| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】白方 幹也 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】指原 宏彦 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】アクセル自動制御機能設定中であっても、標準的なエンジン回転数を条件に応じて変更可能にしたコンバインを提供すること。
【解決手段】エンジン10のスロットル弁開度を作業項目(走行時、脱穀時及び籾排出時など)毎に、各作業項目に応じて予め設定された開度に自動的に設定可能なコントローラ200を備え、そのコントローラ200は、ある特定の作業項目時に対応した目標のエンジン回転数で作動中に、スロットル弁開度を変更可能な手段を備えたコンバインである。目標のエンジン回転数を変更可能であるので作業範囲を変更でき、コンバインのアクセル自動制御性が従来に比べて向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植立穀稈を刈り取る刈取装置20と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置30と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク50と、エンジン10のスロットル弁開度を作業項目毎に、各作業項目に応じて予め設定された開度に自動的に設定可能なコントローラ200を備えたコンバインにおいて、 コントローラ200は、ある特定の作業項目時に対応した目標のエンジン回転数で作動中に、スロットル弁開度を変更可能な手段を備えたことを特徴とするコンバイン。 【請求項2】 スロットル弁開度を変更可能な手段は目標のエンジン回転数を任意なエンジン回転数に変更可能な手段であることを特徴とする請求項1記載のコンバイン。 【請求項3】 目標のエンジン回転数を任意なエンジン回転数に変更可能な手段は作業項目毎にそれぞれエンジン回転数を任意に設定可能であることを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、穀物の刈取、脱穀、選別、穀粒貯留及び穀粒搬出を行う農業用のコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】 コンバインはエンジンを搭載し、エンジンの発生する動力をクローラに伝動して走行し、エンジンの動力を刈取装置、脱穀装置に伝動して圃場に植立する穀稈を刈取り、脱穀した後、穀粒を選別してグレンタンクに貯留し、エンジンの動力で駆動するオーガにより貯留した穀粒をコンバインの外部へ搬送排出するなど、各種の農業作業を行う農業用の作業機である。 【0003】 穀類の収穫作業において、圃場に植立する穀稈列間の中心に刈取装置の前端下部にある分草具が進入するように、コンバインを操舵しながら前進走行させる。穀稈は分草具によって分草作用を受け、次いで穀稈引起装置の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で刈取装置の後部上方に搬送される。 【0004】 穀稈は搬送中に扱深さを調節されて、刈取装置の後部で脱穀装置のフィードチェンに供給され、脱穀装置において回転する扱胴の扱歯によって脱穀される。そして、脱穀処理物は選別室で選別処理され、脱穀選別した穀粒はグレンタンクに一時貯留し、貯留量が蓄積したらオーガによりコンバインの外部に搬送排出する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 コンバインに搭載するエンジンの特性を、横軸に回転数をとり、縦軸に出力、および燃料消費量をとって図14に示す。図14において、エンジンの出力は上に凸の山なりの曲線で、最大出力まではエンジンの回転数が大きいほど出力が大になる。燃料消費量はエンジンの回転数が大きいほど多くなり、最大出力以上の回転数では急増する。 【0006】 コンバインの作業に必要な動力、つまりエンジンに要求される出力は、コンバインを作業速で走行させながら刈取および脱穀を同時に行う場合に最大であり、刈取りを行わずに路上を走行する場合には小でよい。