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【発明の名称】 穀物貯蔵タンク
【発明者】 【氏名】山本 惣一
【住所又は居所】山形県天童市大字老野森404番地 株式会社山本製作所内

【氏名】大山 栄司
【住所又は居所】山形県天童市大字老野森404番地 株式会社山本製作所内

【氏名】東海林 喜代一
【住所又は居所】山形県天童市大字老野森404番地 株式会社山本製作所内

【要約】 【課題】穀物を長期間貯蔵でき、かつ、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を分けて貯蔵することができると共に、穀物のトレーサビリティーの確認を容易に行うことができる穀物貯蔵タンクを得る。

【解決手段】穀物貯蔵タンク10では、外囲14内側の外板26に取り囲まれた貯蔵室28に籾Mが貯蔵される。ここで、クーラーユニット62からの冷風が送風管64を介して外板26と外囲14との間の隙間30に送風されるため、貯蔵室28内の籾Mが良好に冷却されて、籾Mを長期間貯蔵できる。さらに、貯蔵室28が複数の分割室36に分割されているため、購入者の多様なニーズに合った各種の籾Mを個別にきめ細かく分けて貯蔵することができると共に、籾Mのトレーサビリティーの確認を容易に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁に取り囲まれると共に複数の分割室に分割され、穀物が貯蔵される貯蔵室と、
前記内壁の外周に設けられると共に建造物の外周を構成し、前記内壁との間に冷風が送風される隙間が設けられた外壁と、
を備えた穀物貯蔵タンク。
【請求項2】
前記貯蔵室内に設けられ、風を発生させる風発生手段を備えた、ことを特徴とする請求項1記載の穀物貯蔵タンク。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穀物が貯蔵される穀物貯蔵タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
米の過剰基調が継続し、これが在庫の増加、米価の低下を引き起こし、その結果、生産者の水田農業経営が困難な状況に立ち至っている。他方、購入者(消費者、卸業者、加工業者等)のニーズが多様化し、これに決め細やかに対応した安定供給の必要性が高まってきている。
【0003】
ところで、従来の米の流通形態では、各集落毎や、各大規模農家毎で、栽培した米を品種のみで分別し、所謂CE(カントリーエレベータ)又はRC(ライスセンター)と呼ばれる共同の大型穀物乾燥調製施設に持ち込んで乾燥し、大型の穀物貯蔵タンクに品種毎に大量に混合貯蔵し、大量に調製(籾摺、精選、必要に応じて精米)して購入者に提供していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、上記の穀物貯蔵タンクでは、米を長期間貯蔵(例えば通年貯蔵)することで、米を購入者に安定供給できることが望まれている。
【0005】
また、上記の穀物貯蔵タンクでは、米が混合されて貯蔵される。このため、生産者の多様な生産条件を活かして生産された特徴ある米を、そのまま購入者に届けることができない。
【0006】
つまり、消費者は、高くても好みに合った米が欲しい、味が一般的でも安い米が欲しい、粘りがあって甘い米が欲しい、冷めてもおいしい米が欲しい、もちもちした感触の米が欲しい、低アレルギーの米が欲しいなどのように、多様な品質、食味の米を要求しているが、これらのニーズを考慮した米及び米に関する生産者側の情報を消費者に提供することができない。
【0007】
さらに、卸業者、加工業者等も、ファミリレストラン用飯米が欲しい、弁当、おにぎり用等コンビニエンス向けの米が欲しい、すし、ピラフ、パエリア用等飲食店向けの米が欲しい、レトルト米、冷凍米用等原料米に適した米が欲しい、ポン菓子、まんじゅう用等加工適性がある米が欲しい等のように、多様な品質、食味の米を要求しているが、これらのニーズを考慮した米及び米に関する生産者側の情報を卸業者、加工業者等に提供することができない。
【0008】
また、生産者は、購入者ニーズを十分に知ることができなかったため、購入者のニーズを米の生産に反映させることができない。
【0009】
このため、購入者の多様なニーズに合った米をきめ細かく分けて貯蔵でき、かつ、米のトレーサビリティの確認(履歴(例えば生産条件)の追跡)が容易な穀物貯蔵タンクの開発の要請がある。
【0010】
【特許文献1】
