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【発明の名称】 屋上緑化装置
【発明者】 【氏名】中村 源一郎

【要約】 【課題】屋上などの人工地盤を涼冷に保つ建築物の屋上緑化装置を提供することを目的とする。

【解決手段】建築物の屋上などの略平坦面な人工地盤上に形成され、所定の範囲に配置された複数の脚部と、その天端上に間隔を設けて載置された1枚以上の板状部材により形成された緑化部保持面と、その外枠を取囲む周壁板と、緑化保持面上に布設される保水材と、その上面の一部又は全部を覆設する緑化基盤材と、から構成される屋上緑化装置であって、周壁板に、人工地盤上と脚部と緑化部保持面とにより形成される空隙に通風するための1つ以上の開口部又は透孔又はスリットを有することを特徴とする屋上緑化装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の屋上又はベランダ等の略平坦面な人工地盤(00)上の所定の範囲において、人工地盤(00)上に配置された複数の脚部(10)と、複数の脚部(10)上に1枚以上の板状部材(20)を載置して形成される緑化部保持面(30)と、緑化部保持面(30)を取り囲んで固設される周壁板(40)と、緑化部保持面(30)上面に布設される保水部材(50)と、保水部材(50)上面の一部又は全部に覆設される緑化基盤材(60)と、緑化基盤材(60)上面に形成される植栽面(70)と、から構成される屋上緑化装置であって、
周壁板(40)は、緑化基盤材(60)及び植栽面(70)を保持するとともに、緑化部保持面(30)より人工地盤(00)までの部位に、人工地盤(00)と脚部(10)と緑化部保持面(30)とにより形成される空隙(80)に通風するための、1つ以上の開口部又は透孔又はスリットを有することを特徴とする
屋上緑化装置
【請求項2】
板状部材(20)が通水性を有することを特徴とする
請求項1に記載の屋上緑化装置
【請求項3】
脚部(10)と板状部材(20)とが一体的に成形されていることを特徴とする
請求項1又は2のいずれか1つに記載の屋上緑化装置
【請求項4】
脚部(10)と人工地盤(00)とが一体的に成形されていることを特徴とする
請求項1、2又は3のいずれか1つに記載の屋上緑化装置
【請求項5】
屋上緑化構造物は、緑化基盤材(60)又は植栽面(70)に対して給水する給水手段(90)をさらに備えていることを特徴とする
請求項1、2、3又は4のいずれか1つに記載の屋上緑化装置
【請求項6】
屋上緑化構造物は、周壁板(40)又は植栽面(70)内の少なくとも1箇所に、空隙(80)に送風する送風手段(100)又は空隙(80)から排気する排気手段(110)のいずれか又は両方をさらに備えていることを特徴とする
請求項1、2、3、4又は5のいずれか1つに記載の屋上緑化装置
【請求項7】
屋上緑化構造物は、給水手段(90)又は送風手段(100)又は排気手段(110)のいずれか1つ以上に電力を供給するための太陽光発電装置(120)又は風力発電装置(130)のいずれか又は両方をさらに備えていることを特徴とする
請求項5又は6のいずれか1つに記載の屋上緑化装置
【請求項8】
屋上緑化装置は、解体、再組み立て可能であることを特徴とする
請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれか1つの記載の屋上緑化装置
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、建築物の屋根、屋上、ベランダ、デッキ、プラットホーム、橋梁等の人工地盤上を緑化するための緑化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、緑地の減少やコンクリート建造物等の増加、エアコンディショナーの外気への放熱などの、複合的な要因で生じるといわれている都市部の異常な高温化、いわゆるヒートアイランド現象は、都市化の進展に伴う大きな問題となっており、その対策の1つとして行政機関や民間などで、建築物の屋根や屋上などを緑化して建築物内の温度を下げて空調効率を高めたり、緑による都市空間の温度上昇を抑える取組みがなされている。
【0003】
人工地盤が緑化されることで、直射日光の遮断効果や、植物の蒸散作用により、人工地盤の温度上昇は抑制されることは経験的にも期待されることであるが、発明者による最近の調査研究では、緑化した人工地盤の温度が、期待したほど低温になっていないことが解ってきた。
【0004】
