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【発明の名称】 移動農機における表示装置
【発明者】 【氏名】大本 啓一
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】移動農機のオペレータが作業中に知り得たい情報を画像情報として表示する簡易な構成の表示装置を提供する。

【解決手段】機械各部の状態を検出する検出手段103,105からの入力情報に基づき、アクチュエータ132類や警報機器121等の作動を制御する制御部85を備えた移動農機1において、前記制御部85に携帯電話機Pを接続可能になし、該携帯電話機Pの表示部Paに、前記検出手段103,105からの入力情報又は制御部85からの出力情報を表示できるように構成すると共に、移動農機1の操縦部15aに当該携帯電話機Pを装着して表示部Paの視認性を向上させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械各部の状態を検出する検出手段(103,105)からの入力情報に基づき、アクチュエータ(132)類や警報機器(121)等の作動を制御する制御部(85)を備えた移動農機(1)であって、前記制御部(85)に携帯電話機(P)を接続し、該携帯電話機(P)の表示部(Pa)に、前記検出手段(103,105)からの入力情報又は制御部(85)からの出力情報を表示可能に構成すると共に、移動農機(1)の操縦部(15a)に当該携帯電話機(P)を装着できるようにしたことを特徴とする移動農機における表示装置。
【請求項2】
上記制御部(85)からの出力情報には、移動農機(1)の消耗部品の交換又はメンテナンス時期等のタイミング情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の移動農機における表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバイン等の移動農機における表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンバインによる刈取り作業において、当該コンバインのオペレータに知らせるべき複数種の報知情報を、各種のメッセージやグラフ等の画像情報として表示するLCD(液晶ディスプレー)表示器によって表示すべく、このLCD表示器をコンバインの操縦部の中央前方側に設けられた表示ユニットに配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−204614号公報(第4−5頁、図4−図6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したLCD表示器は高価であることから限られた一部の機種にしか採用されていないのが実状である。
また、刈取り作業おける種々の消耗部品の交換、及びメンテナンスタイミング等をコンバインのオペレータに知らせる報知手段の確立が期待されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決することを目的として創案したものであって、機械各部の状態を検出する検出手段からの入力情報に基づき、アクチュエータ類や警報機器等の作動を制御する制御部を備えた移動農機であって、前記制御部に携帯電話機を接続し、該携帯電話機の表示部に、前記検出手段からの入力情報又は制御部からの出力情報を表示可能に構成すると共に、移動農機の操縦部に当該携帯電話機を装着できるようにしたことを第1の特徴としている。
【0006】
そして、上記制御部からの出力情報には、移動農機の消耗部品の交換又はメンテナンス時期等のタイミング情報が含まれることを第2の特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を以下添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
図1及び図2に示すように、1は移動農機であるコンバインであって、該コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置11,11により支持された走行機体12を有している。
そして、前記走行機体12前部の左右一側には、エンジン13を搭載し、こ
のエンジン13の上方には、運転席15を配置している。
【0009】
また、前記走行機体12前部の他側には、穀稈を刈取り搬送する前処理部16を昇降自在に架設すると共に、その後方に刈取った穀稈を脱穀し、脱穀した穀粒を選別する脱穀部45を設けている。
