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【発明の名称】 作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置
【発明者】 【氏名】宮原 英誌

【要約】 【課題】茶園管理ユニットをチェーンで吊っている茶園管理装置において、左右の脚部フレームを全体的に接離させて軌間幅を変更しても、作業高さは、そのまま維持できるようにした新規な茶畝跨走型茶園管理装置を提供する。

【解決手段】本発明の茶畝跨走型茶園管理装置1は、茶畝Aを跨いで走行する走行機ユニット2に対し、茶葉Aの摘採等を行う茶園管理ユニット3をチェーン等の吊持体210によって吊り下げて成り、軌間幅を変更するにあっては、走行機ユニット2の左右の脚部フレーム20Aを、上部を形成するデッキフレーム20Bに対して幅方向に、ほぼ等距離ずつ接離させて行うものであり、その際、脚部フレーム20Aの移動に伴う吊持体210の変移量分を、脚部フレーム20Aの移動そのものによって自動的に手繰るまたは繰り出すことにより相殺し、茶園管理ユニット3の高さをそのまま維持できるようにしたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶畝を跨いで走行する走行機ユニットと、茶葉の摘採ないしはその他の茶園管理を行う茶園管理ユニットとを具え、走行しながら適宜の茶園管理作業を行えるようにした装置であって、
前記茶園管理ユニットは、前記走行機ユニットからチェーン等の吊持体によって吊るした状態で取り付けられるものであり、
また前記走行機ユニットは、上部を形成するデッキフレームに対して左右の脚部フレームが幅方向に摺動自在に形成され、軌間幅を適宜変更できるように構成されて成り、
軌間幅を変更する際には、脚部フレームの移動に伴う吊持体の変移量分を、脚部フレームの移動そのものによって自動的に手繰るまたは繰り出すことにより吸収し、茶園管理ユニットの高さをそのまま保てるようにしたことを特徴とする作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置。
【請求項2】
前記走行機ユニットの軌間幅を変更するにあたっては、左右の脚部フレームをほぼ等距離ずつ接近または離反させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置。
【請求項3】
前記デッキフレームには、伸縮自在の摺動子を具えたシリンダが設けられ、この摺動子には、茶園管理ユニットを保持した吊持体の他端側が取り付けられることを特徴とする請求項1または2記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置。
【請求項4】
前記吊持体は、ローラチェーンであることを特徴とする請求項1、2または3記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶畝を跨いで走行しながら茶葉の摘採ないしはその他の茶園管理作業を行う茶畝跨走型の茶園管理装置に関するものであって、特に茶畝の仕立幅が異なる際、これに対応すべく茶園管理装置の軌間幅を変更した場合であっても、摘採等の作業高さを維持できるようにした新規な茶畝跨走型茶園管理装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】
近時、茶畝を跨いで走行しながら茶葉の摘採ないしは、その他の茶園管理作業を行う茶園管理装置が開発されている。このものは茶畝を跨いで走行する走行機ユニットに対して、茶葉の摘採、剪枝、施肥・防除等の茶園管理を行う茶園管理ユニット及びこれらの駆動源となる原動機等を搭載して成るものである。このうち作業者が走行機ユニットに搭乗し、操縦をしながら適宜の茶園管理作業を行う、いわゆる乗用式のものが普及している。
【0003】
ところで実際の茶園の状況をみると、営農者ごと茶園の地形が異なり、茶畝の幅もその地形に応じて、あるいは営農者の意図するところによって、それぞれ異なって仕立てられている。このようなことから、上記茶園管理装置においては、異なる茶畝幅に対応すべく、軌間幅を変更できる機能が要求されている。また茶園管理装置においては、このような軌間幅可変機能に加え、種々の茶畝の高さに対応すべく、茶園管理ユニットの高さ、つまり作業高さを変更できる機能も要求されている。