人工地盤上の緑化方法としては、特開2002−125452号公報、特開2002−84889号公報、特開2002−84879号公報、特開2002−95348号公報等で公知となっているように、人工地盤(鉄筋コンクリート床盤)上に保水層や排水層を設けて、緑化基盤材を乗せて緑化するものが一般的であるが、人工地盤への周辺壁面などからの熱伝導により、人工地盤の温度が上昇した場合は、保水層や排水層の部材やその中の水分に熱が滞熱し、人工地盤の熱が逃げにくくなるとともに、外気温が下がる夜間では、人工地盤上の緑化装置等が保温層となり、人工地盤の熱が放熱されないという問題点が判明してきた。
【0005】
さらに、こうした人工地盤上の緑化では、少雨のため緑化基盤材内が、異常に乾燥した時などは、植栽の生存本能から根が水分を求めて排水層内に進入し、排水層内に根を繁茂させ排水機能を不全に陥らせたりして、後日の大雨などの時に想定以上の滞水が発生する可能性があったり、人工地盤のコンクリート面の亀裂や目地内にある水分を求めて植栽の根が防水層の接合部や施工不良個所を通って躯体内部にまで侵入し、人工地盤躯体内の鉄筋が雨水により腐食させたり、更に腐食した鉄筋をつたって雨水などが室内に入る漏水事故を引き起こす危険性があった。
【0006】
このため、特開2002−34332号公報、特開2002−171827号公報等で公知となっているとおり、必要により植物の根の侵入や人工地盤の漏水防止のために人工地盤上に防水シート等を布設する工法を採用する場合があるが、この場合、より大きな施工費用を要するという実用上の問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な事情に鑑みたもので、緑化部保持面と人工地盤との間に十分な空隙を設け、通風又は送風することにより人工地盤を極力乾燥させて、根の伸長を阻害させることで人工地盤の破損、室内への漏水事故等を阻止し、これらに対する予防処置としての防水シートなどの布設を不要とさせ、コスト軽減となる建築物の屋上緑化装置を提供するとともに、緑化部保持面と人工地盤と空隙に通風又は送風することによって水分の蒸発による気化熱を利用して、人工地盤の熱放出を促進し、人工地盤上を冷涼に保つ建築物の屋上緑化装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、建築物の屋上又はベランダ等の略平坦面な人工地盤(00)上の所定の範囲において、人工地盤(00)上に配置された複数の脚部(10)と、複数の脚部(10)上に1枚以上の板状部材(20)を載置して形成される緑化部保持面(30)と、緑化部保持面(30)を取り囲んで固設される周壁板(40)と、緑化部保持面(30)上面に布設される保水部材(50)と、保水部材(50)上面の一部又は全部に覆設される緑化基盤材(60)と、緑化基盤材(60)上面に形成される植栽面(70)と、から構成される屋上緑化装置であって、周壁板(40)は、緑化基盤材(60)及び植栽面(70)を保持するとともに、緑化部保持面(30)より人工地盤(00)までの部位に、人工地盤(00)と脚部(10)と緑化部保持面(30)とにより形成される空隙(80)に通風するための、1つ以上の開口部又は透孔又はスリットを有することを特徴とする屋上緑化装置を提供する。
【0009】
請求項2の発明は、板状部材(20)が通水性を有することを特徴とする請求項1に記載の屋上緑化装置を提供する。
【0010】
請求項3の発明は、脚部(10)と板状部材(20)とが一体的に成形されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1つに記載の屋上緑化装置を提供する。
【0011】
請求項4の発明は、脚部(10)と人工地盤(00)とが一体的に成形されていることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか1つに記載の屋上緑化装置を提供する。
【0012】
請求項5の発明は、屋上緑化構造物が、緑化基盤材(60)又は植栽面(70)に対して給水する給水手段(90)をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は4のいずれか1つに記載の屋上緑化装置を提供する。
【0013】
請求項6の発明は、屋上緑化構造物が、周壁板(40)又は植栽面(70)内の少なくとも1箇所に、空隙(80)に送風する送風手段(100)又は空隙(80)から排気する排気手段(110)のいずれか又は両方をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5のいずれか1つに記載の屋上緑化装置を提供する。
【0014】
請求項7の発明は、屋上緑化構造物が、給水手段(90)又は送風手段(100)又は排気手段(110)のいずれか1つ以上に電力を供給するための太陽光発電装置(120)又は風力発電装置(130)のいずれか又は両方をさらに備えていることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1つに記載の屋上緑化装置を提供する。
