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【発明の名称】 野菜収穫機
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】小田切 元
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】高木 真吾
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岩部 孝章
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】収穫物の収容量増大による機体の左右重量バランスの変動をできるだけ小さく抑えて作業性及び機体操縦性を向上させ、且つ、収穫物の機体積載量を増大して作業能率の向上を図ることを課題とするものである。

【解決手段】収穫装置5は、左側の走行装置3の上方に重なる位置で機体前部から機体後部にかけて配置し、側部収容台9は、右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置し、操縦部13は、右側の走行装置3の前部上方に重なるように配置し、前部収容台11は、側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の前方に配置し、収穫物受入部Rを右側の走行装置3の後方で前記側部収容台9の後部の機体左右方向内側に近接配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体を自走させるクローラ式走行装置3,3を左右に設けた走行機体に、野菜を圃場から取上げ搬送する搬送手段を備えた収穫装置5と、操縦者が搭乗して機体を操縦する操縦部13と、前記収穫装置5が収穫した収穫物をコンテナ内に受入れる収穫物受入部Rと、前記収穫装置5が搬送する収穫物を受継いで搬送し前記収穫物受入部Rに載置したコンテナ内に投入する収穫物搬送装置7と、前記収穫物受入部Rから取出された収穫物収容済みコンテナWを機体の一側部に前後方向に整列載置する側部収容台9と機体前部に載置する前部収容台11を設けた野菜収穫機において、
前記収穫装置5は、左側の走行装置3の上方に重なる位置で機体前部から機体後部にかけて配置し、前記側部収容台9は、右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置し、前記操縦部13は、右側の走行装置3の前部上方に重なるように配置し、前記前部収容台11は、側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の前方に配置し、前記収穫物受入部Rを右側の走行装置3の後方で前記側部収容台9の後部の機体左右方向内側に近接配置したことを特徴とする野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場から収穫した野菜をコンテナに収容して収穫作業を進める野菜収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1,2に示されるように、機体を自走させるクローラ式走行装置を左右に設けた走行機体に、野菜を圃場から取上げ搬送する搬送手段を備えた収穫装置と、操縦者が搭乗して機体を操縦する操縦部と、前記収穫装置が収穫した収穫物をコンテナ内に受入れる収穫物受入部と、前記収穫装置が搬送する収穫物を受継いで搬送し前記収穫物受入部に載置したコンテナ内に投入する収穫物搬送装置と、前記収穫物受入部から取出された収穫物収容済みコンテナを機体の一側部に前後方向に整列載置する側部収容台と機体前部に載置する前部収容台を設けた野菜収穫機があった。
そして、特許文献1,2に記載の野菜収穫機は、収穫装置は機体左側で機体前部から機体後部にかけて配置し、操縦部は機体右側に配置し、側部収容台は機体右側端部で機体前部から機体後部にかけて配置し、前部収容台は機体右側前部に配置し、収穫物受入部を機体右側端部に配置した側部収容台の後部に設けたものである。
【特許文献1】特開平8−256552号公報
