| 【発明の名称】 |
脱穀機における揺動選別装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梅林 竜司 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】処理物の滞留層厚の増減に応じて、フィンの傾斜角度を一定に保持したまま適宜に各フィン間を均等な間隔で強制的に拡縮変更し、移送選別作用から風選作用に至る処理物の流れを常にスムーズに維持することができる脱穀機における揺動選別装置を提供する。
【解決手段】離間対向する揺動側板22、22間に、複数のフィン6、6…を離間並列状に配設してチャフシーブ7を形成すると共に、上記各フィン6を、その傾斜角度を略一定に保持したまま、当該各フィン6、6間を前後方向のスライド動作により強制的に拡縮する間隔調整手段29を介して配設した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 離間対向する揺動側板間に、複数のフィンを離間並列状に配設してチャフシーブを形成した脱穀機における揺動選別装置において、上記各フィンは、フィンの傾斜角度を略一定に保持したまま、当該各フィン間を前後方向のスライド動作により強制的に拡縮する間隔調整手段を介して配設されていることを特徴とする脱穀機における揺動選別装置。 【請求項2】 上記間隔調整手段はパンタグラフ機構で構成されていることを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揺動選別装置。 【請求項3】 上記チャフシーブを形成する各フィンの左右両端縁の上下位置には、その上端縁を支持する上ピンと、下端縁を支持する下ピンがそれぞれ突設され、かつ当該上下ピンを長溝状の融通機構を介して、離間対向する揺動側板間に前後方向スライド可能に配設すると共に、上記各揺動側板に沿ってパンタグラフ機構をそれぞれ併設し、当該パンタグラフ機構を形成する各リンクの交差部位に、上記各フィンの上下ピンの何れか一方を連結して、各フィンの傾斜角度を略一定に保持したまま、パンタグラフ機構の伸縮に連繋する前後方向のスライド動作で各フィン間を拡縮するように間隔調整手段が構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の脱穀機における揺動選別装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、脱穀機における揺動選別装置に係り、詳しくは選別風路内に架設した揺動選別体のシーブ群を、そのフィン開度は変化させずにフィン間の間隔を拡縮調整することにより、選別風の風向を一定に保持した状態で安定性の高い選別性能を確保することができる脱穀機における揺動選別装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 一般に、扱胴の軸芯方向後方に風選室を有し、扱胴の下方前方より風選室に向けて形成した選別風路内に揺動選別装置を架設してなる脱穀機においては、揺動選別体の前後揺動運動による比重選別作用と、選別風路を吹き抜ける選別風による風選作用とによって、処理物を一番物、二番物および籾屑等の夾雑物とに選別分離し、一番物は一番樋に落下させたのち揚穀筒により籾タンクに回収し、二番物は二番樋に落下させたのち二番還元筒により揺動選別体に還元して再選に供し、籾屑類は風選室で吸引ファンにより吸引して機体後方の排塵口から機外へ放出するようになっている。 【0003】 上述のような揺動選別体による比重選別作用では、移送選別経路において、下層に穀粒、上層に籾屑等の夾雑物が位置するように充分な移送揺動作動を介して分離されることが重要であり、この移送選別経路を機体後部に向けて延長することにより精度の高い比重選別作用が得られ、殊に処理物の移送量が比較的少量である場合には選別作用の効果が顕著に表れることが知見されている。そして、上記揺動選別体の具体的な一番物の選別作用例としては、揺動始端側に無孔移送板を配し、かつその後方の揺動終端側に複数のフィンからなるチャフシーブを配設した上段選別部と、当該上段選別部の下方位置に配設したグレンシーブ(クリンプ網)とを相互揺動させて、一番物を一番樋に漏下させるように構成されている。 