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【発明の名称】 携帯式動力刈払機
【発明者】 【氏名】山田 策次

【要約】 【課題】背負い式の動力刈払機において、簡単な構成により、特に左右に大きく傾斜する地表の刈払い作業を行なうような場合の刈払い作業性をさらに向上させる。

【解決手段】先端部に回転作業体5を支持した操作管4と、背負い枠1に支持した動力源2と、この動力源2に一端が連結され、上記操作管4の基端部に他端が連結された可撓管3と、この可撓管3ないし上記操作管4に通挿され、上記動力源2の回転出力を上記回転作業体5に伝達してこれを回転させるとともに、少なくとも上記可撓管3に通挿される部分は可撓性を備えている伝動軸20とを備える携帯式動力刈払機Aにおいて、上記操作管4の適部には、右手用のグリップハンドル45Rと、左手用のグリップハンドル45Lとが設けられており、かつ、上記操作管4の適部にはまた、上記右手用のグリップハンドル45Rを把持した右手の前腕を受け止めることができる肘当て部材9が、上記操作管4の軸線周りの回転位置を調整可能に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に回転作業体を支持した操作管と、背負い枠に支持した動力源と、この動力源に一端が連結され、上記操作管の基端部に他端が連結された可撓管と、この可撓管ないし上記操作管に通挿され、上記動力源の回転出力を上記回転作業体に伝達してこれを回転させるとともに、少なくとも上記可撓管に通挿される部分は可撓性を備えている伝動軸とを備える携帯式動力刈払機において、
上記操作管の適部には、右手用のグリップハンドルと、左手用のグリップハンドルとが設けられており、かつ、
上記操作管の適部にはまた、上記右手用のグリップハンドルを把持した右手の前腕を受け止めることができる肘当て部材を、上記操作管の軸線周りの回転位置を調整可能に設けられていることを特徴とする、携帯式動力刈払機。
【請求項2】
上記肘当て部材は、底壁部と、左右壁部とを有し、作業者の前腕がすっぽりとはまり込む略U字状をした肘受け部を備えている、請求項1に記載の携帯式動力刈払機。
【請求項3】
上記操作管には、筒状部材が回転可能に套嵌されているとともに、この筒状部材に上記肘当て部材が支持されている、請求項1または2に記載の携帯式動力刈払機。
【請求項4】
上記筒状部材と上記操作管ないしこれと一体的な部材との間には、上記筒状部材を所定の回転角度毎に係止しうる段階係止手段が設けられている、請求項3に記載の携帯式動力刈払機。
【請求項5】
上記段階係止手段は、上記筒状部材と上記操作管ないしこれと一体的な部材との一方に複数の第1係合部が形成されているとともに、他方に上記複数の第1係合部のいずれかに係合可能な第2係合部が形成されて構成されている、請求項4に記載の携帯式動力刈払機。
【請求項6】
上記筒状部材は上記操作管に対してその軸線方向に移動可能であるとともに、常時上記操作管と一体的な部材に向けて弾力付勢されている、請求項5に記載の携帯式動力刈払機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、地表に生育する雑草等の草木をその根元付近から刈払う作業に用いる携帯式動力刈払機に関し、より詳しくは、小型ガソリンエンジン等の動力源を背負い枠に支持したタイプの携帯式動力刈払機に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば特許文献1には、この種の携帯式動力刈払機において、操作管の振回操作を容易に行なうべく、操作管の基端部に、この操作管に設けたグリップハンドルを把持する腕の肘部を支持する肘当て部材が設けられた構成が開示されている。また、肘当て部材の構成としては、本願の図7に示されるようなものも、一般的である。すなわち、この種の携帯式動力刈払機100は、図7に示すように、背負い枠101に支持した動力源としての小型ガソリンエンジン102と、先端部に回転作業体としての回転刃105を支持した操作管104と、この操作管104の基端部と上記エンジン102とをつなぐ可撓管103と、上記エンジン102の出力軸に連結され、上記可撓管103ないし操作管104に通挿されてエンジン102の回転力を上記回転刃105に伝達する伝動軸とを備える。この伝動軸は、少なくとも可撓管103に通挿されている部分は可撓性を備えている。操作管104には、これを振回操作するためのグリップハンドル145が装備される。
