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【発明の名称】 収穫機の引抜搬送装置
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】小田切 元
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】高木 真吾
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岩部 孝章
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場Eに植生する作物体Pを挟持搬送して圃場Eから引抜く左右一対の引抜搬送ベルト22,22を後上がり傾斜状態に設けた収穫機において、前記引抜搬送ベルト22,22を巻き掛ける搬送始端側プーリ20,20を、該搬送始端側プーリ20,20の上方から片持ち支持する構成としたことを特徴とする収穫機の引抜搬送装置。
【請求項2】
圃場Eに植生する作物体Pを挟持搬送して圃場Eから引抜く左右一対の引抜搬送ベルト22,22の少なくとも一方のベルトの外周面下側に周方向連続する突起部22aを形成して左右ベルトが対向する箇所においてベルトの外周面上側に空間部Kを形成したことを特徴とする収穫機の引抜搬送装置。
【請求項3】
搬送始端側プーリ20,20を上方から片持ち支持すると共に、搬送終端側プーリ19、19を下方から片持ち支持することを特徴とする請求項1記載の収穫機の引抜搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場に植生する枝豆等の作物体の地上部を挟持して上昇搬送し作物体を圃場から抜取る収穫機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圃場に植生する作物体を後上り傾斜状態に備えた引抜き搬送ベルトで引き抜いて後方に搬送する枝豆等の引抜き収穫機がある。そして、引抜き搬送ベルトを巻きかける搬送始端側のプーリを支持する構成として、搬送ベルトの下方に伝動ケースを備え、搬送始端側プーリを下側から支持する構成が下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平2002―142532号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
枝豆等のように地上部分の茎葉に最終収穫物がついている作物の場合、根本に近い位置に最終収穫物がついている場合があるため、引き抜き搬送ベルトはできるだけ地面に近い位置で茎葉を挟持することが望ましい。しかしながら、上記特許文献1で記載されているように搬送始端側のプーリを下側から支持するよう構成すると、支持する部材(伝動ケース)の厚みの分、引抜き搬送ベルトが圃場から作物体を引き抜く位置が高い位置になる。そうなると、根本に近い位置についている最終収穫物を引き抜き搬送ベルトが挟んで、最終収穫物を傷めてしまう。
【0005】
本発明は、枝豆等のように地上部分の茎葉に最終収穫物がついている作物の場合に、作物体を圃場から抜き取る時、あるいは抜き取った作物体を後方に搬送する時に枝豆等の最終収穫物ができるだけ傷めないようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した。
請求項1記載の発明は、圃場Eに植生する作物体Pを挟持搬送して圃場Eから引抜く左右一対の引抜搬送ベルト22,22を後上がり傾斜状態に設けた収穫機において、前記引抜搬送ベルト22,22を巻き掛ける搬送始端側プーリ20,20を、該搬送始端側プーリ20,20の上方から片持ち支持する構成としたことを特徴とする収穫機の引抜搬送装置とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、圃場Eに植生する作物体Pを挟持搬送して圃場Eから引抜く左右一対の引抜搬送ベルト22,22の少なくとも一方のベルトの外周面下側に周方向連続する突起部22aを形成して左右ベルトが対向する箇所においてベルトの外周面上側に空間部Kを形成したことを特徴とする収穫機の引抜搬送装置。
【0008】
請求項3記載の発明は、搬送始端側プーリ20,20を上方から片持ち支持すると共に、搬送終端側プーリ19、19を下方から片持ち支持することことを特徴とする請求項1記載の収穫機の引抜搬送装置とする。
【0009】
【作用】
本発明の収穫機の作用について説明すると、引抜搬送装置2の引抜搬送ベルト22,22が作物体Pの根本部rを挟んで引き抜き、上方に搬送していくことで作物体Pを圃場から引き抜いていく。そして、引抜搬送ベルト22,22の搬送終端側Tより搬送した作物体を順次放出していく。
