| 【発明の名称】 |
草刈機の前部持ち上げ構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】鮫島 和夫 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】戸越 義和 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】藤原 修身 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】江崎 善幸 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】箕浦 章 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】コストの高騰や構造の複雑化を抑制しながら、操縦者が不安感を覚えることなく、又、地面を激しく傷付ける不都合を招くことなく、機体の持ち上げを容易に行える草刈機の前部持ち上げ構造を提供できるようにする。
【解決手段】草刈機の前部持ち上げ構造において、走行機体1における前輪2と後輪3の間にモーア4を連結し、走行機体1の前輪2側に配置した左右向きの前部フレーム37に、前部フレーム37に沿わせた格納姿勢と縦向きに起立させた作用姿勢とに揺動切り換え可能で、かつ、作用姿勢で伸縮可能となるように構成されたジャッキ43を装備した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体における前輪と後輪の間にモーアを連結し、前記走行機体の前記前輪側に配置した左右向きの前部フレームに、該前部フレームに沿わせた格納姿勢と縦向きに起立させた作用姿勢とに揺動切り換え可能で、かつ、前記作用姿勢で伸縮可能となるように構成されたジャッキを装備してある草刈機の前部持ち上げ構造。 【請求項2】 前記走行機体にブレーキペダルと該ブレーキペダルを制動位置に保持するロック具とを備え、前記ブレーキペダルが、その非制動位置では前記作用姿勢に切り換えた前記ジャッキの操作部に干渉し、前記制動位置では前記作用姿勢に切り換えた前記ジャッキの前記操作部に干渉しないように構成してある請求項1に記載の草刈機の前部持ち上げ構造。 【請求項3】 前記操作部を前記ジャッキから分離可能に構成し、かつ、前記走行機体に、前記操作部を介して前記ジャッキを前記格納姿勢で保持する保持部を形成してある請求項1又は2に記載の草刈機の前部持ち上げ構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、走行機体における前輪と後輪の間にモーアを連結してある草刈機の前部持ち上げ構造に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、上記のような草刈機の前部持ち上げ構造としては、機体側に退避する格納姿勢と機体前下方に向けて延出する作用姿勢とに揺動切り換え可能で、かつ、その作用姿勢への切り換えに伴って、その延出端に形成した歯部が接地するとともに、その機体側を支点とした上下揺動が可能となるように構成されたジャッキ部材を装備し、そのジャッキ部材を作用姿勢に切り換えた状態での機体の前進走行によって、作用姿勢のジャッキ部材が、その歯部を支点にして起立揺動して、機体の前部側を持ち上げるように構成したものがある(例えば特許文献1参照。)。 【0003】 又、走行機体に、両端にキャスター式の前輪を備えた左右向きの前輪支持フレームの中間部を、前後向きの軸心周りに回動自在に連結し、走行機体と前輪支持フレームとにわたってジャッキ装置を架設し、そのジャッキ装置の作動で、前輪支持フレームが、左右一方の前輪を支点にして起立揺動して、機体の前部側を持ち上げるように構成したものがある(例えば特許文献2参照。)。 