【0004】 しかしながら、近年のように脱穀機の大型化に伴い脱穀処理能力を強化した構成では、揺動選別体の揺動作動が一定動作で行なわれるが故に、脱穀量の増大時に当該揺動選別体の選別能力が相対的に低下してしまい、チャフシーブに至る処理物の滞留層厚が増して、穀粒と籾屑等の夾雑物の層状分離が不完全となり、枝梗、穂切れ等が一番樋へ混入する不具合を生じ易く、また脱穀量が少量である場合には、相対的に揺動選別体の選別能力が高くなるため、チャフシーブに至る処理物の滞留層厚が薄くなるに伴い、風選作用による二番樋への還元量が増えて、当該二番樋での風選作用に支障を来すばかりでなく、稲、麦等の品種の違いや濡れ扱ぎ作業等の有無、あるいは移送選別経路を形成する各フィンの傾斜角度、唐箕による選別風力の大小、等の種々の要因が複雑に絡み合うことによって夾雑物の混入の度合いが多くなる、という問題を内包するものであった。 【0005】 そこで、離間対向する揺動側板間に、傾斜角度可変な複数のフィンを並列状に枢支してチャフシーブを構成し、前端から後方のフィンに至る処理物の増減に応じて適宜にフィンの傾斜角度を変更することにより、夾雑物の混入を可及的に低減しつつ、移送選別作用から風選作用に至る処理物の流れを常にスムーズに維持でき、効率よく揺動選別を行えるように構成したもの、あるいは間隔を定めるバネを隣合う各フィン間に連結し、バネの長さを弾性伸縮で変更することによりフィン間隔の調節を行うように構成したもの、等が提案されているが、前者の構成のものでは、支軸を中心に各フィンを処理物量の大小に応じて回動することにより、フィン開度を変更するようにしていたため、開度の変更に伴って選別風の風向も変わってしまい、安定した選別性能の維持が困難になる、という改善の余地を残し、また後者のものでは、機体の揺れや外力の影響でバタつくバネの振れで、その伸縮長が変化してしまい、揺動選別体の各フィンの間隔を一定に保持することができないものであった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記のような実状に鑑み選別性能の向上を目指す研究、開発の過程で創案されたものであって、その目的とするところは、処理物の移送量が少量である場合は、比重選別作用に必要な移送選別経路を充分確保できるものでありながら、処理物移送量の増減、すなわち処理物の滞留層厚の増減に応じて、チャフシーブを構成する前方のフィンから後方のフィンに至るフィンの傾斜角度を略一定に保持したまま、適宜に各フィン間を均等な間隔で強制的に拡縮変更し、夾雑物の混入を可及的に低減しつつ、移送選別作用から風選作用に至る処理物の流れを常にスムーズに維持することができる脱穀機における揺動選別装置を提供しようとするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 課題を解決するため、本発明が採用した技術的手段は、離間対向する揺動側板間に、複数のフィンを離間並列状に配設してチャフシーブを形成した脱穀機における揺動選別装置において、上記各フィンは、フィンの傾斜角度を略一定に保持したまま、当該各フィン間を強制的に拡縮する間隔調整手段を介して配設されていることを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。 図1において、1は脱穀機であって、該脱穀機1の扱室2内には図示しない機体の進行前後方向に扱胴3が回転自在に軸着され、その下側に張設した受網4の下方位置には、波板状の無孔移送板5および複数のフィン6、6…からなるチャフシーブ7を設けた揺動選別体8と、その下方に併設したグレンシーブ9等で構成された揺動選別装置10が配設されている。 【0009】 上記揺動選別装置10の下方には、唐箕11および一番流板12からなる選別風路13が形成されおり、揺動作動する当該揺動選別装置10に向く下方からの選別風Aにより一番物を風選し、かつ上記選別風路13の後方に配設した補助唐箕14から送風する選別風Bにより、ラック15上の二番物を風選するように構成され、選別分離された夾雑物を吸引ファン16を介して機体後方の排塵口17から機外へ放出するようになっている。 なお、18は一番螺旋、19は二番螺旋、20は風向板、21は二番流板である。 