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【発明の名称】 コンバインの刈取部
【発明者】 【氏名】奥本 康治
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】阿波 雅之
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】喜安 一春
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】武方 毅
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】里路 久幸
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】斎藤 学
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】新見 静雄
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】加藤 武史
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】穀稈の搬送・供給の確実化。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分草体10および引起装置11の後側に刈刃15を設け、該刈刃15の後側に左右の前記分草体10からの複数の搬送通路を通る穀稈を夫々搬送する根元搬送装置14を設けて刈取部5を構成し、前記各根元搬送装置14の終端に、始端部を上下させて扱深さ調節する扱深さ調節装置を兼用し、且つ、脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置30の始端部に穀稈を引き継ぐ株元引継搬送装置31の始端部を臨ませ、前記刈取部5の下部横伝動ケース18は機体側に回動自在に取付けた縦支持フレーム6の先端に取付け、下部横伝動ケース18の左右および中間位置には前記引起装置11に回転を伝達する側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の下部を夫々取付け、前記側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の上部は前記引起装置11の引起ケース61の上部に接続し、前記側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の内の少なくとも側部伝動ケース20は、その上下中間部に上端および下端より前側に位置するように上下中間屈曲部60を形成したコンバインの刈取部。
【請求項2】
請求項1において、前記左右の側部伝動ケース20は夫々正面から見て上下中間屈曲部60より上方に至たるに従い互いに接近するように形成したコンバインの刈取部。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記刈取部5の後方一側には操縦部4を設け、前記側部伝動ケース20のうち操縦部4側の側部伝動ケース20の上下中間屈曲部60は、前記操縦部4の前側に設けた機体カバー62に合わせた位置に設け、側部伝動ケース20の下部の取付位置と側部伝動ケース20の上部の引起装置11の接続部分とを結ぶ線より前側空間に側面視機体カバー62が位置するように構成したコンバインの刈取部。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記刈取部5は、各根元搬送装置14の上方の位置固定の穂先搬送装置を省略し、各根元搬送装置14の複数の搬送通路の合流部に、始端部を上下させて扱深さ調節装置を兼用する株元引継搬送装置31を設け、該株元引継搬送装置31の始端部に縦軸回転の一対の穀稈掻込体50の掻込爪52と穀稈掻込体51の掻込爪53との噛合部54を設けたコンバインの刈取部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、分草体および引起装置および刈刃および根元搬送装置を設けて刈取部を構成し、各根元搬送装置の終端に脱穀装置に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置の始端部に穀稈を引き継ぐ引継搬送装置の始端部を臨ませ、刈取部は機体側に回動自在に取付けた縦支持フレームの先端に刈取部の下部横伝動ケースを取付け、下部横伝動ケースの左右および中間位置には引起装置に回転を伝達する側部伝動ケースおよび中央伝動ケースの下部を取付けたコンバインの刈取部に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来、分草体および