したがって、刈取、脱穀作業時にはアクセルレバーを操作してエンジンの回転数を大きくしてエンジンの最大出力付近で運転する。また、路上走行時にはアクセルレバーを操作して回転数を小さくし、エンジン出力を低下させて、燃料消費量を低減することができる。 【0007】 また、グレンタンクに貯留された穀粒を搬送排出する場合は、コンバインは走行を停止した状態であり、エンジンはオーガだけを回転駆動する。この場合のエンジンの回転数は定格回転数であり、伝動装置の変速比を適切に選定し、オーガは通常の穀粒の搬送に適した回転数で回転するようにしている。 【0008】 そして本出願人は、図5に示すようにオペレータがアクセルレバー65を操作してエンジン10の回転数を手動調節し、かつ制御装置(図示せず)により自動制御できる構成について特許出願した(特開2000−41467号公報)。 【0009】 この特許出願の構成では、アクセルレバー65を操作するとアクセルワイヤ65aが牽引され、エンジン10のスロットルアーム12が回動し、燃料噴射ポンプ13の燃料噴射量が調節されてエンジン10の回転数が調節され、また、自動制御ではアクセル制御スイッチ(図示せず)をオンにすると制御装置(図示せず)の信号により、アクセル制御モータ65bを駆動し、ギヤメカニズム65cを介してアクセルレバー65を自動操作する構成(これを、以下アクセル自動制御と称することがある)であり、以下、手動調節と同様に、アクセルワイヤ65aの牽引、スロットルアーム12の回動、燃料噴射ポンプ13の燃料噴射量調節が行われ、エンジン10の回転数が制御される。アクセルレバー65の操作状態を検出するために、アクセルレバーポジションセンサ65dを設けている。 【0010】 【特許文献1】 特開2000−41467号公報 【0011】 【発明が解決しようとする課題】 上記アクセルレバー65を自動的に制御してエンジン10の回転数を作業の形態に応じて適切な値に自動調整するアクセル自動制御は、標準的なバリエーションでしか使用することができず、オペレータによってバリエーションを変更する手段は設けていなかった。 【0012】 そのため、標準的な制御の前にマイルドなモード(脱穀時、穀粒排出時、後進時又は走行停止時のエンジン回転設定を標準より低くするモード)にしたり、あるいは省力モードとしてエンジン回転の上昇を極力抑制する等のバリエーションを持たせることができなかった。 【0013】 そこで、本発明の課題は、アクセル自動制御機能設定中であっても、標準的なエンジン回転数を条件に応じて変更可能にしたコンバインを提供することである。 【0014】 【課題を解決するための手段】 本発明の上記課題は次の解決手段により解決される。 請求項1記載の発明は、植立穀稈を刈り取る刈取装置20と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置30と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク50と、エンジン10のスロットル弁開度を作業項目毎に、各作業項目に応じて予め設定された開度に自動的に設定可能なコントローラ200を備えたコンバインにおいて、コントローラ200は、ある特定の作業項目時に対応した目標のエンジン回転数で作動中に、スロットル弁開度を変更可能な手段を備えたコンバインである。 【0015】 請求項1記載の発明によれば、目標のエンジン回転数を変更可能であるので作業範囲を変更できる。 【0016】 請求項2記載の発明は、スロットル弁開度を変更可能な手段は目標のエンジン回転数を任意なエンジン回転数に変更可能な手段からなる請求項1記載のコンバインである。 【0017】 請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用に加えて、目標のエンジン回転数を各作業状態で使用できるエンジン回転数の範囲内ではあるが、任意なエンジン回転数に変更可能であるので、アクセル自動制御機能の適用範囲が従来より広くなる。 【0018】 請求項3記載の発明は、目標のエンジン回転数を任意なエンジン回転数に変更可能な手段は作業項目毎にそれぞれエンジン回転数を任意に設定可能である請求項2記載のコンバインである。 