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【発明の名称】 脱穀機における揺動選別装置
【発明者】 【氏名】梅林 竜司
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】川村 芳弘
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】チャフシーブのフィンの間隔と傾斜角を同時に調整し、選別性能を向上させるようにした脱穀機における揺動選別装置を提供する。

【解決手段】間隔調整手段61のパンダグラフ機構62を伸縮させることにより、パンダグラフ機構62に連結され、かつフィン66を支持するピン65が案内板56の長穴57に沿って移動し、前記フィン66の他端に支持されたピン67が前記案内板56の長穴59に沿って移動する。前記パンダグラフ機構62の伸縮によりピン65の間隔が変化するので、フィン66の間隔もピン65にしたがって変化する。また、前記長穴57と長穴59は、前方向の間隔に比べ後方向の間隔が広くなるように形成されているため、フィン66は後方向の行くに従って、前方向の傾斜角θ1に対し後方向の傾斜角θ2が大きくなるように変化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に並ぶ複数のフィンで構成されるチャフシーブを備えた脱穀機における揺動選別装置において、
隣接するフィンのピッチを変更し得るように該フィンを前後方向にスライド移動させると共に、前記スライド移動に伴い前記フィンの傾斜角を変化させるようにした、ことを特徴とする脱穀機における揺動選別装置。
【請求項2】
前記チャフシーブは、
前記フィンが後方へ移動するにしたがって、その傾斜角が大きくなるようにした、ことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揺動選別装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱穀機における揺動選別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脱穀機の揺動選別装置におけるチャフシーブの複数のチャフプレート(フィン)の間に、処理物の搬送方向前方向に弱いばねを、処理物の搬送方向後方向に強いばねを設け、チャフプレート(フィン)の間隔を調整するようにした揺動選別装置(例えば、特許文献1参照)と、チャフシーブを構成する複数のシーブ(フィン)を複数のシーブ群に分け、各シーブ群毎にチャフシーブ(フィン)の傾斜角を調整するようにした揺動選別装置(例えば、特許文献2参照)がある。
【0003】
【特許文献1】
実開平06−007432号公報
【特許文献2】
特開平09−248048号公報 (第3頁 図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載された揺動選別装置では、フィン間に配置するばねの強弱によりフィンの間隔を調整するように構成されている。しかし、フィンの傾斜角を調整する点については何も記載されていない。処理物の揺動選別では、フィンの間隔だけでなく、フィンの傾斜角が選別性能に大きな影響を与えるものであり、前記装置では必ずしも十分な揺動選別性能を得ることはできない。
【0005】
また、前記特許文献2に記載された揺動選別装置では、フィンの間隔が一定であり、その傾斜角を調整するように構成されている。しかし、フィンの間隔を調整する点については何も記載されていない。従って、前記揺動選別装置と同様に十分な選別性能を得ることはできない。
【0006】
前記の事情に鑑み、本発明は、チャフシーブのフィンの間隔と傾斜角を同時に調整し、選別性能を向上させるようにした脱穀機における揺動選別装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、前後方向に並ぶ複数のフィン(66)で構成されたチャフシーブ(23)を備えた脱穀機(1)における揺動選別装置(20)において、
隣接するフィン(66)のピッチを変更し得るように該フィン(66)を前後方向にスライド移動させると共に、前記スライド移動に伴い前記フィン(66)の傾斜角を変化させるようにした、ことを特徴とする脱穀機における揺動選別装置にある。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記チャフシーブ(23)は、