【0004】
そして作業高さ可変機構の一つとして、走行機ユニットから茶園管理ユニットをチェーンによって吊り下げ、このチェーンを適宜、手繰ったり繰り出したりして高さの変更を行うものがある。
一方、幅可変機構としては、走行機ユニットの左右部分となる脚部フレームが全体的に可動するものと、脚部フレームは可動せずクローラ等の走行体のみが可動するものとがある。
【0005】
このうち作業高さ可変機構に関してみると、チェーン吊り下げ式のものは、主要部材がチェーンと、これを巻回するためのスプロケットと、茶園管理ユニットの高さを変更するためにチェーンを手繰ったり繰り出したりするシリンダ等であり、比較的少ない部材で構成することができる点でメリットがあった。またこの方式は、チェーンやスプロケット等の配設態様も自由度が高く、更に堅牢であること等においても非常に有効な手法であった。
しかしながら、このチェーン吊り下げ式のものにおいても、幅可変機構によっては、更なる改良が必要とされていた。すなわち脚部フレームが全体的に移動して幅を変更するものでは、脚部フレームの移動に伴い、茶園管理ユニットを吊持しているチェーンが緩む、または緊張することになり、これに応動して茶園管理ユニットの高さが変わってしまうことがあった。もちろんチェーン吊り下げ式を採用した装置であっても、脚部フレームの幅が不変であって、走行体のみが移動するものは、上述した不都合が生じないため有用であった。
【0006】
しかしながら、走行体のみが移動するものは、走行体を畝間に正確に位置させることができても、脚部フレームは動かないため畝幅に対応して調整できず、従って作業中、脚部フレームが畝裾側の茶樹に接触することがあり、必ずしも茶園管理作業が円滑に行えないことがあった。逆に言えば、脚部フレームが全体的に移動するものは、脚部フレームや走行体を正確に畝間に位置させることができ、茶樹との干渉がほとんどない点で好ましいものであった。
このため脚部フレームを全体的に移動させるタイプのメリットを評価して、幅可変機構に関しては、この方式を採用することを前提とし、その場合でも軌間幅変更後の作業高さの再調整が不要となる吊り下げ機構が求められていた。
【0007】
【開発を試みた技術的課題】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、茶園管理ユニットをチェーン等で吊っている茶園管理装置において、左右の脚部フレームを全体的に接近または離反させて軌間幅を変更しても、茶園管理ユニットの作業高さは、そのまま維持できるようにした新規な茶畝跨走型茶園管理装置の開発を試みたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置は、茶畝を跨いで走行する走行機ユニットと、茶葉の摘採ないしはその他の茶園管理を行う茶園管理ユニットとを具え、走行しながら適宜の茶園管理作業を行えるようにした装置であって、前記茶園管理ユニットは、前記走行機ユニットからチェーン等の吊持体によって吊るした状態で取り付けられるものであり、また前記走行機ユニットは、上部を形成するデッキフレームに対して左右の脚部フレームが幅方向に摺動自在に形成され、軌間幅を適宜変更できるように構成されて成り、軌間幅を変更する際には、脚部フレームの移動に伴う吊持体の変移量分を、脚部フレームの移動そのものによって自動的に手繰るまたは繰り出すことにより吸収し、茶園管理ユニットの高さをそのまま保てるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、軌間幅を変更しても、茶園管理ユニットの高さはそのまま維持できるので、茶園管理装置の使い勝手が更に向上し、摘採等を始めとした適宜の茶園管理作業が効率的に行える。
【0009】
また請求項2記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置は、前記請求項1記載の要件に加え、前記走行機ユニットの軌間幅を変更するにあたっては、左右の脚部フレームをほぼ等距離ずつ接近または離反させるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、茶園管理ユニットの高さを保ったまま軌間幅を変更する構造が比較的容易に構成できる。
