| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】中畠 章博 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内
【氏名】上窪 啓太 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】屈曲点において回動可能なフィーダハウジング及びこれに内装されるコンベアを具備する搬送装置において、刈り取った穀稈のより良好な搬送の実現を図ろうとするものである。
【解決手段】汎用コンバインの搬送装置9に内装される無端状のコンベアを前コンベア41と後コンベア42とで構成し、これらを前後方向に配置し、それぞれの搬送速度を前コンベア41、後コンベア42、脱穀装置18に具備される脱穀回転体である第一ロータ21(または扱胴37)の順に速くなるような構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀稈を刈り取る刈取装置と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置と、刈取装置で刈り取った穀稈を脱穀装置へ搬送するための搬送装置とを具備し、該搬送装置を搬送経路の途中に設けた中間屈曲点において屈曲用回動軸で回動可能に構成したコンバインにおいて、前記搬送装置に内装される無端状のコンベアを前コンベアと後コンベアとで構成し、これらを前後方向に配置したことを特徴とするコンバイン。 【請求項2】 前記屈曲用回動軸を前記前コンベアの後部支持軸と、前コンベアの駆動軸とを兼用したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。 【請求項3】 前記後コンベアの搬送速度を、前記前コンベアの搬送速度より速く、また、前記脱穀装置に具備される脱穀回転体による搬送速度未満としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、汎用コンバインにおいて、刈取装置で刈り取った穀稈を脱穀装置へ搬送するための搬送装置の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、汎用コンバインでは、走行する機体の前部に刈取装置が備えられ、機体上部に脱穀装置が備えられ、刈取装置と脱穀装置との間に刈取装置で刈り取った穀稈を脱穀装置まで搬送するための搬送装置が備えられている。そして、コンバインを操縦する運転部は機体の前部に設けられている。 【0003】 上述のような搬送装置としては、刈取装置の後部から脱穀装置の入口まで連続する搬送用のコンベアを設け、該コンベアをフィーダハウジング(搬送筒)に内装している。そして、このフィーダハウジングの前部には刈取装置が連結されており、後部は脱穀装置を内装する筐体に上下回動可能に支承され、前記刈取装置を昇降可能としている。 こうした搬送装置において、フィーダハウジングを前後方向中途部に屈曲部を設けることによって、機体のコンパクト化を図ったり、穀稈の搬送状態を良好にしたりする技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。 【0004】 また、上述のように屈曲したフィーダハウジングを前後二分割し、該前後中途部に設けた屈曲点において、前方のフィーダハウジングを回動可能な構成とすることによって、コンパクトな機体や良好な操縦性を実現した技術も本出願人により特願2002−292915号により提案されている。 【0005】 【特許文献1】 特開平6−343326号公報 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、前記従来の搬送装置におけるコンベアでは、屈曲部近傍にコンベアの緊張を保持するための押圧部材が設けられているが、コンベアを回動した際の張力変化などによりコンベアに負荷がかかり、摩耗などが懸念されている。また、刈取装置を上方に回動したときなど、搬送経路の屈曲部近傍では、直線部と比べて搬送される穀稈がつまり易い状況にあった。 