【特許文献2】特開平8−289642号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の野菜収穫機は、機体右側端部に側部収容台を設けたものであり、しかも、その側部収容台の後部に収穫物受入部を設けたものなので、収穫物の収容量が増加するにともない機体右側端部側の重量が増加する。一方、機体左側端部は重量一定の収穫装置を配置している。このため、この種の野菜収穫機においては、機体の左右重量バランスが大きく変動するものであり、これにともない、左右の走行装置の接地圧が変動して直進性が低下し、野菜が植生する列に沿った直進作業走行が適確に行いにくく、作業性、機体の操縦性が良くなかった。そこで、本発明は、収穫物の収容量増大による機体の左右重量バランスの変動をできるだけ小さく抑えて作業性及び機体操縦性を向上させ、且つ、収穫物の機体積載量を増大して作業能率の向上を図ることを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、機体を自走させるクローラ式走行装置3,3を左右に設けた走行機体に、野菜を圃場から取上げ搬送する搬送手段を備えた収穫装置5と、操縦者が搭乗して機体を操縦する操縦部13と、前記収穫装置5が収穫した収穫物をコンテナ内に受入れる収穫物受入部Rと、前記収穫装置5が搬送する収穫物を受継いで搬送し前記収穫物受入部Rに載置したコンテナ内に投入する収穫物搬送装置7と、前記収穫物受入部Rから取出された収穫物収容済みコンテナWを機体の一側部に前後方向に整列載置する側部収容台9と機体前部に載置する前部収容台11を設けた野菜収穫機において、前記収穫装置5は、左側の走行装置3の上方に重なる位置で機体前部から機体後部にかけて配置し、前記側部収容台9は、右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置し、前記操縦部13は、右側の走行装置3の前部上方に重なるように配置し、前記前部収容台11は、側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の前方に配置し、前記収穫物受入部Rを右側の走行装置3の後方で前記側部収容台9の後部の機体左右方向内側に近接配置したことを特徴とする野菜収穫機としたものである。
【0005】
【作用】
上記構成とした野菜収穫機は、操縦者が操縦部13に搭乗して機体を操縦し、左右のクローラ式走行装置3,3を作動させて機体を走行させる。機体走行中、収穫装置5は、それが備える搬送手段によって野菜を圃場から取上げ搬送する。そして、収穫物搬送装置7が収穫装置5が取上げ搬送した収穫物を受継いで搬送し、収穫物受入部Rに載置したコンテナ内に投入する。投入された収穫物でコンテナが満杯になったら、収穫物受入部Rからそのコンテナを右側外方に取出して側部収容台9の後部上に移動する。側部収容台9の後部上に移動された収穫物収容済みコンテナWは、前側にむけて移動させることで、複数のコンテナWを側部収容台9上に前後整列状態で積載できる。更に、側部収容台9の前部まで収穫物収容済みコンテナWが積載されて側部収容台9上にコンテナWが満載状態になるときには、側部収容台9の前部に載置されているコンテナWを前部収容台11に移動することで、収穫物収容済みコンテナWを更に機体に積載でき、よって、圃場端に機体を移動させて収穫物収容済みコンテナWを機体から降ろすために生じる収穫作業の中断回数が少なくなって、作業能率が向上する。
【0006】
また、この野菜収穫機は、重量が大きい収穫装置5が左側の走行装置3の上方に重なるように配置されて、収穫装置5の重量が機体の左右反対側の右側走行装置3の接地圧に関与する度合いが少なくなる。このため、右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置した側部収容台9に載置される収穫物収容済みコンテナWの積載数が少ないときに、収穫装置5の重量によって左側の走行装置3の接地圧が増大するのをできるだけ小さく抑えられる。また、操縦部13が右側の走行装置3の前部上方に重なるように配置されるので、操縦部13に搭乗した操縦者の体重は、機体の左右反対側の左側走行装置3の接地圧に関与する度合いが少なくなる。そして、前部収容台11が側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の前方に配置されているので、収穫物収容済みコンテナWを積載数が増えて前部収容台11に収穫物収容済みコンテナWを載置しても、その前部収容台11に載置した収穫物収容済みコンテナWの重量は、機体の左右反対側の左側走行装置3の接地圧に関与する度合いを少なく抑えられる。更に、収穫物収容済みコンテナWを積載数にかかわらず、収穫時において常に収穫物が投入されて収穫物の重量がかかる収穫物受入部Rが、側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の後方に配置されているので、この収穫物受入部Rにおける重量についても、機体の左右反対側の左側走行装置3の接地圧に関与する度合いを少なく抑えられる。従って、この野菜収穫機は、上記の配置構成が効果的に統合して、側部収容台9を右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置したものでありながら、収穫物収容済みコンテナWの積載数が変動しても機体の左右重量バランスの変動が小さくできて、作業性及び機体の操縦性が良いものとなる。
