性ポリウレタンを適量配合できる。上記植物性粘質物として、澱粉類、タマリンド、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガムなどがあり、海藻粘質物として、ふのり、寒天、アルギン、カラゲニンなどがある。また、充填材としては、酸性白土、白陶土、ベントナイト、タルク、珪藻土などが挙げられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物繊維の織布または不織布の表面に、植物粘質物または海藻粘質物に黒色顔料と発泡剤と整泡剤を添加し、高速攪拌して発泡させた発泡樹脂組成物を塗布乾燥してなるマルチングシート。
【請求項2】
上記植物性粘質物として、澱粉類、タマリンド、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガムの中から少なくとも一種を採用した請求項1に記載のマルチングシート。
【請求項3】
上記海藻粘質物として、ふのり、寒天、アルギン、カラゲニンの中から少なくとも一種を採用した請求項1に記載のマルチングシート。
【請求項4】
上記発泡樹脂組成物に、酸性白土、白陶土、ベントナイト、炭酸カルシウム、珪藻土など鉱物質の粉体の中から少なくとも一種を充填した請求項1乃至3のいずれかに記載のマルチングシート。
【請求項5】
アルギン酸ソーダ6%水溶液30〜40重量部、生分解性ウレタン樹脂70〜60重量部および上記鉱物質の粉体を2〜5重量部配合してなる請求項1乃至4のいずれかに記載のマルチングシート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地表を覆い光合成を阻止して雑草の繁殖を防止し、かつ、一定期間経過後に分解して土に帰るマルチングシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
農場あるいは道路の法面や分離帯などに雑草が繁殖するのを防止するために、地表を黒色のプスチックフィルムで覆う、いわゆるマルチングが広く採用されてきた。
【0003】
上記、黒色のプラスチックフィルムは光を遮断して光合成を阻止して雑草の繁殖を抑える効果があるが、化学的に安定なものであるから自然に分解することがなく通気性がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如くこれまで使用されてきた黒色のプラスチックフィルムは自然に分解しないものであるから土壌に放置することができず、用済み後は回収し廃棄物として処分しなければならない。
【0005】
また、農作物のマルチングとして採用する場合、通気性と透水性がないので根腐れや病気の原因になり、雨水が浸透せず灌水に支障がある。
【0006】
上記問題に鑑みこの発明は、光を遮断して光合成を阻止し、通気・透水が良好で農作物の根腐れや病気を防止するとともに灌水の便をはかり、一定期間放置する間に分解して土に帰るマルチングシートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明は、植物繊維の織布または不織布の表面に、植物粘質物または海藻粘質物に黒色顔料と発泡剤と整泡剤を添加し、高速攪拌して発泡させた発泡樹脂組成物を塗布乾燥してなるものであり、上記発泡樹脂組成物には結合を弱めるための鉱物質の粉体を添加することができ、さらに易崩壊性ポリウレタンを適量配合できる。
【0008】
上記植物性粘質物としては、澱粉類、タマリンド、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガムなどを挙げることができ、海藻粘質物としては、ふのり、寒天、アルギン、カラゲニンなどを挙げることができる。
【0009】
上記結合を弱めるための鉱物質の粉体としては、酸性白土、白陶土、ベントナイト、タルク、珪藻土などが挙げられる。
【0010】
上記の如く構成するこの発明のマルチングシートで表土を覆うと光合成が行われず雑草の繁殖を防止することができ、通気性が良好で農作物の根腐れが起きず、雨水が透過して灌水の便をはかることができる。
【0011】
また、素材が易分解性のものであるから一定年月が経過すると土に戻るので、回収廃棄処分をする必要はない。
【0012】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施形態について説明する。表1に示す配合で樹脂等を調整し、高速攪拌機で攪拌して、2〜3倍に機械発泡させてコーティング用の発泡樹脂組成物を得る。
【0013】
【表1】


【0014】
《注記》
▲1▼ アルギン酸ソーダ6%水溶液
▲2▼ 易崩壊性ポリウレタン
▲3▼ 炭酸カルシウム
▲4▼ ▲1▼から▲3▼の混合物
▲5▼ 日本エヌエスシー株式会社製、商品名「カネビノールYC−100」
▲6▼ 日本エヌエスシー株式会社製、商品名「カネビノールYC−81」
▲7▼ ピグメントブラック
なお、▲2▼の易崩壊性ポリウレタンは、筏義人編、(株)高分子刊行会(’94,4,15)発行、「生分解性高分子」第3章、31頁の表1のRun No, 1〜6に挙げられるポリウレタンにイソシアネートとしてトリデンジイソアネネート(TDI)またはm−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ポリオールとしてポリエステルポリオールを加え、さらに非イオン系界面活性剤を添加して自己乳化型エマルジョンとしたものである。
【0015】
表1の1〜3の配合例に係る発泡樹脂組成物を図2のコーティング機10によりコーティングして本発明のマルチングシート20を製作した。
【0016】
図2において11はサプライ、12は綿毛布、13は発泡樹脂組成物、14はコーター、15はドクター、16は加熱ゾーン、17は冷却ゾーン、18はテイクアップである。
【0017】
また、図1は本発明のマルチングシート20で、経糸21に撚りの緩い緯糸22を打ち込んで綿毛布12とし、この表面に上記発泡樹脂組成物13を塗布、加熱、乾燥してなるものである。
【0018】
上記のようにして得られたマルチングシートは、遮光性、通気性、透水性が良好で、フィールドテストの結果、1,2年で分解し土に同化することを確認した。なお、遮光性試験はJIS L 1055−1987 に準拠して行い、通気性試験と透水性試験は、道路の中央分離帯の植え込みの根元に敷き、植え込みの生育状況を観察しながら判断した。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したとおりこの発明のマルチングシートは、遮光性が高く雑草の繁殖を防止することができ、通気性と透水性が良好で根腐れと農作物の病気を防止することができ、灌水作業に支障をきたさず、一定期間に分解が進み土に同化することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチングシートの断面図
【図2】マルチングシートの製造装置の概略図
【符号の説明】
10 コーティング機
11 綿毛布のサプライ
12 綿毛布
13 発泡樹脂組成物
14 コーター
15 ドクター
16 加熱ゾーン
17 冷却ゾーン
18 テイクアップ
20 マルチングシート
21 経糸
22 緯糸
【出願人】 【識別番号】591152713
【氏名又は名称】神藤プリント株式会社
【識別番号】502263927
【氏名又は名称】笠松 茂三
【出願日】 平成14年7月22日(2002.7.22)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【公開番号】 特開2004−49132(P2004−49132A)
【公開日】 平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願番号】 特願2002−212171(P2002−212171)