【0010】
更にまた請求項3記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記デッキフレームには、伸縮自在の摺動子を具えたシリンダが設けられ、この摺動子には、茶園管理ユニットを保持した吊持体の他端側が取り付けられることを特徴として成るものである。
この発明によれば、摺動子を適宜伸長または収縮させることで、必要に応じて茶園管理ユニットの高さ調整を行うことができる。またその操作は、シリンダの摺動子の伸縮によるものであるため、簡単且つ確実に行える。
【0011】
また請求項4記載の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記吊持体は、ローラチェーンであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、茶園管理ユニット等の荷重によって吊持体が伸びたり、縮んだりする心配がほとんどなく、また茶園管理ユニットの高さを変更するために摺動子を伸縮させた場合、その繰り出しや手繰りを確実に伝達することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。まず符号1が本発明の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置であって、このものは図1〜3にその全体構成を示すように、大別すると茶畝Aを跨いで走行する走行機ユニット2と、この走行機ユニット2に対して搭載され、摘採を始めとする茶園管理作業を直接行う茶園管理ユニット3とを具えて成るものである。
そして、この茶園管理装置は、走行機ユニット2から茶園管理ユニット3をチェーン等で吊り下げ状態に取り付けて成るものであるが、摘採高さ等の作業高さを維持したまま、軌間幅を変更できるようにしたものである。このため本発明の茶園管理装置は、例えば同一の茶園において茶畝Aの仕立幅が異なる場合等に適している。逆に言えば、従来の茶園管理装置は、軌間幅を変更すると、これに伴い作業高さも変わってしまうため、高さ寸法をそのまま維持したい場合であっても、軌間幅の変更後、再設定することを余儀なくされ、これが煩わしい作業となっていた。
以下、走行機ユニット2と茶園管理ユニット3について説明する。
【0013】
走行機ユニット2は、茶畝Aを跨いで走行できるようにするために走行方向から見て、ほぼ門形を成すフレーム20を機枠部材とする。このフレーム20は、茶畝A間に立ち上がるように位置する左右の脚部フレーム20Aと、その脚部フレーム20Aの上部をほぼ水平に連結するデッキフレーム20Bと、更に脚部フレーム20Aの一部に対し昇降自在に取り付けられる昇降ブラケット20Cとを具えて成る。なお本実施の形態では、デッキフレーム20Bは、側面から視て前方が低い、略段差状に形成される。また本明細書に記載する左右とは、茶園管理装置を背面から視た場合、すわなち作業者が後述する操縦席22に座った状態での左右とする。
【0014】
また脚部フレーム20Aとデッキフレーム20Bとは、入れ子状構造を採り、これによって軌間幅を変更できるようにしている。具体的には脚部フレーム20Aの上側前部及び後部が茶園管理装置の内側に突出する梁状に形成されるとともに、デッキフレーム20Bの前後端がパイプ状に形成され、脚部フレーム20Aの梁状部分を受け入れ得るように形成される。そして脚部フレーム20Aを適宜幅方向にスライドさせることで軌間幅の変更が行えるように構成されている(図3の拡大図及び図4参照)。因みにここでは脚部フレーム20Aとデッキフレーム20Bとも断面が角パイプ状に形成されている。
【0015】
また脚部フレーム20Aの先端部、すなわちデッキフレーム20Bに差し込まれる端部側には、メネジブロック部200が形成され、ここには一端(左側)にスプロケット202を有したユニットネジ201が螺合される。つまりユニットネジ201を回転させることでメネジブロック部200を装置の幅方向に摺動させ、脚部フレーム20Aをスライドさせるのである。