【0004】 【特許文献1】 米国特許出願公開第2002/0157369号明細書 【特許文献1】 特開2000−342040号公報(段落番号0043−0045、図1、2、6−10) 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 上記の従来技術のうちの前者のものにおいて機体の前部側を持ち上げる場合には、ジャッキ部材を格納姿勢から作用姿勢に切り換えた後、機体がその走行に伴って起立揺動するジャッキ部材に乗り上がる状態となるまで機体に搭乗して操縦する必要があることから、操縦者が不安感を覚えるようになる。 【0006】 又、機体の走行に伴うジャッキ部材の起立揺動で機体の前部側を持ち上げることから、機体を、その前部側がジャッキ部材によって安定した状態で持ち上げ支持される適切な位置で走行停止させることが難しく、その適切な位置で機体を走行停止させることができなかった場合には、ジャッキ部材などに過剰な負荷が掛かることに起因した破損を招く虞があり、この破損を回避するためには、その負荷に耐え得る十分な強度をジャッキ部材などに備えさせる必要があり、十分な強度を備えさせるためには、高価な材質のものを採用する、あるいは、補強部材を設けるなどの手立てを施す必要があることから、コストの高騰や構造の複雑化を招くようになる。 【0007】 しかも、機体の走行で、ジャッキ部材の歯部を水平方向に近い方向から地面に突き立てることで、その歯部を支点にしたジャッキ部材の起立揺動が可能となって、機体の前部側が持ち上がることから、地面における歯部の接地箇所が、機体の前部側を持ち上げる際の反力で激しく傷付けられるようになる。 【0008】 一方、上記の従来技術のうちの後者のものにおいては、左右一方の前輪を支点にした前輪支持フレームの前後向き軸心周りでの起立揺動で機体の前部側を持ち上げることから、機体を持ち上げる際の機体の安定性が悪く、そのため、機体の持ち上げ操作が行い難くなる。 【0009】 しかも、上記の従来技術のうちのいずれのものにおいても、ジャッキ部材又は前輪支持フレームの起立揺動で機体の前部側を持ち上げることから、ジャッキ部材及び前輪支持フレームを、機体を持ち上げる際に発生する曲げ力に耐え得るだけの高い強度を有するものにする必要があり、そのためには、高価な材質のものを採用する、あるいは、補強部材を設けるなどの手立てを施す必要があることから、コストの高騰や構造の複雑化を招くようになる。 【0010】 本発明の目的は、コストの高騰や構造の複雑化を抑制しながら、操縦者が不安感を覚えることなく、又、地面を激しく傷付ける不都合を招くことなく、機体の持ち上げを容易に行える草刈機の前部持ち上げ構造を提供できるようにすることにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】 〔構成〕 上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、走行機体における前輪と後輪の間にモーアを連結し、前記走行機体の前記前輪側に配置した左右向きの前部フレームに、該前部フレームに沿わせた格納姿勢と縦向きに起立させた作用姿勢とに揺動切り換え可能で、かつ、前記作用姿勢で伸縮可能となるように構成されたジャッキを装備してある。 【0012】 〔作用〕 上記請求項1に記載の発明によると、降車位置から格納姿勢のジャッキを作用姿勢に切り換えて伸長させるようにすれば、機体の前部側を持ち上げることでき、それに伴って、モーアがその内部を前方に向けて開放する前上がり姿勢になることから、その内部に対する清掃やブレードの交換などのメンテナンスを、モーアを機体から取り外す手間を要することなく容易に行える。 【0013】 又、その持ち上げ操作の際には、機体に搭乗して操縦する必要がないことから、操縦者が不安感を覚えることもない。 【0014】 しかも、縦向きに起立させたジャッキの伸長作動で機体の前部側を持ち上げることから、機体重心の変位が少ない安定した状態で機体を容易に持ち上げられるようになり、又、その持ち上げ操作の際には、ジャッキの伸長方向である垂直方向もしくは略垂直方向の荷重が地面にかかるだけであることから、機体の前部側を持ち上げる際の反力で地面が激しく傷付けられることもなく、更に、ジャッキの起立揺動で機体を持ち上げる場合に比較して、持ち上げ操作の際に発生する曲げ力が大幅に低下するようになることから、強度の高い材質のものを採用することによるコストの高騰や、補強部材を設けることによる構造の複雑化を抑制できるようになる。 