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【発明の名称】 自走茶園管理機
【発明者】 【氏名】山田 幸男
【住所又は居所】静岡県小笠郡菊川町西方58番地 落合刃物工業株式会社内

【要約】 【課題】茶畝に沿って自動後進動が可能であり、山側に傾斜して横方向に延びる茶畝に沿って自動走行可能な自走茶園管理機を提供する。

【解決手段】自走茶園管理機の一態様である茶葉摘採機1は、茶畝Cを跨いでその両側の畝間に接地される左走行装置10及び右走行装置20によって走行可能であり、これらの上部に正面視において門型の乗用車体フレーム3が設けられる。このフレームの前側の左右両端部に一対の検出光センサ40、40’が取り付けられ、検出光センサは茶畝Cの両側端部の各上方位置に茶畝幅方向に所定の間隙を有して配置された第1光センサ41と第2光センサ42とを有する。これらの光センサは茶畝Cの側端部の有無に応じた検出信号を出力し、この検出信号に応じてコントローラが左走行装置10及び右走行装置20に内蔵された左走行モータ及び右走行モータの作動を制御して、走行体7を茶畝Cに沿った方向に移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶畝を跨ぐようにして配置され、前記茶畝の両側端部のそれぞれの外側に接地して走行モータにより走行可能な第1走行装置及び第2走行装置を有してなる走行体と、
前記茶畝の前記両側端部の少なくともいずれか一方の前記側端部の位置を検出するため、該側端部の上方位置にくるように前記走行体の幅方向に所定の間隙を有して配置され、前記側端部側に光を出射してこの出射した光の戻り光の光量に応じて前記茶畝の前記側端部の有無を検出する第1光センサ及び第2光センサと、
該第1光センサ及び該第2光センサからの有無検出信号に応じて、前記走行体が前記茶畝に沿って走行動するように、前記走行モータの作動を制御するモータ作動制御手段とを有することを特徴とする自走茶園管理機。
【請求項2】
前記モータ作動制御手段は、
前記茶畝の幅方向内側に配置された前記第1光センサにより前記茶畝の前記側端部が検出され、且つ前記第1光センサよりも前記茶畝の幅方向外側に配置された前記第2光センサにより前記茶畝の前記側端部が非検出されると、前記走行体が直進動するように前記走行モータの作動を制御し、
前記第1光センサ及び前記第2光センサにより前記茶畝の前記側端部が検出されると、該側端部を検出した前記第1光センサ及び前記第2光センサが該側端部の外側方向へ移動するように前記走行モータの作動を制御し、
前記第1光センサ及び前記第2光センサにより前記茶畝の前記側端部が非検出されると、該側端部を非検出した前記第1光センサ及び前記第2光センサが該側端部の内側方向へ移動するように前記走行モータの作動を制御することを特徴とする請求項1に記載の自走茶園管理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走茶園管理機に関し、特に、茶畝の幅方向の両側の側端部のそれぞれの外側に配置される第1走行装置及び第2走行装置を有し、茶畝を跨いた状態で第1走行装置及び第2走行装置を駆動させて茶畝に沿って走行可能な自走茶園管理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような自走茶園管理機は茶畝を跨ぐようにして配置され、茶畝の両側端部のそれぞれの外側に接地して走行モータにより走行可能な第1走行装置及び第2走行装置を有してなる走行体と、これらの走行装置の動作を操作する操作ハンドルと、操作ハンドルの操作に応じて第1走行装置及び第2走行装置の作動を制御するコントローラとを有して構成されているのが一般的である。
【0003】
ここで、茶畝は直線状に限らず湾曲状に形成されている場合がある。また茶畝間の地面に凹凸があると、この凹凸により自走茶園管理機(以下、単に「管理機」と記す。)が蛇行する場合もある。このような場合、管理機の進行方向を変えずに管理機が前進動すると、管理機が茶畝を形成する茶樹に当接して茶樹を傷つける虞が生じる。このため、作業者は操作ハンドルを絶えず微妙に操作して管理機を茶畝に沿って走行動させる必要がある。そこで、管理機には、管理機に対する茶畝の相対位置を検出し、この茶畝の位置情報に応じて管理機の進行方向を制御して管理機が茶畝に沿って自動走行可能に構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この管理機は、茶畝の両側端部の位置検出を行なうため茶畝の両側端部のそれぞれの外側に対向配置される一対の感知板と、これらの感知板により検出された茶畝の両側端部の位置情報に応じて管理機が茶畝に沿うように走行モータの作動を制御するコントローラとを有して構成されている。