【0007】
また、そのように収穫物受入部Rを側部収容台9より機体左右方向内側に配置したものでありながら、収穫物受入部Rが側部収容台9の後部の機体左右方向内側に近接配置されているので、収穫物受入部Rに載置したコンテナが投入された収穫物で満杯になったときそのコンテナを収穫物受入部Rから側部収容台9に迅速に移動でき、なお且つ、側部収容台9の後部上に移動された収穫物収容済みコンテナWを前側にむけて移動させることで容易且つ迅速に側部収容台9上に前後整列状態で積載することができ、また、側部収容台9の前部まで収穫物収容済みコンテナWが積載されたときに、前部収容台11への移動も容易に行える。
【0008】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、上記のように構成したものであるので、側部収容台9を右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置したものでありながら、収穫物収容済みコンテナWの積載数が変動しても機体の左右重量バランスの変動が小さくできて、作業性及び機体の操縦性が良く、しかも、収穫物の積載量を増大でき、且つ、その積載も容易に行えて、作業能率が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明に係る野菜収穫機は、その側面図および平面図をそれぞれ図1,図2に示すように、機体を自走させるクローラ式走行装置3,3を左右に設けた走行機体に、野菜を圃場から取上げ搬送する搬送手段を備えた収穫装置5と、操縦者が搭乗して機体を操縦する操縦部13と、前記収穫装置5が収穫した収穫物をコンテナ内に受入れる収穫物受入部Rと、前記収穫装置5が搬送する収穫物を受継いで搬送し前記収穫物受入部Rに載置したコンテナ内に投入する収穫物搬送装置7と、前記収穫物受入部Rから取出された収穫物収容済みコンテナWを機体の一側部に前後方向に整列載置する側部収容台9と機体前部に載置する前部収容台11を設けたものである。
【0010】
そして、この野菜収穫機は、前記収穫装置5は、左側の走行装置3の上方に重なる位置で機体前部から機体後部にかけて配置し、前記側部収容台9は、右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置し、前記操縦部13は、右側の走行装置3の前部上方に重なるように配置し、前記前部収容台11は、側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の前方に配置し、前記収穫物受入部Rを右側の走行装置3の後方で前記側部収容台9の後部の機体左右方向内側に近接配置したものである。また、図示例においては、収穫装置5の前部に、収穫物の茎葉部を引起す引起し装置6を設け、操縦部13に、操縦者が座る操縦席7bと、走行装置3,3や収穫装置5などの各装置の動作を操作する操作装置を設けている。
【0011】
上記構成とした野菜収穫機は、操縦者が操縦部13に搭乗して機体を操縦し、左右のクローラ式走行装置3,3を作動させて機体を走行させる。機体走行中、収穫装置5は、それが備える搬送手段によって野菜を圃場から取上げ搬送する。そして、収穫物搬送装置7が収穫装置5が取上げ搬送した収穫物を受継いで搬送し、収穫物受入部Rに載置したコンテナ内に投入する。投入された収穫物でコンテナが満杯になったら、収穫物受入部Rからそのコンテナを右側外方に取出して側部収容台9の後部上に移動する。側部収容台9の後部上に移動された収穫物収容済みコンテナWは、前側にむけて移動させることで、複数のコンテナWを側部収容台9上に前後整列状態で積載できる。更に、側部収容台9の前部まで収穫物収容済みコンテナWが積載されて側部収容台9上にコンテナWが満載状態になるときには、側部収容台9の前部に載置されているコンテナWを前部収容台11に移動することで、収穫物収容済みコンテナWを更に機体に積載でき、よって、圃場端に機体を移動させて収穫物収容済みコンテナWを機体から降ろすために生じる収穫作業の中断回数が少なくなって、作業能率が向上する。