【0015】 その上、ジャッキは、それを装備する左右向きの前部フレームに沿った左右向き姿勢で格納されることから、走行時や刈り取り作業時に支障をきたすこともない。 【0016】 〔効果〕 従って、前部フレームに、それに沿わせた左右向きの格納姿勢と、伸縮操作が可能となる縦向きの作用姿勢とに揺動切り換え可能なジャッキを設けることで、コストの高騰や構造の複雑化を抑制しながら、操縦者が不安感を覚えることなく、又、地面を激しく傷付ける不都合を招くことなく、機体の前部側を容易に持ち上げることができて、モーアの内部に対するメンテナンス性の向上を図れるようになる草刈機の前部持ち上げ構造を提供できるようになった。 【0017】 〔構成〕 本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記走行機体にブレーキペダルと該ブレーキペダルを制動位置に保持するロック具とを備え、前記ブレーキペダルが、その非制動位置では前記作用姿勢に切り換えた前記ジャッキの操作部に干渉し、前記制動位置では前記作用姿勢に切り換えた前記ジャッキの前記操作部に干渉しないように構成してある。 【0018】 〔作用〕 上記請求項2に記載の発明によると、ロック具でブレーキペダルを制動位置に保持するいわゆる駐車状態を現出した場合においてのみ、ジャッキの操作部を操作することができ、ジャッキによる機体前部側の持ち上げを行えるようになる。 【0019】 〔効果〕 従って、ジャッキで機体の前部側を持ち上げる際におけるブレーキの掛け忘れに起因した機体の不測変位を阻止できるようになった。 【0020】 〔構成〕 本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の発明において、前記操作部を前記ジャッキから分離可能に構成し、かつ、前記走行機体に、前記操作部を介して前記ジャッキを前記格納姿勢で保持する保持部を形成してある。 【0021】 〔作用〕 上記請求項3に記載の発明によると、ジャッキを格納する際には、ジャッキから操作部を取り外して作用姿勢から格納姿勢に切り換えた後、操作部を走行機体の保持部に装着すれば、ジャッキを格納姿勢で保持できるようになる。 【0022】 つまり、ジャッキの操作部を保持具に利用することから、ジャッキを格納姿勢で保持するための専用の保持具を設ける必要がなく、又、操作部を取り外したジャッキの格納持に操作部を紛失する虞を未然に回避することができる。 【0023】 〔効果〕 従って、部品点数の削減によるコストの削減及び構成の簡素化を図れるとともに部品管理の面で有利にできるようになった。 【0024】 【発明の実施の形態】 図1には乗用形草刈機の全体側面が、図2には乗用形草刈機の全体平面が示されており、この乗用形草刈機は、走行機体1の前部に縦向きの軸心周りに追従操向自在に配備されたキャスター型の左右一対の前輪2と、走行機体1の後部に駆動輪として配備された左右一対の後輪3との間に、モーア4を昇降操作可能に装備したミッドマウント形式に構成されている。 【0025】 図1〜3に示すように、走行機体1は、その前部側に搭乗運転部5が形成され、その後部側に原動部6が配備され、搭乗運転部5は、機体フレーム7の前部側に敷設した搭乗ステップ8、機体フレーム7の後部側に配備した運転座席9、運転座席9の左右に揺動操作可能に装備した変速レバー10、及び、機体フレーム7における運転座席9の後部箇所に立設した転倒保護フレーム11、などから形成されている。 【0026】 原動部6は、機体フレーム7の後方に位置するエンジンフレーム12に搭載した空冷式のエンジン13、エンジン13の下部前方に配置した伝動装置14、伝動装置14の左右に分配装備した一対の静油圧式無段変速装置15、及び、対応する静油圧式無段変速装置15から左右の後輪3にわたる左右の減速装置16、などから、エンジン13からの動力を伝動装置14に伝達するとともに、その動力を伝動装置14において左右の走行用と作業用とに分配し、伝動装置14からの左右の走行用の動力を、対応する静油圧式無段変速装置15によって変速した後、左右の減速装置16を介して左右の対応する後輪3に伝達し、かつ、伝動装置14からの作業用の動力を、伝動軸17を介してモーア4の伝動部18に伝達するように構成されている。 