【0015】
請求項8の発明は、屋上緑化装置は、解体、再組み立て可能であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれか1つの記載の屋上緑化装置を提供する。
【0016】
「発明の詳細な説明」
【0017】
図1は、本願発明の基本構成を模式的に示した図である。
【0018】
脚部(10)は、図2に示すような形状のものであり、人工地盤(00)上に配置され、1枚以上の板状部材(20)により形成される緑化部保持面(30)を保持し、人工地盤(00)と緑化部保持面(30)との間に空隙(80)を形成するものである。空隙(80)は、通風が確保される十分な高さを持つ必要があるため、脚部(10)の高さは、概5cm以上であることが望ましいが、屋上の利用状況等に応じて、送風手段(100)又は排気手段(110)の活用などにより、通気が確保される範囲で任意の高さとすることができる。
【0019】
脚部(10)の形状、配置は、上載の緑化基盤材(60)の重量などにより決まり、材質は板状部材(20)と同じでもよいし異質のものでもよい。脚部(10)の形状は、図2に示すものだけでなく、1枚以上の板状部材(20)により形成される緑化部保持面(30)にかかる荷重を、複数個配置することで保持することができる形状であれば、任意の形状のものでよい。また、脚部(10)の配置は、1枚の板状部材(20)ごとに1つ以上配置されてもよいし、複数の板状部材(20)の隣接境界部に適宜配置されてもよい。
【0020】
板状部材(20)は、1枚以上を脚部(10)上に載置して、緑化部保持面(30)を形成するものであり、矩形、正方形、菱形等の面形状を持つものである。当然に、1枚以上を面的に並べて、緑化基盤材(60)の重量を均等に受けることができれば、任意の形状とすることができる。
【0021】
板状部材(20)の材質は、コンクリート、金属(アルミ・ステンレス・鋳鉄など)、プラスチック樹脂などの、水、有機物、細菌等による腐食などが起こりにくく、上載荷重に十分耐えられる強度を有する材質とする。
【0022】
板上部材(20)は、図3(a)に示すように略平坦の無孔板を所定の間隔を設けて設置することにより通水性を確保してもよいし、請求項2の発明のように、図3(b)(c)(d)(e)に示すように板上部材(20)を多孔板、スリット板、メッシュ板形状にすることにより通水性を確保したり、透水性の素材で形成されたものでもよい。
【0023】
板状部材(20)の通水性は、植栽の植物の種類、緑化基盤材(60)の種類、緑化基盤材(60)の厚さ、給水手段(90)の有無、設置環境(室内、室外、日射状況など)また、緑化基盤材(60)内の保水部材(50)の材質等を踏まえ、必要とされる緑化基盤材(60)の水分を調整するとともに、通風による過剰乾燥を防ぐため、例えば板状部材(20)の形状やその配置間隔、通水性のある板状部材(20)の場合は、穴の寸法・形状・数やメッシュ形状などにより調整することができる。
【0024】
請求項3の発明のとおり、脚部(10)と板状部材(20)は一体的に形成することができ、施工時に脚部(10)の位置決めと板状部材(20)の設置の手間を簡略化できる。その場合、脚部(10)と板状部材(20)とは、図3(a)に示すように別々の部材を接着材などで接合したものでもよいし、図3(d)(e)に示すようにはじめから脚部(10)と板状部材(20)とが一体成型された部材でもよい。
【0025】
周壁板(40)は、図4に示すように緑化部保持面(30)より植栽面(70)上部まで垂直に壁板が伸びて、緑化基盤材(60)及び植栽面(70)が流出又は崩壊しないように保持し、緑化部保持面(30)より建築物の屋根又は屋上などの人工地盤(00)までの部位は、図5に示すように、人工地盤(00)と脚部(10)と緑化部保持面(30)とにより形成される空隙(80)への通風が確保されるとともに、異物又は小動物等が空隙(80)に侵入しないように防護できるように、1つ以上の開口部又は透孔又はスリットが設けられているものである。
【0026】
周壁板(40)の材質は、コンクリート、金属(アルミ、ステンレス、鋳鉄など)プラスチック樹脂などで、耐候性に優れた材料を用いるが、屋上緑化の目的から、軽量で施工性が良く人工地盤との接合性を考慮した材料を選定することが望ましい。
【0027】
周壁板(40)の形状は、図5に示すように、矩形ブロック型やL型形状などで緑化基盤材(60)の流出を防げる形状で、人工地盤(00)側には、送風や排気確保のための開口部や透孔、スリットなどが設けられている。ただし、異物又は小動物等が空隙(80)に侵入しないように防護する寸法、形状とする。さらに、排水層としての機能を確保するために排水を可能とする形状とする必要がある。図5に示す形状に限定されず、緑化基盤材(60)の流出を防止し、空隙(80)への通気を確保する形状であれば、任意の形状を採用することができる。