【0003】
グリップハンドル145は、操作管104の比較的後端側において右方向に延出する右手用のグリップハンドル145Rと、この右手用グリップハンドル145Rに対して前方に離れた部位において左方向に延出する左手用のグリップハンドル145Lとを備える。さらに、右手用のグリップハンドル145Rの後方に位置する部位に、右前腕の基部(肘のあたり)を受け止める肘当て部材109が操作管104に固定されている。この肘当て部材109は、底壁部191aと左右壁部191b,191cとをもち、肘がすっぽりとはまり込む上開きU字状の肘受け部191を備えており、軽量化の要請等から、樹脂成形物によって形成されている。
【0004】
作業者は、右前腕基部(右肘)を上記の肘当て部材109に受け止めさせた状態において手の甲を下にするようにして上記右手用グリップハンドル145Rを右手で把持する一方、上記左手用グリップハンドル145Lを左手で把持することによって操作管104を保持する。操作管104の方向性は、右前腕によってほぼ決定される。操作管104は、右手用グリップハンドル145Rと肘当て部材109の2箇所において右前腕に支持され、しかも、肘当て部材109においては、その左右壁部191b,191cによって肘に対する操作管104の左右方向の動きが拘束されるからである。この状態において、肘を支点として右前腕を上下方向に動かし、左腕でこの動きを助成することにより、操作管104の上下方向の揺動操作を楽に行なえる。また、右前腕を左右に振り、左腕で助成することにより、操作管104を左右方向に振回する操作も容易に行なえる。
【0005】
【特許文献1】
実公昭51−4187号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、刈払い作業を行なうべき地表は、水平とは限らず、場合によっては、土手等の斜面のように大きく傾斜し、かつその落差が大きい場合がある。この場合、作業者は、土手の下から、斜面を左に見て操作管104の先端を大きく持ち上げるようにしつつ、かつ回転刃105を斜面に沿わせながら、操作管104を斜面に沿って振回するという操作をする必要がある。より具体的には、操作管104を、回転刃105を斜面に沿わせながら、右下方向から左上方向へ振り上げ、ついで左上方向から右下方向へ振り下げるといった操作を繰り返すことになる。
【0007】
従来においては、上記肘当て部材109は操作管104に対して固定されているので、特に上記のように右下方向から左上方向へ操作管104を振り上げる操作をする際、操作管104からの反力をうまく右肘に受け止めさせることができないという問題があった。すなわち、上開きU字状をした上記の肘受け部191が、回転刃105を斜面に沿わせるがために操作管104を軸転させることにより、右方向に傾いた姿勢をとることになり、その結果、この肘受け部191の右壁部191cが上記の反力のすべてを受けることになる。しかしながら、上記したように、肘当て部材109(肘受け部191)は、刈払機の軽量化等の要請から、ある程度の変形が不可避の樹脂成形物によって形成されているのであり、上記のような場合に肘から受ける大きな反力を適正に受け止めることができないからである。
【0008】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、背負い式の動力刈払機において、簡単な構成により、特に左右に大きく傾斜する地表の刈払い作業を行なうような場合であっても、操作管の操作をより適正に行なうことができるようにし、あらゆる場面での刈払い作業性をさらに向上させることをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の各技術的手段を採用した。
【0010】
すなわち、本願発明によって提供される携帯式動力刈払機は、先端部に回転作業体を支持した操作管と、背負い枠に支持した動力源と、この動力源に一端が連結され、上記操作管の基端部に他端が連結された可撓管と、この可撓管ないし上記操作管に通挿され、上記動力源の回転出力を上記回転作業体に伝達してこれを回転させるとともに、少なくとも上記可撓管に通挿される部分は可撓性を備えている伝動軸とを備える携帯式動力刈払機において、