特許第3362735号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、穀物を長期間貯蔵でき、かつ、購入者の多様なニーズに合った穀物を分けて貯蔵できると共に、穀物のトレーサビリティの確認が容易な穀物貯蔵タンクを得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクは、内壁に取り囲まれると共に複数の分割室に分割され、穀物が貯蔵される貯蔵室と、前記内壁の外周に設けられると共に建造物の外周を構成し、前記内壁との間に冷風が送風される隙間が設けられた外壁と、を備えている。
【0013】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクでは、内壁に取り囲まれた貯蔵室に穀物が貯蔵される。さらに、内壁の外周に外壁が設けられており、内壁と外壁との間に隙間が設けられている。
【0014】
ここで、この内壁と外壁との間の隙間に冷風が送風されるため、貯蔵室内の穀物が良好に冷却される。このため、穀物を冷却しつつ貯蔵する保冷倉庫として機能でき、穀物を長期間貯蔵することができる。
【0015】
また、貯蔵室が複数の分割室に分割されているため、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を、分割室毎に分けて貯蔵することができる。
【0016】
さらに、履歴(例えば生産地や生産方法等の生産条件)が異なる穀物を分割室毎に分けて貯蔵できるため、穀物のトレーサビリティーの確認(履歴追跡)を容易に行うことができる。
【0017】
また、外壁が建造物の外周を構成して、穀物貯蔵タンクが建造物と一体化されているため、低コスト化を図ることができる。
【0018】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記貯蔵室内に設けられ、風を発生させる風発生手段を備えた、ことを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクでは、貯蔵室内に設けられた風発生手段が風を発生させるため、貯蔵室内の穀物が更に良好に冷却される。このため、穀物を更に長期間貯蔵することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンク10が設けられた建造物12が縦断面図にて示されており、図2には、建造物12の内部構成が正面図にて示されている。図3には、建造物12の詳細な内部構成が平面図にて示されており、図4には、建造物12の概略的な内部構成が平面図にて示されている。
【0021】
本実施の形態に係る穀物貯蔵タンク10は、多品種乾燥調製システム(高付加価値流通システム)を構成している。
【0022】
穀物貯蔵タンク10は、外壁としての長方形筒状の外囲14を備えており、外囲14は断熱材(例えば内側にウレタン断熱材が張設されたサイデイング)とされている。
【0023】
外囲14内側の右側壁近傍及び左側壁近傍には、それぞれ正方形柱状の外柱16が11本立設されている。外囲14の右側壁近傍における11本の外柱16は、前後方向に沿って等間隔に配置されており、当該11本の外柱16のうちの前端及び後端の外柱16は、それぞれ外囲14の前側壁近傍及び後側壁近傍に配置されている。外囲14の左側壁近傍における11本の外柱16は、前後方向に沿って等間隔に配置されて、それぞれ外囲14の右側壁近傍における各外柱16に左右方向において対向しており、当該11本の外柱16のうちの前端及び後端の外柱16は、それぞれ外囲14の前側壁近傍及び後側壁近傍に配置されている。
【0024】
各外柱16と、各外柱16近傍の外囲14の側壁と、の間には、それぞれ各外柱16における上部近傍、下端及び上部近傍と下端との中間部位において、棒状の支杆18が架け渡されており、各外柱16は各支杆18を介して外囲14を支持している。
【0025】
外囲14の上面は略矩形板状の屋根20に覆われており、屋根20は、左右方向において傾斜された状態で、各外柱16に支持されている。図6(A)に示す如く、屋根20は、所謂折版屋根とされて、複数の台形状の突出部20Aが等間隔に折曲形成されており、各突出部20Aは屋根20の傾斜方向に沿って配置されている。
【0026】
外囲14の内側には、左右方向において対向する各対の外柱16間の中央において、正方形柱状の内柱22が立設されており、各内柱22の高さは、各外柱16の上部近傍の高さ(上端の支杆18の固定部位の高さ)と略同一とされている。11本の内柱22のうちの前端及び後端の内柱22は、それぞれ外囲14の前側壁近傍及び後側壁近傍に配置されており、前端の内柱22と外囲14の前側壁との間、及び、後端の内柱22と外囲14の後側壁との間には、それぞれ当該各内柱22における上端、下端及び上下方向中間部位において、上記と同様の支杆18が架け渡されている。このため、この前端及び後端の内柱22は、各支杆18を介して外囲14を支持している。
