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【発明の名称】 コンバインにおける前処理部の作動規制手段
【発明者】 【氏名】松川 雅彦
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】石橋 俊之
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】錦織 将浩
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】作業機スイッチが切れた状態では、前処理部の駆動を開始させない、又は駆動中の前処理部を停止させるコンバインにおける前処理部の作動規制手段を提供することを課題としている。

【解決手段】脱穀装置2の停止時に前処理部8の作動を規制するコンバインにおける規制手段が、作業機スイッチ76の切り状態での刈取スイッチ74の入り状態への切り換えによる前処理部8の駆動を規制する刈取入り規制手段、又は刈取スイッチ74の入り状態での作業機スイッチ76の切り状態への切り換えにより、前処理部8の駆動を停止させる刈取停止手段を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の穀桿を刈り取り下流側に送る前処理部(8)と、該前処理部(8)側からの穀桿を受け継ぎ、脱穀する脱穀装置(2)とを備え、前処理部(8)の駆動を入り切りする前処理アクチュエータ(68)と、脱穀装置(2)の駆動を入り切りする作業機アクチュエータ(64)とを設け、前処理部(8)及び脱穀装置(2)の駆動を入り切り操作する操作レバー(72)を設け、該操作レバー(72)によって、前処理アクチュエータ(68)用の前処理スイッチ(74)と、作業機アクチュエータ(64)用の作業機スイッチ(76)を入り切り操作することによって、両アクチュエータ(64),(68)の駆動を制御し、脱穀装置(2)の停止時に前処理部(8)の作動を規制する規制手段を設けたコンバインにおいて、規制手段が、作業機スイッチ(76)の切り状態での刈取スイッチ(74)の入り状態への切り換えによる前処理部(8)の駆動を規制し、脱穀装置(2)の停止中の前処理部(8)の駆動開始を規制する刈取入り規制手段を備えるコンバインにおける前処理部の作動規制手段。
【請求項2】
圃場の穀桿を刈り取り下流側に送る前処理部(8)と、該前処理部(8)側からの穀桿を受け継ぎ、脱穀する脱穀装置(2)とを備え、前処理部(8)の駆動を入り切りする前処理アクチュエータ(68)と、脱穀装置(2)の駆動を入り切りする作業機アクチュエータ(64)とを設け、前処理部(8)及び脱穀装置(2)の駆動を入り切り操作する操作レバー(72)を設け、該操作レバー(72)によって、前処理アクチュエータ(68)用の前処理スイッチ(74)と、作業機アクチュエータ(64)用の作業機スイッチ(76)を入り切り操作することによって、両アクチュエータ(64),(68)の駆動を制御し、脱穀装置(2)の停止時に前処理部(8)の作動を規制する規制手段を設けたコンバインにおいて、規制手段が、刈取スイッチ(74)の入り状態での作業機スイッチ(76)の切り状態への切り換えにより、前処理部(8)の駆動中に脱穀装置(2)の駆動が停止される場合に、前処理部(8)の駆動を停止させる刈取停止手段を備えるコンバインにおける前処理部の作動規制手段。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインにおける前処理部の作動規制手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来1本の操作レバーでテンションクラッチからなる脱穀クラッチと前処理クラッチとを操作することができるコンバインが公知になっている(例えば特許文献1参照)。またテンションクラッチを操作具(刈取クラッチレバー)の揺動に応じてモータを駆動することよって入り切りする機構が公知となっている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−47115号公報
【特許文献2】
特開2000−245239号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしモータ駆動によりテンションクラッチを操作する機構を、脱穀クラッチと前処理クラッチの両方に採用すると、スイッチ等の故障によって、脱穀クラッチが切り状態においても前処理クラッチが入り作動して、脱穀装置が駆動していない状態で前処理部から刈取穀稈が脱穀装置側に送られる場合が発生するという欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のコンバインにおける前処理部の作動規制手段は、圃場の穀桿を刈り取り下流側に送る前処理部8と、該前処理部8側からの穀桿を受け継ぎ、脱穀する脱穀装置2とを備え、前処理部8