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【発明の名称】 移動式農産物収穫装置
【発明者】 【氏名】澁澤 栄

【氏名】近藤 直

【要約】 【課題】収穫場所において、農産物を収穫すると同時に、その農作物を項目別に仕分け処理することができる移動式農産物収穫装置を提供する。

【解決手段】圃場A内の樹木Aaに実っている農産物D及び土壌に植えられた農産物Dを移動式農産物収穫装置10の農産物収穫装置30で収穫するとき、土壌測定装置20が検出する土壌情報と、GPS53が検出する樹木Aa及び農産物Dの位置情報と、農産物仕分け装置40が評価及び判定する農産物Dの判定情報とを、農産物Dの識別情報と対応させて情報管理装置24に記憶及び蓄積或いは記録媒体Gに記録すると共に、農産物仕分け装置40により項目別に仕分け処理された農産物Dを走行車両60に積載したまま、例えば選別場や出荷場、保管場所等に運搬する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物が栽培される圃場の土壌に関する情報を取得する土壌情報取得手段と、上記土壌情報取得手段が取得する土壌情報と対応して、上記圃場内の農産物を収穫する農産物収穫手段と、
上記農産物収穫手段が収穫した農産物の所定項目を評価及び判定し、該判定に基づいて農産物を項目別に仕分け処理する農産物仕分け手段と、
上記土壌情報取得手段の土壌情報及び農産物仕分け手段の判定情報を、上記農産物の品質収量マップを作成するのに必要な情報として該農産物毎に設定される識別情報と対応させて記憶する情報管理手段とを、GPS機能を有する走行車両に備えた
移動式農産物収穫装置。
【請求項2】
上記土壌情報取得手段の土壌情報及び農産物仕分け手段の判定情報を、上記農産物と対応して移動する記録媒体に記録する情報記録手段を備えた
請求項1記載の移動式農産物収穫装置。
【請求項3】
上記情報管理手段に記憶された情報付き農産物に関する収穫情報を主情報管理手段に出力する情報出力手段を備えた
請求項1記載の移動式農産物収穫装置。
【請求項4】
上記農産物の栽培に関する栽培情報を取得する栽培情報取得手段を備えた
請求項1記載の移動式農産物収穫装置。
【請求項5】
上記農産物仕分け手段を、上記農産物の所定項目を計測する項目計測手段と、該項目計測手段から出力される計測情報に基づいて、上記農産物の所定項目を評価及び判定する項目判定手段とで構成した
請求項1記載の移動式農産物収穫装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば穀類や野菜、果物、お茶、畜産物等の農産物(農作物を含む)を収穫する作業に用いられる移動式農産物収穫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の農産物を収穫する装置としては、例えば走行装置に備えられた判別装置から情報を入力したCPUが収穫適期であると判別した場合には収穫装置により作物を収穫し、収穫適期でないと判別した場合には放置する特許文献1の自走式作物収穫機がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−46550号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の自走式作物収穫機は、収穫適期であると判別された作物のみを収穫して、例えば選別施設や選別場所等に設置された選別装置により項目別に仕分け処理するので、作物の所定項目を判定する装置及び工程を搬送路上に設けなければならず、装置及び工程を設置するスペース分だけ搬送距離及び搬送時間が長くなるため、作物を項目別に仕分け処理する作業に手間及び時間が掛かる。且つ、作物が圃場内の何処で収穫されたか、その作物が栽培された土壌の成分等を得ることが不可能であり、作物が生育するのに最適な土壌に改質するか、栽培方法を変更する等して、収量増加を図ることが難しいという問題点を有している。
