| 【発明の名称】 |
植生コンクリ―ト基盤及び植生コンクリ―トブロック |
| 【発明者】 |
【氏名】助田 繁信
【氏名】鈴木 福雄
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| 【要約】 |
【課題】小規模から大規模緑化が効率よく施工でき、植栽植物を確実に定着させる法面等の緑化用植生コンクリート基盤、それに用いるコンクリ―トブロックとその製造方法
【解決手段】植栽層が培土資材とコンクリートの混合固化物よりなり、コンクリート基体と一体に形成された植栽層を有する植生コンクリ―ト基盤。また、コンクリート基体2と一体に形成され、培土資材とコンクリートの混合固化物よりなり、培土資材が炭素質物質、遠赤外線放射物質及びキチン・キトサン類の少なくとも1種を含有する植栽層3を有する植生コンクリ―トブロック。コンクリートブロック型枠に、培土資材と生コンクリートの混合物を打設したのち生コンクリートを打設するか、あるいは生コンクリートを打設したのち生コンクリートと培土資材の混合物を打設し、固化、養生する植生コンクリートブロックの製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート基体と一体に形成された植栽層を有する植生コンクリ―ト基盤であって、植栽層が培土資材とコンクリートの混合固化物であることを特徴とする植生コンクリート基盤。 【請求項2】 培土資材が炭素質物質、遠赤外線放射物質及びキチン・キトサン類の少なくとも1種を含有する請求項1記載の植生コンクリ―ト基盤。 【請求項3】 コンクリート基体と一体に形成された植栽層を有する植生コンクリ―トブロックであって、植栽層が培土資材とコンクリートの混合固化物よりなり、培土資材が炭素質物質、遠赤外線放射物質及びキチン・キトサン類の少なくとも1種を含有することを特徴とする植生コンクリートブロック。 【請求項4】 コンクリートブロック型枠に、培土資材と生コンクリートの混合物を打設したのち生コンクリートを打設するか、あるいは生コンクリートを打設したのち生コンクリートと培土資材の混合物を打設し、固化、養生して請求項3記載の植生コンクリートブロックとすることを特徴とする植生コンクリートブロックの製造方法。 【請求項5】 コンクリートブロック型枠に生コンクリートを打設し、次いでこれに培土資材を攪拌混合した後、固化、養生して請求項3記載の植生コンクリートブロックとすることを特徴とする植生コンクリートブロックの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、法面、擁壁面、河岸などを緑化するための植生コンクリート基盤、及びそれに用いる植生コンクリ―トブロックに関し、更に詳しくは、コンクリート基体と植栽層が一体的に形成された植生コンクリート基盤に関する。 【0002】 【従来の技術】 道路法面、擁壁面、河川敷、調整池斜面などは、雨水や増水、凍上などによって土壌が流出しないように土壌の安定化と表面保護を行う必要ある。従来からこれらの表面を現場打ちコンクリート、コンクリートブロックで覆う擁壁工や、地肌に格子状のコンクリート製枠を敷設する法枠工が施工されてきた。このような擁壁工や法枠工は、傾斜面の滑落は防げても著しく美観を損なうものであった。 【0003】 近年、自然環境や生態系との共生が求められ、多種多様な生物が生存可能な多自然型の環境形成が全国的に推進されている。このため、自然環境保全と景観上の観点から、さまざまな緑化工が提案されている。緑化資材吹付け工は、種子や肥料などを混入した育成培土を法面などに吹付け、生育する植物の根で培土と地盤を緊締する工法であるが、法面傾斜が60°以上になると、大雨で造成基盤が流出するおそれがあった。 【0004】 また、粒状の粗骨材にセメントペーストをまぶして骨材間を連結固化させ、内部に空隙を有するポーラスコンクリートを法面に布設し、その表面に客土を施すとともに客土を空隙内に充填し、これに植栽するするもの工法も提案されている(特開昭53−114202号公報)。しかしながら、このポーラスコンクリートは、保水性が低いので、空隙内に高吸水性樹脂を充填したり(特開昭63−532号公報)、高吸水性樹脂とバインダーを混合成形した粒状骨材を粗骨材に混合してセメントペーストで連結固化したり(特開平4−89920号公報)するなど手間のかかる工法であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 したがって、本発明の目的は、施工が容易で、小規模から大規模緑化が効率よく施工でき、しかも植栽植物を確実に定着することできる法面、擁壁面、河岸などを緑化するための植生コンクリート基盤、それに用いる植生コンクリ―トブロック及びその製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明は、コンクリート基体と一体に形成された植栽層を有する植生コンクリ―ト基盤であって、植栽層が培土資材とコンクリートの混合固化物であることを特徴とする植生コンクリート基盤である。 上記植生コンクリート基盤は、培土資材が炭素質物質、遠赤外線放射物質及びキチン・キトサン類の少なくとも1種を含有するものがよい。 【0007】 また、本発明は、コンクリート基体と一体に形成された植栽層を有する植生コンクリ―トブロックであって、植栽層が培土資材とコンクリートの混合固化物よりなり、培土資材が炭素質物質、遠赤外線放射物質及びキチン・キトサン類の少なくとも1種を含有することを特徴とする植生コンクリートブロックである。 