【0019】 請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の作用に加えて、例えば、走行時、脱穀時及び籾排出時などの作業項目に応じて、それぞれに適したエンジン回転数を設定可能とする。 【0020】 【発明の効果】 請求項1記載の発明によれば、コントローラ200は、目標のエンジン回転数を変更可能であるので作業範囲を変更でき、コンバインのアクセル自動制御性が従来に比べて向上する。 【0021】 請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、目標のエンジン回転数を各作業状態で使用できるエンジン回転数の範囲内ではあるが、任意なエンジン回転数に変更可能であるので、アクセル自動制御機能の適用範囲が従来より広くなり、操作性が向上する。 【0022】 また、請求項3記載の発明によれば、例えば、走行時、脱穀時及び籾排出時などの作業項目に応じて、それぞれに適したエンジン回転数を設定可能となるので、操作性、作業性が従来より向上する。 【0023】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図1に穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2にコンバインの右側面図を示す。図3はコンバインの操作席周辺の操作パネルの鳥瞰図であり、図4はコンバインの動力伝動系統図であり、図5はアクセルレバーとエンジンとの関係を示す一部斜視、側面図であり、図6は本発明の実施の形態の制御装置の回路のブロック図である。 【0024】 図1および図2に示すように、コンバイン1は、車体フレーム2の下部側に左右一対の走行クローラ4を有する走行装置3を配設し、車体フレーム2の前部に刈取装置20を搭載し、車体フレーム2の上部に脱穀装置30およびグレンタンク50を搭載し、グレンタンク50と刈取装置20との間の車体フレーム2の上部に操作席5と、操作席5を覆うキャビン6を設け、操作席5の周辺には操作パネル60が設けられ(図3参照)、車体フレーム2の上部で操作席5の下部後方にエンジン10を搭載している。 【0025】 刈取装置20は最前端部に分草具を、その背後に傾斜状にした穀稈引起装置を、その後方底部に刈刃を設け、分草して刈取った穀稈を直列する複数の搬送装置に引き継ぎ、扱深さを調節して脱穀装置30のフィードチェン33の始端部に受け継ぐ構成である。 【0026】 コンバイン1の車体フレーム2に搭載したエンジン10の出力は、走行装置3、刈取装置20、脱穀装置30、グレンタンク50などに伝動される。走行装置3はエンジン10の回転動力を走行トランスミッション100(図4参照)を経由して伝動し、駆動スプロケット4aによりクローラ4を回転させて駆動する。コンバイン1は、左右のクローラ4を等速で駆動した場合は直進し、左右のクローラ4に速度差を与えた場合は、低速側、停止側または逆走側のクローラ4を内側にして旋回走行する。 【0027】 刈取装置20は走行トランスミッション100の油圧変速装置HST101(図4参照)による変速後の回転動力により駆動する構成としている。 図4に示すように刈取動力取出軸111からプーリとベルトにより伝動される経路にテンションプーリからなる刈取クラッチ22を設けているので、操作パネル60の刈・脱レバー66(図3参照)の操作により刈取入力軸21への動力伝動を断続できる構成としている。 【0028】 すなわち、刈取クラッチ22は、刈・脱レバー66との間を刈取クラッチワイヤにより接続され、かつ刈取クラッチ22の断続状態を検出できるリミットスイッチを備えている。刈取入力軸21に伝動された動力は、油圧変速装置HST101による変速後の走行装置3の速度に比例した回転動力であり、刈取装置20の図示しない穀稈引き起こし装置、刈刃、搬送装置などを駆動する。 【0029】 エンジン10の出力軸11には、また、脱穀装置30の脱穀入力軸31を駆動するプーリとベルトが設けられ、ベルト伝動経路にテンションプーリからなる脱穀クラッチ32を設けているので、操作席5の刈・脱レバー66(図3)の操作により脱穀装置30への動力伝動を断続できる構成としている。脱穀クラッチ32は刈・脱レバー66との間を脱穀クラッチワイヤにより接続され、かつ脱穀クラッチ32の断続状態を検出できるリミットスイッチを備えている。 