【0010】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、搬送始端側プーリ20,20を上方より片持ち支持するよう構成しているため、引抜搬送ベルト22,22で作物体Pの根本部rを挟む時、より地面に近い位置に引抜搬送ベルト22,22を近づけて作物体Pの根本部rを挟むことができる。従って作物体Pの地上部分についている枝豆等の最終収穫物Bからより離れた位置で挟むことが可能になり、作物体Pの根本部rに近い位置でついている枝豆等の最終収穫物Bを引抜搬送ベルト22,22が挟んで傷つけることが生じにくくなる。
【0011】
請求項2記載の発明では、を形成した左右一対の引抜搬送ベルト22,22の少なくとも一方のベルトの外周面下側に周方向連続する突起部22aを形成すると、左右ベルトが対向する箇所において該ベルトの外周面上側に空間部Kが形成されるので、作物体Pの根本部rに近い位置でついている枝豆等の最終収穫物Bをベルトが挟持して傷つけることが生じにくくなる。
【0012】
請求項3記載の発明では、搬送始端側プーリ20,20を上方から片持ち支持すると共に、搬送終端側プーリ19、19を下方から片持ち支持するよう構成しているため、作物体Pを挟んで引抜く時には請求項1で記載したように作物体Pの根本部rに近い位置でついている枝豆等の最終収穫物Bを引抜搬送ベルト22,22が挟んで傷つけることが生じにくくなるものでありながら、搬送終端側Tでは枝豆等の最終収穫物Bが搬送終端側プーリ19、19の支持部材に当たって傷つけることが生じにくくなる。
【0013】
【発明の実施の態様】
本発明の一実施態様として最終収穫物が枝豆である作物体を圃場から抜取って収穫する収穫機を、以下に詳細に説明する。
この収穫機は、図に示すように、走行装置1と、作物体Pの収穫作業を行う作業部Wとを設けたもので、走行装置1は機体を進行方向dに向って走行させ、そして、その走行中に作業部Wが作物体Pの収穫作業を行っていく。これにより、この収穫機は、機体進行方向dにそって並ぶ作物体Pを機械的に且つ連続的に収穫していくことになる。
【0014】
走行装置1の一例として、圃場Eに形成された畝Uの両側の谷部分Vを走行する駆動回転する左右一対の車輪5,5を設けて、機体が自走するよう構成している。この車輪5,5は、機体後部側に配置されたエンジン6から動力が伝動されて駆動回転する。具体的には、エンジン6の動力が、エンジン6の前側に配置されエンジン6に連結するミッションケース7内の変速伝動機構に伝動し、該変速伝動機構を経て、ミッションケース7の左右両側部に固着した車輪伝動ケース8,8内の伝動機構に伝動し、該車輪伝動ケース8,8の下部の左右方向外側方に突出する車軸9,9に伝動して該車軸9,9に取り付けている前記車輪5,5が駆動回転する構成となっている。なお、走行装置1は車輪式に換えてクローラ式に構成することもできる。
【0015】
また、機体の操縦部として歩行型の操縦ハンドル10をその左右のグリップ部11,11が機体後端に位置するように機体後部に設けている。操縦ハンドル10のグリップ部11,11から前側に延びるハンドルフレーム12は下方に傾斜して前方に延び基部がミッションケース7に固着している。また、操縦ハンドル10のグリップ部11,11には、操縦者の握り操作により操作されるサイドクラッチレバー13,13を左右に設けていて、これにより左右の車輪5,5への伝動を個々に遮断することができ機体の旋回が容易に行える。更に、抜取り搬送装置2への伝動を断接するクラッチの操作を行う操作レバー14、エンジン6からミッションケース7内の変速伝動機構への伝動を断接するクラッチの操作を行う操作レバー15を配置した操作部16を操縦ハンドル10のグリップ部11,11の前側近傍に設けている。
【0016】
次に、作業部Wについて説明する。
作業部Wには、作業走行中に作物体Pの根本部rを挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Eから抜取る抜取り搬送装置2を設けている。従って、走行装置1によって機体を進行方向dに向って走行させ、そして、その走行中に、抜取り搬送装置2が、作物体Pの根本部rを挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Eから抜取っていく。これにより、この収穫機は、機体進行方向dにそって並ぶ作物体Pを機械的に且つ連続的に圃場Eから抜取っていくことになり、枝豆等の作物体Pを圃場Eから抜取るという収穫作業を、従来人力によっていたものと比べ省力化が図れる。なお、ここで根本部rとは、作物体Pの地表面付近の地上及び地中の幹部と、地中の根部とを指して根本部とよんでいる。
【0017】