【0008】 更に、本発明は、コンクリートブロック型枠に、培土資材と生コンクリートの混合物を打設したのち生コンクリートを打設するか、あるいは生コンクリートを打設したのち生コンクリートと培土資材の混合物を打設し、固化、養生して前記植生コンクリートブロックとすることを特徴とする植生コンクリートブロックの製造方法である。 【0009】 更にまた、本発明は、コンクリートブロック型枠に生コンクリートを打設し、次いでこれに培土資材を攪拌混合した後、固化、養生して前記植生コンクリートブロックとすることを特徴とする植生コンクリートブロックの製造方法である。 【0010】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の植生コンクリート基盤を形成するために用いる植生コンクリ―トブロックについて、図面を参照しながら説明する。 図1は、本発明の植生コンクリ―トブロックの一例を示す断面図であり、図2は、その植生状況を示す図面である。 植生コンクリ―トブロック1は、コンクリート基体2と、それと一体に形成された植栽層3を有し、緑化のために植栽された植物4の根茎5は、植栽層3の中に生育伸長している。コンクリート基体2は、通常のコンクリートとしてもよいし、ポーラスコンクリートとしてもよい。植栽層3は、培土資材とコンクリートの混合固化物で形成され、植物生育に適した土壌環境とされている。 【0011】 この植栽層3は、コンクリート基体2となる生コンクリート又は生ポーラスコンクリートの上に、培土資材と生コンクリートの混合物を打ち継いで形成されたものであるが、生コンクリートが固化すると両者は結合して一体化されている。植栽層3の厚みは、緑化する植物の種類によって異なるが、通常50〜200mm程度でよい。 【0012】 通常のコンクリート固化物は、強アルカリ性を示すため植物生育に適した土壌環境とはいえない。本発明は、混合した培土資材がコンクリートから出るアルカリ分を吸収しpHを下げるので、好適な土壌環境とすることができる。この培土資材としては、例えば黒土、赤土、山土、山砂、川砂や、堆肥、腐葉土、ピートモス、パガス等の有機質培土や、パーライト、バーミキュライト、鹿沼土等の無機質軽量培土などの1種又は2種以上が挙げられる。これらはいずれも使用可能であるが、腐葉土等の軽量で嵩高な培土をベースとし、これに砂や土を混合したものが好ましい。 【0013】 コンクリートと培土資材の配合割合(容積基準)は、コンクリート100部に対し、培土資材が10〜200部程度、好ましくは20〜100部程度である。培土資材が10部より少ないと植物根茎の伸長が妨げられ、200部を超えると固化不良となって、植栽層が雨水によって流出するおそれがある。 【0014】 前記培土資材には、炭素質物質、遠赤外線放射物質、キチン・キトサン類の1種又は2種以上からなる土壌改質材を配合することが好ましい。これらの土壌改質材は、セメントから溶出するアルカリ分を吸収する効能がある他、植栽植物の発根を促進し、生長を著しく高める効能がある。この土壌改質材は、いずれか1種類でもよいが、好ましくは3種類を全て配合することがよい。 【0015】 本発明で用いる炭素質物質としては、多孔質の炭素質物質であれば制限はなく、例えば木炭、竹炭、椰子殻炭、籾殻燻炭、コークスなどの1種又は2種以上が挙げられる。炭素質物質の配合割合は、培土資材100重量部に対し0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部程度がよい。炭素質物質はセメントの固化に伴い生成するアルカリ分を吸着し、pHを下げる効能がある。 【0016】 また、遠赤外線放射物質としては、波長4〜40μm程度の遠赤外線を放射する天然鉱物又は人工鉱物であれば制限はなく、例えばトルマリン(電気石)、石英片岩、石英閃緑石、角閃石、千枚石、花崗斑石、黒曜石、医王石、麦飯石、貴陽石などの1種又は2種以上が挙げられる。遠赤外線放射物質の配合割合は、培土資材100重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度がよい。遠赤外線放射物質は、放射する遠赤外線が植栽植物の発根を促進し、生育を良好にする効能がある。 【0017】 また、キチン・キトサン類のうち、キチンは、ムコ多糖類の一種であり、節足動物、環形動物、軟体動物などの有機骨格物質として存在する。キチンは、カニやエビの甲殻を粉砕し、希塩酸処理、アルカリ濃厚液処理、水洗、乾燥することにより得られるものであるが、キチンの原料であるカニ、エビ、アミ、オキアミ等の甲殻類を乾燥したものであってもよい。また、キトサンは、キチンを濃アルカリと加熱して得られる脱アセチル化物である。このキトサンは、生のままでもよいし、これを焼成したものでもよく、場合によっては両者を併用してもよい。キチン・キトサン類の配合割合は、培土資材100重量部に対し0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度がよい。キチン・キトサン類を配合すると植栽層中の水分を脱水して適正水分とし、また水分に含まれる汚濁物質を凝集するのに効果があり、土壌の団粒化促進に寄与する。 【0018】 その他、肥料や土壌活性化微生物などを適宜配合することできる。肥料としては、例えば油粕、鶏糞、牛糞、骨粉等の天然肥料、各種化学肥料、配合肥料などが挙げられる。また、土壌活性化微生物としては、例えばEM1号、EMX号などが挙げられるが、これ以外の土壌活性化微生物でもよい。必要に応じて、緑化植物の種子などを混合してもよい。 