【0005】
感知板は板状であり、第1走行装置及び第2走行装置に接続されて茶畝を跨るように構成された正面視において門型の乗用車体フレームの両側端部に設けられ回転軸に取り付けられている。回転軸は上下に延びる回動中心軸線を回動中心とした回動自在であり、感知板は管理機の幅方向内側に延びて管理機の前後方向に揺動可能である。感知板は平面視において中央部が膨らんだ湾曲状に形成され、感知板への負荷が無負荷状態にあるときには、感知板の延出方向が管理機の内側方向に延びるように、感知板はばね等により付勢されている。この感知板に繋がる回転軸には回転角度センサが取り付けられ、回転角度センサは感知板の前後揺動に応じた電圧信号を出力するように構成されている。
【0006】
このように構成された管理機が茶畝を跨った状態で前進動すると、茶畝の側端部を形成する茶樹が感知板の内側面に当接して感知板を管理機の後側に揺動させ、茶樹は感知板の内側面をなぞるようにして管理機後側に移動する。これと同時に回転軸が回動し、回転角度センサが回転軸の回転角度を検出し、コントローラが左右一対の回転角度センサからの回転角度情報に応じて走行モータの作動を制御する。
【0007】
【特許文献1】
特許第2760970号公報(第3−4頁、第1図、第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、管理機が茶畝を跨いだ状態で前進動した後に後進動する場合、感知板は平面視において管理機の内側に揺動した状態で感知板の内側面が茶畝の側端部を形成する茶樹に接触しているので、このような状態で管理機が後進動すると、感知板の先端部が茶樹に逆らって移動することになり、感知板の前後方向の揺動が不安定となって管理機に対する茶畝の相対位置検出が困難になる虞が生じる。
また、感知板が茶樹に逆らって移動するので、感知板が損傷するとともに茶樹も傷つくという不都合が発生する。
【0009】
さらに、山側に傾斜して横方向に延びる茶畝に沿って管理機を移動させる場合、管理機自体も山側に傾斜しながら走行する。このとき、感知板は自重により揺動する場合があり、このような自重による感知板の揺動が生じると、管理機に対する茶畝の相対位置検出を正確に行なうことができなくなるという問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、管理機が傾いた状態で走行しても茶畝の位置検出を正確に行なうことができ、管理機が後進動した場合でも茶畝の位置検出が可能な自走茶園管理機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる発明は、茶畝を跨ぐようにして配置され、茶畝の両側端部のそれぞれの外側に接地して走行モータ(例えば、実施形態における左走行モータ16、右走行モータ21)により走行可能な第1走行装置(例えば、実施形態における左走行装置10)及び第2走行装置(例えば、実施形態における右走行装置20)を有してなる走行体と、茶畝の両側端部の少なくともいずれか一方の側端部の位置を検出するため、該側端部の上方位置にくるように走行体の幅方向に所定の間隙を有して配置され、側端部側に光を出射してこの出射した光の戻り光の光量に応じて茶畝の側端部の有無を検出する第1光センサ及び第2光センサと、該第1光センサ及び該第2光センサからの有無検出信号に応じて、走行体が茶畝に沿って走行動するように、走行モータの作動を制御するモータ作動制御手段(例えば、実施形態におけるコントローラ45)とを有してなる自走茶園管理機(例えば、実施形態における茶葉摘採機1)である。
【0012】