【0028】
周壁板(40)と板状部材(20)の接合部は、緑化基盤材(60)が流出しないように、図6(a)のように接合部をコーキングしてもよいし、図6(b)のように保水部材(50)を周壁板(40)に沿わせて立ち上げる方法を利用してもよい。
【0029】
保水部材(50)は、緑化基盤材(60)の乾燥を防止するとともに、緑化基盤材(60)が、緑化部保持面(30)の通水箇所又は隙間などから流出することを防ぐものであり、例えば、繊維くず、シュレッダーダスト、端切れ材、ウッドチップ、おが屑、ゼオライト、バーミュキュライト、鉱物、火山灰性天然素材、発泡部材(コンクリート、ゴム等)、多孔性焼成材、セラミックス、スポンジ、微細管、苔などの園芸用保水材、廃棄性質物質、人工部材などを敷設して成るものである。なお、緑化基盤材(60)に上記保水部材(50)を混合したものを緑化基盤材(60)として、その下に板状部材(20)及び脚材(10)を配設するようにしてもよい。
【0030】
ただし、植栽面(70)に植える植物が、例えば竹や笹などの根の勢いが強い植物や、根が乾燥に強い植物の場合は、保水部材(50)の下面に、透水性を有する専用の防根シートなどを挿入して、空隙(80)への根の伸長を防ぐこともできる
【0031】
緑化基盤材(60)は、自然土壌の他、人工土壌、植生マット、植生土嚢など植栽面に植える植物が、育成し得るものであればいずれも利用できる。また、肥料や保水部材(50)等が混合されたものでもよい。
【0032】
緑化基盤材(60)の厚さは、概10cmとすることが望ましいが、潅水設備など適切な潅水管理を行えるときは、概3cm程度でよい。また、緑化基盤材(60)の厚さを概30cm以上とすれば、高木植物を植栽することもできる。ただし、この場合板状部材(20)及び脚部(10)に十分な強度を要す。
【0033】
植栽面(70)には、地被植物(低木類、草木類、つる植物類、芝類、ササ類、コケ類、シダ類)、ハードフェスク、シープフェスク等の洋芝類、ワイルドフラワー類、マンネングサ類、クローバー類、ノシバ、コウライシバ、ジャヒゲを植えることが望ましいが、十分な緑化基盤材(60)の厚さと板状部材(20)等の強度が確保できれば、高木植物を植栽することもできる。
【0034】
請求項4の発明は、脚材(10)を屋根又は屋上などの人工地盤(00)と一体的に形成されたもので、人工地盤(00)を施工すると同時期に突起状の脚材(10)を所定の位置に、同一材料により設置し、人工地盤(00)上に凹凸を設けることにより、人工地盤(00)内の滞留熱を速やかに放熱させる効果を生じさせる。また、板状部材(20)の施工を簡略化し施工性を高めることを特徴とする。
【0035】
請求項5の発明は、図4に示すように緑化基盤材(60)又は植栽面(70)に対して給水する給水手段(90)を備えているもので、給水方法は、植栽面(70)の上側から散水状に給水してもよいし、緑化基盤材(60)内に多孔管等を配管して給水してもよい。また保水部材(50)に直接給水してもよい。
【0036】
給水手段(90)により、天候によらず、植栽維持のための水分を供給することができるとともに、水分の蒸散により人工地盤(00)を冷涼に保つために、空隙(80)内を水分で濡らすことができる。
【0037】
給水用水源は、水道を利用してもよいし、屋根などの降雨を集水し貯留タンクに貯めて、必要に応じて電動ポンプ等で給水して利用してもよい。雨水の利用は、水資源の循環利用を促進するとともに、水道料を削減できるため、屋上緑化にも好適である。
【0038】
請求項6の発明は、図7及び図8に示すように、周壁板(40)又は植栽面(70)内の少なくとも1箇所には、空隙(80)に送風する送風手段(100)又は、空隙(80)より排気する排気手段(110)のいずれか又は両方をさらに備えるものである。
【0039】
送風手段(100)又は排気手段(110)は、周壁板(40)付近にパラペット等の壁体や建築物、機械設備等があるために、周壁板(40)の開口部だけでは空隙(80)に十分な送風を確保できない場合や、屋上の利用状況等により脚部(10)が十分な高さを確保することができない場合などで、特に効果を発揮する。
【0040】
送風手段(100)又は排気手段(110)は、自然の風力により行うことを基本としているが、図8に示すように積極的に風を取り込み利用するための装置としてもよいし、図9に示すように電動ファンなどにより強制的に送排気してもよい。
【0041】