【0012】
また、この野菜収穫機は、重量が大きい収穫装置5が左側の走行装置3の上方に重なるように配置されて、収穫装置5の重量が機体の左右反対側の右側走行装置3の接地圧に関与する度合いが少なくなる。このため、右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置した側部収容台9に載置される収穫物収容済みコンテナWの積載数が少ないときに、収穫装置5の重量によって左側の走行装置3の接地圧が増大するのをできるだけ小さく抑えられる。また、操縦部13が右側の走行装置3の前部上方に重なるように配置されるので、操縦部13に搭乗した操縦者の体重は、機体の左右反対側の左側走行装置3の接地圧に関与する度合いが少なくなる。そして、前部収容台11が側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の前方に配置されているので、収穫物収容済みコンテナWを積載数が増えて前部収容台11に収穫物収容済みコンテナWを載置しても、その前部収容台11に載置した収穫物収容済みコンテナWの重量は、機体の左右反対側の左側走行装置3の接地圧に関与する度合いを少なく抑えられる。更に、収穫物収容済みコンテナWを積載数にかかわらず、収穫時において常に収穫物が投入されて収穫物の重量がかかる収穫物受入部Rが、側部収容台9より機体左右方向内側で右側の走行装置3の後方に配置されているので、この収穫物受入部Rにおける重量についても、機体の左右反対側の左側走行装置3の接地圧に関与する度合いを少なく抑えられる。従って、この野菜収穫機は、上記の配置構成が効果的に統合して、側部収容台9を右側の走行装置3の外側方で機体前部から機体後部にかけて配置したものでありながら、収穫物収容済みコンテナWの積載数が変動しても機体の左右重量バランスの変動が小さくできて、作業性及び機体の操縦性が良いものとなる。
【0013】
上記図示例の野菜収穫機は、前部収容台11を機体側に対して回動可能に取付けて、前部収容台11が前方に倒伏し上面側にコンテナを載置可能になる状態と、前部収容台11が上方回動し機体側に収納される状態とに切換え可能に構成することにより、前部収容台11を使用しない非作業時等に前部収容台11を折りたたんで機体をコンパクトにできる。更に、前部収容台11を上方回動し起立姿勢にしたときにステップ面が上方に向くようにステップ部21を前部収容台11に設けると、前部収容台11の収納時に、この前部収容台11に設けたステップ部21を利用して、前部収容台11の後側に位置する操縦部13に搭乗するのが一層容易に行えるようになる。特に、操縦部13の外側方の側部収容台9上にコンテナが満載されているときに便利である。また、前部収容台11の上面は、図3の要部拡大断面図に示すように、前上がりに所定角度θを傾斜してコンテナを収容積載することにより、機体走行時の前後の揺れ等によるコンテナの落下を防止することができる。前部収容台11の基部の高さ位置を側部収容台9の終端より所定の落差寸法Hの下位位置に設定することにより、側部収容台9の前端側から前部収容台11へのコンテナの移動が容易となる。
【0014】
つぎに、コンテナ収容部を水平回動可能な側部収容台によって構成した例について説明する。図4に水平回動可能な側部収容台の構成例の平面図を示す。以下において,前記同様の部材はその符号を付することにより説明を省略する。図4において、側部収容台を前後に分割して後側の部分収容台23と前側の部分収容台24とによって構成する。前側の部分収容台24はその前端に支軸25を設け、直角展開位置まで水平回動可能に構成する。また、前側の部分収容台24に電動機26を設け、かつ、分離可能なクラッチ27a,27bを両部分収容台23、24の間に設けて電動機26の動力を後側の部分収容台23に伝達し、両部分収容台23、24を単一動力源で移送駆動する。
【0015】
このように構成することにより、収穫処理された収穫物の投入を受けたコンテナWは後側の部分収容台23から前側の部分収容台24の終端まで動力移送される。これを前部収容台11に移送する際は、図5の動作状態平面図のように、前側の部分収容台24を展開位置まで回動して前部収容台11と直列し、電動機26により移送駆動することにより、容易に移し変えすることができる。
