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【発明の名称】 屋上等における植栽床およびその設置方法
【発明者】 【氏名】島田 三郎
【住所又は居所】東京都大田区北千束3丁目1番3号 渡辺物産株式会社内

【氏名】長瀬 公一
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成建設株式会社内

【氏名】屋祢下 亮
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成建設株式会社内

【要約】 【課題】軽量で施工期間も短く構造が簡単な屋上等における植栽床およびその設置方法を提供する。

【解決手段】基板11a上に多数の突起11bを有する凹凸板材11の該突起上に通水性のシート12を接合して成る間隙形成部材3を底面とし、周囲を筒状枠15により形成した成形兼保護用ケース14に、緑化基盤材の原料成分を水と共に混合、充填して、上記間隙形成部材3上に板状の緑化基盤材4を載置した状態に成形しておき、屋上等の植栽床設置部1に、植物の根の浸入を抑制する防根シート2を敷設し、該防根シート2上に、上記緑化基盤材4を載置した間隙形成部材3を、上記筒状枠15を除去したうえで隣接させて敷設し、植栽床を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋上等の植栽床設置部に敷設された水の通過は許容するが植物の根の浸入は抑制する防根シートと、
該防根シート上に敷設される、基板上に多数の突起を有する凹凸板材の該突起上に通水性のシートを接合して成る型枠を兼ねた間隙形成部材と、
超軽量骨材、結合材、園芸用土及び保水材を成分とし、上記間隙形成部材を型枠底面としてその上に一体的に板状に成形され、該間隙形成部材と共に上記防根シート上に敷設される緑化基盤材とから成る、
屋上等における植栽床。
【請求項2】
上記緑化基盤材が上記間隙形成部材の上面に固着された複数の連結部材を介して上記間隙形成部材に一体的に連結されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の植栽床。
【請求項3】
上記防根シートが剥離可能な接着剤で上記植栽床設置部に固定され、上記間隙形成部材が剥離可能な接着剤で該防根シートに固定され、上記緑化基盤材がその上面から打込まれる連結ピンにより該間隙形成部材に一体的に連結されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の植栽床。
【請求項4】
上記植栽床設置部がその周囲を該植栽床設置部に固定された周縁枠材によって囲繞されており、
該周縁枠材に端部を係止または固定した糸または網が上記緑化基盤材の上にその飛散防止のために張設されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植栽床。
【請求項5】
上記緑化基盤材の上面から打込まれ該緑化基盤材を上記間隙形成部材に一体的に連結する連結ピンに、上記糸または網の両端部間の途中位置を係止または固定している、
ことを特徴とする請求項4に記載の植栽床。
【請求項6】
基板上に多数の突起を有する凹凸板材の該突起上に通水性のシートを接合して成る成形時の型枠を兼ねた間隙形成部材を底面とし、周囲を筒状枠により形成した成形兼保護用ケースに、超軽量骨材、結合材、園芸用土及び保水材を含む緑化基盤材の原料成分を、水と共に混合、充填して、上記間隙形成部材上に板状の緑化基盤材を載置した状態に成形しておき、
屋上等の植栽床設置部に、水の通過は許容するが植物の根の浸入は抑制する防根シートを敷設し、該防根シート上に、上記緑化基盤材を載置した間隙形成部材を、上記筒状枠を除去したうえで隣接させて敷設する、
ことを特徴とする屋上等における植栽床の設置方法。
【請求項7】
成形兼保護用ケース内において間隙形成部材上に成形した緑化基盤材を、その成形兼保護ケースに収容したままで現場まで運搬し、現場で該ケースの筒状枠を除去して防根シート上に敷設する、
ことを特徴とする請求項6に記載の植栽床の設置方法。
【請求項8】