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、収穫場所において、農産物を収穫すると同時に該農産物を項目別に仕分け処理することにより、仕分け処理に要する工程及び時間が短縮され、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。且つ、情報付き農産物が生産可能及び品質収量マップを作成することができる移動式農産物収穫装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、農産物が栽培される圃場の土壌に関する情報を取得する土壌情報取得手段と、上記土壌情報取得手段が取得する土壌情報と対応して、上記圃場内の農産物を収穫する農産物収穫手段と、上記農産物収穫手段が収穫した農産物の所定項目を評価及び判定し、該判定に基づいて農産物を項目別に仕分け処理する農産物仕分け手段と、上記土壌情報取得手段の土壌情報及び農産物仕分け手段の判定情報を、上記農産物の品質収量マップを作成するのに必要な情報として該農産物毎に設定される識別情報と対応させて記憶する情報管理手段とを、GPS機能を有する走行車両に備えた移動式農産物収穫装置であることを特徴とする。
【0007】
上述の農産物は、例えば穀類や野菜、果物、お茶、畜産物等で構成される。また、土壌情報取得手段は、例えば国際公開第01/04627号パンフレットに開示される自走式の土壌測定装置、既に公知の測定装置等で構成される。また、農産物収穫手段は、例えば農産物を保持する吸着子やアーム、チャック等の保持手段を備えた収穫ロボットやその他の収穫装置で構成される。
【0008】
また、農産物仕分け手段(例えば農産物仕分け装置)は、例えば農産物の上下面及び側部周面が反射する反射光、農産物の内部を透過した透過光を検出又は撮像する光学的計測手段(例えばモノクロ又はカラーの撮像カメラやビデオカメラ、ディジタルカメラ、画像素子等)と、農産物の所定項目を検出するのに適した検出光を照射する照射手段(例えばハロゲンランプやキセノンランプ、紫外線ランプ、蛍光灯、白熱灯等)と、パーソナルコンピューターやホストコンピューター、CPU及びROM、RAMを備えた制御装置等の項目判定手段(例えば項目判定装置)とで構成される。また、情報管理手段は、上述のパーソナルコンピューターやホストコンピューター、CPU及びROM、RAMを備えた制御装置等で構成される。
【0009】
また、走行車両は、例えば車輪やタイヤ、キャスター、クローラ(キャタピラー)等を車両本体に取付けた自走可能な車両で構成され、車両本体に搭載した駆動手段(例えば蓄電池(バッテリー)や発電機(ジェネレータ)、外部電源から供給される電力で駆動する電動機(モータ)、ガソリンや軽油を燃料とする原動機(エンジン)等)の駆動力で走行し、車両本体に乗車する運転者のハンドル操作により操舵され所望する速度及び方向に走行移動する。或いは、有線式又は無線式のコントローラやパーソナルコンピューター等の制御手段により走行制御する方法、作業者の手押し力及び牽引力で走行移動する方法も含まれる。
【0010】
つまり、移動式農産物収穫装置を移動させた収穫場所において、圃場内や施設内の樹木に実っている農産物及び土壌に植えられた農産物を農産物収穫手段で収穫すると同時に、農産物が栽培及び植えられた箇所の土壌に関する所定項目を土壌情報取得手段で取得し、農産物の所定項目を農産物仕分け手段で評価及び判定し、土壌に植えられた農作物及び農産物が実っている樹木の位置をGPSで検出する。且つ、土壌情報取得手段の土壌情報及び農産物仕分け手段の判定情報、GPSの位置情報とを、農産物毎に設定される識別情報と対応させて情報管理手段に記憶及び蓄積(或いは農産物自体、農産物が載置される載置体、農産物が収容される容器等に敷設した記録媒体に記録)し、農産物が何処で収穫され、如何なる品質であるか等の品質収量マップを作成する。且つ、農産物仕分け手段により項目別に仕分け処理された情報付き農産物を走行車両に積載したまま、例えば選別施設や出荷施設、保管場所等に運搬する。
【0011】