【0010】
そして、前記クローラ走行装置11,11、前処理部16、及び脱穀部45は、前記エンジン13によって駆動し、それによりコンバイン1の走行と、穀稈の刈取り、及び脱穀作業が行われる。
【0011】
また、前記前処理部16は、穀稈を引起す引起し装置26と、切断した穀稈を掻き込む掻き込み装置31と、刈取った穀稈を脱穀部45へ向けて搬送すると共に、穀稈の扱ぎ深さを適正に調整する扱ぎ深さ搬送装置36を備え、且つ、その基端側を走行機体12の前方に配置した伝動軸ケース17に回転可能に支持してある。
【0012】
そして、前記伝動軸ケース17から走行機体12に対し、該走行機体12の前方斜め下方に向けて延出した縦伝動ケース19は、その長手方向の略中間位置に配置した油圧シリンダ20の伸縮により、伝動軸ケース17を中心として上下に回動する。
尚、前記伝動軸ケース17には、縦伝動ケース19の上下回動量を検出するリフトポテンショメータ21を設けている。
【0013】
また、前記伝動ケース19の下方には、該伝動ケース19と略丁字状に直交する横伝動軸筒22を走行機体12の左右方向に延設すると共に、両者を一体的に連結してある。
前記横伝動軸筒22には、走行機体12の前方に向かって延びる前処理フレーム23を介して、未刈り穀稈を分草して引起し通路に導く複数個のデバイダ25を一体的に連結している。
【0014】
そして、前記デバイダ25の後方には、分草した穀稈を引起す引起し装置26が、前処理部16の前方から後方に向けて上昇する傾斜状に設けてある。
【0015】
また、前記引起し装置26の後方で、且つ横伝動軸筒22の前方下部には、地面に近い位置で穀稈の株元を切断する刈刃30が設けてあり、この刈刃30によって切断した穀稈を、掻き込み装置31によって掻き込みながら後方の扱ぎ深さ搬送装置36に移送する。
【0016】
前記扱ぎ深さ搬送装置36は、穀稈の扱ぎ深さを適正に調整すべく、その後部が前記伝動軸ケース17を中心として回動可能に支持してあり、穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送チェン37と株元側を搬送する株元搬送チェン39を備えている。
これら穂先搬送チェン37と株元搬送チェン39は、前述した後部を支点に一体となって図中矢印方向に上下動すると共に、その始端側を掻き込み装置31の株元搬送チェン35の搬送方向終端側上方に延出してある。
【0017】
また、前記扱ぎ深さ搬送装置36に付設したU字状パイプ40には、搬送途中の穀稈の有無を検出する第1の検出手段として、ON・OFFスイッチからなる扱ぎ深さメインセンサ41が配設してある。
そして、前記U字状パイプ40には、第2の検出手段として、株元センサ42と、穂先センサ43からなる株元・穂先センサが取付けてある。この株元・穂先センサを構成する株元センサ42と穂先センサ43は、各々ON・OFFスイッチからなり、当該株元・穂先センサ42,43によって、前記掻き込み装置31から扱ぎ深さ搬送装置36に引き継がれた穀稈の穂先の位置を検出している。
【0018】
前記脱穀部45には、フイードチェン46と、このフイードチェン46に略平行な扱室47を設けると共に、該扱室47には、走行機体12の前後方向に沿う回転軸を中心とした扱胴49を回転自在に配設している。更に、この扱胴49の下方には、脱穀した穀粒を漏下するための受網50を配設すると共に、その受網50の下方には、前後に揺動可能な揺動選別体51を設けている。
【0019】
そして、前記扱胴49により脱穀した稈枝混じりの穀粒は、揺動選別体51の揺動作用と唐箕52及び排塵ファン53から発生する選別風とにより選別された穀粒のみが、前記揺動選別体51下方の1番樋55または2番樋56に落下収容される。
また、前記扱室47で扱胴49により脱穀した後の穀稈は、フイードチェン46から走行機体12の後部に設けた排稈チェン57に引き継いでコンバイン1の後部から排出される。
【0020】
そして、前記脱穀部45で脱穀及び選別処理した穀粒は、揚穀筒5により揚上搬送されてグレンタンクTに貯留された後、該グレンタンクTの下部に配設した横送り螺旋(図示省略)から排出オーガ6の縦螺旋筒6aを経て、排出オーガ6の先端にある穀粒排出口6bからトラック等の運搬車の貯留タンクに移送できるようになっている。
【0021】
また、前記エンジン(E/G)13を動力源とするコンバイン1の駆動系統は、図3に示すように構成されている。同図において、コンバイン1の走行駆動系を構成するトランスミッション59には、主変速機を構成する走行駆動用無断変速機60(以下、走行用HSTとする)と、副変速機61及び歯車列62を配置してクローラ走行装置11,11を駆動させる。