なおユニットネジ201には左右にピッチ、リード、条数等は同じであるが、逆方向のオネジが形成されるものであり、ここをオネジ部203とする。そして、左右のオネジ部203に対し、左右の脚部フレーム20Aのメネジブロック部200が各々螺合される。このような構成を採ることで、本実施の形態では、一本のユニットネジ201の回転によって左右の脚部フレーム20Aをほぼ等距離ずつ接近または離反させるようにしている。
【0016】
もちろん脚部フレーム20Aの幅方向スライドは、前後同調して同時に行われるものである。このためここでは、一例として図1、2に示すように、左側の脚部フレーム20Aのほぼ中央部にスプロケット204を二重に設け、ここから前後に設けられるユニットネジ201のスプロケット202にチェーン205、206を巻回し、スプロケット204の回転を前後のユニットネジ201に伝達している。
【0017】
また例えば左側の脚部フレーム20Aのメネジブロック部200には、茶園管理ユニット3を吊るチェーン等の吊持体210の端部が取り付けられる。ここで吊持体210をメネジブロック部200に止めているものを取付体207とする。なお、この取付体207もメネジブロック部200の摺動に伴ってスライドするため、この動きを阻害しないようにデッキフレーム20Bには切り欠き208が形成されている(図1参照)。
【0018】
なお茶園管理ユニット3を吊る吊持体210としては、ローラチェーン等のチェーンの他、ワイヤロープ、あるいは吊持体210に作用する荷重に対して伸長、収縮をほとんど生じない高強度の紐やロープ等の適用が可能である。このうち、吊持体210としてはズレ、伸長、収縮がほとんどなく、確実にテンションを伝達し得る点、つまり繰り出しや手繰りが正確に行える点でローラチェーンが好ましい。
また本実施の形態では、脚部フレーム20Aをデッキフレーム20Bに挿入する二重嵌め合い構造を採るため、デッキフレーム20Bは軌間幅のほぼ最大幅に設定される。
【0019】
そして前記脚部フレーム20Aの下端には一例としてクローラを適用した走行装置21を設ける。この走行装置21は、上述したクローラに限らず茶畝A間の畑地を過剰に押し付けないような空気タイヤ、あるいは茶畝A間にレールが敷設されている場合はレール上を転動する車輪等、適宜の手段がとり得る。また走行機ユニット2の運転形式としては乗用式の他、自動運転による自走式のものであってももちろん構わない。また昇降ブラケット20Cの昇降シフト機構については後述するが、ここでは一例として茶園管理ユニット3を吊った吊持体210を、油圧シリンダ211等の伸縮によって適宜手繰ったり繰り出したりして昇降制御を行うものである。
【0020】
更に前記デッキフレーム20Bの上部には操縦席22を設けるものであり、その近傍に操縦のためのコントロールボックス23を設ける。また操縦席22の側傍には例えばディーゼルエンジン等を適用した原動機24を搭載するものであり、一例としてこの原動機24により図示を省略する油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプにより供給される作動油によって油圧モータを駆動し、軌間幅を変更する際のスプロケット204の駆動や、前記走行装置21の駆動、あるいは茶園管理ユニット3の駆動、例えばそれが摘採機であれば刈刃30の駆動、更には前記昇降ブラケット20Cの昇降シフトを担う油圧シリンダ211等の駆動を行うものである。
【0021】
更にまた図示の実施の形態にあっては茶園管理ユニット3として一例として摘採機を適用したことから、摘採した茶葉A(茶畝Aと同一の符号を付す)を風送するためのファン25を一例として二基、前記デッキフレーム20B上に設けるものであって、例えばこれは直接、原動機24の回転により駆動される。そしてファン25からはダクト26を介して圧力風が茶園管理ユニット3側に供給される。なお符号26Aはダクト26の一部を構成するフレキシブルダクトであり、このものは茶園管理ユニット3が茶畝Aの高さに応じて適宜の高さに設定されることから、その位置の変化に対応できるように必要上とられる構成である。
また摘採機自体にエンジン、ファンを搭載する形式の茶園管理ユニット3を使用する場合には、上記原動機24、ファン25、ダクト26等の部材は必ずしも必須の構成とならないことはもちろんである。
【0022】