上記構成の自走茶園管理機によれば、第1光センサ及び第2光センサが茶畝の側端部の上方位置にくるように走行体幅方向に所定の間隙を有して配置され、走行体が茶畝に沿って走行動するように、これらの光センサからの有無検出信号に応じてモータ作動制御手段が走行モータの作動制御を行なうことで、第1光センサ及び第2光センサが茶畝に接触することなく走行体を茶畝に沿って走行動させることができる。このため、走行体を後進動させる場合でも、茶畝を形成する茶樹を傷つけずに、また第1光センサ及び第2光センサを損傷させずに走行体を茶畝に沿って走行動させることができる。また山側に傾斜して横方向に延びる茶畝に沿って自走茶園管理機を移動させる場合でも、走行体に対する茶畝の相対位置を正確に検出することができ、その結果として傾いた茶畝に沿って走行体を自動走行させることができる。
【0013】
また、上記構成の自走茶園管理機において、モータ作動制御手段は、茶畝の幅方向内側に配置された第1光センサにより茶畝の側端部が検出され、且つ第1光センサよりも茶畝の幅方向外側に配置された第2光センサにより茶畝の側端部が非検出されると、走行体が直進動するように走行モータの作動を制御し、第1光センサ及び第2光センサにより茶畝の側端部が検出されると、該側端部を検出した第1光センサ及び第2光センサが該側端部の外側方向へ移動するように走行モータの作動を制御し、第1光センサ及び第2光センサにより茶畝の側端部が非検出されると、該側端部を非検出した第1光センサ及び第2光センサが該側端部の内側方向へ移動するように走行モータの作動を制御するようにしてもよい。
【0014】
上記構成の自走茶園管理機によれば、第1光センサにより茶畝の側端部が検出され、第2光センサにより茶畝の側端部が非検出されると、走行体が直進動するように走行モータの作動が制御され、第1光センサ及び第2光センサにより茶畝の側端部が検出されると、これら第1光センサ及び第2光センサが該側端部の外側方向へ移動するように走行モータの作動が制御され、第1光センサ及び第2光センサにより茶畝の側端部が非検出されると、これら第1光センサ及び第2光センサが該側端部の内側方向へ移動するように走行モータの作動が制御されるので、走行体に対する茶畝の位置ずれ量に応じて第1光センサ及び第2光センサからの検出信号が変化する。このため、走行体に対する茶畝の相対位置を正確に検出することができ、その結果、走行体を茶畝に沿って正確に走行動させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、茶葉を摘み取って収容する自走茶園管理機の一態様である茶葉摘採機について説明する。なお、説明の都合上、図1及び図2に示す矢印が示す方向を上下方向、左右方向及び前後方向として、以下説明する。
【0016】
茶葉摘採機1は、図1(正面図)に示すように、茶畝Cを跨いでその両側の畝間を走行する左右一対のクローラ型の左走行装置10及び右走行装置20によって走行可能であり、これら一対の左走行装置10及び右走行装置20(以下、「一対の走行装置10、20と記す。)の上部には正面視において門型の乗用車体フレーム3が取り付けられている。乗用車体フレーム3は一対の走行装置10、20の前側上部に上方へ延びる一対の脚部材4とこれらの脚部材4の上部間を繋ぐ乗車板5とを有して構成されている。なお、左走行装置10、右走行装置20及び乗用車体フレーム3を併せて、以下、走行体7と記す。
【0017】
左走行装置10及び右走行装置20は、図2(側面図)に示すように、後部に駆動輪11、前部に従動輪12を配置し、これらにゴムクローラ13を巻装してなるもので、駆動輪11と従動輪12との間には補強フレーム14が連結され、この補強フレーム14には複数の転輪15が枢支されている。左走行装置10の駆動輪11には図4に示す左走行モータ16が連結され、図1に示す右走行装置20の駆動輪11には図4に示す右走行モータ21が連結され、これら左走行モータ16及び右走行モータ21により駆動輪11、11が回転駆動される。図4に示すように、左走行モータ16及び右走行モータ21は、後述する油圧回路50内に設けられ、図2に示す乗用車体フレーム3に搭載されたエンジンEからの駆動力を受けて回転駆動する図5に示す油圧ポンプPから吐出する作動油の供給を受けて回転動作(即ち、正転及び停止)が制御されるようになっている。なお、油圧回路50については後述する。
【0018】
図1及び図2に示すように、乗車板5の右側には、操縦席(図示省略)と操縦部8とが配備され、乗車板5の中央後部には送風機25が搭載されている。また乗用車体フレーム3の後部には、摘採茶葉を収容するコンテナ26が上下昇降動可能に搭載され、この茶葉収容用のコンテナ26と乗車板5との間の中間位置には、茶葉を摘採する茶葉摘採装置30が配設されている。茶葉摘採装置30は、茶畝Cの畝巾方向に沿う所要長さを有して前後に開口した摘採機枠(図示せず)に取り付けられて茶葉を切断する刈取部31と、刈取部31によって摘採した茶葉を、刈取部31の後側に入口を臨ませた搬送ダクト32内に空気流で送り込むための送風ダクト33とを備えている。