引起装置および刈刃および根元搬送装置を設けて刈取部を構成し、各根元搬送装置の終端に脱穀装置に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置の始端部に穀稈を引き継ぐ引継搬送装置の始端部を臨ませ、前記刈取部は機体側に回動自在に取付けた縦支持フレームの先端に刈取部の下部横伝動ケースを取付け、下部横伝動ケースの左右および中間位置には前記引起装置に回転を伝達する側部伝動ケースおよび中央伝動ケースの下部を取付け、前記側部伝動ケースおよび中央伝動ケースは所定の角度に傾斜している引起装置の上部と下部横伝動ケースとの間を側面視直線状に連結した構成は、公知である(例えば、特許文献1参照)。

【0003】
【特許文献1】
特開平9−168325号公報(図1参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知のものは、所定の角度に傾斜している引起装置の上部と下部横伝動ケースとの間を側面視直線形状の側部伝動ケースにより連結しているため、扱深さ調節用の搬送装置の始端部が上下する空間を引起装置の後側に設ける必要があり、その分、引起装置と搬送装置の間を搬送される穀稈の搬送姿勢に乱れが生じることがあるという課題がある。
また、引起装置の後側に扱深さ調節用の搬送装置の始端部が上下する空間を設けた分、機体の全長が長くなるという課題もある。
本願は、刈取部の搬送装置と脱穀装置に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置との間の引継搬送装置通路において、搬送の確実性を向上させ、しかも、機体全長を短縮したものである。
【0005】
【発明の目的】
穀稈の搬送・供給・引継の確実化、機体全長の短縮。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の分草体10および引起装置11の後側に刈刃15を設け、該刈刃15の後側に左右の前記分草体10からの複数の搬送通路を通る穀稈を夫々搬送する根元搬送装置14を設けて刈取部5を構成し、前記各根元搬送装置14の終端に、始端部を上下させて扱深さ調節する扱深さ調節装置を兼用し、且つ、脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置30の始端部に穀稈を引き継ぐ株元引継搬送装置31の始端部を臨ませ、前記刈取部5の下部横伝動ケース18は機体側に回動自在に取付けた縦支持フレーム6の先端に取付け、下部横伝動ケース18の左右および中間位置には前記引起装置11に回転を伝達する側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の下部を夫々取付け、前記側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の上部は前記引起装置11の引起ケース61の上部に接続し、前記側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の内の少なくとも側部伝動ケース20は、その上下中間部に上端および下端より前側に位置するように上下中間屈曲部60を形成したコンバインの刈取部としたものであり、走行装置2により前進すると、各分草体10により分草し、分草体10により分草された穀稈は引起装置11により引起され、スターホイル13により後方に掻込まれ、刈刃15により切断され、切断された穀稈の株元は各根元搬送装置14により搬送され、各根元搬送装置14により搬送された穀稈は、その株元側を始端部が上下して扱深さ位置を調節する株元引継搬送装置31に挟持位置が変更されて引き渡されて搬送され、穂先側は穂先引継搬送装置32により搬送され、搬送された穀稈は脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置30に引継がれて脱穀される。
そして、下部横伝動ケース18の左右両側に起立する側部伝動ケース20を介して引起装置11に回転を伝達し、側部伝動ケース20の上下中間部分は上下中間屈曲部60に形成され、側部伝動ケース20は上下中間屈曲部60を前側に位置させて「く」の字形状に形成しているので、始端部が上下する株元引継搬送装置31および穂先引継搬送装置32の上下作動する空間を側部伝動ケース20の後方に形成し、株元引継搬送装置31および穂先引継搬送装置32を引起装置11の後方すぐに位置させられ、引継を良好にするだけでなく、機体全長を短くする。