【0030】 脱穀入力軸31に伝動される動力はエンジン10の回転数に比例した回転数である。脱穀入力軸31に伝動された動力は、フィードチェーン33、扱胴34、二番処理胴35、排藁チェーン36、排藁ファン37、唐箕送風機38、揺動棚39、一番螺旋40、一番揚穀筒41、二番螺旋42、二番揚穀筒43などを駆動する。 【0031】 エンジン10の出力軸11には、さらに、グレンタンク50に動力を供給してグレンタンク入力軸51を駆動するプーリとベルトが設けられ、ベルト伝動経路にテンションプーリからなる籾排出クラッチ52を設けているので、操作パネル60の籾排出レバー67(図3)の操作によりグレンタンク50への動力伝動を断続できる構成としている。 【0032】 籾排出クラッチ52は、籾排出レバー67との間を籾排出クラッチワイヤにより接続され、籾排出クラッチ52の断続状態を検出できるリミットスイッチを備えている。グレンタンク入力軸51に伝動される動力はエンジン10の回転数に比例した回転数であり、グレンタンク下部螺旋53、縦オーガ55、および横オーガ56を駆動する。 【0033】 図3に示すように、操作席5の周辺にはオペレータが監視、操作しやすいように操作パネル60を配置し、操作パネル60の前方右側には、一本のレバーを左右に傾倒すればコンバイン1を左右に旋回させ、前後に傾倒すれば刈取装置20を下降、上昇できるパワステレバー61を配置する。操作パネル60の左側方には、走行装置3を無段階で前進、停止、後退制御できるHSTレバー62、走行装置3の速度を作業速(標準)、走行速(高速)、低速の3段階に切り替える副変速レバー63、コンバイン1の旋回モードをブレーキ旋回、マイルド(緩)旋回、スピン(急)旋回に切り替える旋回モード切替レバー64、エンジンの回転数を調節するアクセルレバー65、刈取装置20および脱穀装置30の運転停止を操作する刈・脱レバー66、グレンタンク50内の穀粒を排出運転する籾排出レバー67、オーガ54(図1参照)を操作するオーガ旋回レバー68a、オーガ自動張出・収納スイッチ68b、オーガ停止位置可変ダイヤル68c、オーガ停止スイッチ68dなどが配置されている。 【0034】 図5に示すように、エンジン10の回転数はオペレータがアクセルレバー65を操作して手動調節し、かつ後述する制御装置(図示せず)により自動制御できる構成である。アクセルレバー65を操作するとアクセルワイヤ65aが牽引され、エンジン10のスロットルアーム12が回動し、燃料噴射ポンプ13の燃料噴射量が調節されてエンジン10の回転数が調節される。 【0035】 自動制御ではアクセル制御スイッチ1のオンで作動し、制御装置(図示せず)の信号により、アクセルモータ65bが駆動し、ギヤメカニズム65cを介してアクセルレバー65の開出力がオンしてアクセルレバー65が自動操作され、以下、手動調節と同様に、アクセルワイヤ65aの牽引、スロットルアーム12の回動、燃料噴射ポンプ13の燃料噴射量調節が行われ、エンジン10の回転数が制御される。アクセルレバー65の操作状態を検出するために、アクセルレバーポジションセンサ65dを設けている。 【0036】 本発明の実施の形態において、図6に示すように、制御装置(図示せず)のアクセル制御処理装置200には、エンジン回転センサ10a、アクセルポジションセンサ65d、アクセルスイッチ7、HSTレバーポジションセンサ76、脱穀クラッチスイッチ73、オーガ排出クラッチスイッチ52a、下限回転数設定ダイヤル74(74a〜74c)などの出力信号が取り込まれる。 【0037】 ここで、アクセルスイッチ7がオンになると、標準的なエンジン回転数が選択される。また下限回転数設定ダイヤル74(74a〜74c)は、図7に示すようなエンジン回転数を設定範囲内で変更可能にする回転式ダイヤルである。このように本実施例ではアクセル自動制御機能が働くと、下限側のエンジン回転数を設定範囲内で変更できる。 【0038】 従来のアクセル自動制御機能は、アクセルスイッチ7がオンになると、標準的なエンジンの目標回転数である定格回転数が決まっており、作業者は変更できなかったため、作業条件によってアクセル自動制御機能を「切」として手動で調節しなければならない場合があった。 