| 【発明の名称】 |
水田用漏水防止プレート |
| 【発明者】 |
【氏名】樫村 良蔵
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| 【要約】 |
【課題】畦の水田に面する側面を被覆して貯留水の漏れを防止し、農業機械がこれに接触しても容易に破損せず、逆に機械に損傷を与えることもなく、更に軽量でその設置作業が容易であり、設置後は長期間交換する必要もない。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 背面を畦に接した状態で、長手方向一側部である下部を該畦と水田との境界の土壌中に埋め込み固定して、上記畦からの水田貯留水の漏れを防止する横長板状のプレート本体と、 上記プレート本体の前面に長手方向に交差する向きで等間隔に形成した複数の支柱溝であって、該プレート本体の倒伏を防止するためにこの中を通じて土壌中に支柱を打ち込むための支柱溝と、 上記プレート本体の背面に上記各支柱溝に表裏対応させて突出させた複数の補強骨と、 上記プレート本体の長手方向両端部にそれぞれ形成した結合部であって、隣接する相互のプレート本体の結合部と結合するための結合部と、 上記プレート本体の長手方向一側部である下部に長手方向に沿って配した固定シートとで構成し、 上記固定シート及び支柱を除く全構成要素を廃ポリオレフィン系樹脂で一体に成形した水田用漏水防止プレート。 【請求項2】 前記廃ポリオレフィン系樹脂として、廃ポリエチレン樹脂の単独物又は廃ポリエチレン樹脂と廃ポリプロピレン樹脂との混合物のいずれかを採用した請求項1の水田用漏水防止プレート。 【請求項3】 前記プレート本体の長手方向の途中をL字型に屈曲して隅部用に構成した請求項1又は2の水田用漏水防止プレート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、水田中の貯留水の畦からの漏れを防止するために使用する水田用漏水防止プレートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 水田中の貯留水の畦からの漏れ防止策としては、古くから苗を植え付ける前に崩れた畦に水田の土を盛り上げ、かつ練った土を塗りつけて成形し、その表面の密度を高めることが行われてきた。その後になってプラスチック製の畦シートやプラスチック製の波板又はコンクリート板等を畦の水田側の面に接して設置する漏水防止手段が採用されつつある。 【0003】 しかし前者のようにして成形した畦では、実際には漏水防止効果はそれほど大きく期待できるものではなく、更に雑草が生えたりすると一層緻密性が失われて漏水防止効果も低下する。またこのようにして成形された畦は、その上を人が歩いたり、台風や豪雨等に遭うことにより、徐々に崩壊し、毎年、これを形成する必要があってその作業が大変な重労働となっている。 【0004】 また後者の畦シートや波板は、敷設してしばらくの間は漏水防止効果を期待できるものの、刈り払い機の刈り払い紐や金属製の刃又は耕耘機等の接触によって簡単に切断又は破断等の損傷が生じ易く、これによって漏水防止効果が著しく低下してしまうこととなっている。耐候性も大きいとは云えない。従ってこれらの寿命は概ね1年であり、毎年、古いそれの撤去及び新規のそれの敷設を行う必要があり、手間が掛かる上に、結局、コスト高ともなっている。 【0005】 また後者の最後に述べたコンクリート板は、一度、敷設すれば長年に渡って漏水防止効果を期待することができるが、刈り払い機や耕耘機等の運転作業に於いて、これに接触した場合には、これらを運転する作業者に対する危険性やこれらの農業機械に対する損傷の恐れがある。