【0027】
前後方向において対向する各外柱16の間、左右方向において対向する前端の内柱22と前端の各外柱16との間、及び、左右方向において対向する後端の内柱22と後端の各外柱16との間には、内壁としての略矩形板状の外板26が固定されており、各外板26は、各内柱22上端の高さ(屋根20よりある程度低い位置)から各内柱22下部近傍の高さ(建造物12の床面よりある程度高い位置)まで配置されている。図6(B)に示す如く、各外板26は、所謂デッキプレートとされて、複数の台形状の凸部26Aが等間隔に折曲形成されており、各凸部26Aは横方向に平行に配置されている。
【0028】
外囲14の内側には、24枚の外板26に取り囲まれた貯蔵室28が形成されており、外囲14と24枚の外板26との間には、貯蔵室28の全外周に配置された隙間30が形成されている。
【0029】
前後方向において対向する各内柱22の間、及び、左右方向において対向する前端及び後端以外の各外柱16と前端及び後端以外の各内柱22との間には、略矩形板状の内板34(仕切り板)が固定されており、各内板34は、外板26と同様に各内柱22上端の高さから各内柱22下部近傍の高さまで配置されている。また、各内板34は外板26と同様のデッキプレートとされている。
【0030】
貯蔵室28は、28枚の内板34によって20個の分割室36(ロット)に分割されており(仕切られており)、貯蔵室28には、前後方向へ10個の分割室36が並べられて構成された分割室36の列が、左右方向へ2列形成されている。また、各分割室36は、2枚の外板26及び2枚の内板34または1枚の外板26及び3枚の内板34に取り囲まれている。
【0031】
前後方向において対向する各外柱16の間には、断面正方形棒状の梁24が架け渡されており、各梁24は外板26の直上に配置されている。また、左右方向において対向する各外柱16の間にも、同様の梁24が架け渡されており、各梁24は外板26または内板34の直上及び内柱22の直上に配置されている。さらに、前後方向において対向する各内柱22の間にも、同様の梁24が架け渡されており、各梁24は内板34の直上に配置されている。
【0032】
左右方向または前後方向において対向する梁24間には、断面L字板状のアングル材32が各分割室36上端の中央を通過する状態に架設されており、各アングル材32は左右方向または前後方向に平行に配置されている(図1にのみ図示)。
【0033】
各分割室36の下端(各分割室36を取り囲む2枚の外板26及び2枚の内板34または1枚の外板26及び3枚の内板34の下端)には、逆四角錘状の漏斗底板38が固定されており、漏斗底板38の上面は開放されている。各漏斗底板38は各分割室36の下端を覆って各分割室36の底板を構成しており、また、20個の漏斗底板38は貯蔵室28の下端を覆って貯蔵室28の底板を構成している。
【0034】
各漏斗底板38の下端(頂部)には、正方形状の排出口40が形成されており、各排出口40は平板状の排出シャッタ42に閉塞されている。各排出シャッタ42はエアシリンダまたはモータとされた排出駆動装置(図示省略)に接続されており、各排出駆動装置が駆動されることで、各排出シャッタ42が前方または後方へ移動(摺動)されて、各排出口40が開放される。
【0035】
このように、穀物貯蔵タンク10では、20個の分割室36を形成する24枚の外板26、28枚の内板34及び20個の漏斗底板38(排出シャッタ42を含む)によって、20個の同一のサイロ44(例えば平面視が各辺2.5mの正方形とされたサイロ44)が設けられている。
【0036】
また、上記外囲14は建造物12の外周を構成しており、さらに、上記各外柱16、各支杆18、屋根20、各内柱22、各外板26及び各内板34は、建造物12を構成している。
【0037】
外囲14内上部の左右方向中央には、供給コンベア46(チェーンコンベア)が配置されており、供給コンベア46は、各内柱22の上方に配置されると共に、外囲14の外側まで延伸されて多品種乾燥調製システムの乾燥部(図示省略)に接続されている。乾燥部は、複数の乾燥機(図示省略)を有すると共に、多品種乾燥調製システムの図示しない集中制御装置(中央制御装置)に接続されており、乾燥部では、集中制御装置の制御により、購入者の多様なニーズに合った各種の籾M(穀物)が、種類毎に別々の乾燥機で乾燥される。
【0038】
図5(A)に詳細に示す如く、供給コンベア46は、長尺正方形筒状の筐体48を有しており、筐体48内の左右方向中央には、長手方向に沿ってチェーン50が設けられている。チェーン50は、一端及び他端のスプロケット(図示省略)に巻回されて回動走行自在に保持されている。チェーン50の上側部位は、筐体48内の上部に配置され、前記一端と他端との間の所定数の箇所でも小径のスプロケット(図示省略)に保持されており、これにより、チェーン50のたるみが防止されている。チェーン50の下側部位は、筐体48内の下端に配置されて筐体48の底板に接触されている。