【0039】 図7に示す例は、例えば脱穀クラッチ32が「入」のときにアクセル自動制御機能を「入」にすると、2600rpmでエンジンを回転させるが、脱穀クラッチ32を「切」にした場合には下限回転数設定ダイヤル74(74a〜74c)で設定した値の回転数(2000rpm〜2600rpm)の範囲内で設定したエンジン回転数(実施例ではαの位置である2300rpm)に設定してアクセル自動制御を行うことができる。 【0040】 このようにアクセル自動制御機能を「入」にすると、下限回転数設定ダイヤル74(74a〜74c)を作動させることで、エンジンの回転数の調整範囲が広くなり、コンバインの作業性が向上する。 【0041】 また、図8に示す制御回路構成にすると、作業項目別にエンジンの下限回転数を可変設定できる。すなわち、走行時、脱穀時又は籾排出時はそれぞれ異なるエンジンの回転数を定格回転数として設定しているが、従来は、それぞれの作業項目毎に定格回転数が決まっており、たとえ、その作業を終了した後でも、アクセル自動制御機能が「入」であると作業者はエンジンの目標の回転数を変更できなかった。そのため作業条件によってはエンジンの回転数を変更するためには、アクセル自動制御機能を「切」としなければならない場合があった。しかし、図8に示すように走行時用、脱穀時用又は籾排出時用などの下限回転数設定ダイヤル74a〜74cを設けることで、アクセルスイッチ7がオンのときに目標の回転数の範囲内で任意のエンジン回転数に設定することができる。ただし、走行時にはHSTレバー62が中立位置以外の位置から中立位置になった時に、また脱穀時には脱穀クラッチスイッチ32が「入」から「切」になった時に、又は籾排出時には籾(オーガ)排出クラッチスイッチ52aが「入」から「切」になった時(=籾排出レバー(図示せず)が「入」から「切」になった時)に下限回転数設定ダイヤル74a〜74cをそれぞれ回転させることで目標の回転数の範囲内で任意のエンジン回転数に設定することができる。 【0042】 なお、アクセルスイッチ7がオンのときに、例えば、籾(オーガ)排出クラッチスイッチ52aが「切」から「入」になった場合には、時間の経過と共に前記下限回転数設定ダイヤル74cで設定したエンジン回転数が目標の回転数に変更されるように構成されている。HSTレバー62が中立位置から中立位置以外の位置に変更されたとき又は脱穀時に脱穀クラッチスイッチ32がオフからオンになった時も同様である。 【0043】 また、図9に示す制御回路構成のように、下限回転数設定ダイヤル74a〜74cではなく、走行時、脱穀時又は籾排出時の回転数設定ダイヤル74d〜74fにより作業項目別にエンジンの回転数を可変設定してもよい。すなわち、走行時、脱穀時又は籾排出時はそれぞれ異なるエンジンの回転数を定格回転数として設定しているが、それぞれの作業項目毎に低回転数、高回転数にもエンジン回転数を変更できる構成にすると、アクセル自動制御機能が「入」である場合の適用範囲が増える。 【0044】 また、図示しないが、エンジン回転数調整ダイヤルを設けておき、アクセルスイッチ7がオンのときに、移動走行時にはHSTレバーポジションセンサ76の位置に応じて、前記ダイヤルの回転により作業ゾーン内でのダイヤル位置によりスロットル弁の開度を設定することでエンジン回転数を任意に変更できる。こうするとアクセル自動制御機能が作動中でもHSTレバーポジションセンサ76の移動走行時の最前進側又は後進側の位置において、エンジン回転数を作業ゾーン内において変更できる。また、作業時にはダイヤルの回転により作業ゾーン内でのエンジン回転を変更することができる。 【0045】 また、図10に示す制御回路を設けると、コンバインの走行中に副変速レバー63が中立位置にあるときと、その他の位置にあるときで走行制御の内容を異なる構成にすることができように副変速(低速)スイッチ77a、副変速(標準)スイッチ77b及び副変速(高速)スイッチ77cを設ける。 【0046】 副変速レバー63を操作することで図11に示す制御フローのように前記3つの副変速(低速)スイッチ77a〜77cのいずれかのスイッチをオンすることで低速、標準及び高速を選択できる。