上記防根シートを剥離可能な接着剤で上記植栽床設置部に固着し、上記間隙形成部材を剥離可能な接着剤で上記防根シートに固着し、上記緑化基盤材をその上面から打込まれる複数の連結ピンにより上記間隙形成部材に連結する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の植栽床の設置方法。
【請求項9】
上記植栽床設置部の周囲を該植栽設置部に固定された周縁枠材によって囲繞し、該周縁枠材に端部を係止または固定した糸または網を上記緑化基盤材の上にその飛散防止のために張設する、
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の植栽床の設置方法。
【請求項10】
上記植栽床設置部に固定されその周囲を囲繞する周縁枠材に端部を係止または固定した糸または網を、上記緑化基盤材の上に載置した育成植物マット上にその飛散防止のために張設する、
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の植栽床の設置方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋上またはそれと同等の場所(以下、単に屋上等という。)に、天然芝その他の植物を植栽するための植栽床およびその設置方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物の屋上等に天然芝その他の植物を植栽する屋上緑化が望まれているが、雨水に対して防水処理をした屋上等では、水はけについて十分な配慮が必要であるばかりでなく、植物の根が防水層に進入するのを抑制する必要がある。しかも、屋上等という植栽環境を考慮すると、植栽床用の素材が建物に負担をかけない軽量なものであり、その設置のために要する施工期間も短く、簡易に設置することが要求される。更に、建物が高層化するに伴い、屋上においては比較的強い風が吹くので、上記植栽床用素材の軽量化に伴って風による飛散の抑制も考慮する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、基本的には、屋上等に天然芝その他の植物を植栽するための植栽床を設置するに当たり、上述した要求を満たす植栽床およびその設置方法を提供することにある。
更に具体的な本発明の技術的課題は、屋上等では雨水に対する防水処理をしていることから、水はけについて十分に配慮すると共に、植物の根が防水層に進入するのを抑制し、しかも、植栽床用の素材を建物に負担をかけない軽量なものとし、その設置のために要する施工期間も短く、簡易に設置きるようにした植栽床およびその設置方法を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、屋上において比較的強い風が吹くことが予想されることから、軽量化された植栽床用素材あるいはその上に載置する育成植物マットの風による飛散を抑制するための手段を簡単に付設できるようにした植栽床およびその設置方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る屋上等における植栽床は、屋上等の植栽床設置部に敷設された水の通過は許容するが植物の根の浸入は抑制する防根シートと、該防根シート上に敷設される、基板上に多数の突起を有する凹凸板材の該突起上に通水性のシートを接合して成る型枠を兼ねた間隙形成部材と、超軽量骨材、結合材、園芸用土及び保水材を成分とし、上記間隙形成部材を型枠底面としてその上に一体的に板状に成形され、該間隙形成部材と共に上記防根シート上に載置される緑化基盤材とから成ることを特徴とするものである。
【0005】
また、上記課題を解決するための本発明に係る植栽床の設置方法は、基板上に多数の突起を有する凹凸板材の該突起上に通水性のシートを接合して成る成形時の型枠を兼ねた間隙形成部材を底面とし、周囲を筒状枠により形成した成形兼保護用ケースに、超軽量骨材、結合材、園芸用土及び保水材を含む緑化基盤材の原料成分を、水と共に混合、充填して、上記間隙形成部材上に板状の緑化基盤材を載置した状態に成形しておき、屋上等の植栽床設置部に、水の通過は許容するが植物の根の浸入は抑制する防根シートを敷設し、該防根シート上に、上記緑化基盤材を載置した間隙形成部材を、上記筒状枠を除去したうえで隣接させて敷設することを特徴とするものである。
【0006】