また、作業部Wの前部下側左右には、作業部Wを圃場E(畝Uの左右の谷部V,V)に支持させる支持体(図例では遊転自在な車輪)27,27を設けている。この支持体27,27を設けたことにより、抜取り搬送装置2が畝U上に生育する作物体Pを挟んで上方に搬送することによって作物体Pを畝Uから抜取るときに作業部Wが下降しようとするのを、この支持体27,27で突っ張るようにして作業部Wを支持するものとなる。
【0018】
抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部S、及び支持体27,27の前方には、地中にある作物体Pの根本部rの左右の土を左右外側方に移動させて排出する排土装置3を設けている。従って、この収穫機は、排土装置3が地中にある作物体Pの根本部rの左右の土を左右支持体27,27の外側方に向けて排出し、このようにして左右の土が排出された個所に抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sが進んで行って、地中にあった作物体Pの根本部rを抜取り搬送装置2が挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Eから抜取っていく。これにより、作物体Pの地面付近にある最終収穫物Bを抜取り搬送装置2が挟んで傷つけることが生じにくくなる。また、排土装置3を支持体27,27の前方に設けることで、排土装置3で排出した土が支持体27,27の前側を経て側方に向って移動するため、支持体27,27の内側に滞留することによって支持体27,27が前進するのを妨げるのを防止することができる。
【0019】
排土装置3は、板体で構成し該板体前面の排土面が左右外側ほど機体進行方向後側になる姿勢とした排土板3a,3aを、作物体Pの根本部rの左右両側方を通過するよう左右に配置して構成している。これにより、排土装置3を簡略に構成でき、排土装置3の小型軽量化・コストダウンが図れる。
【0020】
更に、排土装置3の前方には、作物体Pの根本部rの左右の土を左右に分断する分土装置4を設けている。従って、この収穫機は、分土装置4が、作物体Pの根本部rの左右の土を予め左右に分断し、即ち、作物体Pの根本部rの左右の土を進行方向dに向って切溝を形成し、そして、排土装置3がその左右に分断された土の左右外側の土を左右外側方に移動させて排出するので、土が良好に排出され、作業を良好に進められる。なお、この分土装置4を設けないと、特に硬い土壌や粘性の高い土壌など流動性の低い土壌の場合には、排土装置3による左右外側方への土の移動が円滑に行われにくい。また、そのような場合で、排土装置3を前記のような左右の排土板3a,3aで構成したものであるときには、左右外側方への土の移動が円滑に行われにくく、排土板3a,3aの前面に土が滞留して排土板3a,3aが土を押していくような状態になり排土が良好に行われない場合がある。しかし、このような場合でも、上記のような分土装置4を設けることで、土が左右外側方へ円滑に移動して排土が良好に行えるようになる。
【0021】
また、分土装置4は、駆動動作される作用体によって機体進行方向dに向って土を左右に分断するようにもできるが、ここでは、機体構成の簡略化、軽量小型化、コストダウンという観点から、機体に固定の作用体にて構成する。具体的には平板で構成した分土板4a,4aを設ける。分土板4a,4aは、その板面を機体進行方向dと上下方向とに沿う姿勢とし、前記排土装置3の排土作用部3a,3aの左右内端部前方に左右に配置して構成する。この分土板4a,4aが土を分断する分断作用部となる。従って、この収穫機は、分土装置4の左右の分土板4a,4aは、板面が機体進行方向dと上下方向とに沿う姿勢で土中に潜り込んで進行し、作物体Pの根本部rの左右の土を左右に分断する。このため分土板4a,4aの土中直進性が高く、走行中、分土板4a,4aの左右の位置ずれが生じにくい。よって、左右の分土板4a,4aの間から作物体Pの根本部rが外れることが生じにくく、作業を良好に進められる。
【0022】
また、分土板4a,4aの後部は、排土装置3の排土作用部3a,3aの左右内端部よりも後方に延設している。これにより、作物体Pの根本部rは抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sの近くまで左右の分土板4a,4aの間を通過するようになる。従って、作物体Pの根本部rが分土板4a,4aの間を通り抜けて抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sに到る間に機体が左右にずれて作物体Pの根本部rが抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sに対し適確に供給されなくなるということも生じにくくなり、作物体Pの抜取り作業を更に一層良好に進められる。
【0023】