また、副変速レバー63が中立位置にあるときには、HSTレバー62を動かしても走行しないので、HSTレバー62がどの位置にあってもアイドリングにする走行制御パターン1を選択して、副変速レバー63が中立位置以外の前記低速、標準又は高速位置にあるときには走行制御パターン2を選択する。 【0047】 なお、走行制御パターン1とは、HSTレバー62の位置に無関係にアイドリング状態とするパターンであり、走行制御のパターン2はHSTレバー62の位置に応じてエンジン回転数が変化する制御パターンとHSTレバー62が中立位置にある時にエンジン回転数を2000rpmにする制御パターンとである。 【0048】 このとき、脱穀クラッチ32又は籾排出クラッチ52が「入」の時は、それぞれ脱穀または籾排出時の制御を優先する。 【0049】 また、図11の「副変速中立か」のステップを「駐車ブレーキがロックされているか」のステップに置き換えると、アクセルスイッチ7がオンの場合に、駐車ブレーキ(図示せず)がロックされていると、エンジン回転数をロック前より低回転数で保持することができる。このときの制御パターン1は駐車ブレーキのロック前よりエンジン回転数を低回転数、例えばアイドリング状態に保持するパターンであり、制御パターン2は通常のアクセル自動制御のパターンとする。 【0050】 こうして、副変速が中立、中立以外で制御内容をそれぞれ異なる設定にすると、変速位置に応じたエンジン回転数の制御が可能となり、また駐車ブレーキがロックされている時と、ロックされていない時でも同様にエンジン回転数の制御が可能となり、アクセル自動制御の適応性が従来より向上し、さらに従来より副変速中立時あるいは駐車ブレーキがロックされている時の燃費が向上し、騒音が低下する利点がある。 【0051】 図12に示すフローは、アクセル自動制御機能を有するコンバインにおいて、走行時にアクセル自動制御機能を作動させたとき、副変速レバー63の位置に応じてエンジン回転数の制御内容が異なるようにしたものである。 【0052】 例えば、副変速レバー63の位置が、例えば中立位置ではHSTレバー62の位置に関係なく、アイドリング状態となり(制御パターン1)、副変速レバー63の位置が、例えば低速位置の時(この場合動いていなくても積み込み、積み降ろしを行う確率が高いので安定した高い回転にしておく。)HSTレバー62の位置に関係なく、定格回転とし(制御パターン2)、副変速レバー63の位置が、例えば標準位置の時、HSTレバー62が中立位置にある時(動かないので、低い回転にしておき、仮に動いても積み込み、積み降ろしのような不安定な走行はしないので低い回転にしておいても問題はない。)には燃料消費削減のため定格より低い回転数を保持し、中立位置以外の時は定格回転とする(制御パターン3)。また、副変速レバー63が高速位置の時、HSTレバー62が中立位置にある時(動かないので、低い回転にしておき、仮に動いても積み込み、積み降ろしのような不安定な走行はしないので低い回転にしておいても問題はない。)には燃料消費削減のため定格より低い回転数を保持し、中立位置以外の時にはHSTレバー62の操作量に応じて最高回転まで変化するよう(制御パターン4)に構成した。 【0053】 こうして、アクセル自動制御機能を有するコンバインにおいて、走行時のアクセル自動制御を副変速レバー63の位置に応じてエンジン回転数の制御内容が異なるようにすることで、アクセル自動制御の適応性が従来より向上し、副変速レバー63の中立時に燃費向上と騒音低下が図れる。また、副変速レバー63の位置が低速位置にある時には、コンバインに収穫物などの積み込み、積み降ろし等の作業が想定されるため、エンジン回転数が変化しない方が安心して作業できる利点がある。さらに、副変速レバー63の位置が標準位置の時には実刈状態が多く、HSTレバー62の位置が中立位置にある時は2000rpmを保持し、中立以外では定格回転とすることで、刈取状態への対応が瞬時に行える。 【0054】 また、副変速レバー63の位置が高速位置にある時はコンバインが走行状態であるため、HSTレバー62の操作量に応じてエンジンを最高回転まで変化させることで、コンバインの移動が迅速に行え、アクセル自動制御機能の適応性が向上する。 【0055】 また、図13に示すフローのように、アクセル自動制御機能を有するコンバインにおいて、走行制御パターンを複数設定し、オペレータが選択可能にしてもよい。 