上記操作管の適部には、右手用のグリップハンドルと、左手用のグリップハンドルとが設けられており、かつ、
上記操作管の適部にはまた、上記右手用のグリップハンドルを把持した右手の前腕を受け止めることができる肘当て部材を、上記操作管の軸線周りの回転位置を調整可能に設けられていることを特徴としている。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記肘当て部材は、底壁部と、左右壁部とを有し、作業者の前腕がすっぽりとはまり込む略U字状をした肘受け部を備えている。
【0012】
好ましい実施の形態においてはまた、上記操作管には、筒状部材が回転可能に套嵌されているとともに、この筒状部材に上記肘当て部材が支持されている。
【0013】
好ましい実施の形態においてはさらに、上記筒状部材と上記操作管ないしこれと一体的な部材との間には、上記筒状部材を所定の回転角度毎に係止しうる段階係止手段が設けられている。
【0014】
好ましい実施の形態においてはまた、上記段階係止手段は、上記筒状部材と上記操作管ないしこれと一体的な部材との一方に複数の第1係合部が形成されているとともに、他方に上記複数の第1係合部のいずれかに係合可能な第2係合部が形成されて構成されている。
【0015】
好ましい実施の形態においてはさらに、上記筒状部材は上記操作管に対してその軸線方向に移動可能であるとともに、常時上記操作管と一体的な部材に向けて弾力付勢されている。
【0016】
本願発明に係る携帯式動力刈払機においては、肘当て部材が、操作管の軸線周りの所望の回転位置をとるように調整可能である。操作管は、右手用のグリップハンドルを右手で把持し、右前腕を肘当て部材に支持させることにより、右腕の2点において支持させることになる。このことは、操作管の方向性は、右前腕によってほぼ規定されることになる。たとえば、左上がりの落差の大きい傾斜地の刈払い作業を行なう場合、平地の刈払い作業をする場合に比較し、回転刃を斜面に沿わせる必要から、操作管をやや右方向に軸転させる必要がある。このような場合、操作管を左上方向に大きく振り上げる場合、肘受け部には、作業者の右前腕から大きな反力を受けるが、本願発明では、肘受け部を、上記のような反力を効果的に受け止めることかできる回転姿勢をとるように位置調整が可能である。したがって、本願発明によれば、どのような場合であっても、軽快かつ効果的な操作管の振回操作が可能となり、刈払いの作業性を大きく向上させることができる。
【0017】
本願発明のその他の特徴および利点については、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0019】
図1は、本願発明の第1の実施形態に係る携帯式動力刈払機Aの全体構成を示す。この刈払機Aは、背負い枠1に支持された小型ガソリンエンジン等の動力源2と、基端側第1端部31が動力源2に連結された可撓管3と、この可撓管3の先端側第2端部32に基端部41が連結された操作管4と、この操作管4の先端に支持された回転作業体としての回転刃5とを備える。なお、可撓管3ないし操作管4には、図2に示すように、動力源2の回転動力を回転刃5に伝達するための伝動軸20が通挿されている。
【0020】
背負い枠1は、図1に示すように、作業者の背中に当接される起立部11と、この起立部11の下端から水平方向後方に延出するエンジン載置部12とを備え、パイプ部材を用いるなどして形成されている。この背負い枠1はまた、適当なバンド部材13が付属しており、たとえばリュックサックを背負うのと同様にして作業者に装着することができるようになっている。
【0021】
上記動力源としてのエンジン2は、上記エンジン載置部12に載るような格好で、かつ、垂直方向の軸線を中心として回転することができるようにして、背負い枠1に支持されている。
【0022】
上記のエンジン2の出力軸は、水平方向を向いて延出する。すなわち、エンジン2には、図2に示すように、クラッチハウジング21が一体的に取付けられており、このクラッチハウジング21には、クラッチドラム軸22がベアリング23を介して軸転可能に支持されている。クラッチドラム24は、図示しないクラッチシューと協働して遠心クラッチを構成し、スロットルレバー(図示略)を操作するなどしてエンジン2の回転数を所定以上に上げるとこの遠心クラッチによりエンジン2の回転出力がクラッチドラム24に伝達され、そしてクラッチドラム軸22を回転させる。