【0027】 又、原動部6において、左右の減速装置16は、機体フレーム7とエンジンフレーム12とを連結する中継フレームに兼用され、伝動装置14及び一対の静油圧式無段変速装置15は、中継フレームに兼用される左右の減速装置16を連結する中間フレームに兼用されている。 【0028】 走行機体1において、左右の変速レバー10は対応する静油圧式無段変速装置15に連係されており、左右の各変速レバー10を操作すると、その操作に基づいて対応する静油圧式無段変速装置15が独立変速操作され、それらによる各変速後の動力が左右の対応する後輪3に伝達されるようになっている。 【0029】 つまり、走行機体1は、左右の変速レバー10を操作して一対の静油圧式無段変速装置15を独立変速操作することで、左右の後輪3への伝動を停止する停止状態、左右の後輪3に等速の前進動力又は後進動力を伝達する直進状態、左右の後輪3に異なるの前進動力又は後進動力を伝達する緩旋回状態、左右の後輪3のうちの一方への伝動を停止し、かつ、他方に前進動力又は後進動力を伝達するピボット旋回状態、及び、左右の後輪3のうちの一方に前進動力を伝達し、かつ、他方に後進動力を伝達するスピン旋回状態を現出できるようになっている。 【0030】 モーア4は、機体フレーム7にリンク機構19を介して昇降可能に吊り下げ支持されたハウジング20内に、その上部の伝動部18に伝達された作業用の動力で縦向きの軸心周りに等速回転駆動される草刈り用の3枚のブレード21を、それらの回転軌跡の一部が重複し、かつ、各重複箇所では左側のブレード21が後向きとなり右側のブレード21が前向きとなるように回転方向を設定した状態で、左右方向に並べて配備することで構成されており、これらの各ブレード21を回転駆動させることで、草類の刈り取りを行うとともに、これらの回転駆動で生起される搬送風によって、ハウジング20の右側部に形成された排出口から刈草を排出するようになっている。 【0031】 図1〜7に示すように、走行機体1における搭乗ステップ8の前部左右中央箇所には、左右の各減速装置16に内蔵された制動機構22に連係機構23を介して連係された単一のブレーキペダル24と、このブレーキペダル24の制動位置での保持を可能にするロック具の一例であるロックペダル25とが、右側にブレーキペダル24が位置し、左側にロックペダル25が位置する状態で、左右に隣接して並設されている。 【0032】 連係機構23は、機体フレーム7に左右向きの軸心周りに回動自在に支持された左右向きの支軸26、この支軸26の左右両端部に固着された連係アーム27から対応する制動機構22の操作アーム28にわたって架設された左右の操作ロッド29、及び、各操作ロッド29の後部に外嵌装着されたコイルバネ30、などによって、その支軸26の軸心を支点にしたブレーキペダル24の非制動位置からの踏み込み操作に連動して、その踏み込み操作量に応じた制動状態が得られるように、左右の制動機構22を制動作動させるように構成されている。 【0033】 ブレーキペダル24は、連係機構23の支軸26から延設された基端部31と、この基端部31から延設された操作部32とから構成され、その基端部31からロックペダル25にわたって架設されたコイルバネ33によって非制動位置に復帰付勢されている。 【0034】 ロックペダル25は、その上端部に操作部34が装備され、その下端部に、ブレーキペダル24の基端部31に屈曲形成した被係合部35に係合可能な係合部36が形成された状態で、機体フレーム7における左右向きの前部フレーム37に装備したブラケット38に、左右向きの支軸39を介してその軸心周りに天秤揺動自在に支持されており、通常は、前述したコイルバネ33によって、その係合部36がブレーキペダル24の被係合部35から離間して、その下端部が前部フレーム37に接当する非ロック位置に復帰付勢され、又、ブレーキペダル24の被係合部35によって非ロック位置からロック位置への操作が阻止され、ブレーキペダル24を下限位置まで踏み込み操作した場合にのみ、その非ロック位置からロック位置への操作が許容されるようになっている。 