次に茶園管理ユニット3について説明する。茶園管理ユニット3としては摘採機の他、剪枝機や薬剤散布機等が適用できるが、このうち摘採機を適用した場合の主要部材について説明する。まず符号30は前述した刈刃であって、二枚の上下一対に組み合わせた長杆状の部材に多数の歯を形成し、この上下一対の刈刃を往復摺動させることにより摘採を行ういわゆるバリカン式の刈刃が適用できる。もちろんここに適用する刈刃30は、このようないわゆるバリカン式のものでなくてもよく、例えばロータリー式の回転刃であっても差し支えない。なおこの刈刃30の駆動にあたっても、前述したようにデッキフレーム20Bに搭載された原動機24によって駆動される油圧モータによる動力を受けて駆動することが可能であり、望ましい実施の形態と言える。
【0023】
この刈刃30の前方上方には多数の分岐管を有する風送管31が設けられる。摘採作業時にはこの風送管31から前記ファン25によって生起された移送風が供給されて茶葉Aを後方に移送するものである。そして前記刈刃30の直接後方には案内フレーム32があり、この案内フレーム32を下面部材としてそれを取り囲むように案内胴33が形成される。更にこの案内胴33の後方にはトンネル状の中継胴35が設けられている。
【0024】
中継胴35は、その幅方向中央が仕切られ、一例として後部開口側にフック36が取り付けられるものであり、このフック36を利用して中継胴35に二つの茶袋5が係止される。このような中継胴35の更に後方には茶袋5を受けるための袋台37が設けられる。なおこの袋台37自体は走行機ユニット2の本体部分に対し後方に大きく張り出すものであるから、格納あるいは着脱の便を考慮して後述する変位支持フレーム6に対して設けられる着脱容易な簡易な支持構造と、上方に跳ね上がる方式の格納構造とによって支持される構成となっている。
【0025】
また案内胴33の後方には、一例として茶園管理ユニット3を幅方向に摺動自在に支持する変移支持フレーム6と、軌間幅の変更に伴い茶園管理ユニット3を自動的に中央寄せする自動調心機構7とを具えて成るものである。
変移支持フレーム6は、例えば茶園管理ユニット3を上下方向から囲むように形成されたフレーム部材が、昇降ブラケット20Cに対して接近離反自在に設けられるものである。
【0026】
また自動調心機構7は、軌間幅の変更に伴う脚部フレーム20Aの茶畝幅方向の動きに連動し、脚部フレーム20Aの移動量と移動方向に基づき、自動的に変位支持フレーム6の変位量及び変位方向を定め、変位支持フレーム6の両端における脚部フレーム20Aとの距離が常に等しくなるように変位支持フレーム6ひいては茶園管理ユニット3をセンタリングする機構である。なお変位支持フレーム6及び自動調心機構7について、これ以上の説明は省略し、本出願人に係る特開2002−272241「自動調心機構を具えた茶畝跨走型茶園管理装置」を援用するものである。
なおここでは、軌間幅を変更する際、左右の脚部フレームを、ほぼ等寸法ずつ接近離反させるようにしており、このため茶園管理ユニット3のセンターは実質的にずれることがなく、常に装置の中心に位置させることが可能であるため、上記変移支持フレーム6や自動調心機構7等は必ずしも必須の構成要素ではない。
【0027】
次に中継胴35の左右両側における昇降ブラケット20Cについて説明する。昇降ブラケット20Cには、適宜コロ213が設けられ、このものが脚部フレーム20Aに沿って転接しながら茶園管理ユニット3を上下動させている。そして本実施の形態では、昇降ブラケット20Cがチェーン等の吊持体210によって吊られており、この吊持体210の吊り方(巻回態様)について更に説明する。
【0028】
まず吊持体210を巻回するための部材について説明すると、デッキフレーム20Bの背面側にプーリー作用を担う二つのスプロケット214、215が左右に取り付けられる。このうち左側のスプロケット214は、回転中心が幅方向に一定距離、往復できるように油圧シリンダ211の摺動子212に取り付けられる。なおこの摺動は、茶園管理ユニット3の高さを変更する際に行うものであり、茶園管理ユニット3の高さを維持したい場合には、作動させないものである。一方、右側のスプロケット215は回転中心が固定状態に設けられるものである。
【0029】