そこで本発明は、屈曲点において回動可能なフィーダハウジング及びこれに内装されるコンベアを具備する搬送装置において、刈り取った穀稈のより良好な搬送の実現を図ろうとするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0008】 即ち、請求項1においては、穀稈を刈り取る刈取装置と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置と、刈取装置で刈り取った穀稈を脱穀装置へ搬送するための搬送装置とを具備し、該搬送装置を搬送経路の途中に設けた中間屈曲点において屈曲用回動軸で回動可能に構成したコンバインにおいて、前記搬送装置に内装される無端状のコンベアを前コンベアと後コンベアとで構成し、これらを前後方向に配置したものである。 【0009】 請求項2においては、前記屈曲用回動軸を前記前コンベアの後部支持軸と、前コンベアの駆動軸とを兼用したものである。 【0010】 請求項3においては、前記後コンベアの搬送速度を、前記前コンベアの搬送速度より速く、また、前記脱穀装置に具備される脱穀回転体による搬送速度未満としたものである。 【0011】 【発明の実施の形態】 次に、発明の実施の形態を説明する。 図1は本発明の第一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示す側面図、図2は同じく全体的な構成を示す平面図、図3は同じく脱穀・選別部を示す側面図、図4は同じく搬送装置を示す側面図、図5は同じく平面図である。 図6は本発明の第二実施例に係るコンバインの全体的な構成を示す側面図、図7は同じく全体的な構成を示す平面図、図8は同じく脱穀・選別部を示す側面図、図9はキャビンフレームを示す斜視図である。 【0012】 まず、本発明の第一実施例に係るコンバインの全体構成について図1乃至図3を用いて説明する。 本実施例に係るコンバインには、クローラ式走行装置1上に機体フレーム13が配設され、該機体フレーム13上に脱穀装置18や選別装置19から成る脱穀・選別部を内装する筐体33が配置され、該筐体33の後部にエンジン26等を収納するエンジンルーム14等が配設されている。 筐体33の上には、穀粒を一時的に貯溜するグレンタンク30が配設され、該グレンタンク30よりその内部に貯溜された穀粒を排出するための排出オーガ40が機体後部から前方にかけて備えられている。 【0013】 前記筐体33の前方には刈取装置8が配置され、該刈取装置8の後端と筐体33前上部に設けられた脱穀装置18の全部入口が搬送装置9によって連通され、該搬送装置9は機体略左右中央に配設されている。 さらに、前記搬送装置9の上方には運転席15や操向ハンドル16等を収納したキャビン17が配設され、該キャビン17は機体左右略中央前方の上方に配置され、左右両側より乗降可能とされている。 【0014】 前記刈取装置8は、搬送装置9の構成部材であるフィーダハウジング10の前部に連結されたプラットホーム2内部に横架され支承された横送りオーガ3と、該横送りオーガ3の前下部に備えられた刈刃4と、プラットホーム2上方に設けられた掻き込み用のリール5等で構成されている。 【0015】 前記横送りオーガ3は、進行方向と直交する方向に回転軸を有し、該横送りオーガ3には、その回転によってプラットホーム2の左右略中央後部に連結されたフィーダハウジング10へ刈り取った穀稈が送られるように螺旋(スクリュー)が形成されている。また、プラットホーム2の左右両側の前端には、分草板7・7が設けられ、プラットホーム2の後部の左右両側にはリール5を横架した支持アーム6の後部が支持され、該支持アーム6の左右一側にはリール5回転駆動用のベルトやプーリ等からなる動力伝達機構が設けられている。該リール5は、支持アーム6とプラットホーム2との間に介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ29によって昇降される。 【0016】 前記搬送装置9は、フィーダハウジング10と、該フィーダハウジング10内に前後方向に配設された無端状の前コンベア41と後コンベア42とで構成されている。 前記フィーダハウジング10の前端は、前記横送りオーガ3のスクリューの送り終端位置に合わせて、前記プラットホーム2の後部に連通されている。また、フィーダハウジング10の後端は、脱穀装置18への投入口12(図4)に連通されており、該投入口12の後方には進行方向に対し略直角方向に回転軸心を有する第一ロータ21が配設されており、穀稈は前記前コンベア41及び後コンベア42によって強制的に脱穀装置18の第一ロータ21へ搬送される。 【0017】 前記フィーダハウジング10の後部は、脱穀・選別部を内装する筐体33の前部に挿入され、前部のフィーダハウジング10の下面と機体フレーム13との間に油圧シリンダ32を介装して、刈取装置8が昇降可能とされている。 