【0035】 そして、ブレーキペダル24を下限位置まで踏み込み操作し、その操作によって非ロック位置からロック位置への操作が許容されたロックペダル25をロック位置に操作した後、ブレーキペダル24の踏み込み操作を解除すれば、ブレーキペダル24の被係合部35にロックペダル25の係合部36が係合するとともに、その係合状態が前述したコイルバネ33の付勢で維持されるようになり、これによって、ブレーキペダル24が制動位置に、ロックペダル25がロック位置にそれぞれ保持されるようになっている。 【0036】 又、ブレーキペダル24を制動位置に、ロックペダル25をロック位置にそれぞれ保持した状態において、ブレーキペダル24を踏み込み操作すると、ブレーキペダル24の被係合部35がロックペダル25の係合部36から離間して、それらの係合によるブレーキペダル24及びロックペダル25の保持を解除するとともに、コイルバネ33の付勢でロックペダル25がロック位置から非ロック位置に復帰揺動し、かつ、ブレーキペダル24の踏み込み解除に伴って、ブレーキペダル24がコイルバネ33の付勢で非制動位置に復帰揺動するようになっている。 【0037】 以上の構成から、走行機体1を制動させる場合には、両手で左右の変速レバー10を握った状態のまま、右足でブレーキペダル24を踏み込み操作することで、その踏み込み操作量に応じた制動状態を現出することができ、又、走行機体1を駐車させる場合には、両手で左右の変速レバー10を握った状態のまま、右足でブレーキペダル24を制動位置まで踏み込み操作して走行機体1を制動停止させた後、左足でロックペダル25を非ロック位置からロック位置に操作し、その状態でブレーキペダル24の踏み込み操作を解除することで、ブレーキペダル24を制動位置に保持した駐車状態を現出することができ、更に、走行機体1を駐車状態から走行させる場合には、右足でブレーキペダル24を踏み込み操作してブレーキペダル24の制動位置での保持を解除するとともに、その右足によるブレーキペダル24の踏み込み操作を解除して走行機体1の制動停止を解除した後、両手で左右の変速レバー10を中立位置から所望の走行位置に操作することで、左右の変速レバー10の操作位置に応じた走行状態を現出できるようになっている。 【0038】 つまり、制動状態を現出する場合、駐車状態を現出する場合、及び駐車状態から走行状態を現出する場合のいずれにおいても、走行機体1の制動状態又は駐車状態の現出をレバー操作で行うように構成した場合のようにレバーの握り替えを行う必要がないことから、緊急の制動操作が必要となった場合における咄嗟の対応が行い易くなり、又、走行機体1の駐車状態及び走行状態の現出を、レバーの握り替えを必要としない一連の操作で、レバーを握り替える際の不測の接触などに起因した誤操作を招くことなく速やかに行えるようになっている。 【0039】 又、ブレーキペダル24及びロックペダル25を左右に並べて近接配置することから、ロックペダル25によるブレーキペダル24の制動位置での保持を可能にするための連係構造の簡素化を図れるようになり、しかも、搭乗ステップ8の前部左右中央箇所においてブレーキペダル24とロックペダル25とを左右に並設することから、右足でブレーキペダル24を操作し、左足でロックペダル25を操作して駐車状態を現出する際に、例えば搭乗ステップ8の前部左右一側箇所にブレーキペダル24とロックペダル25とを左右に並設する場合のように上半身に対して下半身をペダル側に捻らせた無理な体勢を強いられることがない上に、操縦時には両足が自然に位置する足置き部となり、乗降時には踏み処となる搭乗ステップ8の左右両側箇所40において広い足載せ領域を確保できるようになっている。 【0040】 図3〜11に示すように、前部フレーム37は、その底部を開放する断面コの字状に形成され、その左右両端部には、前輪2を縦向きの軸心周りに追従操向自在に支持するボス41が配備されている。 