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【発明の名称】 廃焼き物のリサイクル方法及び装置
【発明者】 【氏名】高橋 朝雄
【住所又は居所】群馬県前橋市小屋原町908番地9 有限会社フジエイ内

【氏名】渡辺 晴夫
【住所又は居所】埼玉県大里郡妻沼町弥藤吾2285番地1 有限会社渡辺建材内

【氏名】仲丸  孝
【住所又は居所】東京都江東区清澄1丁目2番23号 太平洋エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】屋根瓦や植木鉢等焼き物の廃品、すなわち、廃焼き物を有効に利用する廃焼き物のリサイクル方法及びそのような方法を実施するための装置を提供する。

【解決手段】廃焼き物を破砕し、吸水性材料として利用することとした。上記廃焼き物を破砕するため、粗粉砕設備100、粉砕設備200、分級設備300を含む破砕設備を備えることとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃焼き物を破砕し、吸水性材料として利用することを特徴とする廃焼き物のリサイクル方法。
【請求項2】
上記廃焼き物が、粘土瓦、普通れんが、陶器質タイル及び植木鉢のうち粘土を主原料として、混練、成型及び焼成した陶製の植木鉢より成るグループから選択された少なくとも一の廃焼き物であることを特徴とする請求項1記載の廃焼き物のリサイクル方法。
【請求項3】
上記吸水性材料が、棟土の原料の砂代替品として使用される吸水性材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃焼き物のリサイクル方法。
【請求項4】
上記廃焼き物をさらに分級、整粒して園芸用土とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃焼き物のリサイクル方法。
【請求項5】
上記廃焼き物をさらに分級して屋根瓦製造用粘土材料の一部として利用される吸水材料を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃焼き物のリサイクル方法。
【請求項6】
上記廃焼き物を、敷砂利代替品として利用することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃焼き物のリサイクル方法。
【請求項7】
上記廃焼き物を破砕するため、粗粉砕設備、粉砕設備、分級設備を含む破砕設備を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の廃焼き物のリサイクル方法を実施するための廃焼き物のリサイクル装置
【請求項8】
上記廃焼き物を破砕するため、粗粉砕設備、粉砕設備、分級設備、微粉砕設備を含む破砕設備を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の廃焼き物のリサイクル方法を実施するための廃焼き物のリサイクル装置
【請求項9】
上記破砕設備が、上記粗粉砕設備、粉砕設備、微粉砕設備への原料投入のための定量供給装置をさらに備えたことを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の廃焼き物のリサイクル装置。
【請求項10】
上記破砕設備がさらに整粒設備を含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の廃焼き物のリサイクル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根瓦や植木鉢等の焼き物の廃品を効率的にリサイクルする廃焼き物のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋根瓦及び植木鉢等焼き物の廃品は安定品目として扱われ、安定型処分場にて最終処分が可能である。このことから、従来廃焼き物は、専ら安定型処分場にて最終処分されてきた。
近年、最終処分場の建設が進まず、その結果処分費用が除々に高騰し、排出者の経営を圧迫するまでになってきている。
このようなことから、屋根瓦や植木鉢等焼き物の廃品、すなわち、廃焼き物の処分について、対策が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、屋根瓦や植木鉢等焼き物の廃品、すなわち、廃焼き物を有効に利用する廃焼き物のリサイクル方法及びそのような方法を実施するための装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、発明者等は鋭意研究を重ね、低コストで効果的に屋根瓦や植木鉢等焼き物の廃物を利用することができる廃焼き物のリサイクル方法及び装置を発明するに至った。