【0039】
図5(B)に詳細に示す如く、チェーン50には、複数対の矩形平板状の掻出板52が一体成形されており、各対の掻出板52はチェーン50から左右両側へ突出されると共に、複数対の掻出板52はチェーン50の長手方向に沿って適宜の間隔をおいて配置されている。また、各掻出板52の突出先端と筐体48の側壁との隙間は籾Mが通過しない大きさとされると共に、チェーン50下側部位の各掻出板52は、筐体48の底板に接触されている。
【0040】
供給コンベア46は、上記集中制御装置に接続されており、集中制御装置の制御により、チェーン50が駆動されて各対の掻出板52が移動されることで、チェーン50下側部位の各対の掻出板52が筐体48の底板上を摺動する。これにより、乾燥部で乾燥された籾Mが、チェーン50下側部位の各対の掻出板52によって搬送される。
【0041】
筐体48の底板には、20個の分割室36に対応して、20個の供給口54が形成されており、各供給口54は平板状の供給シャッタ56に閉塞されている。各供給シャッタ56はエアシリンダまたはモータとされた供給駆動装置(図示省略)に接続されており、各供給駆動装置が駆動されることで、各供給シャッタ56が前方または後方へ移動されて、各供給口54が開放される。筐体48の底板には、各供給口54に対応して、20個の供給樋58が固定されており、各供給樋58は、各供給口54に連通されると共に、各分割室36へ向けて下方へ傾斜されている。
【0042】
各供給駆動装置は、上記集中制御装置に接続されており、乾燥部の所定(1つ)の乾燥機から所定(1つ)の種類の籾Mを所定(1つ)の分割室36へ供給する指示が集中制御装置に入力された際には、集中制御装置の制御により、上述の如く供給コンベア46が乾燥部の所定の乾燥機から所定の種類の籾Mを搬送すると共に、所定の分割室36に対応する供給駆動装置が駆動されて対応する供給シャッタ56が移動されることで対応する供給口54が開放される。これにより、対応する供給樋58を介して所定の種類の籾Mが所定の分割室36(貯蔵室28)に供給されて(張り込まれて)貯蔵される。
【0043】
これが終了した後に、乾燥部の他の所定(1つ)の乾燥機から他の所定(1つ)の種類の籾Mを他の所定(1つ)の分割室36へ供給する指示が集中制御装置に入力された際には、同様に乾燥部の他の所定の乾燥機から他の所定の種類の籾Mが他の所定の分割室36へ供給されて貯蔵される。
【0044】
以後、この工程が繰り返されることで、各分割室36に籾Mが種類毎に別々に貯蔵される。
【0045】
外囲14内の下端には、排出コンベア60(ベルトコンベア)が左右に一対設けられている。右側の排出コンベア60は、右側の列の10個の漏斗底板38(排出口40及び排出シャッタ42)の直下を通過して外囲14の外側まで延伸されることで、多品種乾燥調製システムの調製部(図示省略)に接続されている。左側の排出コンベア60は、左側の列の10個の漏斗底板38(排出口40及び排出シャッタ42)の直下を通過して外囲14の外側まで延伸されることで、調製部に接続されている。また、調製部は上記集中制御装置に接続されている。
【0046】
上記各排出駆動装置及び各排出コンベア60は、上記集中制御装置に接続されており、所定(1つ)の分割室36に貯蔵された所定(1つ)の種類の籾Mを排出して調製部に供給する指示が集中制御装置に入力された際には、集中制御装置の制御により、所定の分割室36に対応する1つの排出駆動装置が駆動されて対応する1つの排出シャッタ42が移動されることで対応する1つの排出口40が開放されると共に、所定の分割室36の直下の1つの排出コンベア60が駆動される。これにより、所定の分割室36に貯蔵された所定の種類の籾Mが、対応する1つの排出口40から排出されて直下の1つの排出コンベア60上に落下することで、当該1つの排出コンベア60によって調製部へ搬送される。
【0047】
これが終了した後に、他の所定(1つ)の分割室36に貯蔵された他の所定(1つ)の種類の籾Mを排出して調製部に供給する指示が集中制御装置に入力された際には、同様に他の所定の分割室36に貯蔵された他の所定の種類の籾Mが排出されて調製部に供給される。
【0048】
以後、この工程が繰り返されることで、調製部へ籾Mが種類毎に別々に供給される。さらに、調製部では、集中制御装置の制御により、籾Mが供給された種類毎に別々に調製(籾摺、精選、必要に応じて精米)されることで、精選された玄米または白米が種類毎に別々に各購入者へ出荷される。