【0041】 又、前部フレーム37には、その左右中間部に配備した前後向きの支軸42の軸心周りで、前部フレーム37に沿わせた格納姿勢と縦向きに起立させた作用姿勢とに揺動切り換え可能に、かつ、格納姿勢に切り換えた状態では前部フレーム37内に格納され、作用姿勢に切り換えた状態では伸縮操作が可能となるように構成されたジャッキ43が装備されている。 【0042】 ジャッキ43は、支軸42の軸心周りに揺動する揺動脚44、揺動脚44によって摺動案内される摺動脚45、摺動脚45を摺動させる駆動部46、及び、駆動部46に着脱自在に連結される操作部47、などによって構成されている。 【0043】 揺動脚44は、支軸42に外嵌する揺動支点部材48から一方に向けて角パイプ状の脚部材49が延出する状態に形成され、その揺動支点部材48には、前部フレーム37に形成した第1係止孔50への係入でジャッキ43を格納姿勢に位置決めし、前部フレーム37に形成した第2係止孔51への係入でジャッキ43を作用姿勢に位置決めする係止ピン52が装備され、係止ピン52は、コイルバネ53によって係入付勢されるとともに、その後部に備えた操作アーム54によって、コイルバネ53の付勢に抗した係入解除方向への操作が可能となり、更に、その中間部に装着したバネ受けピン55を、揺動支点部材48に形成した凹部56に係入することで、係入解除方向への移動が阻止されるようになっている。 【0044】 摺動脚45は、揺動脚44の脚部材49に摺動可能かつ相対回動不能に内嵌される角パイプ57の一端に雌ネジ部58を固着装備するとともに、他端に支軸59を介して前後揺動可能に接地部材60を連結することで構成されている。 【0045】 駆動部46は、一端側に摺動脚45の雌ネジ部58に螺合する雄ネジ部61が形成された送り軸62の他端部を、支軸42とそれに外嵌する揺動脚44の揺動支点部材48とに、支軸42の軸心と直交する方向から貫通させるとともに、その貫通突出端に、他端部の支軸42及び揺動支点部材48からの抜けを阻止する抜止部63と、断面四角形状の被嵌合部64とが形成された抜止部材65を装着することで、支軸42及び揺動支点部材48に、送り軸62の軸心周りに相対回動可能に支持されている。 【0046】 操作部47は、一端が駆動部46の被嵌合部64に着脱自在に外嵌する角パイプ66の他端部から、角パイプ66の軸心と直交する方向に操作杆67を延出して構成され、又、駆動部46から取り外した状態では、その角パイプ66を、前部フレーム37に形成した四角形状で前後一対の係止孔68に挿通することができ、その挿通状態では、角パイプ66が、格納姿勢に切り換えたジャッキ43の遊端部を、摺動脚45の接地部材60を前部フレーム37の上部内面に接当させた状態で受け止め支持するとともに、操作杆67を、前部フレーム37の下端に近接して沿う状態にできるようになっている。つまり、前部フレーム37に形成した前後一対の係止孔68が、操作部47を介してジャッキ43を格納姿勢で保持する保持部として機能するようになっている。 【0047】 尚、揺動脚44の揺動支点部材48と駆動部46の送り軸62との間にはスラスト軸受69が介装され、操作部47の角パイプ66には、その前部フレーム37の係止孔68からの抜けを阻止するためのベーターピン70が着脱自在に装備されている。又、搭乗ステップ8及び前部フレーム37には、ジャッキ43を格納姿勢から作用姿勢に切り換えた状態での駆動部46に対する操作部47の取り付けを許容する開口71,72が形成されている。 【0048】 以上の構成から、モーア4に対する内部の清掃やブレード21の交換などのメンテナンスを行う際には、走行機体前方の降車位置において、先ず、前部フレーム37の係止孔68からジャッキ43の操作部47を抜き取り、次に、ジャッキ43の係止ピン52を前部フレーム37の第1係止孔50から抜き出して、ジャッキ43を格納姿勢から作用姿勢に切り換えるとともに、係止ピン52を前部フレーム37の第2係止孔51に係入して作用姿勢に位置決めした後、搭乗ステップ8及び前部フレーム37の開口71,72から操作部47を駆動部46に外嵌装着し、その操作部47を駆動部46の軸心周りに回動操作して、駆動部46のネジ送り作動で摺動脚45を下方に向けて摺動させるようにすれば、ジャッキ43が伸長して走行機体1の前部側を後輪3の車軸73を支点にして持ち上げるようになり、これに伴って、モーア4がその内部を前方に向けて開放する前上がり姿勢になることから、モーア4の内部に対するメンテナンスを、モーア4を走行機体1から取り外す手間を要することなく容易に行えるようになる。 