【0022】
前記エンジン13から走行用HST60へは、エンジン13の出力軸13aに固定したプーリ13bと、走行用HST60の入力軸60aに固定したプーリ60bの間に掛け渡したベルト63によって動力を伝達する。
【0023】
一方、前処理用変速機71は、前処理駆動用無断変速機72(以下、前処理用HSTとする)を備えている。
そして、前記前処理用HST72は、コンバイン1の所定の位置に回転可能に支持されている駆動軸65に固定したプーリ65cと、前処理用HST72の入力軸72aに固定したプーリ72bの間に掛け渡したベルト73によって動力が伝達される。
尚、前記前処理用HST72は、HST駆動モータ75を備え、該駆動モータ75によりその回転速度を制御するように構成してある。
【0024】
前記前処理用HST72は、前処理用変速機71の出力軸71cを、前記走行用HST60の回転に比例させるT/M回転比例モード、或いは、前記エンジン13の回転速度に比例して回転させるE/G回転比例モードにより回転させて、前記前処理部16及び脱穀部45のフイードチェン46を作動させるようになっている。
尚、本発明の実施形態においては、前記T/M回転比例モードを採用している。
【0025】
また、前処理駆動軸76は、コンバイン1の所定の位置に回転可能に支持してあり、前記前処理用変速機71から前処理駆動軸76へは、前処理用変速機71の出力軸71cに固定したプーリ71dと、前処理駆動軸76に固定したプー
リ76aの間に掛け渡したベルト77によって動力を伝達する。
尚、前記ベルト77には、刈取りクラッチ79(テンションクラッチ)を設けてあり、該刈取りクラッチ79をOFFにすることにより、前記脱穀部45の駆動中に前処理部16を停止させ、それによって手扱ぎ作業が行えるようになっている。
【0026】
そして、上述したコンバイン1では、機械各部の状態を検出する検出手段からの入力情報に基づいて、アクチュエータ類の動作や、警報機器等の作動を制御するための出力情報を出力する制御部85が、図4のブロック図に示すように構成されており、当該制御部85は、入カインターフェース86と、マイクロコンピュータ87、及び出カインターフェース88とを備えると共に、コンバイン1のメインスイッチ及びスタータスイッチを兼ねるキースイッチ162(図5参照)に接続されている。
【0027】
前記入カインタフェース86には、マイクロコンピュータ87へ入力する入力情報の検出手段として、リフトポテンショメータ21、扱ぎ深さメインセンサ41、リフト上昇スイッチ91、作業機クラッチスイッチ92、刈取りクラッチスイッチ93、リフトシャツトスイッチ94、バックスイッチ96、T/M(トランスミッション)回転センサ97、搬送HST回転センサ98、エンジン回転センサ99,冷却水水温センサ101、オイルプレッシャセンサ102、籾貯留量検出センサ103、選別ダイヤル104、フィン開度ポテンショメータ105、風量センサ106、表示モード切替えスイッチ107等を接続している。
【0028】
前記リフト上昇スイッチ91は、マルチステアリングレバー163(図5参照)による前処理部16の昇降操作に連繋してON・OFF作動するように構成してあり、当該マルチステアリングレバー163の操作により上昇スイッチ91を連続してONまたはOFF状態とすると、油圧シリンダ20の伸縮によって前処理部16は連続して上昇または下降する。
そして、前記リフトポテンショメータ21によって前処理部16の上下回動量が検出される。
【0029】
前記作業機クラッチスイッチ92は、作業機クラッチレバー166(図5参照)に付設してあり、その作業機クラッチレバーの入・切操作によってON・OFF作動する。
そして、前記作業機クラッチレバー166の入・切操作に連繋する作業機クラッチ67によって、コンバイン1の走行と、前処理部16及び脱穀部45の作動を、連動もしくは切り離すように構成してある。
【0030】
また、前記刈取クラッチスイッチ93は、刈取クラッチレバー165(図5参照)に付設してあり、その刈取クラッチレバー165の入・切操作によってON・OFF作動する。
そして、前記刈取クラッチレバー165の入・切操作に連繋する刈取りクラッチ79によって、前処理部16と脱穀部45の作動を、連動もしくは切り離すように構成してある。
【0031】
前記T/M回転センサ97は、走行用HST60の出力軸に設けてあり、その回転速度をコンバイン1の走行速度として検出している。
また、前記搬送HST回転センサ98は、前処理用HST72の出力軸に設けてあり、その回転速度を前処理部16における穀稈の搬送速度として検出している。