更にこのようなコンクリート板はその重量が大きいため敷設用の重機を必要とすることになるが、そのような重機を水田の近くに運び込むことが厄介であると共に、コストも一段と嵩むものとなり一般的な手段とはなり得ていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、水田の畦に接しその下部を水田の土壌中に埋め込み固定して、貯留水の漏れを効果的に防止することができ、刈り払い機や耕耘機等の農業機械が接触してもそれ自体が簡単に破損されたり、逆にこれらの農業機械に損傷を与えることもなく、軽量でその取扱に作業者の負担が少なく、かつ一度敷設すれば長期間に渡ってその使用を継続することが可能であり、その構造が簡単で容易にかつ安価に製造できる水田用漏水防止プレートを提供することを解決の課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明の1は、背面を畦に接した状態で、長手方向一側部である下部を該畦と水田との境界の土壌中に埋め込み固定して、上記畦からの水田貯留水の漏れを防止する横長板状のプレート本体と、 上記プレート本体の前面に長手方向に交差する向きで等間隔に形成した複数の支柱溝であって、該プレート本体の倒伏を防止するためにこの中を通じて土壌中に支柱を打ち込むための支柱溝と、 上記プレート本体の背面に上記各支柱溝に表裏対応させて突出させた複数の補強骨と、 上記プレート本体の長手方向両端部にそれぞれ形成した結合部であって、隣接する相互のプレート本体の結合部と結合するための結合部と、 上記プレート本体の長手方向一側部である下部に長手方向に沿って配した固定シートとで構成し、 上記固定シート及び支柱を除く全構成要素を廃ポリオレフィン系樹脂で一体に成形した水田用漏水防止プレートである。 【0008】 本発明の2は、本発明の1の水田用漏水防止プレートに於いて、前記廃ポリオレフィン系樹脂として、廃ポリエチレン樹脂の単独物又は廃ポリエチレン樹脂と廃ポリプロピレン樹脂との混合物のいずれかを採用したものである。 【0009】 本発明の3は、本発明の1又は2の水田用漏水防止プレートに於いて、前記プレート本体の長手方向の途中をL字型に屈曲して隅部用に構成したものである。 【0010】 【発明の実施の形態】 本発明は、水田の畦から貯留水の漏れを防止するために、その背面を畦に接した状態で、長手方向一側部である下部を該畦と水田との境界の土壌中に埋め込み固定して用いる水田用漏水防止プレートである。 【0011】 そしてその水田用漏水防止プレートは、基本的に、水田用漏水防止プレートのプレート本体を横長板状に構成し、上記プレート本体の前面に長手方向に交差する向きで等間隔に形成した複数の支柱溝であって、該プレート本体の倒伏を防止するためにこの中を通じて土壌中に支柱を打ち込むための支柱溝と、上記プレート本体の背面に上記各支柱溝に表裏対応させて突出させた複数の補強骨と、上記プレート本体の長手方向両端部にそれぞれ形成した結合部であって、隣接する相互のプレート本体の結合部と結合するための結合部と、上記プレート本体の長手方向一側部である下部にその長さ方向に沿って配した固定シートとで構成し、上記固定シート及び支柱を除く全構成要素を廃ポリオレフィン系樹脂で一体に成形したものである。 【0012】 前記プレート本体は、以上に述べたように、支柱溝と補強骨と結合部とをそれぞれ備え、かつ適度な厚みを持った横長板状の部材であり、廃ポリオレフィン系樹脂で一体に成形するものである。 【0013】 前記プレート本体は、水田の畦にその背面を接して配し、かつその状態で下部を水田の土壌中に埋め込んで固定することにより、水田中の貯留水の漏れを防止できるものである必要があり、一つにはそのような観点から必要な寸法を決定する。またこのように水田の畦に設置したプレート部材が農業機械等の若干の接触等を受けても容易に損傷を生じない等の必要な強度を持つものである必要があり、もう一つはそのような観点から必要な寸法を決定する。 【0014】 前者の基準をより具体的に述べれば、該プレート本体は、その短手方向の寸法は、水田の土壌中に埋め込んでこれを固定するために必要な寸法と、土壌から露出して水田の水を貯留するのに必要な寸法との合算値以上であればよく、他方、長手方向の寸法は、運搬や取り扱いに支障のないなるべく長い寸法が適当であり、更にその厚みは、設置した際に歪みが発生したり、農業機械に接触した際に容易に破損しない程度の強度を持ちうる寸法であれば良いことになる。 【0015】 前記プレート本体は、以上のような観点から合理的と認められる寸法を有するものであれば、特定のそれに限定されない。