| 【発明の名称】 |
植物栽培用シート及び植物栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】森元 良自 【住所又は居所】大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内
【氏名】山本 直一郎 【住所又は居所】大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内
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| 【要約】 |
【課題】培土交換の必要性が生じても、簡単かつ完全に培土を離すことができ、また栽培コストを低く設定でき、栽培植物の成長と収穫物の高品質を維持せしめ、安くておいしさと大きさの揃った野菜などの栽培植物を効率よく生産する方法を提供する。
【解決手段】透水係数(JIS A 1218に準拠)が10−3〜10−5cm/secの透水遮根シートからなり、かつ無縫製であることを特徴とする植物栽培用シートであり、さらに、栽培植物の苗を保持した植物栽培用培土の周囲及び底部を前記の透水遮根シートで包み込み、かつ該透水遮根シートの上端部は開放状態にして植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透水係数(JIS A 1218に準拠)が10−3〜10−5cm/secの透水遮根シートからなり、かつ無縫製であることを特徴とする植物栽培用シート。 【請求項2】 透水遮根シートが織物、編物又は不織布であることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培用シート。 【請求項3】 透水遮根シートが生分解性繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物栽培用シート。 【請求項4】 栽培植物の苗を保持した植物栽培用培土の周囲及び底部を請求項1〜3のいずれかの透水遮根シートで包み込み、かつ該透水遮根シートの上端部は開放状態にして植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は植物栽培用シートに関し、さらに詳しくは主に液体肥料を使用して植物栽培を行う栽培法で使用する植物栽培用シートに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、施設園芸で栽培される野菜や果菜(実を収穫する野菜)などの植物栽培法は土耕方式であった。しかし土耕方式は連作障害が発生し易いために蒸気消毒や化学薬品を使用して土壌消毒をしているが、完璧性に欠ける欠点と、労力や使用薬品障害等の問題もある。 【0003】 これらの問題を回避するために地面から切り離した隔離ベッドで、固形肥料でなく液体肥料を使用して栽培する方法が主流を占めてきている。しかし、この切り離しの液肥栽培では上述の土耕より土量が少ないために液肥の給液コントロールが大きなポイントになる。ところが給液量をコントロールしているにもかかわらず、培土を支える成型箱型容器の底部に溜まる余剰液肥がスムーズに排水されない時は、根がその余剰液肥を吸収した植物は他のものより成長が進み果実のサイズや糖度が異なってくる。そこで透水遮根性を有するシートを縫製して袋状にし、培土をその中に入れて栽培する方法(特開平2001−299083号公報)が提案されている。しかしながら、「人工培土を詰めた培土用袋には、適宜の位置に適宜の数の孔ないし切れ目(カッター等で)を入れてそこに種を蒔き、あるいは作物の苗木を移植する」とあるように、この方法では、培土用袋が孔を穿けないと種や苗木が植えられない筒状袋であるとともに、防根性シートを筒状袋にするには何らかの縫製(部分接着または部分溶着でも同様)が必要である。しかも袋を縫製すると、縫製部の細孔から根が液肥を求めて出根し、上述と同様に成長が進んで果実のサイズ、量、糖度等に差がでてしまう問題がある。また、縫製費用が価格を高くする欠点もあるし、事情により培土交換や入替え等の必要性が発生した時に袋の縫製部角に残る培土が取出し難い欠点がある。さらに、消毒を必要とする時も袋の角は消毒剤が届き難い。更にまた、流通用ケース箱に収納する際にも縫製品は嵩張りやすく、箱への収納方法にも気を配る必要があり手間になる等の問題がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記の問題点に鑑み、培土交換の必要性が生じても、簡単かつ完全に培土を離すことができ、容易にすみずみまで消毒薬剤が届き、また、嵩張らず多量のシートを流通用ケース箱に詰めることができ、シートの単価を低く設定でき、かつ透水遮根性能を有しながら植物の成長と収穫物の高品質を維持せしめ、安くておいしさと大きさの揃った野菜を効率よく生産しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、次の手段を採用するものである。すなわち本発明は、 1.透水係数(JIS A 1218に準拠)が10−3〜10−5cm/secの透水遮根シートからなり、かつ無縫製であることを特徴とする植物栽培用シート。 2.透水遮根シートが織物、編物又は不織布であることを特徴とする第1に記載の植物栽培用シート。 3.透水遮根シートが生分解性繊維であることを特徴とする第1又は2に記載の植物栽培用シート。 4.栽培植物の苗を保持した植物栽培用培土の周囲及び底部を第1〜3のいずれかの透水遮根シートで包み込み、かつ該透水遮根シートの上端部は開放状態にして植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。 【0006】 【発明に実施の形態】 本発明に使用する透水遮根シートは無縫製である。その大きさは1m2/枚以内が好ましく、この大きさで生育させる野菜の本数は4本以下が好ましい。これは敷設時に、該シート1m2のサイズに収納する培土量は20リットル程度であり、その培土も乾燥時の仮比重が0.8以下の軽量培土が多用されるため作業者に負担にならない量であり、それだけの培土量で生育できる液肥供給システムが可能であるからである。更に小さいシートサイズで1本/枚で生育させて小面積の多収穫目的の高い栽培密度法も良いが、無縫製であることが肝要である。これは縫製によるシートの容器化では、縫製部より出根してしまうからである。