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【発明の名称】 林分の撮影画像から樹木情報を得る画像処理方法
【発明者】 【氏名】長谷川 毅
【住所又は居所】東京都八王子市元本郷町1丁目9番9号 中央電子株式会社内

【要約】 【課題】施業林分における立木の直径、本数および配置の調査を人間の手作業によらず効率化する。

【解決手段】調査対象の林分を複数個の正方形の土地に分割し、分割した夫々の土地ごとに画角の90度の広角カメラによる撮影点を8ヶ所設け、夫々の撮影点から林分を重複して撮影し、撮影した画像データをパソコンに読み込み、パソコンに内蔵のソフトウェアを用いて画像処理を行い、調査対象の樹木の直径、本数および配置をパソコンの画面、プリンタ等に表示させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木情報を取得するための林分調査において、
調査対象の林分を複数個の正方形の土地に分割し、分割した夫々の土地に画角90度の広角カメラを設置する撮影点を複数個設け、夫々の撮影点から正方形の土地内の全ての樹木を重複して撮影し、撮影した全ての画像データをパソコンに読み込んで画像処理を行い、調査対象の林分内における全ての樹木の直径、本数および配置を検出して表示するようにしたことを特徴とする林分の撮影画像から樹木情報を得る画像処理方法。
【請求項2】
分割した正方形の土地における4つの頂点と、正方形を構成する4つの辺を夫々3:1に分割する4つの分割点を、カメラを設置して撮影する撮影点とし、
4つの頂点から撮影する場合には、夫々のカメラ画角の両端に隣接する正方形の2つの頂点が含まれるようにカメラの視野を調整して撮影し、4つの分割点から撮影する場合には、夫々のカメラ画角の左端を正方形の1つの頂点に合わせてカメラの視野を調整して撮影するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の林分の撮影画像から樹木情報を得る画像処理方法。
【請求項3】
カメラ撮影点から撮影した画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点と、樹木から背景に変化する点を検出し、1つのカメラ撮影点と検出された2つの変化点を夫々通る2つの直線に囲まれた部分を正方形の土地に該当するメモリとして格納しておき、このメモリの値を2値化したうえで水平方向に走査して塊状図形を検出し、検出した塊状図形の輪郭線追跡処理を行って、輪郭線図形の総数、重心座標および内接する円の直径を検出し、樹木の直径、本数および配置をパソコンの画面、プリンタ等に表示させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の林分の撮影画像から樹木情報を得る画像処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、林業における林分調査に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
施業林分において立木の直径、本数、配置を調査する場合は、1本ずつの樹木について手作業で計測作業を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
人間の手作業では時間がかかり、作業効率が悪い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
調査対象となる林分を複数個の正方形の土地に分割し、それぞれの土地ごとに林分をカメラで撮影し、それぞれの撮影画像をコンピュータを用いて画像処理し、樹木の直径、本数、配置を求めることにより、作業効率を高める。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
調査対象の林分を一辺が10mの正方形の土地に分割し、夫々の正方形の各頂点A,B,C,Dと、夫々の一辺を3:1に分割した分割点E,F,G,Hにカメラを設置して撮影する。
撮影対象の樹木の配置とカメラ設置点との関係は図1に示す通りである。
【0006】
使用するカメラは、画角90度の広角カメラとし、A,B,C,Dから撮影する場合には、夫々の画角の両端に隣接する2つの頂点が入るようにカメラの視野を調整して撮影する。
また、E,F,G,Hから撮影する場合には、夫々の画角の左端を正方形の1つの頂点に合わせてカメラの視野を調整して撮影する。
従って、調査対象の土地内に存在する樹木は、8つの撮影点から繰り返し重複して撮影されることになる。
なお、調査対象の正方形の土地の外と内を識別できるように、周囲を幕で囲っておくことが肝要である。
【0007】
A〜DおよびE〜Hから撮影した画像をスキャナを使用してパソコンに読み込む。ディジタルカメラで撮影する場合は、画像ファイルあるいは画像データをパソコンに読み込む。
【0008】
パソコンに読み込んだ画像データをパソコンに内蔵してあるソフトウェアにより画像処理し、樹木の直径、本数、配置を計測する方法をフローチャートを用いて説明する。
<ステップS1>
画像データの水平画素数にあわせて、メモリを確保し、全てゼロ値を書き込む。(この水平画素数は、正方形の土地の対角線の長さに該当する。)
例えば、水平画素数が3,000画素ならば、3000/√2が正方形の一辺の画素数となるので、確保するメモリは
(3000/√2)×(3000/√2)バイト
この確保したメモリは、正方形の土地に該当する。
【0009】
<ステップS2>
Aから撮影した画像データを水平方向に走査すると、BとDを結ぶ対角線上に、図1に示す全ての樹木が投影される。対角線上に投影される任意の樹木について、背景から樹木に変化する点と、樹木から背景に変化する点を検出すると、図2に示すように、Bからaおよびb離れた位置に樹木が表示される。
走査は1ラインだけ行い、走査する場合の水平方向に走査する高さは樹木の幹の部分に該当する位置とする。
<ステップS3,S4,S5>
次に、背景から樹木に変化する点とAを通る直線と、樹木から背景に変化する点とAを通る直線を求め、これら2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
(図2における正方形の一辺B−Cに投影された部分)
<ステップS6>
Aの画像データの走査が終るまで、ステップS2〜S5を繰り返す。
【0010】
<ステップS7>
Aの画像データの走査と同様に、Bの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図3を参照)
<ステップS8,S9,S10>
背景から樹木に変化する点とBを通る直線と、樹木から背景に変化する点とBを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS11>
Bの画像データの走査が終わるまで、ステップS7〜S10を繰り返す。
【0011】
<ステップS12>
Aの画像データの走査と同様に、Cの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図4を参照)
<ステップS13,S14,S15>
背景から樹木に変化する点とCを通る直線と、樹木から背景に変化する点とCを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS16>