の駆動を入り切りする前処理アクチュエータ68と、脱穀装置2の駆動を入り切りする作業機アクチュエータ64とを設け、前処理部8及び脱穀装置2の駆動を入り切り操作する操作レバー72を設け、該操作レバー72によって、前処理アクチュエータ68用の前処理スイッチ74と、作業機アクチュエータ64用の作業機スイッチ76を入り切り操作することによって、両アクチュエータ64,68の駆動を制御し、脱穀装置2の停止時に前処理部8の作動を規制する規制手段を設けたコンバインにおいて、規制手段が、作業機スイッチ76の切り状態での刈取スイッチ74の入り状態への切り換えによる前処理部8の駆動を規制し、脱穀装置2の停止中の前処理部8の駆動開始を規制する刈取入り規制手段を備えることを第1の特徴としている。
【0006】
また圃場の穀桿を刈り取り下流側に送る前処理部8と、該前処理部8側からの穀桿を受け継ぎ、脱穀する脱穀装置2とを備え、前処理部8の駆動を入り切りする前処理アクチュエータ68と、脱穀装置2の駆動を入り切りする作業機アクチュエータ64とを設け、前処理部8及び脱穀装置2の駆動を入り切り操作する操作レバー72を設け、該操作レバー72によって、前処理アクチュエータ68用の前処理スイッチ74と、作業機アクチュエータ64用の作業機スイッチ76を入り切り操作することによって、両アクチュエータ64,68の駆動を制御し、脱穀装置2の停止時に前処理部8の作動を規制する規制手段を設けたコンバインにおいて、規制手段が、刈取スイッチ74の入り状態での作業機スイッチ76の切り状態への切り換えにより、前処理部8の駆動中に脱穀装置2の駆動が停止される場合に、前処理部8の駆動を停止させる刈取停止手段を備えることを第2の特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の前処理部の作動規制手段を採用したコンバインの平面図である。左右のクローラ走行装置を備えた走行機体1上には、脱穀装置2とグレンタンク3とが左右に並べて配置されており、グレンタンク3の前方には運転席4が設けられている。
【0008】
なおグレンタンク3は左右方向に開閉自在であり、図1は開放状態である。また走行機体1の前方(運転席4の前方)には、前処理部8が上下昇降自在に設けられており、前処理部8と、脱穀装置2との間には扱深さ搬送体6が設けられている。
【0009】
そして本コンバインは、従来同様、前処理部8により穀稈を刈取り、刈取られた穀稈を扱深さ搬送体6によって脱穀装置2側に搬送し、脱穀装置2のフィードチェーン5に受け継がせ、該フィードチェーン5によって穀稈を脱穀装置2に供給し、脱穀後の穀粒をグレンタンク3に収容する。
【0010】
一方本コンバインには、図2の伝動線図に示されるように、エンジン13からの駆動力を前処理部8に伝動する前処理伝動系に、前処理部8,脱穀装置2、及びフィードチェーン5を駆動するための作業機トランスミッション14が設けられ、該作業機トランスミッション14のミッションケース16にはエンジン13からの駆動力を無段階に変速して作業機トランスミッション14に入力する無段変速装置(作業機HST)18が一体的に取り付けられている。
【0011】
そしてミッションケース16からは、作業機HST18に駆動力を入力する動力入力軸19が突出しており、動力入力軸19の端部に軸支された入力プーリ21に、エンジン13の出力軸22に軸支された出力プーリ23からベルト24を介して駆動力が入り切り自在に伝動されている。
【0012】
なお上記動力入力軸19には脱穀出力プーリ27も軸支されており、脱穀装置2において選別風を送風せしめる唐箕ファン28の駆動軸(唐箕軸)29のエンジン側の突出端部側に軸支された脱穀入力プーリ31に、作業機クラッチ26とベルト32を介して駆動力を伝動するように構成されている。
【0013】
そして脱穀装置2は、脱穀装置2の枠体におけるエンジン側の側面外側において、唐箕軸29からプーリ33,34とベルト36を介して扱胴37の駆動力入力軸38に駆動力を伝動するように構成されている。
【0014】
一方上記ミッションケース16からは、前処理部8側への駆動力出力用の前処理駆動軸39と、フィードチェーン5側への駆動力出力用のフィードチェーン駆動軸41とがそれぞれ突出している。そして前処理駆動軸39の端部には前処理出力プーリ44が設けられており、該前処理出力プーリ44から前処理部8に駆動力を入力する入力プーリ10にベルト46と刈取クラッチ47を介して駆動力が伝動されている。
【0015】
以上により作業機トランスミッション14にエンジン13から直接駆動力が入力され、フィードチェーン5が駆動されるとともに、作業機クラッチ26を入り作動させることによって、動力入力軸19から唐箕軸29に駆動力が伝動されて脱穀装置2が駆動され、刈取クラッチ47を入り作動させることによって、前処理駆動軸39から入力プーリ10に駆動力が伝動されて前処理部8が駆動される。
【0016】