【0018】 前記脱穀・選別部は筐体33内部に配設され、刈取装置8により刈り取られ、搬送装置9により搬送されてきた穀稈を脱穀する脱穀装置18と、該脱穀装置18により脱穀された穀粒を選別する選別装置19とで構成されている。 【0019】 図3に示すように、前記脱穀装置18は、脱穀回転体である第一ロータ21と第二ロータ22と受網23・24等からなり、前記筐体33上部に収納されている。前記第一ロータ21と第二ロータ22は略同じ形状に構成されており、筒の外周には、周囲に図示せぬ複数の扱歯を有するスクリュー21a・22aが設けられ、軸心は左右水平方向に向けられて、前後方向に配置されている。 【0020】 前記第一ロータ21と第二ロータ22の下方には、それぞれ受網23・24が配置され、第一ロータ21と第二ロータ22の上方はそれぞれ上部カバー35・36によって覆われ、前ロータ室と後ロータ室が構成されている。 また、第一ロータ21下方の受網23右側の後部は、前低後高に緩やかな円弧状の傾斜が形成され、第二ロータ22の上外周の接線方向に向かって延出されて連通部23aが形成され、該連通部23a後端は第二ロータ22の回転軌跡の前端部近傍まで延出されている。さらに、前記受網24の左後部に排出口24aが開口されている。 【0021】 前記上部カバー35・36の水平状に成形した上部の内周面には、送塵弁59・59・・・が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上部カバー35・36上部に上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されており、該送塵弁59・59・・・を回動操作することによって、穀稈が第一ロータ21及び第二ロータ22内を移動する時間を穀稈の品種や状態に合わせて調整可能とされ、脱穀装置18の汎用性が高められている。 【0022】 また、第一ロータ21のスクリュー21aは、第一ロータ21の左端より連通部23aの直左側までの間に形成され、連通部23a前方の第一ロータ21外周面には第一ロータ21の半径方向に突出する板状の送り羽根21b・21b・・・(図2)が形成されている。同様に、第二ロータ22のスクリュー22aは第二ロータ22の右端部より排出口24aの直右側までの間に形成され、スクリュー22a終端部より左側の排出口24a前方の第二ロータ22外周面に送り羽根22b・22b・・・が形成され、脱穀後の排藁(排稈)が送り羽根22b・22b・・・(図2)により送られて排出口24aより排出される。 【0023】 このような構成において、フィーダハウジング10から投入口12へ穀稈が搬送されると、この穀稈は第一ロータ21の回転によって右方へ搬送されながら脱穀される。そして、第一ロータ21の右端に至ると緩やかな傾斜状に形成した連通部23aから第二ロータ22の脱穀空間に送られ、第二ロータ22の回転によって左方へ搬送されながら脱穀され、第二ロータ22の左端に送られると、排出口24aより落下する。 【0024】 該排出口24a下部から後下方にはガイドプレート60が延出され、該ガイドプレート60後部の上方とエンジンルーム14底面との間の位置には、強制的に排稈を後方に送り出す排稈ビータ61が設けられている。 前記排稈ビータ61は、左端部が排出口24aの左端部と一致し、排稈ビータ61の右端部は排出口24a右端部よりさらに右側に延出され、排出口24aより排出された排稈は後方に左右幅広く搬送される。排稈ビータ61後方には、機体後端部に左右に全幅に渡ってチョッパー式のスプレッダー62が横架され、排出口24aより排出されて排稈ビータ61によってスプレッダー62まで搬送された排藁は、該スプレッダー62の複数の鉈状の刃によって切断され、機体後端部より圃場に排出される。 【0025】 一方、前記脱穀・選別部において、脱穀装置18の下方には選別装置19が配設されている。 図3に示すように、選別装置19は、流穀板25、揺動本体20、プレファン34、選別風を発生させる唐箕27、選別された一番物を左右方向に搬送する一番コンベア28、二番物を搬送する二番コンベア31等より構成され、脱穀装置18から落下した脱穀物を選別できるようにしている。 【0026】 次に、本発明に係る前記搬送装置9の詳細について説明する。 図4及び図5に示す如く、フィーダハウジング10は、前部の前ハウジング70と後部の後ハウジング71は屈曲点89で回動可能に連結されている。