【0023】
上記のエンジン2には、上記可撓管3の第1端部31が連結されるとともに、可撓管3ないし操作管4に通挿される伝動軸20が上記のクラッチドラム軸22に連結されるが、本実施形態では、上記可撓管3の第1端部31は、エンジン2の出力軸周りに回転可能な剛性湾曲管6を介してエンジン2に連結される。
【0024】
上記剛性湾曲管6は、エンジン側の基端部61と、可撓管3側の先端部62とを有しており、先端部62は、基端部61の軸線に対し、たとえば20〜45°、好ましくは30〜35°の角度で湾曲させられている。そして、湾曲の曲率は、この剛性湾曲管6を通る可撓性伝動軸20が不都合なく軸転することができる程度とされる。クラッチハウジング21には、エンジン2の出力軸と同一軸線をもつようにして延出筒21aが形成されており、この延出筒21aに対して上記剛性湾曲管6の基端部61がベアリングを介して軸転可能に支持されている。より具体的には、剛性湾曲管6の基端部61は、延出筒21aの内径よりも小の所定の外径を有するように形成され、この基端部61が延出筒21aに入り込んだ状態で、この基端部61の外周と上記延出筒21aの内周との間に所定数のボールベアリング60が介装されている。そして、この剛性湾曲管6の先端部62には、可撓管3の基端部31が挿入連結されている。このような構成により、剛性湾曲管6は、外力が作用するとエンジン2の出力軸を中心としてなめらかに回転する。これに伴い、この剛性湾曲管6の先端部62は、エンジン2の出力軸を中心としてなめらかに旋回する。なお、上記のベアリングとしては、図2に示されるようなボールベアリング60等の転がり軸受の他、メタルベアリング等のすべり軸受であってもよい。
【0025】
上記可撓管3の第2端部32は、操作管4の基端部41に接続されるが、本実施形態では、操作管4の基端部41に対し、相対軸転可能に接続されている。すなわち、図3および図4に示すように、可撓管3の第2端部32には、この部を挿入受容する剛性接続管7が設けられており、この剛性接続管7は、ベアリングを介して上記操作管4の基端部41に対して相対軸転可能に接続されている。より具体的には、操作管4の基端部41には、拡径部81を有する接続管8が挿入固定されているとともに、上記剛性接続管7の先端に形成した縮径部73を上記拡径部81に挿入した状態で、上記拡径部81の内周と上記縮径部73の外周との間に所定数のボールベアリング70が介装されている。これにより、可撓管3の第2端部32と操作管4とは、なめらかに相対軸転可能となる。なお、上記のベアリングとしては、図3に示されるようなボールベアリング70等の転がり軸受の他、メタルベアリング等のすべり軸受であってもよい。
【0026】
操作管4は、アルミニウム等の軽量金属製のパイプによって形成される。この操作管4の内部には、スペーサ43によって支持された保持管44が挿入支持されており、この保持管44内には、上記のように一端がエンジン2のクラッチドラム軸22に連結され、かつ、上記可撓管3を通挿された伝動軸20が軸転可能に通挿保持される。この伝動軸20は、少なくとも上記可撓管3に通挿される部分は可撓性を有する必要があるが、本実施形態では、その全体が可撓性をもった一連の伝動軸とされている。
【0027】
操作管4にはまた、図1に示すように、作業者が右手によって把持してこの操作管4を操作するための右手用グリップハンドル45Rが右方向に延出するようにして、作業者が左手によって把持してこの操作管4を操作するための左手用グリップハンドル45Lが左方向に延出するようにして、それぞれ設けられている。右手用グリップハンドル45Rが設けられる操作管4の軸線方向の位置は、後記する肘当て部材9に右肘を受け止めさせた状態で適正に把持することができるように設定される。また、左手用グリップハンドル45Lは、通常、右手用グリップハンドル45Rよりも前方の適当な位置に設けられる。また、エンジン2の回転数を制御するための図示しないスロットルレバーもまた、この操作管4の適所に設けられる。
【0028】