例えば、縦(短手方向)350〜400mm、横(長手方向)1800〜2000mm、厚さ20〜50mm程度の横長板状が適当である。 【0016】 前記支柱溝は、前記プレート本体の前面に長手方向に交差する向きに、即ち、短手方向と平行に等間隔で複数条を形成する。この支柱溝は、プレート本体を畦に接した状態で敷設した場合に、これが畦の前面側にしっかりと固定され、水田側に倒伏しないようにこれを支持する支柱をこの部位に挿入するための溝であり、支柱をこの中に挿入して前面側に露出させないようにすることにより、耕耘機等の農業機械の運転時に邪魔にならないようになっているものでもある。 【0017】 前記補強骨は、先に述べたように、その複数本を前記プレート本体の背面に前記各支柱溝に表裏対応させて突出させた状態に形成する。この補強骨は、前記プレート本体を畦の前面に設置した場合に該プレート本体が前面側に折れ曲がり湾曲するようなことがないように補強する趣旨で構成するものである。 【0018】 前記支柱溝は、前記プレート本体を上部となる側部から見た場合に、前面側から背面側に凹む溝であり、他方、前記補強骨は、該支柱溝と表裏対応する位置に位置し、かつ該支柱溝が前面側から凹んだ分だけ背面側に突出した突条として構成したものである。該補強骨のサイズは、前記支柱溝との関係で概ね決まるが、その構成目的は、前記した補強であるから、これで不足であれば、該支柱溝のサイズに拘わらず、更に背面側に大きく膨出させる等によってそれを補うべきである。いずれにしても該補強骨のサイズは前記補強目的を達成できるだけのものであれば良い訳である。 【0019】 前記結合部は、先に述べたように、隣接する相互のプレート本体を相互の端部で結合できるように、各プレート本体の長手方向の両端部に構成する。 該結合部は、隣接するプレート本体を直列に接続することができる構成であり、かつその結合部から容易に漏水しないようにすることができるものであれば、特定のそれに限定されない。例えば、プレート本体の長手方向の一端部には適度の幅で前面側から厚さ方向の半分を切り欠いた前部切欠結合部を構成し、他端部には同じ幅で背面側から厚さ方向の半分を切り欠いた後部切欠結合部を構成することができる。 【0020】 このように構成した場合は、隣接するプレート本体の端部相互は、一方の前部切欠結合部を他方の後部切欠結合部を重ね合わせることにより、簡単に直列状態に結合することができ、相互間に段差も生じない。プレート本体の下部を土壌中に埋め込んで固定状態にすれば、一方の前部切欠結合部と他方の後部切欠結合部結合部はしっかりと接合状態となり、この部位からの漏水の問題も生じない。 【0021】 また、例えば、プレート本体の長手方向一端部には、その長さ方向に突出する凸状の雄形結合部を形成し、他端部にはその長さ方向に凹む凹状の雌形結合部を形成することができる。このように構成した場合は、隣接する一方のプレート本体の雄形結合部を他方のプレート本体の雌形結合部と嵌合させることで相互を簡単かつ強固に直列状態に結合することができることになる。 【0022】 以上の支柱溝、補強骨及び結合部は、既述のように、前記プレート本体の各部を構成するものであり、前記したように、全体を廃ポリオレフィン系樹脂により一体に成形するものである。 【0023】 また前記固定シートは、前記プレート本体の長手方向一側部である下部にその長さ方向に沿って配設する。該固定シートの取り付けは、例えば、その上端を、前記プレート本体の前面下部縁に沿って接着剤やビスやヒートシールなどによって行うのが適当である。 【0024】 該固定シートは、水田の貯留水の漏れ防止機能を強化し、かつ敷設した水田用漏水防止プレートを簡単に引き抜いたり移動させたりできないように、その固定を強化する趣旨で設けるものである。簡単に引き抜きできないようにすることにより、盗難防止にも役立つものとなる。 【0025】 この固定シートは、前記のように、プレート本体の下部となる側部に長さ方向に沿って配し、プレート本体の下部と共に水田の土壌中に埋め込まれた際に、前記のように、漏水防止機能の強化及びプレート本体の難引き抜き作用の強化に役立つものであれば特定のシート部材に限定されない。 