そして、本発明の特徴として、前記フィーダハウジング10内に内装されているコンベアが、前コンベア41と後コンベア42とに屈曲点89近傍で二分割された構造となっている。 【0027】 前記前ハウジング70の前部には刈取装置8の構成部材である前記プラットホーム2が連結され、前ハウジング70内部とプラットホーム2出口が連通されている。そして、前ハウジング70内の前部に左右水平方向に回動可能に横架された前従動軸73に、前コンベア41をガイドするガイドローラ74が外嵌されている。 【0028】 また、前ハウジング70の後部には、前駆動軸であり、前コンベア41の後部を支持する支軸75が左右水平方向に回動可能に横架され、該支軸75にガイドローラ76・76が外嵌固定されている。さらに、支軸75は前ハウジング70より左右両外側に延出され、この延出部分の一側(本実施例では右側)にスプロケット77、他側(本実施例では左側)にスプロケット78がそれぞれ外嵌固定されている。そして、前ハウジング70に枢支された支軸75を支承している支承部材79・79が、筐体33に固設されらステー80・80に回動可能に支承されている。 【0029】 一方、後ハウジング71は、その前部が前ハウジング70の後部に挿入され、その後部が筐体33に挿入された状態に配置されており、後ハウジング71の底部は、供給板81で構成されている。供給板81は、筐体33内部に固定され、前ハウジング70の後端から、第一ロータ21の前下方に亘って連続する板状部材であって、前コンベア41及び後コンベア42によって搬送される穀稈は、該供給板81の上方を通過して第一ロータ21に導かれる。 【0030】 後ハウジング71の前部において、後コンベア42の前部支持軸にあたる支持軸43が左右水平方向に回動可能に横架され、該支持軸43にガイドローラ46・46が遊嵌されている。そして、該支持軸43の左右一側(本実施例では左側)が後ハウジング71の外側に延出され、この延出部分にスプロケット44・45が一体的に外嵌されている。また、後ハウジング71の後部において、後駆動軸82が回動可能に左右水平方向に横架され、後ハウジング71内の該後駆動軸82両側にスプロケット90・90が外嵌固定されている。そして、該後駆動軸82の左右一側(前記支持軸43延出部分と同じ側)が後ハウジング71よりも外側に延出され、この延出部分にスプロケット83とプーリ84が外嵌固定されている。 【0031】 従って、エンジン26からの動力が、クラッチ等を介してプーリ84に巻回された伝動ベルト(図示せず)により後駆動軸82に伝達され、さらに、後駆動軸82のスプロケット83と支持軸43のスプロケット44に巻回されたチェン85によって後駆動軸82の回動が支持軸43に伝達され、該支持軸43のスプロケット45と、支軸75のスプロケット78に巻回されたチェン47によって支持軸43の回動が支軸75に伝達される。そして、支軸75のスプロケット77と前ハウジング70の前側部に回動可能に支承された伝動軸86に外嵌されたスプロケット87とに巻回されたチェン88によって、支軸75へ伝達された動力が該伝動軸86によって刈取装置8へと伝達され、刈刃4や横送りオーガ3等が駆動される。 なお、本実施例の搬送装置9における前コンベア41及び後コンベア42動力伝達の機構は、実施形態の例示の一つであり制限的なものではない。 【0032】 前記後駆動軸82は、筐体33内部であって脱穀装置18の投入口12近傍に配置される。従って、刈取装置8により刈り取られた穀稈は、脱穀装置18の投入口12まで、搬送装置9に内装されている前コンベア41及び後コンベア42により直接搬送されることとなる。 【0033】 前記前コンベア41は、前記前従動軸73に外嵌されたガイドローラ74と支軸75のガイドローラ76・76に亘って巻回された左右のチェン41a・41aと、左右のチェン41a・41a間に架設されたスラット41b・41b・・・とで構成されている。また、後コンベア42も同様に、支持軸43のガイドローラ46・46と、後駆動軸82に外嵌されたスプロケット90・90に亘って巻回された左右のチェン42a・42aと、左右のチェン42a・42a間に架設されたスラット42b・42b・・・とで構成されている。 【0034】 上述の如く構成されたフィーダハウジング10は、後ハウジング71は固定され、前ハウジング70が支軸75を中心として回動可能である。すなわち、前コンベア41の後部支持軸である支軸75の位置またはこの近傍に別途設けた回動軸を屈曲用回動軸とし、フィーダハウジング10全体として前後中途部において屈曲することが可能となっている。