【0049】
外囲14の外側には、所定数(本実施の形態では4つ)のクーラーユニット62が設けられている。各クーラーユニット62は、送風管64の一端に連通されており、各送風管64の他端は、外囲14の周方向へ略等間隔な位置において、外囲14内の上部に連通されている。各クーラーユニット62は、上記集中制御装置に接続されており、各クーラーユニット62は、集中制御装置の制御により、例えば15℃程度の冷風(冷気)を生成して、この冷風を各送風管64を介して外囲14内の上部に送風する。これにより、各分割室36内に上方から冷風が送風されると共に、貯蔵室28全外周(外囲14と各外板26との間)の隙間30及び各漏斗底板38の下方空間に冷風が送風される。これにより、各分割室36(貯蔵室28)内に貯蔵された籾Mが冷却される。
【0050】
各分割室36には、風発生手段としての冷却器66(グレンエアレータ)が設けられている。冷却器66は長尺円筒状の吸気筒68を有しており、吸気筒68の周壁には多数の吸気孔70が貫通形成されると共に、吸気筒68の下端は逆円錐状とされて閉じられている。吸気筒68の上端近傍は、上記アングル材32の中央にバンド72により固定されており、これにより、吸気筒68は分割室36内の中央に上下方向に平行に配置されている。
【0051】
吸気筒68の上端には、吸気手段としてのブロワ74が固定されており、ブロワ74の上部にはモータ74Aが設けられている。ブロワ74には吐気管76の一端が接続されており、吐気管76の他端は外囲14の外側まで延伸されている。ブロワ74(モータ74A)は上記集中制御装置に接続されており、集中制御装置の制御により、ブロワ74(モータ74A)が駆動されることで、分割室36内の温気が吸気筒68の多数の吸気孔70から吸引されて吐気管76を介して外囲14の外側へ排出される。このため、分割室36内に風が発生されて、分割室36内に貯蔵された籾Mが冷却される構成である。
【0052】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0053】
以上の構成の穀物貯蔵タンク10では、乾燥部の1つの乾燥機で乾燥された1つの種類の籾Mが、供給コンベア46によって搬送されて、供給シャッタ56の制御によって所定(1つ)の分割室36に供給される。さらに、これが終了した後には、乾燥部の他の1つの乾燥機で乾燥された他の1つの種類の籾Mが、供給コンベア46によって搬送されて、供給シャッタ56の制御によって他の所定(1つ)の分割室36に搬送される。以後、この工程が繰り返されることで、貯蔵室28の各分割室36に籾Mが種類毎に別々に貯蔵される。
【0054】
また、所定(1つ)の分割室36に貯蔵された1つの種類の籾Mが、排出シャッタ42の制御によって排出されて、排出コンベア60によって搬送されることで、調製部へ供給される。さらに、これが終了した後には、他の所定(1つ)の分割室36に貯蔵された他の1つの種類の籾Mが、排出シャッタ42の制御によって排出されて、排出コンベア60によって搬送されることで、調製部へ供給される。以後、この工程が繰り返されることで、籾Mが種類毎に別々に調製部へ供給される。これにより、調製部で籾Mが供給された種類毎に別々に調製されることで、精選された玄米または白米が種類毎に別々に各購入者へ出荷される。
【0055】
ところで、穀物貯蔵タンク10では、24枚の外板26に貯蔵室28が取り囲まれると共に、24枚の外板26の外周全体に外囲14が設けられており、24枚の外板26と外囲14との間に隙間30が設けられている。
【0056】
ここで、クーラーユニット62からの冷風が、送風管64を介して外囲14内の上部に送風されて、24枚の外板26と外囲14との間(貯蔵室28の全外周)の隙間30に送風される。これにより、各分割室36(貯蔵室28)内に貯蔵された籾Mが良好に冷却されるため、穀物貯蔵タンク10が籾Mを冷却しつつ貯蔵する保冷倉庫として機能でき、籾Mを長期間貯蔵することができる。このため、玄米または白米を購入者に安定して供給することができる。
【0057】
しかも、クーラーユニット62から外囲14内の上部に送風された冷風が、各分割室36内に上方から送風されると共に、各分割室36(貯蔵室28)の下方空間(各漏斗底板38の下方空間)内に送風される。これにより、各分割室36(貯蔵室28)内に貯蔵された籾Mが一層良好に冷却されるため、籾Mを一層長期間貯蔵することができる。
【0058】
さらに、分割室36(貯蔵室28)に冷却器66が設けられているため、分割室36の籾層内の温気がブロワ74によって吸気筒68の多数の吸気孔70から吸引されて吐気管76を介して外囲14の外側に排出されることで、分割室36内に風が発生される。これにより、分割室36内に貯蔵された籾Mが更に一層良好に冷却されるため、籾Mを更に一層長期間貯蔵(例えば通年貯蔵)することができる。