前記フィン(66)が後方へ移動するにしたがって、その傾斜角が大きくなるようにした、ことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揺動選別装置にある。
【0009】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及すものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明を適用する脱穀機の一例を示す構成図、図2は、本発明による揺動選別装置におけるチャフシーブの伝動系の一例を示す模式図、図3は、図2における間隔調整手段の一例を示す側面図、図4は、図2におけるチャフシーブのフィンの案内手段の一例を示す側面図、図5は、図3に示す間隔調整手段を伸長させた状態を示すチャフシーブの側面図、図6は、間隔調整手段を伸長させたときの間隔調整手段と案内手段及びフィンの関係を示す拡大側面図、図7は、図3に示す間隔調整手段を収縮させた状態を示すチャフシーブの側面図、図8は、間隔調整手段を収縮させたときの間隔調整手段と案内手段及びフィンの関係を示す拡大側面図である。
【0012】
図1に示すように、コンバイン等の走行機体に搭載可能な脱穀機1は、フィードチェーン2により搬送されてくる穀稈から穀粒を脱穀する脱穀部10と、該脱穀部10から漏下した夾雑物を含む処理物の中から穀粒を選別して取り出す揺動選別装置20とからなる。
【0013】
前記脱穀部10は、第1扱ぎ室11と第2扱ぎ室12を有している。前記第1扱ぎ室11には、複数の扱ぎ歯13を備えた第1扱ぎ胴15が配置され、前記扱ぎ歯13により穀稈の脱穀を行う。前記第2扱ぎ室12には、複数のはね(図示せず)を備えた第2扱ぎ胴16が配置され、前記はねにより前記第1扱ぎ胴15で脱穀された排稈内に残る穀粒を掻き落す。
【0014】
前記第1扱ぎ室11と第2扱ぎ室12には、それぞれ受け網17、19が設置され、該受け網17、19は、脱穀された穀粒と比較的大きな切れ稈を分離するように、穀粒と比較的小さな切れ稈等の夾雑物を処理物として漏下させる。
【0015】
図1、図2に示すように、前記揺動選別装置20は、脱穀機1の筐体3の下部に、所定の間隔で揺動自在に配置された一対の揺動側板21を有している。前記一対の揺動側板21の間には、前記受け網17を漏下した処理物の搬送方向の前方向(矢印A方向)に、波板状に形成され、前記第1の扱ぎ室11から受け網17を通して漏下した前記処理物を受け入れ、揺動作用により後方向(矢印B方向)に向けて搬送すると共に、該処理物に含まれる穀粒と夾雑物とを層状に分離する揺動流板22が配置されている。
【0016】
また、前記揺動側板21の中央部には、前記揺動流板22から送り込まれる前記処理物を後方向に向けて搬送すると共に、該処理物に含まれる穀粒を漏下させるチャフシーブ23が配置され、その下方には網24が配置されている。さらに、前記揺動側板21の後方向には、前記第2扱ぎ室12から受け網19を通して漏下した処理物を受け入れ、該処理物に含まれる比較的大きな切れ稈等の夾雑物を分離するラック25が配置されている。
【0017】
前記揺動流板22の下方には、前記網24を通して前記チャフシーブ23の下部に向けて選別風を送風する唐箕ファン26が配置されている。また、前記チャフシーブ23の下方には、前記ラック25に向けて選別風を送風するターボファン27が配置されている。更に、前記ラック25の処理物の搬送方向後方には、前記唐箕ファン26及びターボファン27からの選別風で吹き上げられた夾雑物を吸引して機外へ排出する吸引排塵ファン29が配置されている。
【0018】
また、前記チャフシーブ23の下方には、前記処理物から選別された穀粒を図示しないグレンタンク(あるいはホッパ)へ移送するための1番螺旋30が配置されている。また、前記ラック25の下方には、ラック25を漏下した処理物を前記揺動流板22上へ循環させるための2番螺旋31が配置されている。
【0019】
図2ないし図4に示すように、前記チャフシーブ23は、駆動機構35と、前後方向に並ぶ複数のフィン66(図2に1枚だけ表示)を備え、前記駆動機構35により伸縮駆動されて前記フィン66の間隔を調整する間隔調整手段61と、前記間隔調整手段61の伸縮経路に沿って配置され、前記フィン66の位置によりそのフィン66の傾斜角を変化させる案内手段55とから成る。なお、図3は、前記駆動機構35と間隔調整手段61の関係を明確にするため、前記案内手段55(図4参照)を外した状態で示してある。
【0020】