実施の形態として、上記土壌情報取得手段の土壌情報及び農産物仕分け手段の判定情報を、上記農産物と対応して移動する記録媒体(例えば非接触型の情報記録装置=IDタグ、磁気ストライプ、磁気テープ、フレキシブルディスク、MO、CD−ROM、メモリーカード等)に記録する情報記録手段(例えば非接触型の情報通信装置=IDアンテナ、磁気ヘッド、書込み装置等)を備えることができる。また、上記情報管理手段に記憶された情報付き農産物に関する収穫情報を主情報管理手段(例えばパーソナルコンピューターやホストコンピューター、サーバー、CPU及びROM、RAMを備えた制御装置等)に出力する情報出力手段(例えば無線式や有線式の通信装置、携帯可能なモバイルPCや上述の記録媒体等)を備えることができる。
【0012】
また、上記農産物の栽培に関する栽培情報を取得する栽培情報取得手段(例えば農産物と対応する識別情報を検出する識別センサー、農産物の生育状況及び栽培状況を検出及び測定する栽培センサー等)を備えることができる。且つ、農産物に関する栽培情報は、例えば図6に示す温度や湿度、日射量、降水量等の気象情報と、土質やNPK、pH、EC、有機物、温度、水分量等の土壌情報と、品種や施肥、潅水、農薬、土作り、移植、定植、剪定、摘果、摘芯、農作業記録等の生育情報と、圃場及び施設の位置、圃場内及び施設内の収穫位置、圃場内及び施設内に植えられた樹木の位置等の位置情報と、主幹からの収穫方向、収穫日、収穫時刻等の収穫情報と、立体的な三次元位置等の収穫情報と、農産物毎及び栽培場所毎、生産者毎に設定される識別情報等で構成される。
【0013】
また、上記農産物仕分け手段を、上記農産物の所定項目を計測する項目計測手段と、該項目計測手段から出力される計測情報に基づいて、上記農産物の所定項目を評価及び判定する項目判定手段とで構成することができる。
【0014】
【作用及び効果】
この発明によれば、移動式農産物収穫装置を移動した収穫場所において、農産物を収穫すると同時に項目別に仕分け処理するので、例えば選別施設や選別場所等に設置した選別装置により仕分け処理するような手間及び作業が省け、仕分け処理に要する工程及び時間を短縮して、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。且つ、農産物の所定項目を判定する装置及び工程が不要となるため、施設全体の設置スペースが小さくて済み、設置場所の確保が容易に行える。
【0015】
且つ、農産物を収穫した土壌情報及び位置情報、収穫情報、判定情報を対応させて情報管理手段に記憶及び蓄積するので、農産物を収穫した収穫場所及び土壌成分、場所別収穫量、品質等の情報を簡単且つ容易に取得することができると共に、情報付き農産物が生産可能であるだけでなく、情報管理手段に記憶及び蓄積された情報に基づいて、農産物が何処で収穫され、如何なる品質であるか等の品質収量マップを作成することができるので、市場ニーズに対応した高レベルの営農戦略及び圃場管理が可能となる。且つ、栽培に適した場所の選択及び土壌成分の改質、栽培方法の変更、圃場内の何処で栽培された農産物の品質が最良であるか否かを判定するようなときに有効活用することができる。
【0016】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は圃場内で栽培される農産物を収穫すると同時に、その収穫場所で項目別に仕分け処理することができる移動式農産物収穫装置を示し、図1、図2に於いて、この移動式農産物収穫装置10は、圃場A内で栽培される樹木Aa及び農産物Dが植えられた箇所や周囲の土壌に関する所定項目を測定する土壌測定装置20と、樹木Aaに実っている農産物D及び土壌に植えられた農産物Dを収穫する農産物収穫装置30と、農産物収穫装置30が収穫した農産物Dの所定項目を評価及び判定する農産物仕分け装置40と、土壌測定装置20の土壌情報及び農産物仕分け装置40の判定情報を、樹木Aa及び農産物Dの位置情報と対応させて記憶及び蓄積する情報管理装置50とを、例えばトラクターや自動車等の走行機能を有する走行車両50に搭載している。
【0017】