【0019】
乗車板5の裏面の左右両端部のそれぞれには第1光センサ41及び第2光センサ42からなる検出光センサ40、40’が左右方向に移動可能にボルト、ビス等の締め付け治具を介して取り付けられている。これら一対の検出光センサ40、40’は、茶畝Cの左右方向の両側端部の位置を検出するため、茶畝Cの両側端部の各上方位置にくるように茶畝Cの幅方向に所定の間隙を有して乗車板5の下面の両側部に取り付けられ、側端部側に光を出射してこの出射した光の戻り光の光量に応じて茶畝Cの側端部の有無を検出する機能を有している。第1光センサ41は第2光センサ42よりも走行体7の内側に配設され、検出光センサ40、40’から出射される光の方向は略垂直方向であり、検出光センサ40、40’は感度調整が可能である。つまり、検出光センサ40、40’は被検出物(茶葉、茶樹)を検出可能な距離を設定することができ、例えば、検出光センサ40、40’から被検出物までの距離LをXとして設定した場合、被検出物までの距離LをXにすると、検出光センサ40、40’は被検出物が存在する旨の有検出信号(具体的には電圧信号)を出力し、被検出物までの距離LをXよりも小さく、又は大きくすると、検出光センサ40、40’は被検出物が存在しない旨の無検出信号(具体的には電圧信号)を出力する。
【0020】
このため、図1に示すように、走行体7が茶畝Cを跨ぐようにして畝間の地面に載置された状態で茶畝Cの両側端部の上方位置に検出光センサ40、40’を配置するとともに、茶畝Cの側端部が検出できるように感度調整(検出距離の設定)を行なうことで、検出光センサ40、40’により茶畝Cの両側端部の有無検出を行なうことができる。
【0021】
ここで、左右一対の検出光センサ40、40’の取り付け位置についてさらに詳述する。図3(a)に示すように、図1に示す走行体7が茶畝Cを跨ぐようにして畝間の地面に載置された状態において、左右一対の第1光センサ41、41のそれぞれが茶畝Cの側端部を検出した状態になると、左右一対の第2光センサ42、42が茶畝Cを非検出した状態になり、また図3(b)に示すように、左右一対の第1光センサ41、41のいずれか一方が茶畝Cの側端部を検出し、いずれか他方が茶畝Cの側端部を非検出した状態になると、左右一対の第2光センサ42、42が茶畝Cを非検出した状態になり又は一方側の第2光センサ42が側端部を検出して他方側の第2光センサ42が側端部を非検出した状態になるように、左右一対の検出光センサ40、40’を図1に示す走行体7に配設する。
なお、第1光センサ41及び第2光センサ42は図1に示す走行体7の左右方向に移動可能に取り付けられるので、茶畝Cの大きさに応じて第1光センサ41及び第2光センサ42の取り付け位置を調整することができる。
【0022】
このような検出光センサ40、40’から出力される茶畝の有無検出信号は、図4に示すコントローラ45に送られる。コントローラ45は、図4に示すように、検出光センサ40、40’を構成する第1光センサ41及び第2光センサ42からの有無検出信号に応じて、図1に示す走行体7が茶畝Cに沿って走行動するように左走行モータ16及び右走行モータ21の回転速度を制御する。ここで、コントローラ45の作動内容を説明する前に、コントローラ45により作動が制御される左走行モータ16及び右走行モータ21を有した油圧回路50について説明する。
【0023】
油圧回路50は、図5に示すように、左走行モータ16及び右走行モータ21と、これらの走行モータ16、21の回転速度を制御する第1速度制御弁51及び第2速度制御弁52と、これらの走行モータ16、21を停止させるモータ停止制御弁53と、これらの走行モータ16、21に作動油を供給する前述した油圧ポンプPとを有して構成されている。なお、図5に示す油圧回路50は図1に示す走行体7を前進動させる場合の油圧回路図を示す。
【0024】