図2及び図3に示すように、前記駆動機構35は、前記相対向する一対の揺動側板21の一方の揺動側板21の外側面に所定の間隔で回転自在に支持された一対のガイドローラ36と、所定の位置に回転自在に支持されたガイドローラ37と、該ガイドローラ37と所定の間隔で対向する出力ギヤ39と、該出力ギヤ39を駆動する電動モータ40と、前記ガイドローラ36と摺動自在に嵌合する一対の長穴41と前記出力ギヤ39と歯合するラック42が形成された駆動プレート43を備えている。そして、前記電動モータ40の作動により前記駆動プレート43がガイドローラ36に沿って往復移動するように構成されている。なお、前記ガイドローラ37は、前記駆動プレート43のラック42が前記出力ギヤ39と噛合うように、前記駆動プレート43の移動経路を規制している。
【0021】
また、駆動機構35は、前記一対の揺動側板21を貫通するスリーブ45に回転自在に支持されたシャフト46と、該シャフト46の両端に固定された一対のリンク47を有している。そして、これらリンク47の一端に形成された長穴47aを介して、前記揺動側板21に形成された長穴49を摺動自在に貫通するシャフト50に摺動自在に連結され、該シャフト50は、その一端が前記駆動プレート43に回転自在に連結されている。前記シャフト50には、スリーブ51が回転自在に支持され、その両端には一対のリンク52が固定されている。
【0022】
従って、図3に示す電動モータ40が作動すると、出力ギヤ39が回転して、ラック42を介して駆動プレート43を前後方向(矢印A−B方向)に移動させる。すると、シャフト50を介してリンク52を前後方向に移動させることができる。このとき、揺動側板21に回転自在に支持されたシャフト46及び、駆動プレート43と共に長穴49に沿って前後方向に移動するシャフト50を介してリンク47がシャフト46を中心として矢印C−D方向に揺動駆動され、一対のリンク52を同方向へ同じ距離だけ移動させる。
【0023】
図2及び図4に示すように、前記案内手段55は、断面がクランク状に形成された案内板56に、長穴57と長穴59が形成された構成になっており、それぞれ相対向する前記揺動側板21の内側に相対向するように配置されている。図4に示すように、これら長穴57と長穴59の間隔は、前方向(矢印A方向)の間隔L1より後方向(矢印B方向)の間隔L2が大きく(L1<L2)なるように形成されている。また、案内板56の前方向には、前記長穴57の延長線上に位置するように穴60が形成されている。
【0024】
なお、前記長穴57と長穴59の間隔L1、L2は、前方向の間隔L1より後方向の間隔L2が小さく(L1>L2)なるように形成することもできる。
【0025】
図2、図3に示すように、前記間隔調整手段61は、それぞれ前記揺動側板21と案内板56の間に相対向するように配置された一対のパンダグラフ機構62によって構成されている。該パンダグラフ機構62の前方向(矢印A方向)の一端は、該パンダグラフ機構62を構成するリンク64を連結すると共に、前記案内板56の穴60(図4参照)を貫通するピン63を介して該案内板56に連結されている。また、パンダグラフ機構62の後方向(矢印B方向)の一端は、前記パンダグラフ機構62を構成するリンク64を連結すると共に、前記案内板56の長穴57を前後方向に摺動自在に貫通するピン65を介して前記リンク52の一端に連結されている。
【0026】
従って、前記パンダグラフ機構62は、ピン63で前記案内板56に連結された一端を固定端として、前記シャフト50の移動に合せ前記長穴57に沿って伸縮する。このとき、図3に示すように、パンダグラフ機構62を構成するリンク64の長さを全て同じ長さにしておくと、パンダグラフ機構62の伸縮量に拘わらず、ピン63と隣接するピン65のピッチ及びピン65と隣接するピン65のピッチは常に等しくなるように構成することができる。
【0027】
なお、前記リンク64の長さを、前方向(又は後方向)から後方向(又は前方向)に向けて徐々に長くなるように形成しておくと、前記ピン63とピン65のピッチ及び隣接するピン65のピッチを、前方向から後方向に向けて徐々に大きく(又は小さく)することができる。
【0028】
図2に示すように、前記フィン66は、その一端が前記ピン63又はピン65に揺動自在に支持されている。また、前記フィン66の他端部には、前記パンダグラフ機構62とは無関係に、前記フィン66の長手方向の両端から突出し、その端部がそれぞれ前記案内板56の長穴59と摺動自在に嵌合するピン67が支持されている。なお、前記フィン66のうち最も後方向に位置する1個のフィン66は、前記ピン67を有さず、溶接等により前記ピン65に固定され、その傾斜角は常に一定になっている。