上記屋上等における植栽床および上記方法によって屋上等に設置される植栽床では、間隙形成部材における基板上の多数の突起の周囲の空間が通水及び通気用の間隙となるため、余分な雨水、過剰な灌水が排水され、それらが防水された屋上等の排水設備を通して排出されるので、植物の育成に重要な排水性を高めることができる。また、上記間隙形成部材の間隙を通して空気が流通するため、根腐れ防止のための通気性も高めることができる。一方、最下層の防根シートによって植物の根が屋上の防水層まで進入するのを抑制することができる。
【0007】
また、植栽床の主体をなす緑化基盤材は、発泡合成樹脂等からなる超軽量骨材を多量に含ませることにより、建物に負担をかけない軽量なものとしているが、園芸用土及び保水材により通気性及び保水性を与えて、植物の根がその内部に侵入して水分や養分を吸収できるようにしたものであり、更に、結合材により耐踏圧強度を有する板状に成形されたものであるため、敷設した緑化基盤材の上を人が歩いても該緑化基盤材が壊れることはない。
【0008】
上記植栽床の設置に際しては、間隙形成部材を底面とし、周囲を筒状枠により形成した成形兼保護用ケース内に、緑化基盤材の原料成分を充填して、上記間隙形成部材上に板状の緑化基盤材を一体的に載置した状態に、予め工場生産しておき、この緑化基盤材を、上記成形兼保護ケースに収容したままで現場まで運搬し、現場で該ケースの筒状枠を除去して防根シート上に敷設するのが、作業時における緑化基盤材の破損を防止すると共に、設置のために要する施工期間を短くし、しかも簡易に設置するために有効である。
【0009】
また、上記緑化基盤材は、間隙形成部材を底面とし、周囲を筒状枠により形成した成形兼保護用ケース内で成形するため、間隙形成部材を成形兼保護用ケースの型枠底面として兼用できると共に、施工に際しては、上記筒状枠のみを除去して、間隙形成部材と一体的に成形された上記緑化基盤材を該間隙形成部材と共に相互に隣接させて防根シート上に敷設するため、型枠底面を除去する必要がなく型枠底面を除去する手間が省けると共に上記筒状枠の除去が容易でその除去に際して緑化基盤材が損傷することはない。
【0010】
また、間隙形成部材と一体的に成形された上記緑化基盤材を該間隙形成部材と共に防根シート上に敷設するため、敷設する際の手間も省ける。
また、その筒状枠を除去するまでは成形兼保護用ケースで保護されているため運搬等の際に損傷することもない。
また、上記屋上等における植栽床の好ましい実施形態においては、上記緑化基盤材を上記間隙形成部材の上面に固着された複数の連結部材を介して上記間隙形成部材に一体的に連結することができ、そのことにより上記緑化基盤材を上記間隙形成部材に強固に連結することができる。
【0011】
また、上記屋上等における植栽床およびその設置方法の好ましい実施形態においては、上記防根シートを剥離可能な接着剤で上記植栽床設置部に固定し、上記間隙形成部材を剥離可能な接着剤で上記防根シートに固定し、上記緑化基盤材をその上面から複数の連結ピンを打込むことにより上記間隙形成部材に連結することができ、このことにより上記緑化基盤材が一体的に載置されている上記間隙形成部材が該防根シートを介して上記植栽床設置部に固定され、更に該緑化基盤材がその上面から打込まれる連結ピンにより上記間隙形成部材に連結されるため、風が吹いても上記緑化基盤材が飛散することはない。
【0012】
また、上記屋上等における植栽床およびその設置方法の別の好ましい実施形態においては、上記植栽床設置部の周囲を該植栽床設置部に固定された周縁枠材によって囲繞し、該周縁枠材に端部を係止または固定した糸または網が上記緑化基盤材の上にその飛散防止のために張設することができる。
また、更に別の好ましい実施形態においては、上記糸または網の両端部間の途中位置を上記連結ピンに係止または固定させることができ、また、上記植栽床設置部の周囲を囲繞する該植栽床設置部に固定された周縁枠材に端部を係止または固定した糸または網を、上記緑化基盤材の上に載置した育成植物マット上にその飛散防止のために張設することができる。なお、育成植物マット上に張設した糸または網は、必要に応じて植物の活着後に除去することになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明に係る屋上等における植栽床および本発明に係る方法で設置した植栽床の構成を示すもので、該植栽床は、建物の屋上等の植栽床設置部1に防根シート2を敷設し、その上に、間隙形成部材3及びそれに一体的に載置して成形した板状の緑化基盤材4の多数を、相互に密に隣接させて植栽床設置部1の全面にわたって敷設したものである。