この支軸75の位置及びこの近傍を屈曲点89とする。 そして、前ハウジング70の下面に設けられたステー70aには、アクチュエータとしての油圧シリンダ32のピストンロッド32aの端部が支承されており、その基部を機体フレーム13に支承された油圧シリンダ32によるピストンロッド32aの伸縮によって、前ハウジング70が昇降駆動される。この前ハウジング70は、最下降位置は後ハウジング71と略一直線上になる位置とし、最上昇位置はフィーダハウジング10の上方に配置されたキャビン17に当接する手前の位置として回動することが可能である。 【0035】 そして、前従動軸73に遊嵌されたガイドローラ74と、支軸75のガイドローラ76・76には前コンベア41が巻回され、支持軸43のガイドローラ46・46と後駆動軸82に外嵌されたスプロケット90・90には後コンベア42が巻回されている。該前コンベア41及び後コンベア42の下方と、箱状に形成されたフィーダハウジング10の下面との間が穀稈の搬送経路となる。 【0036】 また、この穀稈の搬送経路において、前コンベア41と後コンベア42の間の部分には、該前コンベア41及び後コンベア42がそれぞれ回転したときに、それぞれのコンベアに架設されているスラットが届かない空間を埋めるために側面視山型の補助体49がフィーダハウジング10の下面、即ち後ハウジング71の下面に、左右方向にかけて設けられている。 該補助体49は、その左右方向の長さを、少なくとも前コンベア41及び後コンベア42にそれぞれ架設されているスラットよりも長く、また、フィーダハウジング10の屈曲点89における回動に支障がない形状であり、この回動を妨げない位置に設けられている。 【0037】 つまり、前記補助体49を設けることによって、穀稈の搬送経路の、前コンベア41と後コンベア42の間、即ち屈曲点89近傍において、刈り取った穀稈が搬送されずに残ることのないような構造となっている。 【0038】 なお、前記補助体49を設ける代わりに、前ハウジング70及び後ハウジング71の形状を、これら前ハウジング70及び後ハウジング71によって形成される搬送経路が、該補助体49を設けた状態と同様の効果を有する形状とすることもできる。 【0039】 また、屈曲点89に位置する支軸75に外嵌されたガイドローラ76・76及び支持軸43に外嵌されたガイドローラ46・46をスプロケットでなくローラとしているのは、フィーダハウジング10の下面である搬送面と、前コンベア41及び後コンベア42との間隙の小さい屈曲点89において、搬送される穀稈が噛み合うことを防止するためである。 【0040】 このように構成された搬送装置9では、フィーダハウジング10内に配設されるコンベアを、前コンベア41と後コンベア42とに二分割し、屈曲点89より後方は固定され、前方は該屈曲点89に設けられた、前コンベア41の後方を支持する支軸75を中心として回動することとなる。すなわち、搬送装置9の搬送経路は屈曲点89で屈曲することとなる。 そして、屈曲用回動軸である支軸75は、刈取装置8の昇降用回動支点でもあり、刈取装置8の回動支点が、搬送装置9を屈曲可能に構成しないときと比較して前方に位置することとなる。 【0041】 なお、本実施例においては、支軸75に、前ハウジング70と後ハウジング71との連結軸としての機能と、前コンベア41の後部支持軸としての機能を兼用させているため、刈取装置8の昇降用回動支点は該支軸75となるが、前ハウジング70と後ハウジング71との連結軸を屈曲点89近傍に別途設け、この連結軸をフィーダハウジング10の屈曲用回動軸、即ち刈取装置8の昇降用回動支点とすることもできる。 【0042】 このように搬送装置9において、フィーダハウジング10に内装されるコンベアを前コンベア41と後コンベア42とに二分割したことで、フィーダハウジング10の屈曲点89における回動によって生じるコンベアの張力変化や弛みを防止でき、それぞれのコンベアの張力を一定に保つことが可能となり、このフィーダハウジング10の回動によるコンベアの動き代も減らすことができる。よって、コンベアにかかる負荷を低減でき長期使用にも耐えることができる。 【0043】 また、搬送経路の中途部に位置する屈曲点89において屈曲可能とし、該屈曲点89に刈取装置8の昇降用回動支点を配設することにより、刈取装置8の昇降用回動支点の高さ位置を、従来の構造と比較して前方かつ下方に配設することが可能となるので、刈取装置8と脱穀装置18との高低差が大きい場合でも、昇降用回動支点の上方に設けられるキャビン17を、地面から高くすることなく配置することができる。 