上述の土壌測定装置20は、例えば国際公開第01/04627号パンフレットに開示される自走式の土壌測定装置、既に公知の測定装置等で構成され、後述する走行車両50が圃場A内で栽培される樹木Aa及び農産物Dに沿って矢印方向(図3参照)に走行移動するとき、後述する農産物収穫装置30の収穫動作及びGPS53が検出する位置情報と対応して、例えば土壌の性質や形状、面積、土壌肥沃量、土壌水分量、含有成分量、農薬散布量、雑草の分布等の土壌情報を土壌センサー20aで検出及び測定する。
【0018】
且つ、一つの圃場A内又は施設B内で収穫される農産物Dの収穫量を計測する収量測定装置21と、農産物Dの生育状態を測定する作物生育測定装置22と、病害虫の分布及び有無を測定する病害虫測定装置23と、GPS53が検出する位置情報と対応して、土壌測定装置20及び収量測定装置21、作物生育測定装置22、病害虫測定装置23が検出した測定情報を記憶及び蓄積する情報管理装置24と、その情報管理装置24に記憶及び蓄積された情報を、ネットワーク及び通信回線を介して、例えば共同選別施設や情報管理施設、管理会社等に備えられた主情報管理装置70に送信する情報通信装置25とを走行車両50に搭載している。また、上述の土壌情報を、走行車両50に搭載した情報端末装置26で入力及び変更することもできる。
【0019】
前述の農産物収穫装置30は、後述する収穫ロボット30aの収穫動作と対応して、例えば圃場A内で栽培される樹木Aa及び農産物Dの位置、圃場A自体の場所等の収穫位置、施設自体の位置や施設内で栽培される樹木Aa及び農産物Dの位置等の栽培位置、立体的な三次元位置等の位置情報をGPS53で検出する。また、樹木Aa及び農産物Dの収穫位置、圃場Aの場所等を特定するのに必要な情報を情報端末装置26で入力及び変更することもできる。
【0020】
上述の収穫ロボット30aは、例えば吸着子やチャック、アーム等を備えたロボットアーム及びマニピュレータで構成され、圃場A内の土壌で栽培される農産物D、圃場A内の樹木Aaに実った農産物D、施設B内で栽培される農産物D等を1個ずつ収穫及び複数を一括して収穫する。且つ、収穫ロボット30aが収穫した農産物Dを、走行車両50の評価部aにおいて、記録媒体Gが付設された載置体Eに対して個々に載置する。或いは、例えばコンテナや箱等の容器Fに収容するか、袋体に収容及び包装紙で包装する等してもよい。また、記録媒体Gを、農産物D自体に直接付設してもよい。
【0021】
前述の農産物仕分け装置40は、前述の収穫ロボット30aにより収穫した農産物D…を、走行車両50の評価部aに搭載された載置体Eに載置及び容器Fに収容する動作途中又は動作前後において、農産物Dの外部項目及び内部項目を撮像カメラ41で撮像すると共に、その画像情報に基づいて、農産物Dの所定項目を項目判定装置43評価及び判定する。且つ、情報通信装置42を、農産物D及び載置体Eに付設した記録媒体Gに対峙して、上述の撮像カメラ41による撮像動作と対応して記録媒体G固有の識別情報を読取る。
【0022】
且つ、走行車両50に搭載された項目判定装置43は、撮像カメラ41及び情報通信装置42に接続され、上述の撮像カメラ41から出力される画像情報(例えば農産物Dの上下面及び側面全周を撮像するか、農産物D内部を透過した透過光を撮像する等して得られた画像情報)と、予め記憶された基準情報とを比較及び演算して、農産物Dの所定項目(例えば図6に示す色相や損傷、病気、成熟度、大きさ、形状、高さ、幅、体積、偏平度、腐り具合、浮き皮具合、空洞、糖酸度、等階級、規格外、残留農薬、成分分析等)を個々に評価及び判定し、その判定情報(及び判定結果)を、情報通信装置42が読取った記録媒体G固有の識別情報(或いは農産物D毎及び載置体E毎に設定される番地等の識別情報も含む)と対応させて前述の情報管理装置24に記憶及び蓄積するか、農産物D及び載置体Eに付設した記録媒体Gに記録する。
【0023】
且つ、項目判定装置43による判定に基づいて、農産物D…及び農産物Dが載置された載置体E…を項目別に仕分け処理して、走行車両50の積載部に対して一括して積載或いは項目別に仕分け積載する。一方、走行車両50に積載された農産物D…と、農産物Dが載置された載置体E…と、農産物Dが収容された後述する容器F…とは、例えば選別施設や選別場所等において、項目別に仕分け処理及び出荷処理される。