【0049】 又、そのメンテナンスの終了後は、操作部47を駆動部46の軸心周りに回動操作して、駆動部46のネジ送り作動で摺動脚45を上方に向けて摺動させるようにすれば、ジャッキ43が収縮して後輪3の車軸73を支点にした走行機体前部側の持ち上げを解除するようになり、その持ち上げ解除後に、操作部47を駆動部46から取り外し、係止ピン52を前部フレーム37の第2係止孔51から抜き出して、ジャッキ43を作用姿勢から格納姿勢に切り換えるとともに、係止ピン52を前部フレーム37の第1係止孔50に係入して格納姿勢に位置決めし、その後、操作部47を前部フレーム37の係止孔68に挿通してベーターピン70で抜け止めすれば、ジャッキ43をガタツキのない安定した状態で格納姿勢に保持できるとともに、駆動部46から取り外した操作部47を、邪魔にならず、かつ、外観を低下させることのない目立たない位置に格納できる上に、操作部47の紛失を回避できるようになる。 【0050】 そして、ジャッキ43の格納姿勢ではジャッキ43が前部フレーム37内に格納されることから、ジャッキ43を格納姿勢に切り換えた通常状態において、ジャッキ43が外部に露出することによる外観の低下を回避できるとともに、格納姿勢に切り換えたジャッキ43がモーア4の昇降領域に入り込んでモーア4の昇降操作に支障をきたすようになる不都合を招くこともない。 【0051】 しかも、前部フレーム37の左右中間部にジャッキ43の揺動支点となる支軸42を配置したことで、ジャッキ43が、その作用姿勢では前部フレーム37の左右中間部において縦向きに起立する状態となり、又、その起立状態での伸縮作動で走行機体1の前部側を後輪3の車軸73を支点にして昇降させるようになり、更に、その走行機体1の昇降に伴うジャッキ43の前後方向への傾倒変位を、接地部材60を連結する支軸59が許容することから、左右バランスがよく機体重心の変位が少ない安定した状態で走行機体1の前部側を軽い操作力で容易かつ速やかに昇降させることができるようになる。 【0052】 図2及び図4〜8に示すように、搭乗ステップ8の上面には滑り止め用のゴムマット74が敷設され、このゴムマット74には、搭乗ステップ8及び前部フレーム37の開口71,72を覆う状態から開放する状態に捲り上げ可能な舌状部75が備えられ、これによって、ジャッキ43を使用しない通常時には、舌状部75によって搭乗ステップ8及び前部フレーム37の開口71,72を隠せることから、それらの開口71,72が露出することによる外観の低下を回避することができ、又、ジャッキ43を使用する際には、舌状部75を捲り上げるだけで、搭乗ステップ8及び前部フレーム37の開口71,72を開放することができて、それらの開口71,72からの駆動部46に対する操作部47の取り付けを速やかに行えるようになっている。 【0053】 尚、舌状部75に代えて、搭乗ステップ8の開口71に着脱自在に装着されることで搭乗ステップ8及び前部フレーム37の開口71,72を覆う状態となるキャップを設けるようにしてもよい。 【0054】 図5、図7及び図8に示すように、作用姿勢に切り換えたジャッキ43の駆動部46に操作部47を取り付けた状態において、ブレーキペダル24が非制動位置に位置する場合には、ブレーキペダル24が操作部47の操作杆67に干渉し、ブレーキペダル24が制動位置に位置する場合には、ブレーキペダル24が操作部47の操作杆67に干渉しないように構成されている。 【0055】 つまり、ロックペダル25でブレーキペダル24を制動位置に保持する駐車状態を現出した場合においてのみ、ジャッキ43の操作部47を回動操作することができて、ジャッキ43による走行機体前部側の持ち上げを行えるようになっており、これによって、ジャッキ43で走行機体1の前部側を持ち上げる際におけるブレーキの掛け忘れに起因した機体の不測変位を阻止できるようになっている。 