本発明は、前記左右の側部伝動ケース20は夫々正面から見て上下中間屈曲部60より上方に至たるに従い互いに接近するように形成したコンバインの刈取部としたものであり、隣接する引起装置11との間に形成した穀稈通路は、上側の穂先側は左右の側部伝動ケース20が上下中間部より上方に至たるに従い互いに接近しいても引起ケース61の後方で引起装置11の引起ラグ76による引起しに悪影響を与えず、また、下側の株元側は側部伝動ケース20の上部が接近させた分略縦状に起立させることで間隔を広く形成して、隣接する引起装置11との間に形成した穀稈通路を通過する穀稈の姿勢を良好にして下から上に移動する引起装置11の引起ラグ76により引起せる。
本発明は、前記刈取部5の後方一側には操縦部4を設け、前記側部伝動ケース20のうち操縦部4側の側部伝動ケース20の上下中間屈曲部60は、前記操縦部4の前側に設けた機体カバー62に合わせた位置に設け、側部伝動ケース20の下部の取付位置と側部伝動ケース20の上部の引起装置11の接続部分とを結ぶ線より前側空間に側面視機体カバー62が位置するように構成したコンバインの刈取部としたものであり、側部伝動ケース20のうち進行方向の右側の側部伝動ケース20の上下中間屈曲部60は操縦部4の前側に設けた機体カバー62に合わせた位置に設けているので、側部伝動ケース20の下部の取付位置と側部伝動ケース20の上部の引起装置11の接続部分とを結ぶ線より前側空間に側面視機体カバー62を位置させて、機体全長を短くし、また、刈取部5を上昇させたときは上下中間屈曲部60が機体カバー62を避けて上昇するので、平面視において操縦部4の前方に引起装置11の引起ケース61の非作用側を寄せることができ、刈取部5の刈幅を変更することなく機体の左右幅を短くする。
本発明は、前記刈取部5は、各根元搬送装置14の上方の位置固定の穂先搬送装置を省略し、各根元搬送装置14の複数の搬送通路の合流部に、始端部を上下させて扱深さ調節装置を兼用する株元引継搬送装置31を設け、該株元引継搬送装置31の始端部に縦軸回転の一対の穀稈掻込体50の掻込爪52と穀稈掻込体51の掻込爪53との噛合部54を設けたコンバインの刈取部としたものであり、各分草体10により分草し、分草体10により分草された穀稈は引起装置11により引起され、引き起こされた穀稈の中間部がスターホイル13により後方に掻込まれ、略同時に刈刃15により株元側が切断され、切断された穀稈の株元は各根元搬送装置14により搬送され、穂先側は穀稈掻込体50と穀稈掻込体51により搬送されて、株元引継搬送装置31に株元側が扱深さを調節した挟持位置で引き継ぎ、各根元搬送装置14の上方の位置固定の穂先搬送装置を省略し、穂先側は穂先引継搬送装置32により引き継ぎ搬送され、搬送された穀稈は脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置30に引継がれて脱穀される。
したがって、各根元搬送装置14の上方の位置固定の穂先搬送装置を省略して軽量化を図りつつ、穀稈掻込体50と穀稈掻込体51により穂先搬送装置を兼用してコストを低くし、また、機体全長も短くする。
【0007】
【発明の効果】
請求項1の場合、搬送姿勢が安定し、稈こぼれを防止できて、引継が良好にし、機体の全長を短くできる。
請求項2の場合、前記効果に加えて、搬送通路を拡大し、穀稈の搬送姿勢を安定させられる。
請求項3の場合、前記効果に加えて、刈取部5を上下回動させたとき、刈取部5と機体カバー62との干渉を防止し、そのため、操縦部4の前方に刈取部5を位置させて、操縦部4の前方の穀稈の刈取も行える全面刈りを実現しつつ、機体全長をコンパクトにできる。
請求項4の場合、前記効果に加えて、根元搬送装置14の上方の位置固定の穂先搬送装置を省略し、コストを低くし、軽量化でき、機体の全長も短くできる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方位置に設けた脱穀装置、4は該脱穀装置3の前側一側位置に設けた操縦部、5は前記脱穀装置3および前記操縦部4の前方位置に設けた刈取部である。
刈取部5は、前後方向の縦支持フレーム6の先端に設け、縦支持フレーム6の基部に基部横伝動ケース7を設け、基部横伝動ケース7は前記機体フレーム1の支持台に回動自在に取付ける。縦支持フレーム6の中間部には刈取上下シリンダ9の一端を取付け、刈取上下シリンダ9の他端を機体側に取付け、刈取上下シリンダ9により刈取部5を上下させる。
10は前記刈取部5に設けた分草体、11は各分草体10の後方の引起装置、12は引起装置11の後方のラグ式掻込装置、13はラグ式掻込装置12の基部側下方位置に設けたスターホイル、14は左右のスターホイル13の上方に設けた根元搬送装置、15は刈刃である。
【0009】
また、18は縦支持フレーム6の先端に設けた下部横伝動ケースであり、刈取入力プーリ19に伝達されたエンジンの回転が縦支持フレーム6内の伝動軸により刈取部5の各部に伝達される。20は下部横伝動ケース18の左右側に設けた左右側部伝動ケース、21は中央伝動ケースであり、前記左右の側部伝動ケース20および中央伝動ケース21の夫々は前記引起装置11の上部に取付け、支持部材と回転伝達部材を兼用する。