【0044】 また、搬送装置9は、該搬送装置9の前後中途部に設けられた屈曲点89において屈曲するため、該屈曲点89を刈取装置8の昇降用回動支点とすることによって、該昇降用回動支点を従来と比較してより前方に位置させることが可能となり、刈取装置8の昇降用回動支点から刈取装置8までの距離を短くすることができる。よって、刈取装置8の回動半径が短縮されるので、該刈取装置8を上下昇降させるために必要なスペースが省かれ、機体のコンパクト化が図れる。 【0045】 さらに、搬送装置9の後端位置と刈取装置8の昇降用回動支点が必ずしも等しい位置にある必要はないので、搬送装置9の後端位置の自由度が高まり、脱穀装置18を内装する筐体33内部であって脱穀装置18への投入口12寸前に搬送装置9の後端を配置することを可能としている。 【0046】 ところで、上述した後コンベア42の前部を支持する支持軸43の延出部分に外嵌されたスプロケット45は、その歯数が支軸75に外嵌されたスプロケット78の歯数より少ないものが用いられている。そうすることによって、支持軸43の回転速度に対する支軸75の減速比が下がる。つまり、後コンベア42の搬送速度より前コンベア41の搬送速度が下がる構造となっている。さらに、後コンベア42の搬送速度は、脱穀回転体である前記第一ロータ21の搬送速度(周速)よりも遅くなるように調整されている。 言い換えると、前記前コンベア41の搬送速度をv1、後コンベア42の搬送速度をv2、第一ロータ21の搬送速度(周速)をv3とすると、v1<v2<v3を満たす速度関係となっている。 【0047】 このような構造にすることによって、前コンベア41、後コンベア42、第一ロータ21と搬送経路下流側(脱穀装置18側)に行くに従い搬送速度がはやくなっているので、刈取装置8によって刈り取られた穀稈が搬送経路の途中で滞留することが少なくなり、搬送装置9において穀稈などの詰まりの発生が防げ、より円滑な搬送作業が可能となる。 【0048】 なお、前コンベア41と後コンベア42と第一ロータ21とが前述の速度関係を満たす構造であれば、前記スプロケット45・78及びチェン47を、外径の異なる2つのプーリ及びベルトとしたり、前コンベア41と後コンベア42との間に変速ギアを設けたりする構成も可能となる。 【0049】 次に、本発明の第二実施例に係るコンバインについて説明する。 まず、本実施例におけるコンバインの構成について図6乃至図8を用いて説明する。なお、第一実施例と略同一の形態及び機能を有する部材や装置については同一符合を付して説明を省略する。 【0050】 本実施例においては、コンバインの脱穀装置18において、前後方向を軸方向とする扱胴37を有する機体としており、このコンバインにも本発明に係る搬送装置9が適用可能である。 図8に示すように、本実施例のコンバインでは、脱穀・選別部において、脱穀装置18の下方に選別装置19が配設され、脱穀装置18内には、前後方向にスクリュー型のインペラを周面に付設した脱穀回転体である扱胴37が配され、穀稈の脱穀を行うようにしている。また、該扱胴37の下方に受網38を介して選別装置19が配設され、脱穀装置18により脱穀された処理物の選別を行うようにしている。 【0051】 前記選別装置19は、チャフシーブ48を有する揺動本体20や、該揺動本体20の下方で流穀板25上に前側から順に配される唐箕27、一番コンベア28、二番コンベア31等で構成され、前記受網38から漏下する穀粒の選別を行うようにしている。 また、前記扱胴37の後部下方には、回転軸に複数の切断刃を植設したチョッパー式のスプレッダー62を配し、扱胴37により扱ぎ室後部へ移送される排稈を細かく切断した後に、機体外部へ排出される。 【0052】 このような構成の脱穀・選別装置を有するコンバインにおいても本発明の搬送装置9は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。 そして本実施例においても、第一実施例と同様に、前コンベア41の搬送速度をv1、後コンベア42の搬送速度をv2、脱穀回転体である扱胴37の搬送速度(周速)をv3とすると、v1<v2<v3を満たす速度関係となっている。 【0053】 続いて、キャビン17の下方に設けられるスライドフレーム50について説明する。 前述の如く、本発明に係る搬送装置9の構造によって、搬送装置とキャビンを左右に並設した従来のコンバインと同様の高さ位置にキャビン17を配置しても、キャビン17の下方に該キャビン17と干渉することなく搬送装置9が配設される。