【0056】 ところで、上述した草刈機において、左右の前輪2は、モーア4に装備されるブレード21の長さや配置などを考慮して、モーア4における左右の前輪2で踏み倒された草類のブレード21による刈り取りが行い易い領域内に位置するように配置設定した状態で固定装備されている。しかしながら、草刈機においては、モーア4をブレード21の長さや装備枚数の違いによって刈り幅の異なるものに付け替える場合があり、このようなモーア4の付け替えを、左右の前輪2を固定装備した上述の草刈機において行うと、左右の前輪2が、付け替えられたモーア4における左右の前輪2で踏み倒された草類のブレード21による刈り取りが行い易い領域から外れることに起因した、刈り取り性能の低下を招くことがある。 【0057】 そこで、図12に示すように、左右の前輪2を、前部フレーム37に対して左右方向に独立変位可能に装備して、連結されたモーア4における左右の前輪2で踏み倒された草類のブレード21による刈り取りが行い易い領域76内に容易に位置変更できるように構成して、モーア4の付け替えに起因した刈り取り性能の低下を回避できるようにしてもよい。 【0058】 尚、図12の(イ)に示す状態は、長さが比較的に短いブレード21を3枚装備したモーア4に対する適正領域(そのモーア4における左右の前輪2で踏み倒された草類のブレード21による刈り取りが行い易い領域)76内に左右の前輪2を配置した状態であり、又、図12の(ロ)に示す状態は、長さが比較的に長いブレード21を3枚装備したモーア4に対する適正領域76内に左右の前輪2を配置した状態である。 【0059】 〔別実施形態〕 以下、本発明の別実施形態を列記する。 (1)前部フレーム37としては、前輪2を支持するボス41を備えずに、機体フレーム7における左右の前後向きフレームにわたって架設されたものであってもよい。尚、この場合、前輪2を支持するボス41を左右の前後向きフレームの前端部などに備えるようにすればよい。 (2)ジャッキ43の格納姿勢では、ジャッキ43が前部フレーム37の直前方箇所又は直後方箇所で前部フレーム37に沿う状態となるように、ジャッキ43を前部フレーム37に装備するようにしてもよい。 (3)ロック具25として把持操作されるロックレバーを採用するようにしてもよい。 【図面の簡単な説明】 【図1】草刈機の全体側面図 【図2】草刈機の全体平面図 【図3】制動操作構造を示す走行機体の前部側平面図 【図4】ブレーキペダルが非制動位置に位置する状態を示す要部の縦断側面図 【図5】ブレーキペダルを制動位置に保持した状態を示す要部の縦断側面図 【図6】ジャッキを格納姿勢で保持した状態を示す走行機体の下部正面図 【図7】ジャッキを作用姿勢に切り換えて伸長させた状態を示す走行機体の下部正面図 【図8】ジャッキを作用姿勢に切り換えて伸長させた状態を示す草刈機の前部側側面図 【図9】ジャッキの構成を示す縦断正面図 【図10】ジャッキの位置決め構造を示す要部の横断平面図 【図11】操作部によるジャッキの格納姿勢での保持状態を示す要部の縦断側面図 【図12】前輪を位置変更可能に装備する場合の構成を示す要部の概略平面図 【符号の説明】 1 走行機体 2 前輪 3 後輪 4 モーア 24 ブレーキペダル 25 ロック具 37 前部フレーム 43 ジャッキ 47 操作部 68 保持部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成15年2月7日(2003.2.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2004−236616(P2004−236616A) |
| 【公開日】 |
平成16年8月26日(2004.8.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−31115(P2003−31115) |
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