なお作業機クラッチ26を切り作動させることによって、動力入力軸19から唐箕軸29への駆動力の伝動が断たれ脱穀装置2の駆動が停止され、刈取クラッチ47を切り作動させることによって、前処理駆動軸39から入力プーリ10への駆動力の伝動が断たれ前処理部8の駆動が停止される。
【0017】
このとき作業機クラッチ26及び刈取クラッチ47は、ベルト32又はベルト46に摺接するアイドラ51又はアイドラ53を回転自在にアイドラアームが軸支し、アイドラアームを揺動させ、アイドラ51又はアイドラ53によってベルト32又はベルト46にテンションを与えて駆動力を伝動する従来公知のテンションクラッチ機構となっている。
【0018】
ただし上記作業機クラッチ26及び刈取クラッチ47には、アイドラ51又はアイドラ53を支持するアイドラアームをワイヤを介して上下揺動駆動させる作業機モータ64及び刈取モータ68が接続されている。そして両モータ64,68は、ユニット化され、図3に示されるように、マイコンユニットからなるコントローラ60の出力側に接続されている。
【0019】
これによりコントローラ60が、作業機モータ64又は刈取モータ68を所定の一方向に所定の入り駆動時間駆動させ、アイドラ51又はアイドラ53がベルト32又はベルト46のテンションを高める方向に、アイドラアームを所定角度揺動させることにより、作業機クラッチ26又は刈取クラッチ47が入り作動せしめられる。
【0020】
またコントローラ60が、作業機モータ64又は刈取モータ68を、上記作業機クラッチ26又は刈取クラッチ47を入り作動させる入り方向の逆方向(切り方向)に、所定の切り駆動時間駆動させ、アイドラ51又はアイドラ53がベルト32又はベルト46のテンションを低下させる方向にアイドラアームを所定角度揺動させることにより、作業機クラッチ26又は刈取クラッチ47が切り作動せしめられる。
【0021】
そして本実施形態のコンバインは、作業クラッチ26及び刈取クラッチ47の入り切りは、運転席4における座席4aの側方に前後揺動自在に設けられた1本の植付刈取レバー25によって操作され、つまりオペレータは1本の刈取脱穀レバー72を操作することによってコントローラ60を介して前処理部8及び脱穀装置2の駆動を入り切り操作することが可能となっている。
【0022】
このため刈取脱穀レバー72の揺動基端部には、図4に示されるように、一体揺動自在に作動カム73が設けられ、さらに該作動カム73の近傍前後に、上記コントローラ60の入力側に接続されるリミットスイッチからなる刈取スイッチ74と作業機スイッチ76とが設けられている。
【0023】
そして図4(a)に示されるように、刈取脱穀レバー72を最後方に揺動させたニュートラル状態においては、作動カム73は作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74のいずれとも当接せず、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74はともに切り状態となり、図4(b)に示されるように、刈取脱穀レバー72を1段階前方に揺動させた脱穀入り状態とすることによって、作動カム73が作業機スイッチ76のみと当接して、作業機スイッチ76のみを入り作動させ、図4(c)に示されるように、刈取脱穀レバー72を最前方に揺動させた脱穀刈取入り状態とすることによって、作動カム73が作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74とともに当接し、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をともに入り作動させるように設定されている。
【0024】
これによりコントローラ60は、次に示す作業機刈取クラッチ制御の作動フローに従い作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74の入り切りに応じて作業機モータ64及び刈取モータ68を制御し、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74,作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障が無い場合は、刈取脱穀レバー72のニュートラル状態において前処理部8及び脱穀装置3を共に停止させ、刈取脱穀レバー72の脱穀入り状態において脱穀装置3のみ駆動させ、刈取脱穀レバー72の脱穀刈取入り状態において前処理部8及び脱穀装置3を共に駆動させる。
【0025】
上記作業機刈取クラッチ制御は、図5のフローチャートに示されるように、ステップS1において、スイッチ故障フラグをチェックし、スイッチ故障フラグが立っていない(OFF)場合に、ステップS2に進む。そしてステップS2において作業機スイッチ76の入り切り(ON,OFF)をチェックし、入り(ON)の場合にステップS3に進み、前回の作業機スイッチ76のチェック時の作業機スイッチ76のON,OFFをチェックする。