前記左右の側部伝動ケース20の上下中間部には上下中間伝動ケース22の基部を取付け、上下中間伝動ケース22の先端に伝動軸23、24を設け、伝動軸23、24によりスターホイル13および根元搬送装置14に回転を伝達している。25は刈刃15に回転を伝達する伝達軸である。
【0010】
左右の根元搬送装置14の搬送通路の後側には、搬送された穀稈を前記脱穀装置3に供給する穀稈供給搬送装置30に引継ぐ株元引継搬送装置31と穂先引継搬送装置32を設ける。株元引継搬送装置31は、引継搬送チエン33と引継挾扼杆34とを有し、引継搬送チエン33は駆動スプロケット35と従動スプロケット36とに掛け回すが、駆動スプロケット35と従動スプロケット36は任意の手段により機体側に取付ける。一例を示すと、基部横伝動ケース7の一部または基部横伝動ケース7に設けた伝動フレーム37の回転軸38に前記駆動スプロケット35を固定し、伝動フレーム37に設けたフレーム39に前記従動スプロケット36を回転軸40により取付ける。
前記引継挾扼杆34は、機体側に基部を固定した逆U型支持フレーム41の先端に設けた取付台42に対し弾力的に出入自在に取付け、引継搬送チエン33に対して遠近に移動して搬送中の穀稈に弾接する。
【0011】
株元引継搬送装置31の始端部は、根元搬送装置14の終端部に側面視重合させ、根元搬送装置14により搬送された穀稈の受渡しを確実にしている。また、伝動フレーム37を基部横伝動ケース7に対して回転自在に取付けることにより、株元引継搬送装置31の始端部を上下位置調節自在に構成し、扱深さ調節装置として兼用している。
前記株元引継搬送装置31の上方位置には前記穂先引継搬送装置32を設ける。穂先引継搬送装置32は、機体側に取付けたケースフレーム45に設けた駆動スプロケット46と、ケースフレーム45の先端側に設けた従動スプロケット47とにラグ付き搬送チエン48を掛け回わし、ラグ付き搬送チエン48に引継搬送ラグ49を所定間隔を置いて起伏自在に取付けて構成する。実施例では、ケースフレーム45は伝動フレーム37側に取付け、株元引継搬送装置31の始端部の上下動に連動して穂先引継搬送装置32の始端部が上下するように構成している。図示は省略するが、ケースフレーム45には、引継搬送ラグ49を起立状態に保持する起立ガイドと、引継搬送ラグ49を格納させるために倒伏させる倒伏ガイドをそれぞれ所定位置に設けている。
【0012】
しかして、左右に複数並設した分草体10により分草されて引起装置11により引起された穀稈は、並行状態のまま刈刃15により根元が切断され、そのまま複数並設された各分草体10から続く搬送通路Hを根元搬送装置14により搬送され、この夫々の搬送通路Hを搬送された穀稈は合流して、株元引継搬送装置31と穂先引継搬送装置32に引継がれる。
この各搬送通路Hを通って合流した穀稈が搬送される引継搬送通路Gには、一対の穀稈掻込体(スターホイル)50、51を設ける。穀稈掻込体50、51は、円板形状に形成し、周縁に掻込爪52、53を所定間隔を置いて複数夫々形成し、夫々の穀稈掻込体50、51の掻込爪52、53は互いに噛み合わせ、掻込爪52と掻込爪53とが噛み合うことで穀稈を掻き込む。
駆動穀稈掻込体50は前記回転軸40の上端に取付け、回転軸40は支持部材55に軸装され、支持部材55の下部は前記回転軸40を軸装したフレーム39に固定して設けられ、引継搬送チエン33の回転が回転軸40を介して伝達されて駆動回転する。
【0013】
また、従動穀稈掻込体51は駆動穀稈掻込体50に噛み合うことで回転し、駆動穀稈掻込体50に噛合う前記従動穀稈掻込体51は、取付フレーム58の先端に軸装し、取付フレーム58の基部は前記逆U型支持フレーム41に設けた取付台42に取付けている。
この駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51の駆動掻込爪52と従動掻込爪53の噛合部54は各搬送通路Hが合流する引継搬送通路Gに設け、各搬送通路Hから搬送された穀稈の合流を円滑にしている。
即ち、駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51は複数の搬送通路Hが合流する引継搬送通路Gの搬送方向の左右両側に夫々位置し、駆動掻込爪52と従動掻込爪53が搬送方向上手側から下手側に互いに回転して穀稈を掻き込み、駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51は搬送通路Hからの合流と引継搬送通路Gの搬送の双方に作用し、特に搬送通路Hの合流部分での掻き込み作用により穀稈の挟み込みや噛込みなどの不具合を防止し、詰まり発生を防止でき、各搬送通路Hからの合流および引継搬送通路Gにおける搬送を円滑、確実にする。