従って、この植栽床の設置に際しては、まず、屋上等の植栽床設置部1に防根シート2を敷設し、該防根シート2上に、緑化基盤材4を載置した間隙形成部材3を、相互に密に隣接させて並置すればよい。その後、上記緑化基盤材4上には天然芝等の育成植物マット9が敷設される。
【0014】
上記防根シート2は、繊維間の微細な間隙により水の通過は許容するが、植物の根の侵入は抑制するようにした既知の不織布状のものである。この最下層の防根シート2によって、植物の根が屋上の防水層まで進入するのを抑制することができる。
また、上記間隙形成部材3は、基板11a上に多数の突起11bを形成した合成樹脂製の凹凸板材11における該突起11b上に、該凹凸板材11の上部を覆う通水性の不織布状シート12を接着して、全体として板状をなすように形成され、上記多数の突起11bの周囲に通水及び通気用の間隙を形成したものである。
従って、この間隙形成部材3における基板11a上の多数の突起11bの周囲の空間が通水及び通気用の間隙となるため、余分な雨水、過剰な灌水が排水され、それらが防水された屋上等の排水設備を通して排出される。また、上記間隙形成部材3の間隙を通して空気が流通するため、根腐れ防止のための通気性も高めることができる。
【0015】
更に、上記緑化基盤材4は、通気性及び保水性を有し、且つ耐踏圧強度を有する板状に成形されたものであり、表面に強度を持った発泡合成樹脂製粒子またはそれと同等の超軽量骨材(例えば硬質パーライト)、結合材(例えば普通セメント)、園芸用土及び保水材(例えばピートモス)を含む混合物を素材とし、それらの原料成分を、適度の通気性、保水性、及び使用時の耐踏圧強度が得られる配合割合で、水と共に混合し、板状に成形したものである。
この緑化基盤材4は、発泡合成樹脂等からなる超軽量骨材を多量に含ませることにより、建物に負担をかけない軽量なものとすることができ、また、園芸用土及び保水材により通気性及び保水性を与えるので、植物の根がその内部に侵入して水分や養分を吸収することができる。更に、適量の結合材により耐踏圧強度を有する板状に成形でき、敷設した緑化基盤材4の上を人が歩いても該緑化基盤材が壊れないようにすることができる。
【0016】
上記緑化基盤材4の成形に際しては、図3に示すように、上記間隙形成部材3を底面とし、周囲を筒状枠15により形成した成形兼保護用ケース14を用い、該成形兼保護用ケース14に、上記超軽量骨材、結合材、園芸用土及び保水材を含む緑化基盤材の原料成分を、水と共に混合、充填して固化させ、それにより上記間隙形成部材3上に板状の緑化基盤材4を一体的に載置した状態に成形しておく。
この緑化基盤材4は、上記成形兼保護用ケース14を用いて予め工場生産しておき、それを上記成形兼保護ケース14に収容したままで施工現場まで運搬し、現場で該ケース14の筒状枠15を除去して防根シート2上に敷設するのが、搬送時及び作業時における緑化基盤材4の破損を防止すると共に、設置のために要する施工期間を短くし、しかも簡易に設置するために有効である。なお、現場で間隙形成部材3と共に緑化基盤材4を取出した後の上記筒状枠15は、必要に応じて再利用することができる。
【0017】
上記成形兼保護用ケース14の筒状枠15は、合成樹脂製の筒状をなし、その一端に間隙形成部材3の周縁を着脱できるようにしたものであるが、間隙形成部材3との連結は、必要に応じて行えばよく、上記緑化基盤材4の成形時に、該基盤材4により間隙形成部材3と筒状枠15が一体化されるのであれば、特に両者の接合を考慮する必要はない。
上記緑化基盤材4は、間隙形成部材3を底面とし、周囲を筒状枠15により形成した成形兼保護用ケース14内で成形するため、間隙形成部材3を成形兼保護用ケース14の型枠底面として兼用できると共に、施工に際しては、上記筒状枠15のみを除去して、間隙形成部材3と一体的に成形された上記緑化基盤材4を該間隙形成部材3と共に相互に隣接させて防根シート2上に敷設するため、型枠底面を除去する必要がなく型枠底面を除去する手間が省けると共に該筒状枠15の除去が容易でその除去に際して緑化基盤材4が損傷することはない。