【0024】
また、上述の情報管理装置24に記憶及び蓄積された情報(図6参照)を、ネットワーク及び通信回線を介して、例えば共同選別施設や情報管理施設、管理会社等に備えられた主情報管理装置70に記憶及び蓄積してもよく、主情報管理装置70に記憶及び蓄積された農産物Dに関する収穫情報を何処からでも閲覧及び取得すことができ、圃場Aや施設B等の場所、農産物Dが栽培される土壌の成分及び農産物Dが収穫された樹木Aaの位置、等を知ることができる。
【0025】
且つ、主情報管理装置70は、情報管理装置24から出力される情報に基づいて、例えば圃場内及び圃場間、生産者間等における品質収量マップを作成することもできる。また、情報管理装置24に記憶された情報を、例えばフレキシブルディスクやMO、CD−ROM等の記録媒体Gに一旦記録し、その記録媒体Gから主情報管理装置70に移し替えることもできる。
【0026】
前述の走行車両50は、例えば車輪やタイヤ、キャスター、クローラ(キャタピラー)等の走行輪52…を車両本体51の前後両側部に取付け、例えば蓄電池(バッテリー)や発電機(ジェネレータ)、外部電源から供給される電力で駆動する電動機(モータ)、ガソリンや軽油を燃料とする原動機(エンジン)等の駆動手段を車両本体51に搭載して、車両本体51に乗車する運転者のハンドル操作により所望する速度及び方向に走行移動される。また、例えば有線式又は無線式のコントローラやパーソナルコンピューター等の制御手段により走行制御するか、作業者の手押し力及び牽引力で走行移動することもできる。
【0027】
且つ、車両本体51の位置を検出する機能に加えて、土壌測定装置20の計測動作及び農産物収穫装置30の収穫動作と対応して、圃場A内で栽培される樹木Aa及び農産物Dが植えられた位置情報を検出するGPS53を搭載している。
【0028】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、移動式農産物収穫装置10による農産物Dを収穫すると同時に、その収穫場所で項目別に仕分け処理する方法を説明する。
【0029】
先ず、図1、図3に示すように、移動式農産物収穫装置10を、圃場A内で栽培される樹木Aa及び農産物Dに沿って図3中実線で示す矢印方向に走行移動させ、日当り量が少ない樹木Aaの北側(図3上側)に実っている農産物D及び土壌に植えられた農産物Dを、農産物収穫装置30の収穫ロボット30aで1個ずつ収穫及び複数を一括して収穫する。一方、移動式農産物収穫装置10を図3中点線で示す矢印方向に走行移動させ、日当り量が多い樹木Aaの南側(図3下側)に実った農産物D及び土壌に植えられた農産物Dを収穫する。また、例えば農産物Dを収穫する位置に移動させながら収穫するか、農産物Dを収穫する位置に一旦移動停止する等して収穫する。
【0030】
且つ、農産物収穫装置30の収穫動作と対応して、圃場A内で栽培される樹木Aa及び農産物Dが植えられた箇所や周囲の土壌に関する所定項目を土壌測定装置20の土壌センサー20aで検出すると共に、その土壌センサー20aが検出する土壌情報を、GPS53が検出する樹木Aa及び農産物Dの位置情報と対応させて、農産物Dの収穫場所が日当りの良い場所であるか否か等の品質収量マップを作成するのに必要な情報として情報管理装置24に記憶及び蓄積する。
【0031】
且つ、図2にも示すように、農産物収穫装置30が収穫した農産物Dを、走行車両50の評価部aに積載された載置体Eに移載する動作途中及び移載前後において、農産物Dの上下面及び側面全周を撮像するか、農産物D内部を透過した透過光を撮像する等して得られた撮像カメラ41の画像情報と、項目判定装置43に記憶された基準情報とを比較及び演算して、農産物Dの所定項目(外部項目及び内部項目)を個々に評価及び判定する。
【0032】
且つ、撮像カメラ41の撮像動作と対応して、農産物D及び載置体Eに付設した記録媒体Gの識別情報を情報通信装置42で読取ると共に、項目判定装置43が判定した判定情報(及び判定結果)を、情報通信装置42が読取った記録媒体G固有の識別情報と対応させて情報管理装置24に記憶及び蓄積する。或いは、農産物D及び載置体Eに付設した記録媒体Gに記録する。また、上述の土壌情報及び収穫情報、判定情報、位置情報等に基づいて、農産物Dの品質収量マップを情報管理装置24で作成することができる。