【0014】
この場合、駆動掻込爪52と従動掻込爪53の噛合部54部分は搬送方向の一点ではなく前後に所定長さを有しており、同様に、引継搬送通路Gも搬送方向に所定の長さを有しているので、噛合部54も搬送通路Hの合流部分の何れもただの一か所を指すものではなく、所定の長さ(幅あるいは範囲)を有し、この範囲内に噛合部54を配置することで、搬送通路Hから搬送された穀稈の合流を円滑にするようにすればよい。
換言すると、実施例では、左右に根元搬送装置14を設け、根元搬送装置14の根元搬送チエン58が互いに接近する場所が引継搬送通路Gの始端部となり、この引継搬送通路Gの始端部近傍に噛合部54を位置させると、左右の搬送通路Hからの合流する搬送穀稈を駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51により円滑に掻き込んで搬送して、好適である。
なお、図1の根元搬送装置14は、その左側は根元搬送チエン59に変えて根元搬送ラグ59aに形成し、騒音発生を抑制している。
【0015】
また、駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51の夫々の駆動掻込爪52と従動掻込爪53の先端軌跡(搬送上手側)は、引継搬送通路Gの始端部あるいは根元搬送装置14の根元搬送チエン59(根元搬送ラグ59a)が互いに接近する場所よりも搬送方向上手側に位置するようにすると、一層、根元搬送装置14による穀稈搬送の受渡が円滑確実になって、搬送(受け渡し)姿勢が安定して良好になり、稈こぼれも抑制防止でき、好適である。即ち、噛合部54を引継搬送通路G内に位置させても、駆動掻込爪52と従動掻込爪53の先端軌跡が各搬送通路Hの終端とラップすることで、掻き込み性能を向上させられる。
また、引継搬送通路Gの正面から見たとき、穂先引継搬送装置32の引継搬送ラグ49が通過する移動路内に駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51の噛合部54を位置させると、搬送姿勢が安定し、稈こぼれを防止できて、好適である。
【0016】
即ち、引継搬送ラグ49の作用域の移動路の下方に駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51の噛合部54を位置させることで、穂先搬送中の穀稈の株元が駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51により確実に挟持されて、搬送案内(掻込)作用も向上する。
また、引継搬送通路Gの正面から見たとき、駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51の噛合部54に対して穂先引継搬送装置32の引継搬送ラグ49先端の移動軌跡は、反ケースフレーム45側に突き出すように位置させると、搬送通路が広くなって搬送姿勢が安定し、穂先側の搬送案内も良好になって、稈こぼれを防止できて、好適である。
また、穂先引継搬送装置32の引継搬送ラグ49のピッチに対して駆動穀稈掻込体50の駆動掻込爪52および従動穀稈掻込体51の従動掻込爪53のピッチを小に構成する。この場合、引継搬送ラグ49も駆動掻込爪52も回転軸40から同じ回転数が伝達されるが、駆動穀稈掻込体50の駆動掻込爪52および従動穀稈掻込体51の従動掻込爪53のピッチを小にすることで、穀稈に対する各掻込爪52、53の接触(掻込)回数が、引継搬送ラグ49より多くなって、掻込性能が向上し、穀稈の挟持力も向上し、搬送姿勢が安定し、稈こぼれを防止できて、好適である。
【0017】
しかして、前記側部伝動ケース20は、その上下中間部に上下中間屈曲部60を形成する。側部伝動ケース20の下部は下部横伝動ケース18に取付け、側部伝動ケース20の下端より上下中間屈曲部60に至るに従い前側に位置するように傾斜させ、上下中間屈曲部60より上方の側部伝動ケース20は前記引起装置11の引起ケース61の後方に沿わせて上部に至るに従い後側に位置するように傾斜させ、側部伝動ケース20は側面視「く」の字形状に屈曲させて形成する。
そのため、根元搬送装置14による穀稈搬送の受渡が円滑確実になって、搬送(受け渡し)姿勢が安定して良好になり、稈こぼれも抑制防止できる。
即ち、側部伝動ケース20は側面視「く」の字形状に屈曲させて形成することにより、駆動穀稈掻込体50と従動穀稈掻込体51を根元搬送装置14の搬送通路の終端に接近、または、終端上方に位置させることができ、搬送を良好にできる。
【0018】