すなわち、従来のコンバインに対して、機体の全長・全高を変更することなく、刈取装置8で刈り取られた穀稈がキャビン17の下を通過し、脱穀装置18の投入口12に供給されるように構成することができる。従って、コンバインにおけるキャビン17の配置を容易かつ広範囲に設けることができる効果が得られる。 【0054】 このような効果を踏まえた上で、キャビン17を左右方向に移動可能にしたスライドフレーム50について図9を用いて説明する。 スライドフレーム50は、前記機体フレーム13の前部に固設された支持部材であるステップフレーム51・51に左右方向に懸架された二本の支持フレーム53・53に摺動左右方向に摺動可能に設けられている。 前記ステップフレーム51・51は、機体前後方向に向けて略水平方向に延出するフレーム51a・51aと、機体フレーム13・13の前部から斜め上前方に延設されるフレーム51b・51bと図示せぬ後部フレームとで側面視略三角形状に組まれており、該フレーム51a・51a間には前記支持フレーム53・53がシリンダ52を間に介して左右方向に架設されている。 【0055】 前記スライドフレーム50は、円筒状の摺動パイプ54・54と、該摺動パイプ54・54との間に機体前後方向に架設された支持板55と、該支持板55に固設されたピストンロッド52aを有するシリンダ52とから構成される。 【0056】 前記摺動パイプ54・54は、前記フレーム51a・51aに懸架されている支持フレーム53・53に、摺動可能に挿嵌されており、該摺動パイプ54・54間には支持板55が架設されている。つまり、該摺動パイプ54・54と、支持板55とは平面視略H字状の形体をなし、これらは一体的に前記支持フレーム53・53に摺動可能な構造となっている。 そして、前記摺動パイプ54・54の上面部には、ゴム等の防振材56・56を設けた取付体が機体前後及び左右方向に均等にそれぞれ配置固定されており、該取付体上にキャビン17の下部を固定して、キャビン17に振動が伝わるのを防止しながら取り付けられるようにしている。 【0057】 前記シリンダ52は、その一側(基部)が前記ステップフレーム51のフレーム51a・51aの一方(本実施例では右方)の前後略中央部に固設されており、他側、即ち該シリンダ52に内装されるピストンロッド52aの端部は、前記フレーム51a・51aの他方の前後略中央部に固設されている。つまり、該シリンダ52は、前記支持フレーム53・53間に介在し、機体左右方向に伸縮するように架設されている。 【0058】 すなわち、前記スライドフレーム50上に防振材56・56・・・を介して固定されたキャビン17は、通常機体の略中央部を定位置とするが、排出オーガ40を上方に動かした状態において、図2及び図7に二点鎖線で示すように、前記シリンダ52によるピストンロッド52aの伸縮によって、機体左右方向に摺動可能となっている。 このキャビン17の左右摺動作業は、図示せぬアクチュエータ等を介在させることにより、キャビン17内の作業者から遠隔操作可能となっている。つまり、作業者は、機体に乗車して作業を行っている途中でキャビン17を左右に移動させることができる。 【0059】 そして、本発明にかかる搬送装置9の構造から、該搬送装置9はキャビン17の下方に該キャビン17と干渉することなく配設されている。すなわち、従来のコンバインに対して、キャビン17の高さ位置を変更することなく該キャビン17の左右摺動が可能となっている。したがって、前記スライドフレーム50でのキャビン17の摺動可能範囲内においては、任意の位置で該キャビン17をセットすることができる。 なお、このスライドフレーム50の摺動範囲は、ステップフレーム51・51を設ける幅や、摺動パイプ54・54の長さを変えることによって調整することができる。また、本実施例では、スライドフレーム50をステップフレーム51・51側に設けているが、該スライドフレーム50をキャビン17側に取り付けて、該キャビン17を摺動させることも可能である。 【0060】 このような構造にすることによって、右廻り及び左廻りの刈取作業が可能な汎用コンバインにおいて、旋回方向の畦際での作業に合わせてキャビン17を移動することができるため、刈取装置8前端の左右両側に設けられた分草板7・7をより見易い位置で作業ができる。よって、作物が倒伏状態にあるときなどでも、ムラのない刈取作業が可能となり、取込ロスの減少が図れる。 