【0010】 上記揺動選別装置10は、図2〜図5に示すように、機体の左右方向に離間対設した揺動側板22、22間の上位に無孔移送板5を跨設し、その終端部から移送方向の後方に向けてフィン6、6…を複数並設してなる後述のチャフシーブ7を配設して揺動選別体8を形成すると共に、上記揺動選別体8の下方位置にはグレンシーブ9が平行かつ一面状に張設されている。 【0011】 また上記揺動側板22、22の対向する内面側には、これに近接してプレート23、23がブラケット23a、23aを介して配設されており、該プレート23、23に穿設した上下の長溝24、24に、フィン6、6…の左右両端縁の上下端縁に突設した上ピン25と下ピン26を挿通して、上記各フィン6、6…が対向する揺動側板22、22間で前後方向にスライドする融通機構27が形成されていると共に、上記プレート23、23の外面に沿ってパンタグラフ機構28、28がそれぞれ併設されており、このパンタグラフ機構28、28を形成する各リンク28a、28a…の交差部位に各フィンの下ピン26、26…を連結して、各フィン6、6…の傾斜角度を略一定に保持したまま、パンタグラフ機構28、28の伸縮に連繋してフィン6、6を前後方向にスライド動作させることにより各フィン間の間隔を拡縮する間隔調整手段29が構成されている。 【0012】 すなわち、上記間隔調整手段29は、パンタグラフ機構28、28を形成する最前端のリンク28a´、28a´の交差部位に連結した下ピン26を基点として、後方に拡縮可能に構成され、かつその最後端に位置するフィン6´の下ピン26はリンク28aに固定されることにより、前端のフィン6から最後端のフィン6´に至る各フィン6の傾斜角度を略一定に保持した状態でフィン間隔の拡縮を行うようになっている。 【0013】 ここで、上記間隔調整手段29による拡縮動作について説明すると、上記揺動側板22、22のうち一方の揺動側板22の外側面には、先端部の下縁にラックギヤ30aを一体に刻設した揺動カムプレート30が、該揺動側板22に突設した支持ローラ30b、30bに案内されて前後方向進退自在に沿設されている。 そして、上記揺動カムプレート30の後方下縁には、連結杆31が一体形成されており、この連結杆31の下端を揺動側板22、22に穿設した長溝32に連結棒33を介して摺動自在とし、かつ当該連結棒33の両端部に基端側を枢結したリンクアーム34、34の先端に、最後端に位置するフィン6´の下ピン26、26をそれぞれ枢支すると共に、上記連結棒33の両端部に先端を枢結した支持杆35、35の基端を、揺動側板22、22間を貫通する支軸36に枢支して、前記一方の揺動側板22の内側面で無孔移送板5の下方に設けたギヤモータ37のピニオンギヤ38を、揺動カムプレート30のラックギヤ30aに噛合させることにより、揺動選別体8上の籾層厚を検知する図示しない層厚センサからの検出信号の変化で、上記ギヤモータ37を駆動して揺動カムプレート30の進退移動を制御し、フィン6、6…間の間隔を調整するように間隔調整手段29が構成されている。 【0014】 一方前記グレンシーブ9は、搖動選別体8のチャフシーブ7との関係において、当該チャフシーブ7のフィン6、6…間の間隔を最小とした際には、チャフシーブ7後端縁がその下方に設けたグレンシーブ9の後端縁9aより前方に位置し、かつ同フィン6、6…間の間隔を最大とした際は、チャフシーブ7後端縁がグレンシーブ9の後端縁9aより後方に位置するように構成されている。 【0015】 本発明は叙上の如く構成されているから、図示しない機体走行により刈取作業を行ないながら脱穀作業を開始すると、予め初期設定された所定の基準層厚に達するまでは、層厚センサの検知により揺動選別体8を形成するチャフシーブ7の各フィン6、6…は、図5に示す最小のフィン間隔に保持されている。 【0016】 その後に、脱穀作業の進行で徐々に揺動選別体8上の処理物の層厚が所定の基準層厚の上限範囲を越える層厚となった時点で、層厚センサでの検出信号の変化によりギヤモータ37が駆動され、揺動カムプレート30が揺動選別体8の後方側に移動し、これに伴ってチャフシーブ7のフィン6、6…の間隔が、傾斜角度を略一定に保持したまま均等に拡大されると共に、上記ギヤモータ37の駆動停止に伴うパンタグラフ機構28の拡縮動作停止で、チャフシーブ7のフィン6、6…はその位置に強制的に固定されることになる。そして、揺動選別体8の揺動作動中に処理物の漏下量が増大し、結果として脱穀された処理物の実層厚が、下層に穀粒、上層に籾屑等の夾雑物が位置する所定の基準層厚に近づくことになる。