【0026】
そして前回の作業機スイッチ76のチェック時に作業機スイッチ76がOFFであった場合は、ステップS4に進み、作業機モータ64を入り方向に駆動させる入りタイマに入り駆動時間(本実施形態においては2秒)を設定してステップS5に進む。
【0027】
なおステップS3において、前回の作業機スイッチ76のチェック時に作業機スイッチ76がONであった場合は、ステップS3から直接ステップS5に進む。そしてステップS5において入りタイマの残り時間をチェックし、0で無い場合はステップS6に進み、作業機モータ64を入り方向に回転駆動させ、ステップS7に進む。またステップS5において入りタイマの残り時間が0である場合はステップS5から直接ステップS7に進む。
【0028】
これによりスイッチ故障フラグが立っていない場合は、刈取脱穀レバー72により作業機スイッチ76をONさせることにより、作業機クラッチ26が入り作動し、脱穀装置2が駆動される。
【0029】
なお刈取脱穀レバー72は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74自体の故障又は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74を入り切り(ON,OFF)させる機構(作動カム73)側に故障が無い場合は、脱穀入り状態で作業機スイッチ76をONするため、すなわち通常は刈取脱穀レバー72をニュートラル状態から脱穀入り状態に切り換えると、脱穀装置2の駆動が開始される。
【0030】
そしてステップS7において刈取スイッチ74の入り切り(ON,OFF)をチェックし、入り(ON)の場合にステップS8に進み、前回の刈取スイッチ74のチェック時の刈取スイッチ74のON,OFFをチェックする。
【0031】
このときステップS8において、前回の刈取スイッチ74のチェック時に刈取スイッチ74が切り(OFF)であった場合は、ステップS9に進み、作業機スイッチ76のON,OFFチェックを行う。そして作業機スイッチ76が切り(OFF)の場合は、ステップS10に進み、スイッチ故障フラグを立てて(ONして)、リターンする。
【0032】
またステップS9において作業機スイッチ76がONの場合は、ステップS11に進み、刈取モータ68を入り方向に所定時間駆動させるための入りタイマに入り駆動時間(本実施形態においては2秒)を設定してステップS12に進む。
【0033】
なおステップS8において、前回の刈取スイッチ74のチェック時に刈取スイッチ74がONであった場合は、ステップS8から直接ステップS12に進む。そしてステップS12において刈取モータ68用の入りタイマの残り時間をチェックし、0で無い場合はステップS13に進み、刈取モータを入り方向に回転駆動させ、リターンし、またステップS12において刈取モータ68用の入りタイマの残り時間が0である場合はステップS12からリターンする。
【0034】
これによりスイッチ故障フラグが立っておらず、且つ作業機スイッチ76がONである場合に、刈取脱穀レバー72により刈取スイッチ74をONさせることにより、刈取クラッチ47が入り作動し、前処理部8が駆動される。
【0035】
なお刈取脱穀レバー72は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74自体の故障又は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障が無い場合は、作業機スイッチ76がOFFの状態で刈取スイッチ74をONすることは無く、通常は刈取脱穀レバー72を刈取脱穀入り状態に切り換えると、脱穀装置2及び前処理部8が駆動される。
【0036】
一方ステップS2において作業機スイッチ76がOFFであった場合は、ステップS14に進み、前回の作業機スイッチ76のチェック時の作業機スイッチ76のON,OFFをチェックする。
【0037】
そしてステップS14において、前回の作業機スイッチ76のチェック時に作業機スイッチ76がONであった場合は、ステップS15に進み、刈取スイッチ74のON,OFFをチェックする。そしてステップS15において刈取スイッチ74がONであった場合は、ステップS16に進み、スイッチ故障フラグを立てる(ONする)。
【0038】
またステップS15において刈取スイッチ74がOFFであった場合は、ステップS17に進み、作業機モータ64を切り方向に所定時間駆動させるための切りタイマに切り駆動時間(本実施形態においては2秒)を設定してステップS18に進む。
【0039】
なおステップS14において、前回の作業機スイッチ76のチェック時に作業機スイッチ76がOFFであった場合は、ステップS14から直接ステップS18に進む。そしてステップS18において作業機モータ64用の切りタイマの残り時間をチェックし、0で無い場合はステップS19に進み、作業機モータ64を切り方向に回転駆動させ、ステップS7に進む。またステップS18において切りタイマの残り時間が0である場合はステップS18から直接ステップS7に進む。