【0033】
且つ、項目判定装置43による判定に基づいて、農産物D及び農産物Dが載置された載置体Eを項目別に仕分け処理し、走行車両50の積載部に積載したまま運搬する。以下、上述と同様にして、農産物Dの収穫作業及び仕分け作業を継続して行う。
【0034】
上述の農産物Dを所定数収穫する作業が完了した後、農産物D…が積載された移動式農産物収穫装置10を、例えば選別施設や出荷施設、保管場所等に走行移動して、農産物D…の選別作業及び出荷作業を行う。また、移動式農産物収穫装置10に積載された農産物Dを、例えばトラックや列車等の運搬車両に積載して運搬するか、パレットに積重ねてフォークリフトで運搬する等してもよい。
【0035】
一方、移動式農産物収穫装置10が収穫した農産物D…を仕分け処理及び出荷処理する場合、例えば選別場や出荷場等の施設に備えられた情報通信装置(図示省略)を、生産者別に荷受けされる農産物D及び載置体Eに付設した記録媒体Gに対峙して、その記録媒体Gに記録された判定情報を読取るか、記録媒体Gに記録された識別情報と対応する判定情報を情報管理装置24から読出しする等して、その識別情報及び判定情報に基づいて、農産物D及び農産物Dが載置された載置体E、農産物Dが収容された容器Fを項目別に仕分け処理し、人為的作業及び機械的作業により箱詰め処理及び袋詰め処理して出荷する。或いは、貯蔵及び保管する保管部(図示省略)に出荷する。
【0036】
以上のように、移動式農産物収穫装置10を移動した収穫場所において、農産物Dを農産物収穫装置30で収穫すると同時に、その農産物Dを農産物仕分け装置40により項目別に仕分け処理するので、例えば選別施設や選別場所等に設置された選別装置で項目別に仕分け処理するような手間及び作業が省け、仕分け処理に要する工程及び時間を短縮して、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。且つ、農産物Dの所定項目を判定する装置及び工程が不要となるため、施設全体の設置スペースが小さくて済み、設置場所の確保が容易に行える。
【0037】
且つ、土壌測定装置20の土壌情報と、農産物収穫装置30の収穫情報と、農産物仕分け装置40の判定情報と、GPS53が検出する位置情報とを対応させて情報管理装置24に記憶及び蓄積するので、農産物Dを収穫した土壌成分及び収穫場所、場所別収穫量、品質等の情報を簡単且つ容易に取得することができると共に、情報付き農産物Dが生産可能であるだけでなく、情報管理装置24に記憶及び蓄積された情報に基づいて、農産物Dが何処で収穫され、如何なる品質であるか等の品質収量マップを作成することができるので、市場ニーズに対応した高レベルの営農戦略及び圃場管理が可能となる。且つ、栽培に適した場所の選択及び土壌成分の改質、栽培方法の変更、圃場内の何処で栽培された農産物Dの品質が最良であるか否かを判定するようなときに有効活用することができる。
【0038】
且つ、農産物仕分け装置40により規格外と判定された農産物Dを、収穫場所において即廃棄することができるので、規格内の農産物Dを積載するスペースが小さくて済み、規格外の農産物Dが流通せず、生産者に与える経済的な負担及び損失を最小限に抑えることができる。
【0039】
図4は、移動式農産物収穫装置10による他の計測方法を示し、農産物収穫装置30が収穫する農産物Dの上面側及び下面側を農産物仕分け装置40の撮像カメラ41で撮像し、載置体Eに移載する動作途中及び移載前後において、撮像カメラ41の向きを変更(例えば略90度)するか、農産物Dを回転(例えば略270度)する等して、農産物Dの側面全周及び残り面を撮像すると共に、その撮像した画像情報に基づいて、農産物Dの所定項目を項目判定装置43により評価及び判定して仕分け処理するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0040】