【0026】 従って該固定シートとしては、適度の強度、耐水性、柔軟性、厚さ及び長さを保持した合成樹脂製のフィルムシートを採用することができる。例えば、後述する廃ポリオレフィン系合成樹脂を原料として、これをTダイなどの押出機によってフィルム状としたものを採用することができる。このような合成樹脂製のフィルムシートは、前記特性に加えて、材料のコストダウンを図ることができると共に、ポリオレフィン系合成樹脂は人や水田に生息する生物に対して安全であるので好ましい。 【0027】 前記プレート本体等の成形用の材料である廃ポリオレフィン系樹脂としては、廃ポリエチレン樹脂の単独物、または廃ポリエチレン樹脂と廃ポリプロピレン樹脂との混合物のいずれかが適当である。廃ポリエチレン樹脂と廃ポリプロピレン樹脂との混合物を採用する場合は、それらの配合比率は、それぞれの樹脂の重合度によっても変わってくるが、現実に市中で回収されて容易に入手できるものを前提とすると、ポリエチレン樹脂80重量部に対して、ポリプロピレン樹脂20重量部の比率の混合物が成形した時に適度の柔軟性が備わって好ましい。 【0028】 なお前記プレート本体の成形材料として廃ポリオレフィン樹脂を採用するのは、材料のコストダウンを図ることと、ポリオレフィン系樹脂が人や水田に生息する生物に対して安全なものであること等による。 【0029】 また前記プレート本体は、畦の隅部用として、その長手方向の途中で屈曲させてL字型に成形したものを別に構成するのが好ましい。畦の隅部には、これを配することとすることにより、設置が容易になると共に、隅部に於ける水田の貯留水の漏れを確実に防止することが出来るようになる。 【0030】 次に本発明の水田用漏水防止プレートの使い方について説明する。 先ず水田用漏水防止プレートを、その前面、即ち、支柱溝を形成した面を水田側に向け、背面、即ち、補強骨を形成した面を畦側に向け、かつその固定シートを配した側の側部を水田の土壌中に向け、前記背面を畦の側面に接して配すると共に、その下部を200〜250mm程度まで地中に埋め込む。 【0031】 この埋め込み深さによれば、そのプレート本体の下部は土壌層を下回って50mm程度地底中に埋め込まれた状態になる。またプレート本体の下部に結合している固定シートも上記地底中に埋設状態となる。この固定シートは、地底中で、若干水田内方に向けて斜め下向き傾斜状態に敷き込む状態になるようにするのが適当である。このような埋め込み作業は、畦の内側を必要な深さ及び幅で掘り下げ、プレート本体及び固定シートを上記のように配した上で埋め戻すことによって容易に行うことができる。 【0032】 順次以上のようにして畦に沿って水田用漏水防止プレートを設置し、隣接する相互は、相互の端部に構成してある結合部を利用して直列状態に結合する。 また水田の隅部に於いては、L字型に構成した隅部用の水田用漏水防止プレートを利用して、前記ストレートな水田用漏水防止プレートと同様に、その下部を水田の地中に埋め込み、その端部の結合部では、隣り合う水田用漏水防止プレートの結合部と前記のように直列に結合する。 【0033】 このようにして畦の水田に面する側面に、順次、水田用漏水防止プレートを接合すると共にその下部を地中に埋め込んで固定した後、それぞれの水田用漏水防止プレートのプレート本体の各支柱溝の中に適度の太さの支柱を挿入し、かつその支柱の上端を木鎚等で叩いて地中に打ち込み固定する。該支柱はその全体が地中に埋め込み状態になるまで打ち込む。こうして該支柱は、その上部は水田の土壌層中に埋設状態となり、下部は地底中に突き込まれた状態となる。該支柱はその長さを充分なものとすることにより、その下部を水田用漏水防止プレートの下部より下方まで突き込んだ状態になるようにする。こうして水田用漏水防止プレートが水田側に倒伏することがないように固定して設置作業は完了する。 【0034】 なお上記支柱としては、棒状のものであればどのようなものでもよい。例えば太い竹を棒状に割ったものなどを好ましく用いることができる。また上記支柱の使用は、水田用漏水防止プレートの固定状況によって判断し、場合によっては、これを部分的に使用しても全く使用しなくてもよい。 