したがって、処理物の増減に応じて適宜にフィン間の間隔を無段階かつ均等な比率で拡縮調整することにより、揺動選別体8全体として揺動選別域も拡大、縮小されることと相俟って、夾雑物の混入を可及的に低減しつつ、移送選別作用から風選作用に至る処理物の流れを常にスムーズに維持でき、効率よく揺動選別を行うことができる。 【0017】 また、上述のようにフィン6、6…の間隔は傾斜角度を略一定に保持して拡縮されるので、従来のようにフィン開度を変更する構成に比して、開度の変更に伴って変化する選別風の風向も一定に保持することができ、安定した選別性能の維持が可能となる。 【0018】 【発明の効果】 これを要するに本発明は、離間対向する揺動側板間に、複数のフィンを離間並列状に配設してチャフシーブを形成した脱穀機における揺動選別装置において、上記各フィンは、フィンの傾斜角度を略一定に保持したまま、当該各フィン間を前後方向のスライド動作により強制的に拡縮する間隔調整手段を介して配設され、また上記間隔調整手段はパンタグラフ機構で構成されており、更に、上記チャフシーブを形成する各フィンの左右両端縁の上下位置には、その上端縁を支持する上ピンと、下端縁を支持する下ピンがそれぞれ突設され、かつ当該上下ピンを長溝状の融通機構を介して、離間対向する揺動側板間に前後方向スライド可能に配設すると共に、上記各揺動側板に沿ってパンタグラフ機構をそれぞれ併設し、当該パンタグラフ機構を形成する各リンクの交差部位に、上記各フィンの上下ピンの何れか一方を連結して、各フィンの傾斜角度を略一定に保持したまま、パンタグラフ機構の伸縮に連繋する前後方向のスライド動作で各フィン間を拡縮するように間隔調整手段が構成されているから、 ▲1▼フィンの傾斜角度を一定に保持することで、選別物の多少に応じてチャフシーブの各フィン間を拡縮変更する場合でも選別風の向きが変化することがなく、安定した選別性能を維持することができる。 ▲2▼パンタグラフ機構の採用により、フィン間隔を容易に調節することができ、揺動選別動作を極め細かく制御することが可能となると共に、上記パンタグラフ機構によるフィン間隔を強制的にその位置に保持するので、機体の揺れや外力の影響を受けることがなく、常に適正なフィン角度およびフィン間隔に揺動選別装置を維持することができ、より安定性の向上を図ることができる。 ▲3▼長溝状の融通機構を介して各フィンの上下ピンをスライドする構成としたので、各フィン間を均等な間隔に保持できるものでありながら、簡単な構成で当該各フィンを略一定の傾斜角度に確実に規制することができる。 等という極めて有用な新規的効果を奏するものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】脱穀機の全体側面図 【図2】揺動選別装置の要部側面図 【図3】揺動選別装置の要部平面図 【図4】揺動カムプレートとパンタグラフ機構の連結構成を示す要部側面図 【図5】パンタグラフ機構の各フィンを最小のフィン間隔に保持した状態を示す要部側面図 【符号の説明】 1 脱穀機 6 フィン 7 チャフシーブ 10 揺動選別装置 22 揺動側板 24 長溝 25 上ピン 26 下ピン 27 融通機構 28a リンク 28 パンタグラフ機構 29 間隔調整手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成14年8月23日(2002.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066876 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 昭治
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| 【公開番号】 |
特開2004−81024(P2004−81024A) |
| 【公開日】 |
平成16年3月18日(2004.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−243251(P2002−243251) |
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