【0029】
従って、前記フィン66を支持する前記ピン65が、前記パンダグラフ機構62の伸縮により、隣接するピン65のピッチが常に等しくなるように移動するので、前記フィン66も前記ピン65との連結部のピッチが常に等しくなるように前記案内板56の長穴57に沿って移動する。
【0030】
なお、前述のように、パンダグラフ機構62を構成するリンク64の長さを前方向(又は後方向)から後方向(又は前方向)に向けて徐々に長くなるように構成した場合には、隣接するフィン66のピッチは、リンク64の長さに応じて、前方向から後方向に向けて徐々に広く(又は狭く)になる。
【0031】
このパンダグラフ機構62の伸縮により、前記ピン65が前記長穴57に沿って移動し、前記ピン67が前記長穴59に沿って移動するため、前記ピン65とピン67の相対位置が変化し、フィン66の傾斜角は、そのフィン66の前後方向の位置に対応して連続的に変化する。このとき、図4に示すように、前記長穴57と長穴59の間隔L1と間隔L2が、後方向(矢印B方向)程大きく(L1<L2)なっているため、後方向に行くにしたがって前記フィン66の傾斜角が大きくなる。
【0032】
なお、前述のように、前記案内板56の長穴57と長穴59の間隔L1、L2を、前方向の間隔L1より後方向の間隔L2が小さくなるように形成しておくと、前記フィン66の傾斜角を後方向に行くにしたがって、小さくすることができる。
【0033】
このように構成されたチャフシーブ23を備えた脱穀機1において、脱穀される穀粒の量が多い場合、図3に示す電動モータ40を作動させ、駆動プレート43を後方向(矢印B方向)へ移動させると、シャフト50が長穴49内を後方向へ移動する。すると、図5及び図6に示すように、リンク52に引っ張られたパンダグラフ機構62は、最も後方向のピン65が案内板56の長穴57の矢印B側の端部まで伸長される。
【0034】
このとき、フィン66を支持するピン63と隣接するピン65のピッチP1と、ピン65と隣接するピン65のピッチP1は、すべて等しくなるように伸長するので、ピン63と隣接するピン65に支持されたフィン66のピッチ、ピン65と隣接するピン65に支持されたフィン66のピッチは、ともにP1に設定される。一方、フィン66の他端に設けられたピン67がフィン66に押される形で、後方向へ行くにしたがって長穴57との間隔が広くなる長穴59に沿って移動するので、フィン66がピン65を中心として揺動し、その傾斜角が前方向(矢印A方向)における傾斜角θ1から後方向における傾斜角θ2へと連続的に大きくなるように変化する。
【0035】
このように、チャフシーブ23を設定して、第1扱ぎ胴15と第2扱ぎ胴16を回転駆動し、揺動側板21を揺動駆動して揺動流板22、チャフシーブ23、網24及びラック25を揺動させると共に、唐箕ファン26、ターボファン27を作動させ選別風を送風し、吸引排塵ファン29を作動させ、排気を行っている状態で穀稈の脱穀を行う。
【0036】
図1に示すフィードチェーン2で第1扱ぎ室11に搬入され、第1扱ぎ胴15で穀稈から脱穀された処理物は、受け網17を漏下して揺動流板22上に落下する。すると、揺動流板22上に落下した処理物は、揺動流板22の揺動作用により後方向(矢印B方向)に送られるにしたがって、揺動流板22上に均一な厚さの層状に広がると同時に、穀粒層の上に夾雑物層が重なる略2層に分離される。
【0037】
そして、揺動流板22からチャフシーブ23に送り込まれると、チャフシーブ23の揺動によりさらに後方向へ送られる。このチャフシーブ23では、フィン66が間隔をおいて配置されているため、唐箕ファン26からの選別風がフィン66の間から吹き出している。この選別風により、処理物に含まれる夾雑物は吹き上げられ漏下することなく搬送される。このようにして、チャフシーブ23の全面から略均一な状態で穀粒を漏下させることができる。
【0038】
フィン66の間から網24上に漏下した穀粒に混入する夾雑物は、網24の下方から上方に向けて吹き上げる唐箕ファン26からの選別風で、吸引排塵ファン29に向けて吹き上げられ、略穀粒のみが1番螺旋30へ漏下する。1番螺旋30へ漏下した穀粒は、1番螺旋30の回転によりグレンタンク(図示せず)あるいはホッパー(図示せず)へ移送され、一時貯蔵される。
【0039】