【0035】 そして敷設が完了した水田に適度のレベルに(例えば、水田用漏水防止プレートの上端から50〜100mm下方程度のレベル)張った水は、水田用漏水防止プレートによって漏れることなく良好に貯留しておくことができるようになる。また一度敷設した水田用漏水防止プレートはメンテナンスの必要もなく長期に渡ってそのまま利用することができる。 【0036】 【実施例】 以下、本発明の水田用漏水防止プレートの実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。 図1〜図7は本発明の一実施例を示しており、図1は水田用漏水防止プレートを示す斜視図、図2は隅部用の水田用漏水防止プレートを示す斜視図、図3は水田用漏水防止プレートを垂直に立ち上がる水田の畦に設置した状態の縦断側面図、図4は水田用漏水防止プレートを傾斜する水田の畦に設置した状態の縦断側面図、図5は(a)はプレート本体の支柱溝に支柱を挿入して水田の土壌中に埋め込んだ状態を示す一部切欠拡大正面図、図5(b)はプレート本体の支柱溝に支柱を挿入して水田の土壌中に埋め込んだ状態を示す一部切欠拡大平面図、図6(a)は隣接する水田用漏水防止プレート相互を一方の端部の前部切欠結合部と他方の端部の後部切欠結合部とで結合しようとしている状態を示す一部切欠斜視図、図6(b)は隣接する水田用漏水防止プレート相互を一方の端部の前部切欠結合部と他方の端部の後部切欠結合部とで結合した状態を示す一部切欠斜視図、図7(a)はプレート本体の途中でカットした隣接する水田用漏水防止プレート相互を該カットした部位で当接結合させようとしている状態を示す一部切欠斜視図、図7(b)はプレート本体の途中でカットした隣接する水田用漏水防止プレート相互を該カットした部位で当接結合させ、その部位の背後に裏打ち板を配した状態を示す一部切欠斜視図である。 【0037】 この実施例は、水田用漏水防止プレートP1の横長板状のプレート本体1の基本寸法を縦400mm、横2000mm、厚さ30mmに決定した。図1に示すように、このプレート本体1の前面には、その短手方向、即ち、縦方向に5本の支柱溝2、2…を相互に平行かつ等間隔に構成し、その背面には5本の補強骨3、3…を、それぞれ支柱溝2、2…に表裏対応させて構成する。この実施例では、該補強骨3、3…は、平面から見た形が上底20mm、下底30mm、高さ10mmの台形に構成する。前記支柱溝2、2…も平面から見て同様の形状寸法の凹部に構成する。 【0038】 更に、図1に示すように、このプレート本体1の長手方向の左端部には端部から幅20mmの部分を背面側から厚さ15mm分だけ切り欠いた後部切欠結合部4aを構成し、かつ右端部には端部から幅20mmの部分を前面から厚さ15mm分だけ切り欠いた前部切欠結合部4bを構成する。 【0039】 以上の各構成要素を備えたプレート本体1を、原料として、廃ポリエチレン樹脂/廃ポリプレン樹脂を80/20重量部の割合で混合した混合物を採用して成形機によって一体に成形する。 【0040】 また、図1に示すように、このプレート本体1の前面下部には前記前部切欠結合部4bの部分を除いて固定シート5の上端を接着剤で固定する。該前部切欠結合部4bの部分を除くのは、隣接する水田用漏水防止プレートP1、P1相互を該前部切欠結合部1bと前記後部切欠結合部4aとを重ね合わせて結合する場合に邪魔になるからである。なお上記固定シート5は、廃ポリエチレン樹脂を原料としてTダイにより製造した厚さ150μm、幅250mm、長さ1980mmの帯状のポリエチレンフィルムである。プレート本体1の長さより20mm短く構成することにより寸法が適合することとなる。プレート本体1に、以上のように、固定シート5を結合して水田用漏水防止プレートP1が完成する。 【0041】 またこの実施例では、図2に示すように、隅部用の水田用漏水防止プレートP2を構成することとした。上記隅部用の水田用漏水防止プレートP2は、プレート本体11の基本形状をプレート本体11の長手方向の途中を内側に直角に屈曲させたL字形に決定し、その基本寸法を縦400mm、横(直角部を直線に換算した)1604mm、厚さ30mmに決定した。 