なおデッキフレーム20Bに設けられる左右のスプロケット214、215は、各々、前後方向に二個連設され、これは左側の昇降ブラケット20Cを吊る吊持体210に作用するものと、右側の昇降ブラケット20Cを吊る吊持体210に作用するものとに区別できる。なおこれらのスプロケットを前後において区別する場合には、前側のものを214F、215Fとし、後側のものを214B、215Bとして区別する。
また左右の脚部フレーム20Aの肩部背面側にもプーリー作用を担うスプロケット216、217が取り付けられる。これは左右の脚部フレーム20Aに対し一個ずつ設けられるものである。
【0030】
次に吊持体210の巻回態様について説明する。左側の昇降ブラケット20Cを吊る吊持体210は、順次、左側の脚部フレーム20Aのスプロケット216、デッキフレーム20Bのスプロケット215F、油圧シリンダ211のスプロケット214Fに巻回された後、左側のメネジブロック部200に取り付けられる。すなわち左側の昇降ブラケット20Cを吊る吊持体210は、まずそのまま上方に向かうように張られた後、左側の脚部フレーム20Aのスプロケット216から装置の内側に向かうように張られ、その後、デッキフレーム20Bのスプロケット215Fにおいて左側の脚部フレーム20Aに向かうように張られ、油圧シリンダ211のスプロケット214Fで更に約180度反転させられ、メネジブロック部200に取り付けられるものである。
【0031】
一方、右側の昇降ブラケット20Cを吊る吊持体210は、順次、右側の脚部フレーム20Aのスプロケット217、デッキフレーム20Bのスプロケット215B、油圧シリンダ211のスプロケット214Bに巻回された後、左側のメネジブロック部200に取り付けられる。すなわち右側の昇降ブラケット20Cを吊る吊持体210は、まずそのまま上方に向かうように張られた後、右側の脚部フレーム20Aのスプロケット217から装置の内側に向かうように張られ、その後、デッキフレーム20Bのスプロケット215Bに接するように張られた後、油圧シリンダ211のスプロケット214Bで約180度反転させられ、メネジブロック部200に取り付けられるものである。
【0032】
本発明の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下この装置において、茶園管理ユニット3の高さを変えずに、軌間幅のみを変更する態様について説明する。なお説明にあたっては、軌間幅を広げる場合、すなわち脚部フレーム20Aを離反させる場合について説明する。なお本実施の形態では、左右の脚部フレーム20Aをほぼ等距離ずつ移動(離反)させて、軌間幅の変更を行うため、まずこの離反態様から説明する。
【0033】
(1)脚部フレームの離反態様
左右の脚部フレーム20Aを離反させるには、まずスプロケット204を駆動させ、この回転をチェーン205、206によってスプロケット202に伝達し、前後のユニットネジ201を同時に回転させる。このユニットネジ201には、上述したように、左右のオネジ部203に、左右の脚部フレーム20Aのメネジブロック部200が各々螺合されているため、ユニットネジ201の回転に伴いメネジブロック部200つまり左右の脚部フレーム20Aが摺動する。ここで左右のオネジ部203には、ピッチ、リード、条数等は同一であるが、逆向きのネジが切られているため、左右の脚部フレーム20Aは、ほぼ等距離ずつ離反することになる(図4参照)。なお図中符号209は、デッキフレーム20Bにおいてユニットネジ201を回転自在に支持する軸受である。
【0034】
(2)茶園管理ユニットの高さを維持しながら軌間幅のみを変更する態様
このように、本実施の形態では、左右の脚部フレーム20Aを同じ距離ずつ離反させて、軌間幅を広げるものであり、この様子を一例として図5に示す。なお本図では、脚部フレーム20Aとデッキフレーム20Bを便宜上、幾分ずらして描いている。ここで図中Aは、左側のメネジブロック部200(取付体207)の移動量を示すものであり、これは左右の昇降ブラケット20Cを吊っている吊持体210を伸ばす方向、すなわち茶園管理ユニット3を下げる方向に作用する。また図中B、Cは、それぞれ左右の脚部フレーム20Aのスプロケット216、217の移動量を示している。ここでBは、左側の脚部フレーム20Aの移動量に一致し、左側の昇降ブラケット20Cを吊っている吊持体210を手繰る方向、すなわち茶園管理ユニット3を上げる方向に作用する。またCは、右側の脚部フレーム20Aの移動量に一致し、右側の昇降ブラケット20Cを吊っている吊持体210を手繰る方向、すなわち茶園管理ユニット3を上げる方向に作用する。