【0018】
また、間隙形成部材3と一体的に成形された上記緑化基盤材4を、間隙形成部材3と共に防根シート2上に敷設するため、敷設する際の手間も省ける。
また、その筒状枠15を除去するまでは成形兼保護用ケース14で保護されているため運搬等の際に損傷することもない。
また、上記緑化基盤材4の成形は、必要に応じ施工現場で行うことができ、その場合、植栽床設置部に敷設された防根シート上に間隙形成部材3を敷設し、その周囲を筒状枠15で囲んで成形兼保護用ケースとし、その中に緑化基盤材4の原料成分を充填して成形してもよい。
【0019】
また、図4に示すように、上記間隙形成部材3の上面に複数の連結部材31を固着したものを型枠底面として上記緑化基盤材4を成形することができ、この場合、上記緑化基盤材4と間隙形成部材3は該連結部材31を介して強固に連結されるため、上記成形兼保護ケースに収容したままで現場まで運搬する際や現場で該ケースの筒状枠を除去して防根シート上に敷設する際に上記緑化基盤材と間隙形成部材とが分離することがなく、後述する風対策にも役に立つ。
上記連結部材31は、上記間隙形成部材3の凹凸板材11の突起11bに対応する位置で上記通水性シート12に接着により接合されるのが好ましい。
上記連結部材31としては、図5(a)に示すように互いに平行な矩形板31aと円板31cとを連結棒31bで連結させたものや、図5(b)に示すように円板31aに先端が折曲した連結棒31bを起立させたもの等があるが、これらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
一方、上述したところにより設置した植栽床は、その素材を軽量化しているので、建物の高層化に伴って比較的強い風が吹くのに対処し、風による緑化基盤材4等の飛散の抑制を考慮する必要がある。
この風対策としては、上記防根シート2を剥離可能な接着剤(例えばピールアップ接着剤)で上記植栽床設置部1に固定し、上記緑化基盤材4が一体的に載置されている上記間隙形成部材3を上記剥離可能な接着剤で上記防根シート2に固定し、更に図6に示すように、上記緑化基盤材4をその上面から打込まれる複数の連結ピン41により上記間隙形成部材3に連結するのが有効である。
【0021】
上記連結ピン41は、図7に示すように、雨水等が通過するための多数の小孔42aを有する円板状基部42と該円板状基部42の中央部から垂下する連結棒43とから成り、該連結棒43はその先端が矢じり状の抜止フック部44になっていると共に途中に軸方向に対し傾斜した複数の抜止爪45が設けられおり、上記円板状基部42の中央部付近には上記連結棒43に近接して突起42bが設けられている。
そして、該連結ピン41は、上記抜止フック部44が上記間隙形成部材3の凹凸板材11の突起11bを貫通して該突起11bに挿入係止されるように上記緑化基盤材4の上面から打込まれるものであり、上記緑化基盤材4が該連結ピン41の円板状基部42により抑えられるため、上記緑化基盤材4の飛散は更に抑制される。
【0022】
また、図1及び図8に示すように、植栽床設置部1の周囲を囲繞するように周縁枠材20を設けて、それを屋上面に接着等により固定し、該周縁枠材20に設けた掛け金具21に端部を係止または固定した高抗張力糸22を、敷設した緑化基盤材4の上に一連あるいは部分毎に張設し、緑化基盤材4を飛散防止のために該高抗張力糸22で押さえれば更に有効である。
上記高抗張力糸22としては、釣り糸として用いられているようなものを利用するのが望ましく、それを緑化基盤材4の上に架け渡せばよく、必要に応じて縦横に架け渡すこともできる。
【0023】
また、上記高抗張力糸22を張設する代わりに、上記周縁枠材20に端部を係止または固定した合成樹脂製またはステンレス製の網(図示せず)を上記緑化基盤材4の上に張設してもよい。
また、上記高抗張力糸22または上記網の両端部間の途中位置を上記連結ピン41に係止または固定させることもできる。例えば、上記連結ピン41を上記緑化基盤材4に打込む際に上記連結ピン41の連結棒43と突起42bとの間を上記高抗張力糸22または上記網の糸が通るようにすることにより、上記高抗張力糸22または上記網の両端部間の途中位置を上記連結ピン41に係止させることができる。
【0024】