分土板4a,4aの後部は、前記排土装置3の排土作用部3a,3aの左右内端部よりも後方に延設している。これにより、作物体Pの根本部rは抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sの近くまで左右の分土板4a,4aの間を通過するようになる。従って、作物体Pの根本部rが分土板4a,4aの間を通り抜けて抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sに到る間に機体が左右にずれて作物体Pの根本部rが抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sに対し適確に供給されなくなるということも生じにくくなり、作物体Pの抜取り作業を更に一層良好に進められる。
【0024】
分土板4a,4aの前部は、前記排土板3a,3aの排土作用部3a,3aの左右方向内端且つ下端部分から垂直前方にのびる線xが排土作用部3a,3aの左右方向外端且つ下端部分から機体進行方向dにのびる線yと機体平面視で交差する点zより前方に延設している。これにより、排土板3a,3aの排土面が前進して押し出され左右外側方に移動しようとする土部分に対し、その土部分の左右方向内側部を分土板4a,4aが前後方向において十分に分断しているので、排土が良好に行われ、作物体Pの抜取り作業を良好に進められる。
【0025】
分土装置4の土分断深さは、排土装置3の排土深さに対し略同深さ或は深くなるように設けている。具体的には、分土装置4の分断作用部の下端位置、ここでは分土板4a,4aの下端位置が、上下方向において排土装置3の排土作用部3a,3aの下端位置に対し略同位置、或は、分土板4a,4aの下端位置の方が下側に位置するように設ける。これにより、排土板3a,3aの排土面が前進して押し出され左右外側方に移動しようとする土部分に対し、その土部分の左右方向内側部を分土板4a,4aが上下方向において十分に分断しているので、排土が良好に行われ、作物体Pの抜取り作業を良好に進められる。
【0026】
作業部W各部の更に具体的な構成を以下に説明する。
作業部Wは、機体前部に配置していて、ミッションケース7の前部から斜め前側上方に延びる左右2本の伝動フレーム17,17と、ミッションケース7の前部から斜め前側下方に延びる左右2本の支持フレーム18,18との各先端部に取り付けている。
【0027】
抜取り搬送装置2は、搬送終端側プーリ19,19と搬送始端側プーリ20,20、そしてテンションプーリ21a,21a;21a,21a、作物体挟持始端部S側に多数の作物体支持ローラ21b…,21b…を連続して設け、搬送中間部の泥落し装置駆動ローラ21c、21cを左右にわたって千鳥状に複数備えている。それら左右それぞれに抜取り搬送装置2の搬送体となる引抜搬送ベルト22,22を巻き掛け、搬送終端側プーリ19,19の駆動回転により左右の引抜搬送ベルト22,22が駆動回転する構成としている。引抜搬送ベルト22,22の左右内側のベルト外周面は互いに接触或は近接するように設ける。抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sは、引抜搬送ベルト22,22の前端部で左右の搬送ベルト22,22が左右中央側でベルト外周面を互いに接触或は近接させ始める個所となり、ここに作物体Pの根本部rが供給されると、左右の搬送ベルト22,22が作物体Pの根本部rを挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Eから抜取ることになる。
【0028】
左右の搬送ベルト22,22への伝動構成について説明すると、ミッションケース7と、駆動軸23,23を内装する左右伝動フレーム17,17と、駆動軸23,23の先端側部分に一体回転するよう取り付けた第1中間プーリ24a,24aと、搬送終端側プーリ19,19の軸19aに取付けた第2中間プーリ24b,24bと、第1中間プーリ24a,24aと第2中間プーリ24b,24bとを巻き掛ける中間ベルト24cと、をそれぞれ備え、これら第1中間プーリ24a,24aと第2中間プーリ24b,24bと中間ベルト24cとは中間ケース24dに内装されており中間伝動部24を形成している。
【0029】
そして、動力の伝動について説明すると、ミッションケース7内の動力が駆動軸23,23に伝動し、次いで第1中間プーリ24a,24a、中間ベルト24c、第2中間プーリ24b,24bを経て搬送終端側プーリ19,19が回転する。すると、左右内側のベルト外周面が後方に移動するように左右の引抜搬送ベルト22,22が回転し、さらに引抜搬送ベルト22,22が回転すると、搬送中間部の泥落し装置駆動ローラ21c、21cも回転駆動する。
【0030】