操作管4の先端部42には、回転作業体としての回転刃5が支持される。本実施形態では、操作管4の先端部42に、回転刃支持部材50が設けられ、この回転刃支持部材50を介して回転刃5が支持されている。より具体的には、回転刃支持部材50は、図6に示すように、操作管4の先端部42に連結される第1筒部51と、この第1筒部51に対して所定角度で交差する第2筒部52とを有しており、第1筒部51には、上記伝動軸20の先端が接続される第1軸53が回転可能に支持され、第2筒部52には、回転刃支持軸54が回転可能に支持される。そして、第1軸53と回転刃支持軸54とは、ベベルギア機構によって連携させられている。これにより、回転刃5は、操作管4の軸線に対して20〜40°、好ましくは30〜35°の角度をもって傾斜させられることになる。
【0029】
操作管4の基端部には、図3に示すように、上記右手用のグリップハンドル45Rと協働して操作管4の方向性を作業者の右前腕の方向に規定するべく右腕の肘を受け止める肘当て部材9が設けられるが、本願発明では、この肘当て部材9は、操作管4の軸線周りの回転位置を調整することができるように設けられる。
【0030】
肘当て部材9は、軽量化等の要請から、樹脂成形によって好適に形成され、図3に表れているように、右前腕基部下面を受け止める底壁部91aと、右前腕基部の両側面を受け止める左右壁部91b,91cとを有し、作業者の右前腕基部がすっぽりとはまり込む略U字状の断面をした肘受け部91を備える。この肘当て部材9はまた、上記の肘受け部91から一体に前方に延びる支持アーム部92を介して、操作管4の基端部に回転可能に套嵌された筒状部材93に連結支持されている。
【0031】
上記筒状部材93と操作管4との間には、筒状部材93ないし上記肘当て部材9を操作管4の軸線周りの所定の回転位置で段階係止することができる段階係止手段94が設けられている。この段階係止手段94は、上記筒状部材93の前端面と、この筒状部材93よりも前方(先端側)において操作管4の適部に取付けられた固定リング95の後端面とに、それぞれ、相互に係合可能な第1係合部94aおよび第2係合部94bを設けるとともに、上記筒状部材93を常時バネ96によって前方に向けて付勢することにより構成されている。上記第1係合部94aおよび第2係合部94bは、図3に表れているように、いわゆるドッグ・クラッチの形態を有している。すなわち、上記第1係合部94aは、矩形歯が周方向に等間隔に連続する形態をなし、第2係合部94bは、上記矩形歯が係合しうる矩形凹部が周方向に連続する形態をなしている。なお、上記第2係合部94bにおける矩形凹部が周方向に等間隔に形成されているのであれば、上記第1係合部94aにおける矩形歯は、少なくとも1つ形成されておればよい。
【0032】
上記筒状部材93を上記固定リング95に向けて弾力付勢するためのバネ96としては、操作管4に套嵌される圧縮コイルバネが採用され、操作管4の基端部側に設けられたもう一つの固定リング97と上記筒状部材93との間に介装されている。
【0033】
なお、上記筒状部材93は、全体が上記肘当て部材9と一体に樹脂によって形成されていてもよいし、金属部材によって形成されていてもよい。
【0034】
以上の構成において、操作管4の軸線周りに上記肘当て部材9の回転角度位置を調整するためには、筒状部材93を上記バネ96に抗して後方にスライド移動させて第1係合部94aと第2係合部94bとの係合を解き、この筒状部材93を所望の方向に所望の角度回転させてバネ対抗力を解除するだけで、上記バネ96の弾力によって自動的に上記第1係合部94aと第2係合部94bとが再係合し、筒状部材93ないし肘当て部材9は、調整後の回転角度位置に係止される。
【0035】
作業者は、通常時、右手用グリップハンドル45Rを手の甲を下にするようにして右手で把持するとともに右前腕基部を肘受け部91にはめ込むようにする一方、左手用グリップハンドル45Lを左手で把持することによって操作管4を支持する。回転刃5を含めた操作管4の重心は、通常、右手用グリップハンドル45Rより前方に設定されており、したがって、肘受け部91は、右前腕基部によって上方から押さえ込まれるようにしてこの右前腕基部にはまり込む。このとき、肘受け部91の底壁部91aが右前腕基部(肘部)の下面に当接し、左右壁部91b,91bが前腕基部の両側面を拘束する。このように、操作管4は、右手と、右前腕基部により、前後2箇所において右前腕に支持されることになるのであり、したがって、操作管4の方向は、右前腕の方向によって決定できることになる。