Cの画像データの走査が終わるまで、ステップS12〜S15を繰り返す。
【0012】
<ステップS17>
Aの画像データの走査と同様に、Dの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図5を参照)
<ステップS18,S19,S20>
背景から樹木に変化する点とDを通る直線と、樹木から背景に変化する点とDを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS21>
Dの画像データの走査が終わるまで、ステップS17〜S20を繰り返す。
【0013】
<ステップS22>
Eの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図6参照)
<ステップS23,S24,S25>
背景から樹木に変化する点とEを通る直線と、樹木から背景に変化する点とEを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS26>
Eの画像データの走査が終わるまで、ステップS22〜S25を繰り返す。
【0014】
<ステップS27>
Eの画像データの走査と同様に、Fの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図7を参照)
<ステップS28,S29,S30>
背景から樹木に変化する点とFを通る直線と、樹木から背景に変化する点とFを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS31>
Fの画像データの走査が終わるまで、ステップS27〜S30を繰り返す。
【0015】
<ステップS32>
Eの画像データの走査と同様に、Gの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図8を参照)
<ステップS33,S34,S35>
背景から樹木に変化する点とGを通る直線と、樹木から背景に変化する点とGを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS36>
Gの画像データの走査が終わるまで、ステップS32〜S35を繰り返す。
【0016】
<ステップS37>
Eの画像データの走査と同様に、Hの画像データを水平方向に走査し、背景から樹木に変化する点を検出し、次に樹木から背景に変化する点を検出する。(図9を参照)
<ステップS38,S39,S40>
背景から樹木に変化する点とHを通る直線と、樹木から背景に変化する点とHを通る直線を求め、2直線に囲まれる部分のメモリに1を加算する。
<ステップS41>
Hの画像データの走査が終わるまで、ステップS37〜S40を繰り返す。
【0017】
<ステップS42>
正方形の土地に該当するメモリの値を2値化する。
2値化は閾値7以上を1、7未満を0とする。
<ステップS43,S44,S45>
メモリを水平方向に走査し、塊状図形(値1が固まっている部分)を検出して、塊状図形の輪郭線追跡処理を行い、塊状図形の右端、左端、上端、下端の座標を求める。さらに、塊状図形の総数を求めるためのカウンタに1を加える。
<ステップS46>
メモリの走査が終わるまで、ステップS43〜S45を繰り返す。
【0018】
<ステップS47>
塊状図形のカウンタの値を樹木の総本数として保存する。
<ステップS48>
ステップS44で求めた塊状図形の重心座標を求めQとする。
<ステップS49〜S58>
樹木の断面を円と仮定して、塊状図形に内接する円を検出する。
全ての塊状図形についてステップS48〜S58を繰り返す。
【0019】
<ステップS59〜S62>
保存した直径(画素数)から実際の直径(cm)を計算すると共に、円の中心座標を実際の座標に換算すると、〔表1〕に示す計測結果が出力される。
また、保存した直径と中心座標から平面上に樹木に該当する円を描き、図10に示す配置図としてパソコンの画面、プリンタ等に出力する。
【表1】


【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る林分の撮影画像処理による樹木情報の取得方法では、調査対象となる林分を複数個の正方形の土地に分割し、分割した夫々の土地ごとに画角90度の広角カメラによる撮影点を設けて林分を撮影し、撮影した画像データをパソコンに読み込んで画像処理を行い、樹木の直径、本数および配置を平面上に表示させるようにしたので、人間による手作業を必要とせず、短時間で正確な計測結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮影対象の樹木とカメラ設置点との関係を示す説明図。
【図2】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図3】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図4】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図5】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図6】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図7】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図8】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図9】画像データを水平走査して樹木情報を検出する方法を示す説明図。
【図10】計測結果を示す樹木の配置図。
【図11】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【図12】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【図13】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【図14】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【図15】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【図16】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【図17】画像データの画像処理によって樹木情報を検出する手段をフローチャート。
【出願人】 【識別番号】000210964
【氏名又は名称】中央電子株式会社
【住所又は居所】東京都八王子市元本郷町1丁目9番9号
【出願日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【代理人】 【識別番号】100078824
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 竹夫

【公開番号】 特開2004−33149(P2004−33149A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−197330(P2002−197330)