【0016】
また、図6の側部収容台の別構成例の平面図のように、後側の部分収容台23を動力移送手段、前側の部分収容台24aを非駆動型の移送手段により構成する場合に、この前側の部分収容台24aの前端にコンテナを検出して後側の部分収容台23の送り動作を止めるためのコンテナ検出センサ28を設けるとともに、その近傍のコンテナの整列収容範囲を超える部分Lを移送手段のない抵抗部29として構成する。この抵抗部29は、前側の部分収容台24a上を浮動するコンテナの進入を抑制する。
【0017】
上記のように構成することにより、前側の部分収容台24aの上にコンテナが満載された状態で後側の部分収容台23からコンテナが押し出された場合にのみ抵抗部29へのコンテナの前進進入を許すことによりコンテナ検出センサ28の誤作動を防止し、満載センサとしての機能を確保することがでる。
【0018】
さらに、操縦部13に配置したスイッチ等によって前側の部分収容台24を動力回動させるように構成することにより、オペレータが圃場に降りることなく、前部収容台11へのコンテナ移送を遠隔操作することができる。
【0019】
なお、上記において、側部収容台を直角展開位置まで回動させて前部収容台11に直列する構成であれば、側部収容台が一体構成であっても、または、非駆動型の移送手段であっても、前記同様に収穫物収納済みコンテナを前部収容台11に容易に移送することができることが明らかであることから、その説明を省略する。また、機体の後部に後部収容台を付加して構成する場合も、前部収容台11と同様であることから、その説明を省略する。
【0020】
つぎに、コンテナ収容部の前後部収容台を回動可能に構成した例について説明する。図7に前後部収容台を回動可能に構成した野菜収穫機の平面図を示す。図7において、機体前部に前部収容台31を付設し、また、機体後部に後部収容台32を付設する。これら前部収容台31および後部収容台32をそれぞれ支軸31a,32aによって軸支して側部収容台9上まで回動可能に構成する。前部収容台31と後部収容台32は、側部収容台9の上段位置で前後に直列して収穫物収納済みコンテナを移送積載可能にコンテナ収容部を構成する。
【0021】
上記構成のコンテナ収容部は、まず、前部収容台31と後部収容台32を側部収容台9の上段位置に回動させた状態でコンテナを収容する。この側部収容台9の上段位置の前部収容台31と後部収容台32にコンテナが満載収容されると、それぞれを機体の全部または後部に回動移動し、次いで、下段の側部収容台9にコンテナを収容することができる。したがって、複数のコンテナを一括して迅速に機体の前後位置に収容することができる。
【0022】
つぎに、側部収容台と前部収容台との間に移送手段を設けたコンテナ収容部の構成例について説明する。側部収容台と前部収容台との間に移送手段を設けた野菜収穫機の平面図とその側面図を、それぞれ図8,図9に示す。図8および図9において、操縦部13の側方を乗降スペースとして側部収容台9を短く形成し、この側部収容台9の前端位置の取付け基部側に設けた支軸33に四分円弧の角度範囲に形成したレール体35を水平回動により側部収容台9から出没可能に軸支する。側部収容台9はベルトコンベヤにより構成し、その終端位置のコンテナの排出を検出してモータ37でコンテナを移送駆動するためのスイッチ36を設ける。
【0023】
上記構成のコンテナ収容部は、コンテナが側部収容台9上に満載収容された時に、レール体35を前部収容台11まで展開することにより、このレール体35に沿ってコンテナを容易に受け渡しすることができる。スイッチ36を操作することにより、コンテナを移動した後に側部収容台9の終端までコンテナが移送される。したがって、オペレータが側部収容台9上のコンテナの送り作業を要することなく前部収容台11に移し変えることができる。
【0024】
つぎに、コンテナガイドを備えたコンテナ収容部について説明する。コンテナガイドを備えた野菜収穫機の平面図を図10に示す。図10において、搬送コンベヤ41によって側部収容台を構成し、この搬送コンベヤ41の外側方に平行して機体の前後方向に延び、前部が円弧状に転向して前部収容台11に至るガイドフレーム42によるコンテナガイドを設ける。このガイドフレーム42は、移送されるコンテナが乗り越えない程度のガイドフェンスとして、その上端の高さ位置を搬送コンベヤの搬送面より高く形成する。
【0025】