抜取り搬送装置2の取付構成について詳述すると、引抜搬送ベルト22,22の周回内であって、且つ略平行に支持部材G,Gを備える。支持部材G,Gはテンションプーリ21a,21a;21a,21a、作物体支持ローラ21b…,21b…、泥落し装置駆動ローラ21c、21cを支持する支持軸26と、支持軸26の搬送始端側上面より斜め下方に向かって延設され搬送始端側プーリ20,20をプーリ軸20aを介して上方から片支持する支持プレート25と、支持軸26の搬送終端側下面により斜め上方に向かって取り付けられ搬送終端側プーリ19,19をプーリ軸19aを介して下方から支持する中間ケース24dとを一体形成して構成している。
【0031】
ここで、支持部材G,Gが引抜搬送ベルト22,22の周回内に収めるのは、作物体Pの引っ掛かり及びゴミや茎葉の滞留の防止の他、引抜搬送ベルト22,22の交換等メンテナンスをしやすくするためである。
引抜搬送ベルト22の構成について説明すると、図5に示すように一方のベルトの外周面下側に周方向連続する突起部22aを形成している。そして、この突起面22aと他方の引抜搬送ベルト22のベルト外周面とがは作物体Pを引き抜き挟持搬送する面となっている。そのため、該突起部22aの上方と対向するベルト外周面との間に空間Kが形成され、非挟持面になるため、根本部rに近い位置に付いている枝豆等の最終収穫物Bにベルトが作用しなくなり傷がつきにくいものになると共に、他方のベルト外周面には突起部を形成しないことで、作物体Pを直立姿勢に支持する作用が増大し、作物体Pを良好に搬送できる。突起部は図6のように両方の搬送ベルト22に突起面を備えても良い。この場合にはより最終収穫物Bに作用する面がより少なくなるため傷がつきにくいものになる。また、図7に示すようにベルトと異なる材質(例えばスポンジ等の弾性体22b)を別途搬送ベルト22,22の外周面下方に取り付けても良い。
【0032】
抜取り搬送装置2は作物体Pを機体に対して斜め後上方へ搬送するが、搬送装置2の斜め後上方への搬送速度のうち機体後方水平方向の速度成分の大きさは、走行装置1による機体前方水平方向への作業走行速度の大きさと略同じ大きさとなるよう設定する。このように設定すると、作業走行中、作物体Pは、抜取り搬送装置2によって、圃場Eに対して前後に倒れないで略垂直姿勢で搬送されるようになる。
【0033】
前記支持体27,27は、ここでは、前記支持フレーム18,18に固着の支持体フレーム28に取り付けている。また、支持体27,27は調節ハンドルMにより取付け高さを調節自在に設けており、これにより、抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sの畝Uに対する高さを適当な高さに調節して設定でき、作物体Pの生育状態に対応して抜取り搬送装置2の作物体Pの根本部rの挟持個所を適当に上下調節できて作物体Pの抜取り収穫作業が良好に行える。なお、左右の支持体27,27の各前方には分草体29,29を設けている。
【0034】
排土板3a,3aと分土板4a,4aとは、抜取り搬送装置2の左右の搬送始端側プーリー20の支軸上端部に取り付け、支持プレート25に対し固定した左右のブラケット30,30の各先端部に、左右位置調節自在に且つ上下位置調節自在に取り付けている。左右の分土板4a,4aは、抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sの前方に適宜間隔(作物体Pの根本部rの幹の径の約2倍程度の間隔)をあけて、板面が機体進行方向dと上下方向とに沿う姿勢で互いに左右平行となるようにして設ける。排土板3a,3aは、左右の分土板4a,4aの外側面に左右内側端部を固着し左右外側が後側になるように機体平面視で前後に傾斜した姿勢で且つ上下方向においては略直立姿勢で取り付けている。左右の分土板4a,4aの前端縁は、上側が下側より前方になるよう機体側面視で傾斜するように形成して、機体前進時に分土板4a,4aが円滑に土を左右に分断しながら前進できるようにしている。
【0035】
また、作物体Pの根本側の茎葉部を上方に持ち上げるための左右ガイド体32,32を設けている。この左右ガイド体32,32は、基部を左右の分土板4a,4aの前側上端部に取付け固定していて、作物体Pの根本側の茎葉部を上方に持ち上げるためのガイド作用部となる部分を、左右の分土板4a,4aより左右外側に位置させて、後ろ上がり姿勢に設けている。この左右ガイド体32,32の前端部は、作業走行時には、作物体Pの地上にある根本部r(幹部)の左右両側方に入り込んで、機体進行にともないその上方にある茎葉部を上方に持ち上げていくようになっている。これにより、更に一層、抜取り搬送装置2が作物体Pの根本部rを挟むときに圃場面近くの最終収穫物Bを一緒に挟まないようになり、抜取り搬送装置2による最終収穫物Bの損傷が一層生じにくくなる。