図5は、移動式農産物収穫装置10によるその他の計測方法を示し、例えば施設B内に設けられた圃場Aの土壌で栽培するか、載置体Eに載置及び容器Fに収容したままで栽培される農産物Dを、農産物収穫装置30により1個ずつ収穫及び複数を一括して収穫する。
【0041】
且つ、農産物収穫装置30が収穫した農産物Dを、載置体Eに移載する動作途中及び移載前後において、撮像カメラ41の向きを変更(例えば略90度)するか、農産物Dを回転(例えば略270度)する等して、農産物Dの下面側及び側面全周を撮像し、乗換え前又は乗換え後において、載置体Eに移載された農産物Dの上面側を撮像(農産物D内部を透過した検出光の画像情報も含む)すると共に、その撮像した画像情報に基づいて、農産物Dの所定項目を項目判定装置43により評価及び判定して仕分け処理するので、前述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0042】
なお、農産物収穫装置30が収穫した農産物Dを容器Fに収容するときに、農産物Dの上下面及び側面全周を撮像することもできる。また、容器Bを、例えばフォークリフトやクレーン等の機械で運搬することもできる。
【0043】
且つ、農産物Dの栽培に関する情報を取得する栽培管理装置60(例えば移植機や散布機、その他の管理機等)を圃場A及び施設Bに設け、圃場A及び施設Bで栽培される農産物D自体と、農産物Dが載置された載置体Eと、農産物Dが収容された容器Fとの識別情報を識別センサー61で検出すると共に、その識別情報と対応して、例えば図6に示す温度や湿度、日射量、降水量等の気象情報、土質やNPK、pH、EC、有機物、温度、水分量等の土壌情報、品種や施肥、潅水、農薬、土作り、移植、定植、剪定、摘果、摘芯、農作業記録等の栽培情報を栽培センサー62で検出及び測定する。また、例えば育苗や挿し木、鉢上げ、移植、接木、施肥、田植、農薬散布、潅水、調整・加工等を機械的に行う管理装置及びロボットを備えることもできる。
【0044】
且つ、農産物収穫装置30による収穫時において、栽培センサー62で検出及び測定した栽培情報を、識別センサー61で検出した農産物D及び載置体E、容器Fの識別情報と対応して情報管理装置24に記憶するので、前述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。また、記録媒体Gに情報通信装置42を対峙して、上述の各情報を読取り可能に記録するか、上述の各情報を、情報端末装置26で入力及び変更することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動式農産物収穫装置による収穫方法を示す説明図。
【図2】農産物収穫装置及び農産物仕分け装置の仕分け方法を示す斜視図。
【図3】移動式農産物収穫装置の移動経路を示す平面図。
【図4】移動式農産物収穫装置による他の計測方法を示す斜視図。
【図5】移動式農産物収穫装置によるその他の計測方法を示す斜視図。
【図6】農産物に関する情報の受渡し経路を示す説明図。
【符号の説明】
A…圃場
Aa…樹木
B…施設
D…農産物
E…載置体
F…容器
G…記録媒体
10…移動式農産物収穫装置
20…土壌測定装置
24…情報管理装置
30…農産物収穫装置
30a…収穫ロボット
40…農産物仕分け装置
41…撮像カメラ
43…項目判定装置
50…走行車両
53…GPS
60…栽培管理装置
【出願人】 【識別番号】501271620
【氏名又は名称】澁澤 栄
【識別番号】390008305
【氏名又は名称】エスアイ精工株式会社
【出願日】 平成15年3月25日(2003.3.25)
【代理人】 【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭

【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭

【公開番号】 特開2004−283133(P2004−283133A)
【公開日】 平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願番号】 特願2003−82038(P2003−82038)