そして、前記エンジン回転センサ99は、オルタネータの出カパルスをカウントすることによりエンジン13の回転速度を検知している。
【0032】
また、前記冷却水水温センサ101は、エンジン13の冷却水の水温を検出し、オイルプレッシャセンサ102は、エンジン13の潤滑油系統の圧力異常を検出している。
【0033】
そして、グレンタンクT内に複数箇所設けられている前記籾貯留量検出センサ103(詳細は図8参照)によって、グレンタンクT内に貯留される穀粒量を検出するように構成してある。
【0034】
また、前記選別ダイヤル104は、運転席15左側方の運転操作パネル15aに設けてあり、そのダイヤル操作によって刈取る作物(稲・麦)や、脱穀負荷に応じて揺動選別体51のチヤフシーブを構成する複数のフィン51aの開度を予め設定するようになっている。
また、前記フィン開度ポテンショメータ105により、上述したフィン51aの開度を検出している。
【0035】
また、前記風量センサ106は、上述した排塵ファン53の上手側の排塵経路に設けてあり、コンバイン1の機外の気圧(大気圧)と、前記排塵経路との差圧を検知して選別自動制御にフイードバックする構成になっている。
【0036】
一方、前記出力インタフェース88には、マイクロコンピュータ87からの出力情報により制御される警報ブザー121、籾満杯インジケータランプ122、前処理詰まりインジケータランプ123、エンジン過負荷インジケータランプ124、バッテリー充電不足インジケータランプ125、冷却水温異常インジケータランプ126、オイル圧力異常インジケータランプ127、排ワラ詰まりインジケータランプ128、アワーメータ129、前処理HST駆動モータ131、選別フィン駆動モータ132、扱ぎ深さ搬送装置回動モータ133、エンジン回転計134、エンジンストップソレノイド135等の種々の出力機器が接続されている。
【0037】
そして、図5に示すように、前記運転席15の前方及び左側方の操縦部(操作パネル)15aには、上述した種々のインジケータランプを整然と配列した表示部161が設けられており、これらインジケータランプの具体的な配列は図6に示す通りである。
尚、図5に示す操縦部15aには、メインスイッチ及びスタータスイッチを兼ねるキースイッチ162、マルチステアリングレバー163、主変速レバー164、刈取クラッチレバー165、作業機クラッチレバー166等の操作レバー類が配設されている。
【0038】
また、上述した制御部85を構成するマイクロコンピュータ87に、シリアルコミュニケーションインターフェース151、コントローラ152、及びカプラー153を介して携帯電話機Pを接続し、それによって当該携帯電話機Pの表示部Paに、マイクロコンピュータ87へ入力する前記検出手段(例えば、籾貯留量検出センサ103、フィン開度ポテンショメータ105)からの入力情報、及び詳細は後述するマイクロコンピュータ87からの出力情報を任意表示可能に構成してある。
【0039】
そして、前記携帯電話機Pの表示部Paを刈取り作業中にオペレータが容易に視認できるように、運転席15前方の操縦部15aに設けたホルダー171に携帯電話機Pを装着できるように構成すると共に、当該携帯電話機Pをホルダー171に装着した状態でコンバイン1のバッテリーから電池パックへの常時充電がなされるようになっている。
【0040】
上述したコンバイン1の制御部85を構成するマイクロコンピュータ87と携帯電話機Pとの接続及び解除の切替えは、当該携帯電話機Pを装着するホルダー171に隣接して設けられた表示モード切替えスイッチ107のON・OFFによってなされ、該表示モード切替えスイッチ107がOFFの状態では、従来(通常)のように操縦部15aに設けられた表示部161に整然と配列されている種々のインジケータランプ122,123,124,125,126,127,128,129等によって、コンバイン1の運転時にオペレータに知らせるべき報知情報が表示される。
【0041】
一方、前記表示モード切替えスイッチ107をONにした場合も同様に、上述したインジケータランプ122,123,124,125,126,127,128,129等によって、コンバイン1の運転時にオペレータに知らせるべき報知情報が表示されると共に、コンバイン1の制御部85を構成するマイクロコンピュータ87と携帯電話機Pとの接続がなされる。
【0042】