【0036】
抜取り搬送装置2の後側には、抜取り搬送装置2から排出される作物体Pを受ける受け台33を設けている。この受け台33は、左右中央部に固定台34と、その左右両側に、機体内側に移動可能に設けた移動受け台35,35を設けて構成している。左右の移動受け台35,35は、左右外方に水平状に張り出す姿勢と、上方に起立する姿勢に対し機体内側に移動した姿勢とに移動可能且つ各姿勢で保持可能に設けている。具体的には、ここでは、左右中央の固定台34の左右両側部に前後方向の支軸を設けて、この支軸に左右の移動受け台35,35の左右内端部を回動自在に取り付け、左右外方に水平状に張り出す姿勢と、その姿勢から上方に回動して起立する姿勢とに移動可能且つ且つ各姿勢で保持可能に設けている。複数列の畝U・・・に作物体P・・・が植生していて、一畝ごとに作物体P・・・を収穫していく場合、未収穫の畝側の移動受け台35は起立姿勢とし、収穫済みの畝側の移動受け台35は左右外方に水平状に張り出す姿勢とする。そして、抜取り搬送装置2から後方に排出された複数の作物体P・・・は、左右中央の固定台34と左右外方に水平状に張り出す姿勢とした移動受け台35上に置かれていく。満載状態になれば水平状に張り出した移動受け台35から左右外側方に移動させて圃場に落下させて置いて行く。
【0037】
以上のように構成した収穫機は、走行装置1が機体進行方向dに向って走行させ、そして、その走行中に、抜取り搬送装置2が、作物体Pの根本部rを挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Eから抜取っていく。また、分土装置4が、作物体Pの根本部rの左右の土を左右に分断し、そして、排土装置3が、その左右に分断された土の左右外側の土を左右外側方に移動させて排出し、このようにして左右の土が排出された個所に抜取り搬送装置2の作物体挟持始端部Sが進んで行って、地中にあった作物体Pの根本部rを引抜搬送ベルト22,22が挟んで作物体Pを圃場Eから抜取って上方に搬送していく。そして、作物体Pは連続する多数の作物体支持ローラ21b…,21b…、の挟持作用を受けて確実に搬送され、泥落し装置駆動ローラ21c、21c間、すなわち回転する泥落し装置Dを通過するとき作物体Pの根本部rに付着している泥等を落としていく。そして、搬送終端部T,Tより受け台33,33に落下放出していく。
【0038】
その際、支持部材G,Gは搬送始端側プーリ20,20を上方より片持ち支持するよう構成しているため、引抜搬送ベルト22,22で作物体Pの根本部rを挟む時、より地面に近い位置に引抜搬送ベルト22,22を近づけて作物体Pの根本部rを挟むことができる。従って作物体Pの地上部分についている枝豆等の最終収穫物Bからより離れた位置で挟むことが可能になり、作物体Pの根本部rに近い位置でついている枝豆等の最終収穫物Bを引抜搬送ベルト22,22が挟んで傷つけることが生じにくくなる。また、支持部材Gは搬送始端側プーリ20,20をプーリ軸20aを介して上方より片持ち支持すると共に、搬送終端側プーリ19、19をプーリ軸19aの下方より片持ち支持するよう構成しているため、作物体Pを挟んで引抜く時には請求項1で記載したように作物体Pの根本部rに近い位置でついている枝豆等の最終収穫物Bを引抜搬送ベルト22,22が挟んで傷つけることが生じにくくなるものでありながら、搬送終端側Tでは枝豆等の最終収穫物Bが支持部材に当たって傷つけることが生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】収穫機の側面図。
【図2】収穫機の平面図。
【図3】収穫機の一部の作用状態を示す平面図。
【図4】収穫機の一部の作用状態を示す図で、(a)は背面視断面図、(b)は平面図、(a)は側面図。
【図5】搬送ベルト22が作物体Pを挟持搬送していることを示す図
【図6】搬送ベルト22が作物体Pを挟持搬送していることを示す図
【図7】搬送ベルト22が作物体Pを挟持搬送していることを示す図
【符号の説明】
2:抜取り搬送装置
19:搬送終端プーリ
20:搬送始端プーリ
22:引抜搬送ベルト
S:作物体挟持始端部
P:作物体
r:作物体の根本部
B:最終収穫物
E:圃場
G:支持部材
K:空間部
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成15年4月25日(2003.4.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−321113(P2004−321113A)
【公開日】 平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願番号】 特願2003−122702(P2003−122702)