【0036】
平地あるいは緩やかな傾斜地の刈払い作業を行なう際には、左手で助成するようにしつつ、右前腕を左右に振るようにすることによって、操作管4を左右方向に往復振回操作することができる。この場合、左右の振回力はそれほど大きくないので、肘受け部91の両壁部91b,91cは、問題なく、右前腕基部の両側部を拘束しつづけることができる。
【0037】
たとえば、左上がりの落差の大きい傾斜地の刈払い作業を行なう場合、平地の刈払い作業をする場合に比較し、回転刃5を斜面に沿わせる必要から、操作管4をやや右方向に軸転させる必要がある。このような場合、操作管4を左上方向に大きく振り上げる場合、肘受け部91には、作業者の右前腕から大きな反力を受けるが、本願発明では、肘当て部材9を、上記のような反力を肘受け部91の底壁部91aにおいて効果的に受け止めることができる回転姿勢をとるように位置調整が可能である。すなわち、この場合、肘当て部材9を、通常位置に対して左方向に所定角度回転した位置に調整するのである。このように、上記構成の携帯式動力刈払機Aによれば、どのような場合であっても、軽快かつ効果的な操作管4の振回操作が可能となり、刈払いの作業性を大きく向上させることができる。
【0038】
もちろん、本願発明の範囲は上述した各実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本願発明の範囲に含まれる。
【0039】
たとえば、実施形態では、エンジン2に対して剛性湾曲管6を介して可撓管3を連結し、また、可撓管3と操作管4との間には、接続管8を介装しているが、このように剛性湾曲管6あるいは接続管8を採用するかどうかは、選択事項であり、本願発明の要点を構成するものではない。
【0040】
また、肘当て部材9を所望の回転位置をとらせるべく、実施形態では、段階係止手段94を用いているが、たとえば、肘当て部材9を支持する筒状部材93を基本的には操作管4の軸方向定位置で回転可能とするとともに、たとえば、ねじを用いたロック機構を付加するといった構成を採用してもよい。この場合、ロック機構による筒状部材の固定状態を解除して筒状部材を所望の回転位置まで回転させ、その回転後の状態をロック機構によって保持させるような構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る携帯式動力刈払機の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1における要部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図1のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】従来の携帯式動力刈払機の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
A 携帯式動力刈払機
1 背負い枠
2 エンジン(動力源)
3 可撓管
4 操作管
5 回転刃(回転作業体)
9 肘当て部材
20 伝動軸
45R 右手用グリップハンドル
45L 左手用グリップハンドル
91 肘受け部
93 筒状部材
94 段階係止手段
94a 第1係合部
94b 第2係合部
【出願人】 【識別番号】591111972
【氏名又は名称】山田機械工業株式会社
【出願日】 平成15年1月21日(2003.1.21)
【代理人】 【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔

【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也

【識別番号】100105832
【弁理士】
【氏名又は名称】福元 義和

【公開番号】 特開2004−222557(P2004−222557A)
【公開日】 平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願番号】 特願2003−12324(P2003−12324)