【0040】
これによりスイッチ故障フラグが立っていない状態で、刈取脱穀レバー72により作業機スイッチ76をOFFさせることにより、刈取スイッチ74がOFFであれば、作業機モータ64が上記切り駆動時間切り方向に駆動され、作業機クラッチ26が切り作動し、脱穀装置2の駆動が停止される。
【0041】
なお前述のように、刈取脱穀レバー72は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74自体の故障又は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障が無い場合は、作業機スイッチ76がOFFの状態で刈取スイッチ74をONすることは無いため、通常は刈取脱穀レバー72を脱穀入り状態からニュートラル状態に戻すと、刈取スイッチ74はOFFであり、脱穀装置2の駆動が停止される。
【0042】
一方ステップS7において刈取スイッチ74がOFFであった場合は、ステップS20に進み、前回の刈取スイッチ74のチェック時の刈取スイッチ74のON,OFFをチェックする。
【0043】
このときステップS20において、前回の刈取スイッチ74のチェック時に刈取スイッチがONであった場合は、ステップS21に進み、刈取モータ68を切り方向に所定時間駆動させるための切りタイマに切り駆動時間(本実施形態においては2秒)を設定してステップS22に進む。
【0044】
なおステップS20において、前回の刈取スイッチ74のチェック時に刈取スイッチ74がOFFであった場合は、ステップS20から直接ステップS22に進む。そしてステップS22において刈取モータ68用の切りタイマの残り時間をチェックし、0で無い場合はステップS23に進み、刈取モータ68を切り方向に回転駆動させ、リターンし、またステップS22において刈取モータ68用の切りタイマの残り時間が0である場合はステップS22からリターンする。
【0045】
これによりスイッチ故障フラグが立っていない状態で、刈取脱穀レバー72により刈取スイッチ74をOFFさせることにより、刈取モータ68が上記切り駆動時間切り方向に駆動され、刈取クラッチ47が切り作動し、前処理部8の駆動が停止される。
【0046】
なお刈取脱穀レバー72は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74自体の故障又は、作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障が無い場合は、脱穀入り状態及びニュートラル状態においては、刈取スイッチ74をOFFさせるため、通常は刈取脱穀レバー72を脱穀入り状態に切り換えると戻す前処理部8が停止し、刈取脱穀レバー72をニュートラル状態に戻すと、前処理部8が停止した状態で、脱穀装置2の駆動が停止される。
【0047】
以上のように作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74,作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障が無い場合の刈取脱穀レバー72のポジションに応じた前処理部8及び脱穀装置3の駆動の入り切りが前述のように実現され、作業スイッチ76及び刈取スイッチ74の配置と作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)構成及び本作業機刈取クラッチ制御のフローにより、脱穀装置2の停止時の前処理部8の作動を規制する規制手段が構成されている。
【0048】
一方ステップS1においてスイッチ故障フラグが立っている(ONとなっている)場合は、ステップS24に進む。また前述のステップS16の後も、上記ステップS24に進む。そしてステップS24においてクラッチ切りフラグをチェックし、クラッチ切りフラグが立っていない(OFF)場合は、ステップS25に進み、クラッチ切りフラグをセットし、且つ作業機クラッチ26及び刈取クラッチ47ともに切り作動させるためのクラッチ切りタイマに切り駆動時間(本実施形態においては2秒)を設定してステップS26に進む。
【0049】
なおステップS24においてクラッチ切りフラグが立っている場合は、ステップS24から直接ステップS26に進む。そしてステップS26において、切りタイマの残り時間をチェックし、0で無い場合はステップS27に進み、作業機モータ64を切り方向に回転駆動させ、ステップS28に進み、刈取モータ68を切り方向に回転駆動させ、ステップS29に進み、コントローラ60の出力側に接続されたホーン70を吹鳴せしめ、リターンする。
【0050】