【0042】 そしてこのL字形のプレート本体11には、図2に示すように、その前面側には4本の支柱溝12、12…を、その背面側には4本の補強骨13、13…を、それぞれ表裏対応させて構成し、更にこのプレート本体11の左端部には後部切欠結合部14aを、右端部には前部切欠結合部14bを、それぞれ構成する。 【0043】 以上の支柱溝12、補強骨13、後部切欠結合部14a、前部切欠結合部14bは、それぞれ前記ストレートな水田用漏水防止プレートP1の支柱溝2、補強骨3、後部切欠結合部4a、前部切欠結合部4bと全く同一の構成であり、以上の各構成要素を備えたプレート本体11は、これも同様に、原料として、廃ポリエチレン樹脂/廃ポリプレン樹脂を80/20重量部の割合で混合した混合物を採用して成形機によって一体に成形したものである。 【0044】 またこのL字形のプレート本体11の前面下部にも同様に固定シート15を固設する。この取り付け方も前記ストレートな水田用漏水防止プレートP1のそれと全く同様である。こうしてL字形のプレート本体11に固定シート15を取り付けて隅部用の水田用漏水防止プレートP2を完成させる。 【0045】 このような水田用漏水防止プレートP1及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2を、これらを設置すべき水田まで運び込み、支柱として竹を複数に縦割りして形成した長さ400mmの竹杭6を多数用意して畦7、8の水田に面する側面に設置し、その設置の際の状況と設置後の貯留水の漏水防止効果その他を観察した。 【0046】 先ず水田用漏水防止プレートP1を、図3及び図4に示すように、その背面の補強骨3が畦7、8の水田に面する側面に接し、固定シート5が水田の中に入るように畦7、8に沿って配置し、プレート本体1の下部をこれに固設した固定シート5と共に水田の土壌層9a及び地底層9b中に全体として250mm程度埋め込んだ。固定シート5は、図3及び図4に示すように、水田側に向かって斜め下向き傾斜になるように埋め込んだ。 【0047】 このような埋め込みは、畦7、8の水田に面する側面に沿って地底層9bまで固定シート5の敷設幅に合わせて掘り下げ、上記のように、プレート本体1の下部及び固定シート5を位置させた上で、埋め戻して行ったものである。なお図3は、水田用漏水防止プレートP1を水田に面する側面が直立している畦7に設置した例を示し、図4は、水田に面する側面が傾斜している畦8に設置した例を示している。 【0048】 畦7、8には、設置した水田用漏水防止プレートP1の両側に、同様に水田用漏水防止プレートP1を順次設置し、隅部を除いて該水田用漏水防止プレートP1で畦7、8の水田側の側面をカバーする。隣接する水田用漏水防止プレートP1、P1相互の結合は、図6(a)に示すように、一方のプレート本体1の前部切欠結合部4bに他方のプレート本体1の後部切欠結合部4aを対応させるべく移動させ、図6(b)に示すように、相互を重ね合わせることで結合する。こうしてプレート本体1、1相互は直列状態で結合することとなる。 【0049】 なお水田用漏水防止プレートP1のプレート本体1は、設置すべき畦7、8との関係で、最後に設置すべき一枚の長さが、残っている設置領域の長さを越えることとなる場合があるが、その場合は、該プレート本体1を残っている設置領域の長さに合うようにカットし、図7(a)、(b)に示すように、隣接する相互の端部を突き合わせると共に、その背面側に裏打ち板16を配することとする。 【0050】 水田の隅部には、隅部用の水田用漏水防止プレートP2を用いる。ストレートな水田用漏水防止プレートP1と同様にして、その下部を水田の土壌層9a及び地底層9bの中に埋め込み、その端部の後部切欠結合部14a及び前部切欠結合部14bを用いて、先に述べたのと同様にして、左右のストレートな水田用漏水防止プレートP1の前部切欠結合部4b又は後部切欠結合部4aと結合し、畦7、8の水田側の側面を隙間なく水田用漏水防止プレートP1、P1…、P2、P2…でカバーする。 