【0056】 図13に示す構成例では、パターン1はHSTレバー62が中立位置にある時に下限定格回転数(2000rpm)を保持し、HSTレバー62が中立位置以外にある時はHSTレバー位置に応じた回転数制御を行う制御パターンである。また、パターン2はHSTレバー62が中立位置にある時に下限定格回転数(2000rpm)を保持し、HSTレバー62が中立位置以外にある時に上限定格回転数を保持する制御パターンである。 【0057】 このように、アクセル自動制御機能のなかでも複数の選択肢が取り得るようにした場合には、アクセル自動制御機能がオペレータの求める制御内容に変更でき、アクセル自動制御機能の適応範囲を拡大させ、操作性が向上する。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態のコンバインの左側面図を示す。 【図2】図1のコンバインの右側面図を示す。 【図3】図1のコンバインの操作席周辺の操作パネルの鳥瞰図である。 【図4】図1のコンバインの動力伝動系統図である。 【図5】図1コンバインのアクセルレバーとエンジンの関係を示す一部斜視、側面図である。 【図6】図1のコンバインの制御装置の回路のブロック図である。 【図7】図1のコンバインの下限回転数設定ダイヤルの平面図である。 【図8】図1のコンバインの作業項目ごとの制御装置の回路のブロック図である。 【図9】図1のコンバインの作業項目ごとの制御装置の回路のブロック図である。 【図10】図1のコンバインの作業項目ごとの制御装置の回路のブロック図である。 【図11】図1のコンバインのアクセル自動制御機能作動時のエンジン回転数の制御フロー図である。 【図12】図1のコンバインのアクセル自動制御機能作動時のエンジン回転数の制御フロー図である。 【図13】図1のコンバインのアクセル自動制御機能作動時のエンジン回転数の制御フロー図である。 【図14】コンバインに搭載するエンジンの特性を示す図である。 【符号の説明】 1 コンバイン 2 車体フレーム 3 走行装置 4 走行クローラ 4a 駆動スプロケット 5 操作席 6 キャビン 7 アクセルスイッチ 10 エンジン 10a エンジン回転センサ 11 出力軸 12 スロットルアーム 13 燃料噴射ポンプ 20 刈取装置 21 刈取入力軸 22 刈取クラッチ 30 脱穀装置 31 脱穀入力軸 32 脱穀クラッチ 33 フィードチェン 34 扱胴 35 二番処理胴 36 排藁チェーン 37 排藁ファン 38 唐箕送風機 39 揺動棚 40 一番螺旋 41 一番揚穀筒 42 二番螺旋 43 二番揚穀筒 50 グレンタンク 51 グレンタンク入力軸 52 籾排出クラッチ 52a オーガ排出クラッチスイッチ 53 グレンタンク下部螺旋 54 オーガ 55 縦オーガ 56 横オーガ 60 操作パネル 61 パワステレバー 62 HSTレバー 63 副変速レバー 64 旋回モード切替レバー 65 アクセルレバー 65a アクセルワイヤ 65b アクセルモータ 65c ギヤメカニズム 65d アクセルレバーポジションセンサ 66 刈・脱レバー 67 籾排出レバー 68a オーガ旋回レバー 68b オーガ自動張出・収納スイッチ 68c オーガ停止位置可変ダイヤル 68d オーガ停止スイッチ 73 脱穀クラッチスイッチ 74a〜74c 下限回転数設定ダイヤル 74d〜74f 回転数設定ダイヤル 76 HSTレバーポジションセンサ 77a〜77b 副変速スイッチ 100 走行トランスミッション 101 HST 111 刈取動力取出軸 200 コントローラ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成15年4月25日(2003.4.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2004−321106(P2004−321106A) |
| 【公開日】 |
平成16年11月18日(2004.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2003−122125(P2003−122125) |
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