そして、前記携帯電話機Pの所定の入力キーを押下することにより、該携帯電話機Pの表示部Paには、マイクロコンピュータ87へ入力する前記検出手段99,101,102,・・・・等からの入力情報、及びマイクロコンピュータ87からの出力情報項目を示す画像内容が順次スクロール表示され、次いで所望の情報項目の画像内容が表示された時点で所定の表示決定キーを押下することによって、当該情報を携帯電話機Pの表示部Paに表示できるようになっている。
【0043】
次に、携帯電話機Pの表示部Paに実際に表示させる入・出力情報の具体例について以下説明する。
【0044】
上述した制御部85を構成するマイクロコンピュータ87には、リアルタイムクロックモジュール181と不揮発性メモリー(EPROM)182が内蔵されており、該リアルタイムクロックモジュール181の計時カウンタ機能と、その記憶手段である不揮発性メモリー182を利用して、刈取り作業における種々の消耗部品の交換、又はメンテナンス時期等のタイミング情報、即ち部品の交換やメンテナンス時期が来たことをコンバイン1のオペレータに報知できるように構成してあるので、前記消耗部品の交換やメンテナンス忘れ等のない適切な作業が行なえるようになる。
【0045】
以下、エンジンオイルの交換、脱穀部45駆動ベルトの交換、及び刈刃研磨等のメンテナンスタイミングを報知する制御フローを例示した図7のフローチャートに基づいて、その制御フローを説明する。
【0046】
先ず、ステップS1では、エンジン13の回転数が0以上になっているか否かを判断し、エンジン13の回転数が0以上になっていればステップS2に進み、該ステップS2でエンジン13の稼働時間を積算してステップS3に進む。
【0047】
ステップS3では、エンジン13の稼働時間がエンジンオイルの交換時間=T1×N(Nは1以上の整数)になったか否かを判断し、エンジンオイルの交換時間=T1×NになればステップS4に進んで携帯電話機Pの表示部Paにエンジンオイルの交換表示がなされると共に、当該携帯電話機Pから警報音が出力される。
尚、上記エンジンオイルの交換表示と警報音の出力は、後述する報知解除キーをONにするまでは解除されない。
【0048】
そして、ステップS5では、刈取りクラッチスイッチ93がONか否かを判断し、ONであればステップS6に進み、該ステップS6で刈取り(作業)時間を積算してステップS7に進む。
【0049】
ステップS7で、刈取り時間が脱穀部45駆動ベルトの交換時間=T2×N(Nは1以上の整数)になれば、ステップS8に進んで携帯電話機Pの表示部Paに駆動ベルトの交換表示がなされると共に、当該携帯電話機Pから警報音が出力される。
【0050】
同様に、ステップS9において、刈取り時間が刈刃の研磨タイミング(時間)=T3×N(Nは1以上の整数)に達したならば、ステップS10に進んで携帯電話機Pの表示部Paに刈刃研磨の表示がなされると共に、当該携帯電話機Pから警報音が出力されるようになっている。
【0051】
そして、ステップS11において、前記携帯電話機Pの所定の報知解除キーを押下してONにすると、ステップS12で、上述した携帯電話機Pの表示部Paに表示された報知情報と警報音の出力が解除されるように構成してある。
【0052】
また、携帯電話機Pの表示部Paに実際に表示させるその他の入・出力情報としては、選別自動制御にフイードバックされる風量センサ106の検知する風量やフィン開度ポテンショメータ105によるフィン51aの開度、及びグレンタンクT内に貯留される穀粒量等がある。
【0053】
上述したグレンタンクT内には、図8に示すフローチャートのように、グレンタンクT内に貯留される穀粒量を段階的に検出する複数の籾貯留量検出センサ103(籾センサ1〜3、及びオーバーフローセンサ)が設けられている。
以下、グレンタンクT内に貯留される穀粒量を携帯電話機Pの表示部Paに表示する籾貯留量表示制御について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0054】
先ず、ステップS1では、グレンタンクT内の最下部に設けた籾センサ1によって穀粒が検出された否かを判断し、穀粒が検出されなければステップS2に進んで携帯電話機Pの表示部Paに籾量表示(0)が出力される。一方籾センサ1で穀粒を検出するとステップS3に進んで携帯電話機Pの表示部Paに籾量表示(1)が出力され、次いでステップS4に進む。
【0055】
ステップS4では、前記籾センサ1より上位位置に設けた籾センサ2によって穀粒が検出された否かを判断し、穀粒が検出されるとステップS5に進んで携帯電話機Pの表示部Paに籾量表示(2)が出力され、次いでステップS6に進む。
【0056】