チャフシーブ23で漏下しきれなかった穀粒と夾雑物は、ラック25上に送り込まれる。このラック25の下方からは、ターボファン27からの選別風が吹き上げているため、チャフシーブ23から送り込まれる処理物に残存する夾雑物が吸引排塵ファン29に向けて吹き上げられ、穀粒と夾雑物が選別される。ラック25から2番螺旋31へ漏下した処理物は、2番螺旋の回転によって揺動流板22上に戻され、再び選別される。
【0040】
唐箕ファン26及びターボファン27からの選別風によって吹き上げられた夾雑物は、唐箕ファン26及びターボファン27から吹き出され、吸引排塵ファン29により吸引される選別風の気流に乗って吸引排塵ファン29に吸引され、機外へ排出される。
【0041】
また、脱穀される穀粒の量が少ない場合、図3に示す電動モータ40を作動させ、駆動プレート43を前方向(矢印A方向)へ移動させると、シャフト50が長穴49内を前方向へ移動する。すると、図7及び図8に示すように、リンク52に引っ張られたパンダグラフ機構62は、最も後方向のピン65が案内板56の長穴57の途中まで縮小される。
【0042】
このとき、フィン66を支持するピン63とピン65のピッチP2と、ピン65とピン65のピッチP2は、すべて等しくなるように縮小するので、ピン63とピン65に支持されたフィン66のピッチもP2に設定される。一方、フィン66の他端に設けられたピン67がフィン66に引かれる形で、前方向へ行くにしたがって長穴57との間隔が狭くなる長穴59に沿って移動するので、フィン66がピン65を中心として揺動し、その傾斜角は、後方向(矢印B方向)における傾斜角θ2から前方向における傾斜角θ3へと連続的に小さくなる(但し、θ1<θ3<θ2)ように変化する。
【0043】
チャフシーブ23をこのような設定にした場合も、穀稈の脱穀は間隔調整手段61を伸長させた場合と同様にして行う。この形態では、間隔調整手段61を縮小させているため、チャフシーブ23を通過した処理物は1番螺旋30に向けて落下するが、揺動選別装置20に投入される処理物の量が少ないので、揺動流板22の揺動選別作用と、チャフシーブ23上における唐箕ファン26からの選別風による選別作用により穀粒と夾雑物の選別を行うことができる。
【0044】
前記のように、間隔調整手段61のパンダグラフ機構62を伸縮させることによりフィン66の間隔を調整するだけでなく、フィン66の角度を調整することができるので、パンダグラフ機構の移動量を少なくして、チャフシーブ23を脱穀対象となる穀粒の種類、量、状態に応じた適当な状態に調整することができる。また、チャフシーブ23全面における穀粒の漏下を均一にすることができ、揺動選別装置20の選別性能を向上させることができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、チャフシーブの隣接するフィンのピッチを変化させると共に、該フィンの角度を変化させることができ、チャフシーブを処理する穀粒の種類や状態に合せて最適な状態に設定することができる。
【0046】
請求項2に係る発明によれば、処理物の後方向ほどフィンの傾斜角を大きくしたので、選別風の抜けが良くなり、穀粒と夾雑物の選別性能を向上させることができる。また、チャフシーブ全面における穀粒の漏下を均一化することができ、選別性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する脱穀機の一例を示す構成図。
【図2】本発明による揺動選別装置におけるチャフシーブの伝動系の一例を示す模式図。
【図3】図2における間隔調整手段の一例を示す側面図。
【図4】図2におけるチャフシーブのフィンの案内手段の一例を示す側面図。
【図5】図3に示す間隔調整手段を伸長させた状態を示すチャフシーブの側面図。
【図6】間隔調整手段を伸長させたときの間隔調整手段と案内手段及びフィンの関係を示す拡大側面図。
【図7】図3に示す間隔調整手段を収縮させた状態を示すチャフシーブの側面図。
【図8】間隔調整手段を収縮させたときの間隔調整手段と案内手段及びフィンの関係を示す拡大側面図。
【符号の説明】
1…脱穀機
20…揺動選別装置
23…チャフシーブ
66…フィン
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫

【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二

【公開番号】 特開2004−215590(P2004−215590A)
【公開日】 平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願番号】 特願2003−7603(P2003−7603)