【0051】 更に以上のように設置したストレートな水田用漏水防止プレートP1、P1…及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2、P2…のそれぞれの支柱溝2、12の中には、図5(a)、(b)に示すように、支柱である竹杭6、6…をそれぞれ竹の外皮を水田の側に向けた状態にして挿入し、図3、図4及び図5(a)、(b)に示すように、水田の土壌層9a及び地底層9bの中にその全体が埋まった状態になるように木鎚で叩いて打ち込み確実に固定する。 【0052】 このとき、水田用漏水防止プレートP1、P2は、前記したように、その下部の約250mm程度が土壌層9a及び地底層9b中に埋まっており、図3、図4及び図5(a)に示すように、竹杭6はその上部の250mm程度が水田用漏水防止プレートP1、P2の支柱溝2、12中に挿入状態で土壌層9a及び地底層9b中に埋まっており、更にその下部の150mm程度が該水田用漏水防止プレートP1、P2より深く地底層9b中に埋まっていることになる。図5(a)中、SSは土壌層9aの表面を示し、BSは土壌層9aと地底層9bとの境界を示している。 【0053】 こうしてストレートな水田用漏水防止プレートP1及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2の水田の畦7、8の水田に面する側面への設置は完了である。 【0054】 水田には、図3、図4及び図5(a)に示すように、定法に従って約100mmの深さに水10を張り、該水10の貯留状態を3週間に渡って観察した。なおこの状態で、水田用漏水防止プレートP1及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2の側から云うと、その上端から50mmの部位に水面が位置することとなっている。図5(a)中、WSは水面を示している。 【0055】 水田用漏水防止プレートP1及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2の設置の時の状況と設置後の漏水防止効果は次の通りであった。 ▲1▼水田用漏水防止プレート1及び隅部用の水田用漏水防止プレート2は、それ自体が軽量なので、これらの搬入、水田の土壌層9a及び地底層9bへの埋め込み、竹杭6の打ち込み等を一人で簡単にかつ安全に行うことができた。 ▲2▼ストレートな水田用漏水防止プレートP1及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2の左右の結合も容易かつ確実に行うことができ、上から見た状態ではほぼ直線状に結合することが出来た。 ▲3▼また設置完了後、水10を張って3週間を経過した後に、水田用漏水防止プレートP1及び隅部用の水田用漏水防止プレートP2のプレート本体1、11を人力で引き上げようと試みたが、殆ど動かず、単に引っ張るだけでは抜き取ることが困難であることが明らかとなった。プレート本体の上部が水田側に屈曲するような問題も全くなかった。 ▲4▼貯留水は、3週間後でも、水田用漏水防止プレート1、11を設置しない水田と比べ、その保持状態が良好であり、漏水防止効果は極めて良好であった。 【0056】 【発明の効果】 従って、本発明の1の水田用漏水防止プレートによれば、これを、一度、畦に設置すると、特にメンテナンスの必要もなく、長期に渡って水田の貯留水の畦からの漏れを防止することができる。 【0057】 本発明の1の水田用漏水防止プレートは、そのプレート本体の背後に補強骨を備えており、充分強度が確保されているので、畦に設置した状態で若干の外力が加わっても、水田側に屈曲するような問題はない。更に前面側に支柱溝が形成してあり、これを利用して支柱でこれを支持することができるため、畦側からより大きな力が働いても水田側に倒伏するような問題も生じ難いものである。 【0058】 また本発明の1の水田用漏水防止プレートは、そのプレート本体の下部に固定シートを固設してあり、これを畦に設置した場合に、該固定シートの作用により、一層漏水防止作用が高まり、加えて、これを上方から引っ張っても容易に抜けないものとなり、盗難防止効果も得られることとなる。 