ステップS6では、前記籾センサ2より上位位置に設けた籾センサ3(満杯センサ)によって穀粒が検出された否かを判断し、穀粒が検出されるとステップS7に進んで携帯電話機Pの表示部Paに籾量表示(3)が出力されると共に、当該携帯電話機Pから警報音が出力され、次いでステップS8に進む。
【0057】
ステップS8では、前記籾センサ3より上位位置、即ちグレンタンクTの最上位に設けたオーバーフローセンサによって穀粒が検出された否かを判断し、穀粒が検出されるとステップS9に進む。
【0058】
そして、ステップS9において、作業機クラッチスイッチ92がONで脱穀部45が作動状態にあれば、ステップS10に進んでエンジンストップソレノイド135に出力してエンジン13が自動停止されるようになっている。
【0059】
尚、上記説明において、携帯電話機Pの表示部Paに表示する籾量を便宜上数値化(0)〜(3)して表現したが、コンバイン1のオペレータが容易に視認できるようにグラフ表示化することが好ましい。
【0060】
更に、グレンタンクT内の穀粒を移送収容するトラック等のオペレータが所持する携帯電話機によって、刈取り作業中のコンバイン1から遠く離れた場所からグレンタンクT内に貯留される籾量を確認することができるように、コンバイン1の制御部85に接続した前記携帯電話機Pを制御するコントローラ152に、この携帯電話機Pの電話回線網を通信手段として利用する制御プログラムを組み込んでおけば、それによって当該オペレータは、予め作業能率のよい適切な位置へトラック等を移動させたり、待機させておくことができるようになるので穀粒移送作業の能率向上が図られる。
【0061】
また、大規模な圃場等で複数台のコンバインを使用して賃刈りを行なう場合においては、各コンバイン1の制御部85と接続した携帯電話機Pを利用し、前記複数台のコンバインの稼働状況を遠隔監視下で把握することもできるようになる。
【0062】
そして、上述した本発明の実施形態によれば、従来高価であることから限られた一部の機種にしか採用されていないLCD表示器に換え、一般に普及している携帯電話機Pの表示部Paに、コンバイン1のオペレータが必要とする情報を表示できるように構成してあるので便利である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、機械各部の状態を検出する検出手段103,105からの入力情報に基づき、アクチュエータ132類や警報機器121等の作動を制御する制御部85を備えた移動農機1であって、前記制御部85に携帯電話機Pを接続し、該携帯電話機Pの表示部Paに、前記検出手段103,105からの入力情報又は制御部85からの出力情報を表示可能に構成すると共に、移動農機1の操縦部15aに当該携帯電話機Pを装着できるようにしたことによって、従来高価であることから限られた一部の機種にしか採用されていないLCD表示器に換え、一般に普及している携帯電話機Pの表示部Paに、移動農機1のオペレータが必要とする情報を表示できるようになって便利であると共に、刈取り作業中にオペレータは当該携帯電話機P(表示部Pa)を容易に視認することができる。
【0064】
そして、上記制御部85からの出力情報には、移動農機1の消耗部品の交換又はメンテナンス時期等のタイミング情報が含まれるので、前記消耗部品の交換やメンテナンス忘れ等のない適切な作業が行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側断面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上駆動系統図である。
【図4】同上制御ブロック図である。
【図5】同上運転席周りの斜視図である。
【図6】インジケータランプの表示部を示す正面図である。
【図7】メンテナンスタイミング報知制御を例示したフローチャートである。
【図8】籾貯留量表示制御を例示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 移動農機
15a 操縦部
85 制御部
103 検出手段
105 検出手段
121 警報機器
132 アクチュエータ
P 携帯電話機
Pa 表示部
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成15年3月25日(2003.3.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−283129(P2004−283129A)
【公開日】 平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願番号】 特願2003−81827(P2003−81827)