またステップS26において切りタイマの残り時間が0である場合はステップS26からリターンする。これにより作業機クラッチ26及び刈取クラッチ47ともに切り作動させられ、脱穀装置2及び前処理部8の駆動が停止される。ただし作業機クラッチ26及び刈取クラッチ47のアイドラアームは、作業機クラッチ26及び刈取クラッチ47の切り状態において、さらに切り方向に揺動されることは無いため、ステップS27及びステップS28による処理での脱穀装置2または前処理部8の駆動停止は、脱穀装置2または前処理部8が駆動されている場合である。
【0051】
以上により、刈取スイッチ74がOFFからONに切り換えられた場合は、ステップS9により作業スイッチ76のON状態でのみ刈取モータの入り駆動が行われ、作業スイッチ76がOFF(脱穀装置2が非作動)の状態では、刈取スイッチ74がONされても(OFFからONに切り換えられても)前処理部8の駆動が行われず、警報としてホーン70が吹鳴せしめられる。
【0052】
すなわちステップS9〜ステップS10及びステップS24〜S29が刈取入り規制手段として機能し、刈取脱穀レバー72を脱穀刈取入り状態とした際に、作業機スイッチ76,刈取スイッチ74,又は作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障等が発生し、脱穀装置2が駆動されていない場合は、前処理部8の駆動開始を規制し、駆動を開始させず、警報(ホーン70)を吹鳴せしめる。
【0053】
そして上記刈取入り規制手段は、ステップS27で作業機モータ64を切り方向に駆動し、作業機クラッチ26を切り作動させるため、上記のように脱穀装置2が駆動されていない状態から前処理部8の駆動を開始させようとした場合は、前処理部8の駆動が開始されず、警報(ホーン70)が吹鳴されるだけでなく、脱穀装置2の駆動も停止される。
【0054】
また刈取スイッチ74がONの状態のままで、作業機スイッチ76がONからOFFに切り換えられると、ステップS16からステップS24に進み、ステップS24〜ステップS29の工程で脱穀装置2及び前処理部8が共に停止せしめられ、ホーン70が警報として吹鳴せしめられる。
【0055】
すなわちステップS15〜ステップS16及びステップS24〜S29が刈取停止手段として機能し、例えば圃場での刈取脱穀作業中に、作業機スイッチ76,刈取スイッチ74,又は作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障等が発生し、脱穀装置2が停止した状態で、前処理部8が駆動を継続しようとする場合に、脱穀装置2の停止と共に、前処理部8が停止せしめられ、警報(ホーン70)が吹鳴される。
【0056】
また刈取脱穀レバー72を脱穀刈取入り状態又は脱穀入り状態からニュートラル状態に切り換えた場合に、作業機スイッチ76,刈取スイッチ74,又は作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障等が発生し、脱穀装置2が停止した状態で、前処理部8が駆動を継続しようとする場合にも、上記刈取停止手段により、脱穀装置2の停止と共に、前処理部8が停止せしめられ、警報(ホーン70)が吹鳴される。
【0057】
以上に示される刈取停止手段及び刈取入り規制手段によって、脱穀装置2の停止時に前処理部8の作動を規制する規制手段が構成され、脱穀装置2の停止状態においては前処理部8が駆動されることが無く、脱穀装置2が駆動していない状態で前処理部8から刈取穀稈が脱穀装置2側に送られ、穀稈が詰まる等の不都合が防止されるため、安定した穀稈の刈取脱穀作業を行うことができる。
【0058】
また作業機スイッチ76,刈取スイッチ74,又は作業機スイッチ76及び刈取スイッチ74をON,OFFさせる機構(作動カム73)側に故障等の発生を、前処理部8の停止や前処理部8及び脱穀装置2の両方の停止、ホーンの吹鳴により容易に認識することができ、故障箇所の判定等もすばやく行うことができる。
【0059】
特に刈取入り規制手段によって脱穀装置2の停止時の前処理部8の駆動開始が規制され、また刈取停止手段によって作動中の脱穀装置2の停止に伴い、駆動中の前処理部8の駆動が規制(停止)せしめられ、さらに上記刈取停止手段によって前処理部8を停止させる際に先に脱穀装置2が停止しなかった場合の前処理部8の駆動が規制されるため、全ての作業状態において、脱穀装置2の停止状態での前処理部8の駆動を防止することができる。
【0060】
なお本コンバインに、副変速の低速位置を検出するための副変速スイッチと、車速を検出する車速センサを設け、副スイッチの入り切り(ON,OFF)及び車速センサからのデータを前述のコントローラ等においてチェックし、副変速スイッチのON状態で、車速が副変速低速での最高速度を超えた場合には、副変速スイッチの故障と判断してスピンターン(極小さな旋回半径での旋回)を禁止するスピンターン禁止機能を設けてもよい。
【0061】