上記構成のコンテナ収容部は、ガイドフレーム42がガイドフェンスとして搬送コンベヤ41からのコンテナの落下を防止することができる。コンテナの荷扱いの際は、ガイドフレーム42の上端縁にコンテナを乗せてガイドレールとして滑らせることによりコンテナの移動作業が容易となるので、搬送コンベヤ41から前部収容台11までコンテナを容易に移動することができる。
【0026】
また、他の構成例に係るコンテナガイド付き野菜収穫機の平面図とその側面図を、それぞれ図11,図12に示す。図11,図12において、搬送コンベヤ41とその外周を囲むフレーム43によるコンテナガイドとによって側部収容台を形成する。搬送コンベヤ41は、フレーム43の上端縁を基準高さ位置としてその搬送面を出没可能に、端部を支軸45によって回動可能にフレーム43に軸支する。
【0027】
上記構成の側部収容台は、機体走行に際して搬送コンベヤ41を下降させ、その搬送面をフレーム43の上端縁より下位位置41aに保持することにより、上記同様にフレーム43をガイドフェンスとして側部収容台からのコンテナの落下を防止することができる。コンテナを荷扱いする時は、フレーム43の上端縁にコンテナを乗せて滑らせるガイドレールとしてコンテナの移動作業が容易となる。
【0028】
また、必要に応じて搬送コンベヤ41を上昇させてその搬送面をフレーム43の上端縁より高位に保持することにより、搬送コンベヤ41によってコンテナを移送する際のフレーム43との接触による搬送抵抗を小さく抑えることができる。また、側部収容台のコンテナを側方に降ろす場合等に、フレーム43に引っ掛かることなくコンテナを容易に取り出すことができる。
【0029】
上記の他に、図13のコンテナガイドのその他の構成例に係る横断面図(a)(b)のように、搬送コンベヤ41の外側方に沿って設けた一本のフレーム46を支軸46aによって外方に開閉可能に構成した例、および、搬送コンベヤ41の両側方に沿って設けた2本のフレーム47,47を昇降動作可能に構成した例についても、フレームと搬送コンベヤが相対的に上下動作する構成であるから、同様の作用効果を奏するものである。
【0030】
つぎに、野菜収穫機の収穫装置側にコンテナ収容部を構成する例について説明する。収穫装置側にコンテナ収容部を構成した野菜収穫機の平面図、側面図、および背面図をそれぞれ図14,図15,図16に示す。図14〜図16において、機体の後部には、収穫物搬送装置7の終端の収穫物受入部Rで収穫物の投入を受けたコンテナを機体の横断方向に移送するコンベヤ51を配置する。このコンベヤ51は、掘取側に配置された収穫装置5の外側端まで延ばし、そのコンテナを受けて収穫装置5の外側方に整列収容するための掘取側収容台53を設ける。収穫装置5の排葉部5aは、コンベヤ51の後方まで延長し、コンベヤ51の上方部分にカバー5bを取付ける。
【0031】
収穫物受入部Rにはコンテナダンパ7aの下降を検出するプレートスイッチ51aを設け、収穫装置5の掘取クラッチと連動して電源が入るモータ51bをコンベヤ51のなるべく終端側に取付ける。コンテナの満載収容時は、コンテナダンパ7aの下降に応じてプレートスイッチ51aによりモータ51bを制御し、掘取側収容台53の方向にコンベヤ51を一定時間駆動する。また、掘取側収容台53を前下がりに傾斜させ、その始端部にセンサーバー53aと満載検出スイッチ53bを設ける。
【0032】
上記構成のコンテナ収容部により、コンテナが収穫物によって満杯になると、その都度、コンベヤ51によって掘取側収容台53にコンテナが送られる。コンベヤ51は掘取側収容台53のコンテナ満載検出スイッチ53bがオンになるまで自動送りによってコンテナを送出する。したがって、掘取側収容台53のコンテナの積載配置による重量バランスの均等化とともに、コンテナ収容量の拡大を図ることができる。
【0033】
つぎに、空コンテナを供給するためのコンテナシュータについて説明する。コンテナシュータを付設した野菜収穫機の平面図を図17に示す。図17において、収穫物搬送装置7から収穫物をコンテナに受ける収穫物受入部Rに臨んで機体後方に延びるコンテナシュータ61を設ける。このコンテナシュータ61は、その前端の側部に設けた支軸61aについてその側方の直角位置まで回動可能に軸支する。支軸61aは片側に、または選択可能に両側に構成する。
【0034】
上記構成のコンテナシュータ61は、回動させて向きを変えることにより、作業に適した位置で空コンテナを積載することが可能となる。また、圃場における機体転向に際し、狭い場所でも邪魔にならないように状況に合わせて調節することができる。
【0035】