【0061】 また、排出オーガ40は機体の後方端部に回動支点が配置されており、該排出オーガ40を上方に動かした状態で回動させたときに死角が生じるが、キャビン17を左右に移動させることによって、該排出オーガ40を回動させた位置での排出時の死角を少なくすることもできる。 さらに、機体バック時においても、キャビンを右側または左側に摺動させれば、後方を直接目視することによって確認ができるので、安全性の向上が図れる。つまり、コンバインにおける作業全般に亘って視認性及び作業性の向上が図れ、長時間作業による作業者のストレスが軽減できるのである。 なお、前記スライドフレーム50の形状等は、本実施例に限定されることなく、キャビンを左右方向に摺動可能な構造であればよく、また、コンバインに限定されず、作業車全般に亘って適用可能である。 【0062】 【発明の効果】 本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。 【0063】 即ち、請求項1に示す如く、穀稈を刈り取る刈取装置と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置と、刈取装置で刈り取った穀稈を脱穀装置へ搬送するための搬送装置とを具備し、該搬送装置を搬送経路の途中に設けた中間屈曲点において屈曲用回動軸で回動可能に構成したコンバインにおいて、前記搬送装置に内装される無端状のコンベアを前コンベアと後コンベアとで構成し、これらを前後方向に配置したので、搬送装置の屈曲点における回動によって生じるコンベアの張力変化を防止でき、それぞれのコンベアの張力を一定に保つことができる。よって、コンベアにかかる負荷を低減でき長期使用にも耐えることができるのである。 【0064】 請求項2に示す如く、前記屈曲用回動軸を前記前コンベアの後部支持軸と、前コンベアの駆動軸とを兼用したので、刈取装置の昇降用回動支点である屈曲用回動軸を、搬送装置後端より前方かつ下方に配設することができるようになり、刈取装置と脱穀装置との高低差が大きい場合でも、昇降用回動支点の上方に設けられる運転部を、地面から高くすることなく配置することができ、運転部の配置の自由度が高まる。また、搬送装置の後端位置の自由度も高まる。さらに、刈取装置の回動半径が短縮できるので該刈取装置を上下昇降させるために必要なスペースが省かれ、機体のコンパクト化が図れる。 【0065】 請求項3に示す如く、前記後コンベアの搬送速度を、前記前コンベアの搬送速度より速く、また、前記脱穀装置に具備される脱穀回転体による搬送速度未満としたので、前コンベア、後コンベア、脱穀回転体である第一ロータまたは扱胴と搬送経路下流側(脱穀装置側)に行くに従い搬送速度が速くなっているので、刈取装置によって刈り取られた穀稈が搬送経路の途中で滞留することが少なくなり、搬送装置において穀稈などの詰まりの発生が防げ、より円滑な搬送作業が可能となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示す側面図。 【図2】同じく全体的な構成を示す平面図。 【図3】同じく脱穀・選別部を示す側面図。 【図4】同じく搬送装置を示す側面図。 【図5】同じく平面図。 【図6】本発明の第二実施例に係るコンバインの全体的な構成を示す側面図。 【図7】同じく全体的な構成を示す平面図。 【図8】同じく脱穀・選別部を示す側面図。 【図9】キャビンフレームを示す斜視図。 【符号の説明】 8 刈取装置 9 搬送装置 17 キャビン 18 脱穀装置 21 第一ロータ 37 扱胴 41 前コンベア 42 後コンベア 50 スライドフレーム 75 支軸 89 屈曲点
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
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| 【出願日】 |
平成15年2月20日(2003.2.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2004−248587(P2004−248587A) |
| 【公開日】 |
平成16年9月9日(2004.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2003−42936(P2003−42936) |
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