無縫製使用で苗木下は培土が露出していても、その培土上を覆う蒸散と昇温抑制シート(不透水性シートが好ましい)があるために大きな問題はないが、本発明の無縫製シートの培土より十分はみ出した部分で露出部分を覆っても良い。 【0007】 また、本発明に使用する透水遮根シートは、透水係数(JIS A 1218に準拠)が10−3〜10−5cm/secで、培土中で植物の根が侵入するのを防止できるものである。遮根性と透水性のバランスを考慮すると、透水係数は、1×10−4〜9×10−4cm/secであるのが好ましい。該シートは、フィルム製でも良いが透水性の面から布帛製が好ましく、更に好ましくは不織布製よりも遮根性の高密度製編織品,特に緻密さから製織品が良い。 【0008】 また、透水遮根シートの素材は特に限定されるものではないが、長期間の繰り返し使用には非生分解性繊維素材のポリエステル繊維が好ましく、後の廃棄を考慮するなら生分解性素材を使用しても構わない。また、該シートの質量(g/m2)や厚み(mm)等には特に制限はない。 【0009】 また、本発明におけるシートの周囲は構成糸のホツレ防止のために溶断(ヒートカット)されていても良い。またシート形状は限定しないが製造時の生産性やロスを少なくする目的から正方形ないし長方形が望ましい。またシートは着色や無着色は何ら制限されない。 【0010】 さらに本発明は、前記の本発明における透水遮根シートで、栽培植物の苗を保持した植物栽培用培土の周囲及び底部を包み込み、かつ該透水遮根シートの上端部は開放状態にして植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法である。 【0011】 本発明においては、透水遮根シートは、栽培ベッドや装置内で、縫製しないで風呂敷のように栽培植物の苗を保持した植物栽培用培土を収納し、他の培土などから隔離するように使用されるのである。 【0012】 本発明では、縫製しない透水遮根シートで出根を完全に押さえ、かつシートの外の液肥を吸収しないように配置することで、培土内に根域制御管理された濃度と給液量を与えることで糖度の高い粒の大きさが揃った果実がほぼ同時期に収穫できる。また、培土交換の必要性が生じても、縫製しないシート状であるので、簡単かつ完全に培土を離すことができる。 【0013】 【実施例】 以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。 実施例1 ポリエステルフィラメント繊維織物(透水係数4×10−4cm/sec)の50cm×50cmの長方形に溶断して、以下に示す方法で植物栽培シートとしての性能を評価した。 即ち、得られたシートを底の穴から底面潅水するための親水性不織布(東洋紡績社製ジャームガード)リボンが挿入された直径約15cmの素焼き植木鉢にシート中央部が底穴に接するように押込み、その中にパーライトを培土としてトマトの苗を植え込み、市販の液肥を所定倍率に希釈した液1リットルを2リットル容積の円形バット内に入れて後に、バット内に高さ5cmの矩形状置台を置いて上記素焼き鉢を置いた。乾燥パーライトを湿潤させるために希釈液と同濃度液を鉢上から潅水して毛細管を連結させた後、苗部だけが露出するようにアルミフォイルで円形バットごと包んだ。この装置を日当たり良い屋外の降雨のかからない場所に置き、バット内の液が減少すると追加液を成長に添って加え、定期的に鉢からシートごと取出してシートからの根が出ているか否かを観察した。その結果を表1に示した。 【0014】 実施例2 ポリエステルスパンボンド不織布(透水係数5×10−4cm/sec、目付100g/m2)を実施例1と同サイズにカットし、以下は実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示した。 【0015】 比較例1 実施例1のポリエステルフィラメント繊維織物を30cm×40cmの長方形に溶断し、40cmの辺を半分に折った30cm×20cmの二つ折りの20cm辺部の重なり部分を0.5mm折り返して、その部分をポリエステルミシン糸30番手で縫い、ピッチ2mmで縫い上げて袋を作った。次にこの袋を実施例1と同様にしてトマトの苗を植え同様に評価した。その結果を表1に示した。 【0016】 比較例2 実施例2のポリエステルスパンボンドを比較例1と同サイズにカットし、以下は比較例1と同様に評価した。その結果を表1に示した。 【0017】 表1は、上記栽培試験より根のシートからの出根状況を観察した結果である。 【表1】
【0018】 上記の結果から、無縫製シートは出根が全く見られず、この実験では、底面潅水方式のために果実の品質や糖度までの結果は出せなかったが、徒長は実施例1≦比較例1≦実施例2≦比較例2の順で長くなり、シートからの出根量の多さと徒長に正比例相関が認められた。 【0019】 【発明の効果】 本発明によれば、透水性で遮根性の縫製しないシートで出根を完全に押さえ、かつシート外の液肥は吸収しないので、所定の培土内に根域制御管理された濃度と給液量で肥料を与えることができ、糖度が高く粒の大きさが揃った果実をほぼ同時期に収穫することができる。更に縫製しない低コストのシートを使用することにより、生産コストの低減をも実現できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の透水性遮根シートを用いた植物栽培状態の例を示す模式的概念図である。 【符号の説明】 1・・・作物の苗 2・・・培土 3・・・透水性遮根シート 4・・・素焼き鉢 5・・・バット 6・・・矩形鉢置台 7・・・底面給水材 8・・・アルミフォイル 9・・・養液
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
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| 【出願日】 |
平成14年6月12日(2002.6.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−16017(P2004−16017A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月22日(2004.1.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−171818(P2002−171818) |
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