油圧ポンプPは左走行モータ16及び右走行モータ21に作動油を供給する第1油圧ポンプP1及び第2油圧ポンプP2を有する。第1油圧ポンプP1及び第2油圧ポンプP2はエンジンEに連動して回転駆動可能に連結された2連ポンプであり、これらの油圧ポンプP1、P2は、例えば斜板の傾き角度を変化させて容量が変化する可変容量型であって、エンジンEが駆動すると第1油圧ポンプP1及び第2油圧ポンプP2のそれぞれから同一量の作動油が吐出するとともに、作動油の吐出方向が互いに逆方向になるようになっている。さらに詳細には、エンジンEが駆動すると第1油圧ポンプP1は作動油を第4油路58側に吐出し、第2油圧ポンプP2は作動油を第2油路56側に吐出するようになっている。
【0025】
第1油圧ポンプP1は第1油路55を介して左走行モータ16の一方側端部に繋がり、左走行モータ16の他方側端部は第2油路56を介して第2油圧ポンプP2に繋がっている。また、第2油圧ポンプP2は第3油路57を介して右走行モータ21の一方側端部に繋がり、右走行モータ21の他方側端部は第4油路58を介して第2油圧ポンプP2に繋がっている。即ち、左走行モータ16、右走行モータ21、第1油圧ポンプP1及び第2油圧ポンプP2は第1油路55〜第4油路58内において直列に配設されている。なお、左走行モータ16及び右走行モータ21は同一容量であるので、これらの走行モータ16、21に同一流量の作動油が供給されると、これらの走行モータ16、21は同一回転数で回転動する。
【0026】
第2油路56にはこれから分岐した第1タンク油路61が繋がり、この第1タンク油路61はタンクTに連通するタンク連通油路60に繋がり、第1タンク油路61に前述した第1速度制御弁51が設けられている。第4油路58にはこれから分岐した第2タンク油路62が繋がり、この第2タンク油路62はタンク連通油路60に繋がり、第2タンク油路62に前述した第2速度制御弁52が設けられている。第1タンク油路61及び第2タンク油路62にはこれらの油路を流れる作動油の流量を制限する可変絞り67、68が設けられている。また、第2油路56に繋がる第1タンク油路61の分岐位置よりも第2油圧ポンプP2側の第2油路56と第1油路55との間には第1停止油路64が繋がり、第4油路58に繋がる第2タンク油路62の分岐位置よりも第1油圧ポンプP1側の第4油路58と第3油路57との間には第2停止油路65が繋がり、これら第1停止油路64及び第2停止油路65にはこれらの油路に跨る前述したモータ停止制御弁53が設けられている。
【0027】
第1速度制御弁51、第2速度制御弁52及びモータ停止制御弁53は4ポート2位置の電磁式制御弁であり、第1速度制御弁51は通常は第1タンク油路61を遮断し、左走行モータ16の回転速度を低速にしたいときに第1タンク油路61を連通状態にする。さらに詳細には、第1速度制御弁51により第1タンク油路61が遮断された状態で第2油路56を左走行モータ16側に流れる作動油により左走行モータ16が回転動しているときに、第1速度制御弁51により第1タンク油路61が連通状態にされると、第2油路56を流れる作動油の一部が第1タンク油路61及びタンク連通油路60を流れてタンクTに戻される。このため、左走行モータ16に供給される作動油の流量が第1タンク油路61を遮断した場合よりも減少し、その結果、左走行モータ16の回転速度を低速にすることができる。
【0028】
一方、第2速度制御弁52も第1速度制御弁51と同様に、第2タンク油路62が遮断された状態で、第4油路58を右走行モータ21側に流れる作動油により右走行モータ21が回転動しているときに、第2速度制御弁52により第2タンク油路62が連通状態にされると、第2油路56を流れる作動油の一部が第2タンク油路62、第1タンク油路61及びタンク連通油路60を流れてタンクTに戻される。このため、右走行モータ21に供給される作動油の流量が第2タンク油路62を遮断した場合よりも減少し、その結果、右走行モータ21の回転速度を低速にすることができる。
【0029】
モータ停止制御弁53は、図1に示す走行体7を走行状態にさせるときに第1停止油路64及び第2停止油路65を遮断し、図1に示す走行体7を停止させたいときに第1停止油路64及び第2停止油路65を連通状態にする。さらに詳細には、図1に示す走行体7が走行中のときにモータ停止制御弁53により第1停止油路64及び第2停止油路65を遮断状態から連通状態に切り換えると、第2油圧ポンプP2から吐出して第2油路56を流れる作動油は油圧の低い第1停止油路64に流入し、モータ停止制御弁53、第1停止油路64及び第1油路55を流れて第1ポンプP1に戻される。そして、さらに第1油圧ポンプP2から吐出した作動油は第4油路58を流れて油圧の低い第2停止油路65に流入し、モータ停止制御弁53、第2停止油路65及び第3油路57を流れて第2ポンプP2に戻され、以降この流路を作動油が循環する。このため、左走行モータ16及び右走行モータ21には作動油が供給されなくなり、回転動していた左走行モータ16及び右走行モータ21は回転力を失って停止する。