【0005】
すなわち、上記目的を達成するため、本発明に係る廃焼き物のリサイクル方法は、廃焼き物を破砕し、吸水性材料として利用することを特徴とする。
上記廃焼き物は、粘土瓦、普通れんが、陶器質タイル及び植木鉢のうち粘土を主原料として、混練、成型及び焼成した陶製の植木鉢より成るグループから選択された少なくとも一の廃焼き物であることが好ましい。
上記吸水性材料は、棟土(屋根瓦の下敷き材)の砂代替品として使用することができる。
また、上記廃焼き物は、さらに分級、整粒して園芸用土とすることができる。上記廃焼き物は、さらに分級して屋根瓦製造用粘土材料の一部として利用することができる。
またさらに、上記廃焼き物は、敷砂利代替品として利用することができる。
【0006】
本発明は、別の側面において、廃焼き物のリサイクル装置であり、上記廃焼き物を破砕するため、粗粉砕設備、粉砕設備、分級設備を含む破砕設備を備えたことを特徴とする。この破砕設備は、さらに微粉砕設備を含むことができる。
このような破砕設備では、例えば、ジョークラッシャ、ハンマークラッシャ、2軸破砕機等の粗粉砕設備で廃焼き物を破砕する。次いで、粗粉砕物を粉砕設備に投入する。粉砕設備としては、粗粉砕設備と破砕度の異なるジョークラッシャ、ロールミル等を用いることができる。
そして、粉砕設備からの粉砕物を2段篩い等の分級設備に投入する。このような2段篩いでは、篩い下、篩いの中間部、篩い上の3区分を得ることができる。ここで、例えば、篩い下は棟土の原料の砂代替品として使用し、篩い上は、粉砕設備に戻し、粉砕する。粉砕物は再び篩いに導入し、篩い分ける。篩いの中間部は園芸用土として使用する。園芸用土は、必要な場合、整粒設備で整粒する。
このように、篩いは2段式の篩いを使用することが適しているが、もちろん1段式の篩いでも、3段式又はそれ以上の多段式篩いでも良い。
【0007】
上記粉砕設備の破砕後の廃焼き物を、園芸用土として利用する場合、粒度範囲を1〜20mmとすることが好適である。
廃焼き物の破片を破砕、分級して棟土の原料の砂代替品として利用する場合は、上記粉砕設備の破砕後の粒度範囲が0.5〜5.0mmであることが好適である。すなわち、この場合、粒度範囲を0.5mm以上、5.0mm以下に、好ましくは1.0mm以上、3.0mm以下にすることが適している。
【0008】
上記破砕設備は、上記粗粉砕設備、粉砕設備、微粉砕設備への原料投入のための定量供給装置をさらに備えることが好適である。これは、機械の安定運転と製品品質の安定に寄与するものである。定量供給装置としては、ベルトフィーダー、スクリューコンベア、エプロンコンベア、テーブルフィーダ、パドルフィーダ等を挙げることができる。
【0009】
上記破砕設備は、さらに整粒設備を含むことが好適である。
整粒設備は、分級設備を通過させたあと、粉砕物の角を欠いて、丸みを持たせる設備である。整粒を行うことにより、商品価値を増加させるための設備である。整粒設備としては、ボールミル、ピンミル、コーンクラッシャ、振動コンベア、振動ふるい等を使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る廃焼き物のリサイクル方法及び装置について、その実施の形態を説明する。
まず、本発明に係る廃焼き物のリサイクル方法では、廃焼き物を破砕し、吸水性材料として利用することとしている。
本明細書中で、「廃焼き物」とは、一般的に「粘土を主原料として、混練、成型及び焼成した陶器質の焼成品」の廃物である。
【0011】
このような廃焼き物としては、以下(1)〜(4)の廃品の少なくとも一種以上から成るものを例示することができる。
(1)JISA5208:1996に示されている粘土瓦。
(2)JISA1250:2000に示されている普通れんが。
(3)JISA5209:1994に示されている陶磁器質タイルのうち、陶器質タイル   。
(4)植木鉢のうち粘土を主原料として、混練、成型及び焼成した陶製の植木鉢。
【0012】
いわゆる「焼き物」として一般的に考えられるものは、粘土瓦、れんが、陶磁器質タイル、陶製木鉢、陶磁器質食器、陶磁器質置物がある。