また、図18の別構成のコンテナシュータを付設した野菜収穫機の平面図のように、コンテナシュータ63の左右方向の中心線上に支軸63aを設け、その左右回動用のモータを取付け、回動制御用のスイッチ64を作業者席7bに近接して設けることにより、中割作業によって機体の両側が未掘状態で作業者が圃場に降りられない場合も、コンテナシュータ63の向きを変えることができる。さらに、操縦部13にも回動制御用のスイッチを配置することにより、野菜収穫機の運転に際してコンテナシュータ63の向きを変えることができるので、特に、機体後進に際して容易に視界を確保することができる。
【0036】
つぎに、屑用コンテナ収容台について説明する。屑用コンテナ収容台を備えた野菜収穫機の平面図を図19に示す。図19において、収穫物搬送装置7の作業者席7bを側部収容台9の上方に設け、この側部収容台9の機体後方位置に屑用コンテナ収容台71を配置する。この屑用コンテナ収容台71に屑用コンテナを置き、収穫物搬送装置7における選別作業によって分別された屑ニンジン等を収納する。
【0037】
上記構成の屑用コンテナ収容台71は、収穫物搬送装置7に臨む作業者席7bの側方に近接して屑用コンテナを配置できるので、効率よく選別作業をすることができ、また、コンテナ交換も容易にできる。屑用コンテナを使用しないときは、代わりにコンテナを置きとして利用できるので、コンテナの積載数を増加することができる。
【0038】
また、図20の別の構成の屑用コンテナ収容台を備えた野菜収穫機の側面図に示すように、屑用コンテナ収容台73を作業者席7bの方向に跳ね上げ可能に構成する。このように構成することにより、屑用コンテナ収容台73を折りたたんで作業者席7bによってロックすることができ、その結果、機体収納時のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンテナ収容型野菜収穫機の側面図
【図2】図1の野菜収穫機の平面図
【図3】前部収容台の要部拡大断面図
【図4】水平回動可能な側部収容台の構成例の平面図
【図5】動作状態平面図
【図6】側部収容台の別構成例の平面図
【図7】前後部収容台を回動可能に構成した野菜収穫機の平面図
【図8】側部収容台と前部収容台との間に移送手段を設けた野菜収穫機の平面図
【図9】図8の野菜収穫機の側面図
【図10】前部収容台に至るコンテナガイドを備えた野菜収穫機の平面図
【図11】他の構成例に係るコンテナガイド付き野菜収穫機の平面図
【図12】図11のコンテナ収容部の側面図
【図13】コンテナガイドのその他の構成例に係る横断面図(a)(b)
【図14】収穫装置側にコンテナ収容部を構成した野菜収穫機の平面図
【図15】図14の野菜収穫機の側面図
【図16】図14の野菜収穫機の背面図
【図17】コンテナシュータを付設した野菜収穫機の平面図
【図18】別の構成のコンテナシュータを付設した野菜収穫機の平面図
【図19】屑用コンテナ収容台を備えた野菜収穫機の平面図
【図20】別の構成の屑用コンテナ収容台を備えた野菜収穫機の側面図
【符号の説明】
3 走行装置
5 収穫装置
7 収穫物搬送装置
7b 作業者席
9 側部収容台
11 前部収容台
13 操縦部
21 ステップ
23、24、24a 部分収容台
25 支軸
28 コンテナ検出センサ
29 抵抗部
31 前部収容台
31a,32a 支軸
32 後部収容台
33 支軸
35 レール
42 ガイドフレーム
43、46 フレーム
46a 支軸
53 掘取側収容台
61 コンテナシュータ
61a 支軸
63 コンテナシュータ
63a 支軸
R 収穫物受入部
W コンテナ
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年12月11日(2002.12.11)
【代理人】 【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎

【識別番号】100078260
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 レイ子

【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男

【公開番号】 特開2004−187572(P2004−187572A)
【公開日】 平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願番号】 特願2002−359227(P2002−359227)