【0030】
このような第1速度制御弁51、第2速度制御弁52及びモータ停止制御弁53は前述した図4に示すコントローラ45によって作動制御される。コントローラ45には、図4に示すように、左右一対の検出光センサ40、40’が電気的に接続されており、図6(a)(部分正面図)に示すように、茶畝Cの幅方向内側に配置された第1光センサ41により茶畝Cの側端部が検出され、且つ第1光センサ41よりも外側に配置された第2光センサ42により茶畝Cの側端部が非検出されると、図4に示すコントローラ45は、走行体7が直進動するように図4に示す左走行モータ16及び右走行モータ21の作動を制御する。即ち、図5に示すように、図4に示すコントローラ45は、第1速度制御弁51及び第2速度制御弁52により第1タンク油路61及び第2タンク油路62を遮断状態にし、且つモータ停止制御弁53により第1停止油路64及び第2停止油路65を遮断状態にする。その結果、第2油圧ポンプP2から吐出して第2油路56を流れる作動油は左走行モータ16に供給されてこの左走行モータ16を回転駆動し、左走行モータ16から流出した作動油は第1油路55を流れて第1油圧ポンプP1に供給されて第1油圧ポンプP1から吐出して、第4油路58を流れて右走行モータ21に供給されて右走行モータ21を回転駆動させる。そして、右走行モータ21から流出した作動油は第3油路57を流れて第2油圧ポンプP2に戻される。このため、左走行モータ16及び右走行モータ21は同一方向に回転動する。
【0031】
ここで、前述したようにエンジンEが駆動すると、第1油圧ポンプP1及び第2油圧ポンプP2から吐出する作動油の流量は同一であり、また左走行モータ16及び右走行モータ21の容量も同じであるので、左走行モータ16及び右走行モータ21の回転数も同じになり、このため、図1に示す左走行装置10及び右走行装置20の走行速度が同じになり、図1に示す走行体7は直進動することになる。
【0032】
また、図4に示すコントローラ45は、図6(b)(部分正面図)に示すように、第1光センサ41及び第2光センサ42により茶畝Cの側端部が検出されると、この側端部を検出したこれらの第1光センサ41及び第2光センサ42(検出光センサ40)がその側端部の外側方向(図6の右側方向)へ移動するように図4に示す左走行モータ16及び右走行モータ21の作動を制御する。即ち、図4に示すコントローラ45は、図5に示すように、第1速度制御弁51により第1タンク油路61を連通状態にし、第2速度制御弁52により第2タンク油路62を遮断状態にし、且つモータ停止制御弁53により第1停止油64路及び第2停止油路65を遮断状態にする。その結果、第2油圧ポンプP2から吐出した作動油は第2油路56を流れ、その一部は第1タンク油路61を流れてタンクTに流出し、残りの作動油が第1走行モータ16に供給される。その結果、左走行モータ16に供給される油量が減少して左走行モータ16の回転数が低下する。
【0033】
一方、第1油圧ポンプP1から吐出して第4油路58を流れる作動油は全て右走行モータ21に供給される。このため、左走行モータ16の回転数が右走行モータ21のそれよりも小さくなり、図1に示す左走行装置10の走行速度が図1に示す右走行装置20の速度よりも遅くなる。その結果、図6(b)に示すように、走行体7が左走行装置10側に向きを変えて前進動して、側端部を検出した検出光センサ40をその側端部の外側方向(図6の右側方向)へ移動させることができる。なお、第1タンク油路61には可変絞り67が設けられているので、第1タンク油路61を流れる作動油が急激にタンクTに戻されることはない。このため、走行体7の急激な走行方向の変化を未然に防止することができる。
【0034】