本願発明では、このような「焼き物」の廃品を全て「廃焼き物」として取り扱うものではなく、れんが及び陶器質のもので吸水性を持つ物を「廃焼き物」としてその対象としている。すなわち、磁器質の廃品はその対象とはしていない。なお、「廃焼き物」の吸水性としては、吸水率で5%以上、25%以下、好ましくは8%以上、15%以下が好適である。
【0013】
本発明では、その一実施の形態において、廃焼き物を破砕して得られる吸水性材料を、棟土の原料の砂代替品として用いる。
屋根を瓦葺にする際、瓦を安定させるため、通常粘土と砂を主体とした粘土状の棟土を使用する。この棟土は通常粘土:40%〜80%、砂:50%〜10%、水:10%〜30%(重量割合)を良く混練して使用する。
【0014】
棟土に要求される性能は、適度な弾力性、成形性、剛性であり、これを決定する重要な要素は粘土の配合割合である。粘土の配合割合は、棟土全体の保水性を決定するものであり、棟土の性能は保水性の調節により決定されるものと考えてよい。ここで、保水性の良い粘土は高価であり、保水性が少ない砂の割合が多くできればコストダウンにも繋がる可能性を持っている。発明者らは、鋭意検討し、廃焼き物の破砕片(吸水性材料)を棟土の原料の砂代替品として、60%(砂自体の投入量を100%として、これに対する重量割合で)まで使用できることを見出した。
【0015】
本発明に係る廃焼き物のリサイクル方法では、廃焼き物を破砕した後、得られる吸水性材料を、棟土の原料の砂代替品として用いる場合、好適な粒度範囲は、0.5mm〜5.0mm、好ましくは1.0mm〜3.0mmである。
【0016】
本発明では、他の一実施の形態において、廃焼き物を破砕して得られる吸水性材料を、園芸用土(植木用土)として用いる。
この場合、廃焼き物の破片を粒度範囲1.0mm〜20mm、好ましくは3.0mm〜13mmの範囲、より好ましくは5mm〜10mmに粉砕する。
廃焼き物の破片は多孔質であり、保水性も良好で、しかも適度に剛性があり、本発明者らは、園芸用土に5%〜90%(重量割合)混入することで、植物の発育がよくなることを突き止めた。混入割合は好ましくは、10%〜70%(重量割合)、より好ましくは 30%〜60%(重量割合)が適している。
【0017】
本発明では、さらに他の一実施の形態において、廃焼き物を破砕して得られる吸水性材料を、製品を屋根瓦製造用粘土材料の一部として用いる。
すなわち、廃焼き物の破片を粒度範囲で1.0mm以下に粉砕し、製品として得られる吸水性材料を屋根瓦製造用粘土材料の一部としてリサイクルする。
廃焼き物の破片は一度焼成されており、たとえ水に浸したとしても粘土には戻らない。そこで、発明者は鋭意研究の結果、天然の粘土又は、いわゆる汚泥に適当量混入したとしても、屋根瓦製造用粘土材料として性能が低下しない廃焼き物の破片の混入範囲を特定した。
その混入範囲は廃焼き物の破片(粉砕物)の粒径によっても異なる。しかし、例えば、粒度範囲で1mm以下の場合30%(重量割合)までの混入が可能であることを突き止めた。また、廃焼き物の破片をさらに粉砕し、粒度範囲で0.2mm以下にした場合は60%(重量割合)までの混入が可能であることを突き止めた。
【0018】
次に、本発明に係る廃焼き物のリサイクル方法及び装置を添付図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0019】
図1に、粉砕、分級設備を含む破砕設備を備えた本発明に係るリサイクル装置の第1の実施の形態を示す。該図1は、廃焼き物の破片の破砕設備の基本的な構成を示す流れ図である。
この第1の実施の形態では、人力又は他の供給設備、例えばパワーショベル、バケットローダー等又はベルトコンベア等の定量供給装置により、廃焼き物の破片を粗粉砕設備である粗粉砕機100に供給する。粗粉砕機100では、概ね粒度範囲10mm〜100mm程度まで廃焼き物の破片を粗粉砕する。
なお、粗粉砕機100としては、ジョークラッシャ、ハンマークラッシャ、2軸破砕機を採用することができる。
【0020】
粗粉砕された廃焼き物の破片は、人力又は他の輸送設備、例えばパワーショベル、バケットローダー等又はベルトコンベア等定量供給装置により、粉砕設備である粉砕機200に供給し、粉砕する。
粉砕機200としては、粗粉砕設備と破砕度の異なるジョークラッシャ、ロールミル等を用いることができる。
【0021】
粉砕機200からの粉砕品は人力又は他の輸送設備、例えばパワーショベル、バケットローダー等又はベルトコンベア等の定量供給装置により、篩い分け設備(分級設備)である分級機300に供給する。