【0035】
ここで上述したように、左右の脚部フレーム20Aの離反距離(移動量)を一致させているため(A=B=C)、脚部フレーム20Aの移動に伴う吊持体210の変移量は、脚部フレーム20Aの変移そのものによって相殺され、茶園管理ユニット3の高さは変わらないものである。逆に言えば、本発明では脚部フレーム20Aの移動に伴う吊持体210の変移量分を、脚部フレーム20Aの移動そのものによって自動的に手繰る、または繰り出すことにより吸収し、茶園管理ユニット3の高さをそのまま保てるようにしている。
なおここでは左右の脚部フレーム20Aを離反させる場合について説明したが、接近させる場合も同様である。
【0036】
このように茶園管理ユニット3の高さを維持したまま軌間幅を変更したい場合には、油圧シリンダ211を作動させないものであり、例えば軌間幅を変更した後、作業高さを変えたいときには、油圧シリンダ211の摺動子212を適宜伸縮させて、茶園管理ユニット3の高さ設定を行うものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、従来煩わしい作業とされていた軌間幅の変更に伴う茶園管理ユニット3の高さ修正が不要となり、作業効率の大幅な向上が図れる。
また軌間幅を変更する際、左右の脚部フレーム20Aを等距離ずつ接近離反させることで、茶園管理ユニット3の高さを保ちながら軌間幅のみを変更する構造が比較的容易に構成できる。
更に茶園管理ユニット3を吊っている吊持体210を適宜手繰ったり、繰り出したりできる油圧シリンダ211を具えることで、茶園管理ユニット3の高さ設定も容易に行え、効率的な茶園管理作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業高さ維持機能を具えた茶畝跨走型茶園管理装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同上側面図である。
【図3】同上背面図である。
【図4】入れ子状に形成された脚部フレームとデッキフレームとの様子を茶園管理装置の後方側から視た骨格的断面図である。
【図5】軌間幅を広げた際の左側脚部フレームのメネジブロック部の変移と、左右の脚部フレームに設けられたスプロケットの変移の様子を、茶園管理装置の後方側から視た骨格的背面図である。
【符号の説明】
1 茶畝跨走型茶園管理装置
2 走行機ユニット
3 茶園管理ユニット
5 茶袋
6 変位支持フレーム
7 自動調心機構
20 フレーム
20A 脚部フレーム
20B デッキフレーム
20C 昇降ブラケット
21 走行装置
22 操縦席
23 コントロールボックス
24 原動機
25 ファン
26 ダクト
26A フレキシブルダクト
30 刈刃
31 風送管
32 案内フレーム
33 案内胴
35 中継胴
36 フック
37 袋台
200 メネジブロック部
201 ユニットネジ
202 スプロケット(ユニットネジ端部)
203 オネジ部
204 スプロケット(ユニットネジ駆動用)
205 チェーン
206 チェーン
207 取付体
208 切り欠き
209 軸受
210 吊持体
211 油圧シリンダ
212 摺動子
213 コロ
214 スプロケット(油圧シリンダ)
214F スプロケット(前側)
214B スプロケット(後側)
215 スプロケット(デッキフレーム)
215F スプロケット(前側)
215B スプロケット(後側)
216 スプロケット(左側の脚部フレーム)
217 スプロケット(右側の脚部フレーム)
A 茶畝(茶葉)
【出願人】 【識別番号】000104375
【氏名又は名称】カワサキ機工株式会社
【出願日】 平成15年1月31日(2003.1.31)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦

【公開番号】 特開2004−229588(P2004−229588A)
【公開日】 平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願番号】 特願2003−24012(P2003−24012)