また、図4に示すコントローラ45は、図6(c)(部分正面図)に示すように、第1光センサ41及び第2光センサ42により茶畝Cの側端部が非検出されると、該側端部を非検出したこれらの第1光センサ41及び第2光センサ42が該側端部の内側方向(図6の左側方向)へ移動するように図4に示す左走行モータ16及び右走行モータ21の作動を制御する。即ち、図4に示すコントローラ45は、図5に示すように、第1速度制御弁51により第1タンク油路61を遮断状態にし、第2速度制御弁52により第2タンク油路62を連通状態にし、且つモータ停止制御弁53により第1停止油路64及び第2停止油路65を遮断状態にする。その結果、第1油圧ポンプP1から吐出して第4油路58を流れる作動油の一部が第2タンク油路62を流れてタンクTに流出し、残りの作動油が第2走行モータ21に供給される。その結果、右走行モータ21に供給される油量が減少して右走行モータ21の回転数が低下する。
【0035】
一方、第2油圧ポンプP2から吐出して第2油路56を流れる作動油は全て左走行モータ16に供給される。このため、右走行モータ21の回転数が左走行モータ16のそれよりも小さくなり、図1に示す右走行装置20の走行速度が図1に示す左走行装置10の速度よりも遅くなる。その結果、図6(c)に示すように、走行体7が左走行装置10と反対側に配設された図1に示す右走行装置20側に向きを変えて前進動して、側端部を非検出した検出光センサ40をその側端部の内側方向(図6の左側方向)へ移動させることができる。なお、第2タンク油路62には可変絞り68が設けられているので、第2タンク油路62を流れる作動油が急激にタンクTに戻されることはない。このため、走行体7の急激な走行方向の変化を未然に防止することができる。
【0036】
なお、図1に示す走行体7の右側に配設された検出光センサ40’の作動は前述した走行体7の左側に配設された検出光センサ40の作動に準じるので、その説明は省略する。また、図3(b)に示すように、左右一対の検出光センサ40、40’のいずれか一方の第1光センサ41及び第2光センサ42が茶畝Cの一方側の側端部を検出し、いずれか他方側の第1光センサ41と第2光センサ42が茶畝Cの他方側の側端部を非検出した状態になった場合には、図4に示すコントローラは、図6(b)及び図6(c)に示した場合と同様に、図5に示すように、第1速度制御弁51により第1タンク油路61を遮断状態にし、第2速度制御弁52により第2タンク油路62を連通状態にし、且つモータ停止制御弁53により第1停止油路64及び第2停止油路65を遮断状態にして、図1に示す走行体7の進行方向を茶畝Cの側端部を非検出した検出光センサ40’側に移動させる。
【0037】
このように、図1に示す走行体7の前側の両側部に左右一対の検出光センサ40、40’を設けることで、走行体7と茶畝Cの左右方向の相対位置関係を略一定に保ちながら走行体7を前進動させることができるので、走行体7を茶畝Cに沿って前側に自動走行させることができる。その結果、茶畝Cの幅が途中で変化する場合でも、走行体7の前後に延びる車両中心軸線(図示せず)を茶畝Cの中心軸線(図示せず)に一致させた状態で走行体7を走行させることができる。
【0038】
なお、図2に示すように、検出光センサ40、40’を走行体7の後側の片側又は左右両端部に設置してもよい。例えば、図2に示す場合では、検出光センサ40、40’を摘採茶葉を収容するコンテナ26の左右両側部に取り付ける。このように走行体7の後側に左右一対の検出光センサ40、40’を設けることで、走行体7を茶畝Cに沿って後側に自動走行させることができる。また、検出光センサ40、40’を走行体7の前後の両端部の少なくともいずれか一方側に取り付けることで、走行体7を茶畝Cに沿って前後に自動走行させることができる。
このように走行体7に2〜4組の検出光センサ40、40’を搭載し、これらの検出光センサ40、40’が図6(a)、(b)、(c)に示したような茶畝Cの側端部の位置検出を行なうとともに、図4に示すコントローラ45がこれらの検出光センサ40、40’からの検出信号に応じて前述したように図5に示す左走行モータ16及び右走行モータ21の作動を制御するように構成することで、走行体7の前後方向の走行精度をより向上させることができる。
【0039】
また、前述した検出光センサ40、40’は走行体7に固着した状態で取り付けられるので、走行体7が左右方向に傾斜しても、検出光センサ40、40’は走行体7とともに傾斜する。このため、山側に傾斜して横方向に延びる茶畝Cに沿って走行体7を走行させる場合でも、検出光センサ40、40’は茶畝Cが水平面上に延びている場合と同様に、茶畝Cの位置検出を正確に行なうことができる。このため、本発明に係わる茶葉摘採機1は傾いた茶畝Cに沿って自動走行することも可能である。