【0022】
本実施の形態では、2段篩いを持つ分級機300を採用している。この分級では、篩い下、篩いの中間部、篩い上の3区分を得ることができる。ここで、例えば、下段の網目として、3mmを採用し、得られる粒度範囲3mm以下の篩い下の製品2を棟土の原料の砂代替品(製品2)として使用することができる。
最上段の分級網(20mmの網目)を通過できなかった粗粒は、人力又は他の輸送設備、例えばパワーショベル、バケットローダー等又はベルトコンベア等定量供給装置により、粉砕機200に再度投入して、粉砕するか、又は粒度範囲20〜40mmの敷砂利代替品として出荷することが好適である。
【0023】
上下の篩いの中間部は、粒度範囲が3〜20mmの範囲であり、園芸用土(製品1)として使用する。園芸用土は、本実施の形態では、整粒設備である整粒機400で整粒する。
整粒機400は、分級機300を通過させたあと、粉砕物の角を欠いて、丸みを持たせる設備である。整粒を行うことにより、商品価値を増加させるための設備である。整粒機400としては、整粒用ボールミル、ピンミル、コーンクラッシャ、振動コンベア、振動ふるい等を使用することができる。
このように、篩いは2段式の篩いを使用することが適しているが、もちろん1段式の篩いでも、3段式又はそれ以上の多段式篩いでも良い。
【0024】
図2に、本発明に係る廃焼き物のリサイクル方法及び装置の第2の実施の形態を示す。
この第2の実施の形態では、分級機300で得られる最上段の分級網を通過できなかった粗粒を、微粉砕設備である微粉砕機500で微粉砕することとしている。このような粗粒は、人力又は他の輸送設備、例えばパワーショベル、バケットローダー等又はベルトコンベア等定量供給装置により、微粉砕機500に投入する。この微粉砕機500からの微粉砕物を再度分級機300に投入することにより、上下の篩いの中間部で得られる製品1の量を増加させることができる。
なお、微粉砕機500としては、粉砕機400と破砕度が異なるロールクラッシャ、ハンマークラッシャ、ボールミル、ローラーミルを用いることができる。
【0025】
上記図1、図2の実施の形態では、屋根瓦製造用粘土材料を得ていない。このような材料を得るためには、例えば、3段の網を備える分級機を用い、最下段の網目(1mm)を通過する粒度範囲で1.0mm以下のものを利用すれば良い。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現在ほとんど埋め立てられている屋根瓦破片及び植木鉢破片等の廃焼き物の破片を、屋根瓦の下敷き材の一部、園芸用土(植木用土)等として利用することができ、最終処分場において埋め立てられている廃焼き物の量を減らすことを可能とする廃焼き物のリサイクル方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる廃焼き物の破片の粉砕を行う廃焼き物のリサイクル方法及び装置の一実施の形態を説明する流れ図である。
【図2】本発明にかかる廃焼き物の破片の粉砕を行う廃焼き物のリサイクル方法及び装置の他の実施の形態を説明する流れ図である。
【符号の説明】
100    粗粉砕機
200    粉砕機
300   分級機
400   整粒機
500   微粉砕機
【出願人】 【識別番号】502240124
【氏名又は名称】有限会社フジエイ
【住所又は居所】群馬県前橋市小屋原町908番地9
【識別番号】502240135
【氏名又は名称】有限会社渡辺建材
【住所又は居所】埼玉県大里郡妻沼町弥藤吾2285番地1
【識別番号】000185961
【氏名又は名称】太平洋エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】東京都江東区清澄一丁目2番23号
【出願日】 平成14年7月3日(2002.7.3)
【代理人】 【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一

【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一

【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男

【公開番号】 特開2004−33094(P2004−33094A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−194026(P2002−194026)