送風手段(100)又は排気手段(110)の設置数は、屋上緑化面積や、緑化部保持面(30)の脚部(10)の形状、周辺環境などによる通風の難易度、植栽形態等により適宜設定する。送風手段(100)又は排気手段(110)となるダクトは、コンクリート、金属(アルミ、ステンレス、鋳鉄など)プラスチック樹脂などで耐候性に優れた材料を用いることが望ましい。
【0042】
送風手段(100)又は排気手段(110)の形状は、円筒、柱状などで送風、排気し易い形状・寸法とする。強風が懸念される場合などは、装置の寸法を小さくして設置数を増やしたり、突出部を低くするなどする。また、図7に示すように、パラペット等の壁体の上に吸気口を付けて送風ダクト等から空隙(80)内に送風してもよい。
【0043】
請求項7の発明は、図9に示すように給水手段(90)又は送風手段(100)又は排気手段(110)のいずれか1つ以上に、動作のために必要とする電力を供給するための太陽光発電装置(120)又は、風力発電装置(130)のいずれか又は両方を、屋上緑化構造物と一体的に、又は別体として近傍に、さらに備えているものである。
【0044】
給水手段(90)で雨水を利用する場合や、送風手段(100)や排気手段(110)が自然の風力により十分な効果を期待できない場合には、送風機械等により強制的に吸気、排気を行わせることができるが、その給水ポンプや送風機械等の運転に自然エネルギーを利用することで、さらに、環境にやさしく、かつランニングコストを削減して、設備を運転することができる。
【0045】
請求項8の発明は、上記の特徴を持つ屋上緑化装置を、移設や季節による暫定利用を可能とするとともに、屋根緑化装置の各構成部材の再利用を促進し、資源の有効利用や廃棄物を削減するために、解体、撤去、再組み立てを可能とする組立手段により組み立てるものであり、組立手段としては、ねじ、ボルトナット、着脱可能なテープ材、その他着脱可能な結合部材等を利用して、屋上緑化装置の構成部材を組み立てるものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る屋上緑化装置によれば、緑化部保持面と人工地盤との間に十分な空隙を設け、通風又は送風することにより人工地盤を極力乾燥させて、根の伸長を阻害させることで人工地盤の破損、室内への漏水事故等を阻止し、これらに対する予防処置としての防水シートなどの措置を不要とさせ、コスト軽減となる建築物の屋上緑化装置を提供するとともに、緑化部保持面と人工地盤と空隙に通風又は送風することによって水分の蒸発による気化熱を利用して、人工地盤の熱放出を促進し、人工地盤上を冷涼に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態に係る建築物の屋上緑化構造体を示す一部破断した斜視図
【図2】脚部(10)の具体的な構造図であり、(a)、(b)、(c)、(d)はその斜視図
【図3】板状部材(20)の具体的な構造図であり、(a)は略平坦の無孔板と脚部(10)の組合せを示した斜視図、(b)と(c)は板状部材(20)のメッシュ板と多孔板を示した斜視図、(d)は多孔板の板上部材(20)と脚部(10)が一体となった構造の斜視図、(e)はスリット板の板上部材(20)と脚材(10)が一体となった構造の斜視図
【図4】本願発明の屋上緑化構造体の一部と給水手段(90)を示す断面図
【図5】周壁板(40)の具体的な構造図であり、(a)は矩形ブロック状の斜視図、(b)はL型状の斜視図、(c)は台形状の斜視図
【図6】周壁板(40)と板状部材(20)との接合部の処理の例を示した図であり、(a)はコーキング処理の図、(b)は保水部材(50)を周壁板(40)に沿わせて立ち上げた図
【図7】送風手段(100)を周壁板より空隙(80)内に送風するための一例を示した断面図
【図8】排気手段(110)の通風塔を植栽面内に設置し、空隙(80)より排気するための一例を示した断面図
【図9】強制的な排気手段(110)の電源を太陽光発電装置(120)又は風力発電装置(130)から供給された通風塔を植栽面内に設置し、空隙(80)より排気するための一例を示した断面図
【符号の説明】
00   人工地盤
10   脚部
20   板状部材
30   緑化部保持面
40   周壁板
41   コーキング
50   保水材
60   緑化基盤材
70   植栽面
80   空隙
90   給水手段
100   送風手段
110   排気手段
120   太陽光発電装置
130   風力発電装置
【出願人】 【識別番号】598120643
【氏名又は名称】中村 源一郎
【出願日】 平成14年6月19日(2002.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−16231(P2004−16231A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−214547(P2002−214547)