【0040】
さらに、検出光センサ40、40’は茶畝Cの上方位置に配置され、前述した様に走行体7は茶畝Cに沿って走行動するので、走行体7の移動に伴って茶畝Cが検出光センサ40、40’に接触することはない。このため、検出光センサ40、40’が茶畝Cに接触して茶畝Cを形成する茶樹を傷つけたり検出光センサ40、40’が損傷したりすることもない。
【0041】
また、前述した実施の形態における図5に示す油圧回路50では、図1に示す走行体7が前進動する場合の回路を示したが、図1に示す走行体7を後進動可能にする場合には、一対の第1速度制御弁51及び第2速度制御弁52を油圧回路50に追加する。即ち、第1油路55を左走行モータ16側に流れる作動油がタンクT側に流れるとともに、第3油路57を右走行モータ21側に流れる作動油がタンクT側に流れるように、図示しない第1速度制御弁及び第2速度制御弁を図5に示す油圧回路50に追加する。
【0042】
また、前述した実施の形態では自走茶園管理機の一態様として茶葉摘採機1を示したが、茶葉の摘採以外の管理作業(例えば、茶樹の整枝作業、剪断作業、防虫作業等)を行なう自走茶園管理機では、茶葉摘採機1の走行精度よりもこれを低くすることができる。このため、このような管理作業を行なう自走茶園管理機では検出光センサを走行体の片側に1つ設ければよい。また、前述した実施の形態では乗用型の茶園管理機を示したが、茶園管理機は作業者が畝間を歩行しながら走行装置が走行する簡易自走式タイプのものでもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる自走茶園管理機によれば、第1光センサ及び第2光センサが茶畝の側端部の上方位置くるように走行体幅方向に所定の間隙を有して配置され、走行体が茶畝に沿って走行動するように、これらの光センサからの有無検出信号に応じてモータ作動制御手段が走行モータの作動制御を行なうようにすることで、第1光センサ及び第2光センサが茶畝に接触することなく走行体を茶畝に沿って走行動させることができる。このため、走行体を後進動させる場合でも、茶畝を形成する茶樹を傷つけずに、また第1光センサ及び第2光センサを損傷させずに走行体を茶畝に沿って走行動させることができる。また山側に傾斜して横方向に延びる茶畝に沿って自走茶園管理機を移動させる場合でも、走行体に対する茶畝の相対位置を正確に検出することができ、その結果として傾いた茶畝に沿って走行体を自動走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる茶葉摘採機の正面図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる茶葉摘採機の側面図を示す。
【図3】検出光センサの取り付け位置を説明するための検出光センサと茶畝との位置関係を示す図である。
【図4】モータ作動制御手段の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係わる茶葉摘採機に用いられる油圧回路図である。
【図6】第1光センサ及び第2光センサの作動を説明するための茶葉摘採機の部分正面図である。
【符号の説明】
1 茶葉摘採機(自走茶園管理機)
7 走行体
10 左走行装置(第1走行装置)
16 左走行モータ(走行モータ)
20 右走行装置(第2走行装置)
21 右走行モータ(走行モータ)
41 第1光センサ
42 第2光センサ
45 コントローラ(モータ作動制御手段)
C 茶畝
【出願人】 【識別番号】000250270
【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
【住所又は居所】静岡県小笠郡菊川町西方58番地
【出願日】 平成15年1月20日(2003.1.20)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2004−222534(P2004−222534A)
【公開日】 平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願番号】 特願2003−11169(P2003−11169)