【0059】 更に本発明の1の水田用漏水防止プレートは、そのプレート本体の材料としてポリオレフィン系樹脂を採用しているので、人や水田に生息している生物に対しても安全であり、かつポリオレフィン系樹脂として廃ポリオレフィン系樹脂を採用しているので、安価に製作できると共に、資源のリサイクルの観点からも有効である。 【0060】 更にまた本発明の1の水田用漏水防止プレートはポリオレフィン系樹脂製であり、適度な弾力性も備えているため、これに刈り払い機や耕耘機等の農業機械類が接触するようなことがあっても、該水田用漏水防止プレートが壊れたり、逆に接触した農業機械類を損傷する虞もない。更には該農業機械を運転する作業者に対しても安全性が確保される。 【0061】 また軽量なので、一人でも水田の畦に容易に設置することができる。 【0062】 本発明の2の水田用漏水防止プレートによれば、原料が容易かつ安価に入手できると共に、製造物を適度な弾力性のある優れたものにすることができる。 【0063】 本発明の3の水田用漏水防止プレートによれば、水田の隅部に設置するのに好都合なものとなり、かつこの部位からの漏水をより確実に防止することができるようになる。 【図面の簡単な説明】 【図1】一実施例のストレートなタイプの水田用漏水防止プレートを示す斜視図。 【図2】一実施例の隅部用の水田用漏水防止プレートを示す斜視図。 【図3】水田用漏水防止プレートを垂直に立ち上がる水田の畦に設置した状態の縦断側面図。 【図4】水田用漏水防止プレートを傾斜する水田の畦に設置した状態の縦断側面図。 【図5】(a)はプレート本体の支柱溝に支柱を挿入して水田の土壌中に埋め込んだ状態を示す一部切欠拡大正面図。 (b)はプレート本体の支柱溝に支柱を挿入して水田の土壌中に埋め込んだ状態を示す一部切欠拡大平面図。 【図6】(a)は隣接する水田用漏水防止プレート相互を一方の端部の前部切欠結合部と他方の端部の後部切欠結合部とで結合しようとしている状態を示す一部切欠斜視図。 (b)は隣接する水田用漏水防止プレート相互を一方の端部の前部切欠結合部と他方の端部の後部切欠結合部とで結合した状態を示す一部切欠斜視図。 【図7】(a)はプレート本体の途中でカットした隣接する水田用漏水防止プレート相互を該カットした部位で当接結合させようとしている状態を示す一部切欠斜視図。 (b)はプレート本体の途中でカットした隣接する水田用漏水防止プレート相互を該カットした部位で当接結合させ、その部位の背後に裏打ち板を配した状態を示す一部切欠斜視図。 【符号の説明】 P1 水田用漏水防止プレート P2 隅部用の水田用漏水防止プレート 1、11 プレート本体 2、12 支柱溝 3、13 補強骨 4a、14a 後部切欠結合部 4b、14b 前部切欠結合部 5、15 固定シート 6 竹杭 7 水田に面する側面が垂直に立ち上がっている畦 8 水田に面する側面が傾斜している畦 9a 土壌層 9b 地底層 10 水 16 裏打ち板 BS 土壌層と地底層との境界 SS 土壌層の表面 WS 水面
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| 【出願人】 |
【識別番号】302026405 【氏名又は名称】樫村 良蔵
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| 【出願日】 |
平成14年7月1日(2002.7.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078879 【弁理士】 【氏名又は名称】木幡 行雄
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| 【公開番号】 |
特開2004−33046(P2004−33046A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月5日(2004.2.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−192076(P2002−192076) |
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