また、上記緑化基盤材4の上には、図2に示すように、切芝等の載置した育成植物マット9を載置して、該緑化基盤材4内へ根を張らせるが、その植物が活着するまでは風等により飛散しやすい状態にある。そのため、これらの育成植物マット9上にも、同様にして、その飛散防止のために周縁枠材20に設けた上記掛け金具21に端部を係止または固定した同様の高抗張力糸23または網を張設することができる(図1)。
なお、育成植物マット9上に張設した高抗張力糸23は、必要に応じて植物の活着後に除去することになる。
更に、上記周縁枠材20で囲まれた範囲内に排水設備がない場合には、該周縁枠材20に適宜間隔で排水用溝20a(図2)を設ける必要がある。
【0025】
また、風対策の研究の結果、図6に示すように、上記周縁枠材20と上記緑化基盤材4の間に間隙50があると該間隙50から風が入り込み、緑化基盤材4を植栽床設置部1に固定していない場合、緑化基盤材4を飛散させることがわかった。この場合の風対策としては、上記周縁枠材20と上記緑化基盤材4の間に間隙50ができないように施工すると共に、たとえ上記周縁枠材20と上記緑化基盤材4の間に間隙50ができたとしても該間隙50に風が入り込まないように上記周縁枠材20の上辺に上記間隙50の上方を覆う覆い板を適宜固着手段で取付けるが有効である。
緑化基盤材4を植栽床設置部1に固定する風対策を施せば緑化基盤材4は飛散しないが、この風対策と共に間隙50に風が入り込まないようにする上記風対策を行えば更によい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、植物の育成に重要な排水性や通気性を高めると共に、植物の根が防水層に進入するのを抑制し、しかも、植栽床用の素材を建物に負担をかけない軽量なものとし、その設置のために要する施工期間も短く、構造が簡単な屋上等における植栽床およびその設置方法を提供することができる。
また、屋上等において比較的強い風が吹くことに対処し、軽量化された植栽床用素材あるいはその上に載置する育成植物マットの風による飛散を簡単な構造で抑制することができる、屋上等における植栽床およびその設置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植栽床の一実施例を示す要部側断面図である。
【図2】同植栽床の要部を示す部分破断斜視図である。
【図3】同植栽床の施工の際に用いる緑化基盤材の成形兼保護用ケースについて示す縦断面図である。
【図4】本発明に係る植栽床に用いる間隙形成部材の別の実施例を示す縦断面図である。
【図5】(a)〜(b)は、本発明に係る植栽床に用いる連結部材のそれぞれ異なる実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る植栽床の別の実施例を示す要部側断面図である。
【図7】同実施例に用いられる連結ピンの斜視図である。
【図8】同植栽床に風対策用の高抗張力糸を張設した状態を示す部分平面図である。
【符号の説明】
1  植栽床設置部
2  防根シート
3  間隙形成部材
4  緑化基盤材
9  育成植物マット
11  凹凸板材
11a 基板
11b 突起
12  通水性のシート
14  成形兼保護用ケース
15  筒状枠
20  周縁枠材
22,23 高抗張力糸
【出願人】 【識別番号】500179080
【氏名又は名称】渡辺物産株式会社
【住所又は居所】東京都大田区北千束3丁目1番3号
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目25番1号
【出願日】 平成14年7月9日(2002.7.9)
【代理人】 【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏

【識別番号】100114199
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 正彦

【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹

【公開番号】 特開2004−41029(P2004−41029A)
【公開日】 平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願番号】 特願2002−200399(P2002−200399)