この場合図6に示されるように、まずステップS1において副変速スイッチのON,OFFをチェックし、ONの場合にステップS2に進み車速のチェックを行う。そして車速が副変速低速での最高速度を超えた場合に、ステップS3に進み、副変速エラーフラグを立てる(ONする)。
【0062】
その後ステップS4に進み、副変速エラーフラグをチェックし、副変速エラーフラグが立っている(ONの場合)に、ステップS5に進み、スピンターンランプの点滅等により警報を表示させ、リターンする。
【0063】
なおステップS4において副変速エラーフラグが立っていない(OFFの場合)には、ステップS4から直接リターンする。さらにステップS1において副変速スイッチがOFFの場合、及びステップS2において車速が副変速低速での最高速度以下の場合は、ステップS1又はステップS2から直接ステップS4に進む。
【0064】
これにより副変速スイッチのON状態で、車速が副変速低速での最高速度を超えた場合には、スピンターンランプの点滅等により警報が表示され、副変速エラーフラグが立つ。
【0065】
そして上記図6に示される副変速エラーチェックは、図7に示される旋回制御において、ステップS1で行われ、旋回制御はステップS1での副変速エラーチェックの後、ステップS2に進み、スピンターンスイッチのON,OFF(入り切り)をチェックする。
【0066】
そしてスピンターンスイッチがONの場合に、ステップS3に進み、副変速エラーフラグをチェックし、副変速エラーフラグがOFFの場合には、ステップS4に進み、走行機体をスピンターンさせるようにトランスミッションを切り換え、ステップS5に進み旋回を開始させる。
【0067】
一方ステップS3において、副変速エラーフラグがONの場合には、ステップS6に進み、走行機体1を標準ターン(通常の旋回半径による旋回)させるようにトランスミッションを切り換え、ステップS5に進み旋回を開始させる。これにより副変速エラーフラグがONの場合には、走行機体1のスピンターンが規制され、高速でのスピンターンが防止される。
【0068】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明の構造によると、前処理スイッチと作業機スイッチの入り切りに基づき、前処理アクチュエータ又は作業機アクチュエータを駆動して、前処理部と脱穀装置の駆動を制御し、通常は規制手段によって脱穀装置の停止時の前処理部の作動が規制されているコンバインにおける規制手段が、作業機スイッチの切り状態での刈取スイッチの入り状態への切り換えによる前処理部の駆動を規制する刈取入り規制手段を備えることによって、作業機スイッチを入り状態とするように操作レバーを操作した際に、故障等により作業スイッチが切り状態となった場合であっても、刈取入り規制手段によって前処理部が駆動されることは無く、脱穀装置が駆動していない状態で前処理部から刈取穀稈が脱穀装置側に送られ、穀稈が詰まる等の不都合が防止され、安定した穀稈の刈取脱穀作業を行うことができるという効果がある。
【0069】
また上記コンバインにおける規制手段が、刈取スイッチの入り状態での作業機スイッチの切り状態への切り換えにより、前処理部の駆動中に脱穀装置の駆動が停止される場合に、前処理部の駆動を停止させる刈取停止手段を備えることにより、刈取脱穀作業中に断線等により作業機スイッチが切り状態となり、脱穀装置が停止する場合に、刈取停止手段によって前処理部の駆動が停止されるため、脱穀装置が駆動していない状態で前処理部から刈取穀稈が脱穀装置側に送られ、穀稈が詰まる等の不都合が防止され、安定した穀稈の刈取脱穀作業を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの平面図である。
【図2】駆動系の伝動線図である。
【図3】マイコンユニットへの配線状態を示す概略図である。
【図4】(a)は、刈取脱穀レバーのニュートラル状態を示す側面透視図,(b)は、刈取脱穀レバーの脱穀入り状態を示す側面透視図,(c)は、刈取脱穀レバーの脱穀刈取入り状態を示す側面透視図である。
【図5】作業機刈取クラッチ制御のフローチャート図である。
【図6】副変速エラーチェックのフローチャート図である。
【図7】旋回制御のフローチャート図である。
【符号の説明】
2 脱穀装置
8 前処理部
64 作業機モータ(作業機アクチュエータ)
68 刈取モータ(前処理アクチュエータ)
72 刈取脱穀レバー(操作レバー)
74 刈取スイッチ(前処理スイッチ)
76 作業機スイッチ
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成15年3月20日(2003.3.20)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠

【公開番号】 特開2004−283053(P2004−283053A)
【公開日】 平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願番号】 特願2003−77790(P2003−77790)