【0059】
また、貯蔵室28が20個の分割室36に分割されているため、購入者の多様なニーズに合った各種の籾Mを、各分割室36毎に個別にきめ細かく分けて貯蔵することができる。これにより、購入者の多様なニーズに合った各種の玄米または白米を各購入者に提供することができる。
【0060】
さらに、貯蔵室28では、履歴(例えば生産地や生産方法等の生産条件)が異なる籾Mを、各分割室36毎に個別にきめ細かく分けて貯蔵できるため、籾M(玄米または白米)のトレーサビリティーの確認(履歴追跡)を容易に行うことができる。
【0061】
また、穀物貯蔵タンク10の外囲14が建造物の外周を構成すると共に、穀物貯蔵タンク10の各外柱16、各支杆18、屋根20、各内柱22、各外板26及び各内板34が建造物12を構成して、穀物貯蔵タンク10が建造物12と一体化されている。このため、低コスト化を図ることができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、分割室36(貯蔵室28)に冷却器66を設けた構成としたが、分割室(貯蔵室)に冷却器(風発生手段)を設けない構成としてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、貯蔵室28の各分割室36に籾Mを種類毎に分けて貯蔵する構成としたが、例えば、複数の分割室に同一の種類の籾(穀物)を貯蔵する構成としてもよい。
【0064】
さらに、本実施の形態では、貯蔵室28を20個の分割室36に分割した構成としたが、貯蔵室は複数の分割室に分割された構成であればよい。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクでは、内壁と外壁との間の隙間に冷風が送風されるため、貯蔵室内の穀物を良好に冷却でき、穀物を長期間貯蔵できる。さらに、貯蔵室が複数の分割室に分割されているため、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を分割室毎に分けて貯蔵できると共に、穀物のトレーサビリティーを容易に確認できる。また、外壁が建造物の外周を構成して、穀物貯蔵タンクが建造物と一体化されているため、低コスト化を図ることができる。
【0066】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクでは、貯蔵室内に設けられた風発生手段が風を発生させるため、貯蔵室内の穀物を更に良好に冷却でき、穀物を更に長期間貯蔵することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物の内部構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物の内部構成を詳細に示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物の内部構成を概略的に示す平面図である。
【図5】(A)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける供給コンベアを詳細に示す断面図であり、(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける供給コンベアのチェーン及び掻出板を詳細に示す斜視図である。
【図6】(A)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクの屋根を詳細に示す断面図であり、(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクの外板を詳細に示す断面図である。
【符号の説明】
10 穀物貯蔵タンク
12 建造物
14 外囲(外壁)
26 外板(内壁)
28 貯蔵室
30 隙間
36 分割室
66 冷却器(風発生手段)
M 籾(穀物)
【出願人】 【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
【住所又は居所】山形県天童市大字老野森404番地
【出願日】 平成15年4月9日(2003.4.9)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志

【公開番号】 特開2004−305146(P2004−305146A)
【公開日】 平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願番号】 特願2003−105141(P2003−105141)