【0019】 植栽コンクリートブロックの製造は、用意した型枠に、先ず培土資材と生コンクリート混合物を打設し、その上に生コンクリートを打ち継いでもよいし、それとは逆に、先ず生コンクリートを打設し、その上に培土資材と生コンクリート混合物を打ち継いでもよく、蒸気養生などによって固化、養生すればよい。いずれにしても、生コンクリートが固化する前に打ち継ぎ、両者が一体となるようにすることが肝要である。 【0020】 また、別の製造方法としては、生コンクリートを打設した後、直ちに培土資材を投入し、攪拌機を用いて両者を混練し、植栽層を形成することもできる。この場合も、蒸気養生などによって固化、養生すればよい。なお、これらの方法は後記する現場施工でも同様に実施することができる。 【0021】 植生コンクリ―トブロックの形状は任意であり、図示したものに限定されるものではない。また、必要に応じて、コンクリート基体2の底部に通水孔を開けておくこともできる。そして、コンクリート基体2をポーラスコンクリートで形成すると、植生根茎がこれから地盤にまで到達し、強固な植生コンクリ―ト基盤を形成することが可能となる。本発明の植生コンクリ―トブロックは、施工が容易で、小規模から大規模施工が効率よく実施できる。 【0022】 本発明の植生コンクリ―トブロックを用いて法面などを緑化するには、ブロックの製造工程で緑化植物の種子を混ぜておいてもよいし、緑化現場でブロックに播種してもよい。ブロック製造工程で蒸気養生しない場合は、生コンクリートに混合する培土資材に種子を混ぜてもよいし、蒸気養生する場合は、養生後のブロックに培土資材と混合した種子を散布することがよい。 【0023】 以上、植生コンクリ―ト基盤として、工場で製造した植栽コンクリートブロックを緑化現場へ輸送し、これを施工するケースについて説明したが、本発明の植生コンクリ―ト基盤はこれに限定されるものではない。現場施工による植生コンクリ―ト基盤、すなわち、緑化現場へ型枠を持ち込み、それに生コン及び培土資材と生コン混合物を打設、固化、養生するこによって形成してもよく、本発明に属する。 【0024】 【実施例】 実施例1 コンクリートブロック型枠に、生コンクリート100重量部、腐葉土18重量部と山砂2重量部、土壌改質材として椰子殻炭1重量部、トルマリン粉末0.3重量部及びキトサン0.3重量部の割合で配合した培土−生コンクリート混合物を厚さ100mm打設し、その上に生コンクリートを厚さ700mm打設し、蒸気養生し1日後に脱型し、縦横1000mm、高さ800mmの植生コンクリートブロックを製造した。この植生コンクリートブロックの植栽層にイタリアンライグラス(牧草)の種子を播種、覆土して植生試験を行ったところ、播種後10日目にきれいに生えそろった。発芽後10日後、植生の平均伸長は140mmであり、図3のAに示すように根茎もよく伸長していた。 【0025】 実施例2 土壌改質材として椰子殻炭1重量部、トルマリン粉末0.3重量部及びキトサン0.3重量部を配合しない以外は、実施例1と同様にして植生コンクリートブロックを製造した。この植生コンクリートブロックに、実施例1と同様な植生試験を行ったところ、植生の平均伸長は95mmであったが、図3のBに示すように根茎の伸長はあまりよくなかった。 【0026】 【発明の効果】 本発明の植生コンクリ―ト基盤は、植栽層が培土資材とコンクリートの混合固化物としたので、植栽植物の生育を促進することができ、法面などの緑化を確実にする効果を奏する。培土資材に炭素質吹物質等の土壌改質材を配合すると、植栽植物の根張りが著しくよくなり、生育が格段にすぐれたものとなった。また、植生コンクリ―トブロックは、低コストで製造でき、これを緑化現場に設置するだけで植生コンクリ―ト基盤を簡単に形成でき、小規模から大規模緑化工事を効率よく施工できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】植生コンクリ―トブロックの一例を示す断面図である。 【図2】植生コンクリートブロックの植生状況を示す図面である。 【図3】実施例1及び2の生育状況を示す図面である。 【符号の説明】 1 : 植生コンクリ―トブロック 2 : コンクリート基体 3 : 植栽層 4 : 植栽植物 5 : 根茎
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| 【出願人】 |
【識別番号】596087708 【氏名又は名称】株式会社田商
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| 【出願日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082739 【弁理士】 【氏名又は名称】成瀬 勝夫
【識別番号】100087343 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 智廣
【識別番号】100108925 【弁理士】 【氏名又は名称】青谷 一雄
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| 【公開番号】 |
特開2004−49119(P2004−49119A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月19日(2004.2.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−211580(P2002−211580) |
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