特に、側部伝動ケース20は側面視「く」の字形状に屈曲させて形成することにより、引起装置11と株元引継搬送装置31および穂先引継搬送装置32との間の根元搬送装置14の上方にある穂先搬送装置を省略し、扱深さ調節装置を兼用する株元引継搬送装置31の始端部を根元搬送装置14の終端部近傍に配置でき、また、株元引継搬送装置31および穂先引継搬送装置32の始端部が引起装置11の後側近傍に接近しうる空間を設けることができて、好適である。
即ち、従来の刈取部5の構成では、引起装置11と株元引継搬送装置31および穂先引継搬送装置32との間の、根元搬送装置14の上方に穂先搬送装置を設けていたが、本願では、根元搬送装置14の上方の穂先搬送装置を省略できて軽量化が図れ、機体全長も短くして、全体の小型化も図れる。
また、前記側部伝動ケース20のうちの進行方向の右側の側部伝動ケース20の上下中間屈曲部60は、前記操縦部4の前側に設けた機体カバー62の側面形状に合わせた位置に設け、側部伝動ケース20の下部の取付位置と側部伝動ケース20の上部の引起装置11の接続部分とを結ぶ線より前側空間に側面視機体カバー62が位置するように構成する。
したがって、刈取部5を上下回動させたとき、刈取部5と機体カバー62との干渉を防止し、そのため、操縦部4の前方にまで刈取部5を寄せることができ、操縦部4の前方の穀稈の刈取が行える全面刈りを実現しつつ、機体幅および全長をコンパクトにでき、好適である。
【0019】
しかして、左右の側部伝動ケース20の上部は前記引起装置11の上部に接続するが、左右の側部伝動ケース20の下部はその上部と引起装置11との接続部分の外側に位置させ、正面視、上下中間屈曲部60より上方の側部伝動ケース20が上端に至るに従い内側に傾斜させて形成する。
そのため、左右の側部伝動ケース20の下部は、左右間隔(空間)を広げられ、搬送通路を拡大して搬送を円滑にでき、また、側部伝動ケース20の上部は引起装置11の上側後部に接続して回転を伝達する。
しかして、中央伝動ケース21は、下部伝動杆63の基部を下部横伝動ケース18に通常の刈取作業中に地面と略平行になるように固定し、下部伝動杆63の前端は分草体10の後側下部に位置する下部ギヤボックス64に固定し、下部ギヤボックス64には引起装置11の引起ケース61の後側に略平行に位置する縦伝動杆65の下部を取付け、縦伝動杆65の上部は引起装置11の引起ケース61の上部に回転伝達可能に連結して構成する。
【0020】
この場合、分草体10は分草パイプ66の先端に取付け、分草パイプ66の基部は上方に屈曲させて引起ケース61に固定し、この分草パイプ66と前記中央伝動ケース21との間の隙間にはガイド体67を設ける。ガイド体67は縦板状に形成し、分草パイプ66の屈曲部68の直上方より下部ギヤボックス64の上部に位置するように設けて、特に、下部ギヤボックス64と分草パイプ66の間に穀稈が詰まるのを防止する。
したがって、中央伝動ケース21は中央の引起装置11の引起ケース61の後側に縦伝動杆65を位置させ、しかも下部伝動杆63は低く分草体10の後側下部に位置させて構成することで、搬送中の穀稈との干渉を避けつつ、中央伝動ケース21の下部ギヤボックス64部分をガイド体67を介して分草パイプ66と連結でき、分草体10の分草パイプ66と引起装置11の引起ケース61と中央伝動ケース21の縦伝動杆65とを互いに連結する強度メンバーに構成する。
そのため、ガイド体67は、中央伝動ケース21の強度を向上させつつ、藁屑の引っ掛かりや巻き付きを防止する。
【0021】
しかして、左右および中央の引起装置11の引起ケース61の上部上方には、補強アッパーフレーム70を設ける。アッパーフレーム70は、逆U型形状に形成し、中央の引起装置11の引起ケース61の上方に所定間隔を置いて位置させ、左右側フレーム71の下部の夫々を左右の引起装置11の引起ケース61の上部に接続固定し、アッパーフレーム70の左右中間部に設けた中間フレーム72の下部は中央の引起装置11の引起ケース61の上部に接続する。
これにより、中央の中央伝動ケース21の形状を、下部伝動杆63が分草体10の後側下部で、且つ、下部ギヤボックス64より低く位置して、搬送通路を拡大した構成を採用した場合でも、中央伝動ケース21の上部支持構成の強度を向上させられ、また、各引起装置11の引起ケース61の上部を連結するので、長稈の搬送通路を確保できる。
したがって、前記ガイド体67を設けた構成と組合せると、一層、各引起装置11の引起ケース61の上部および下部の剛性を向上させつつ、搬送通路の拡大を達成できる。
【0022】
しかして、図15は、別の実施例を示し、中央伝動ケース21の下部伝動杆63と縦伝動杆65との間に連結フレーム75を設け、中央伝動ケース21の剛性を向上させたものである。
連結フレーム75は、軸棒体により形成し、下部伝動杆63と縦伝動杆65とにより三角形状に形成し、互いが互いの強度メンバーとなるように構成する。
この場合、連結フレーム75の下部は中央伝動ケース21の下部伝動杆63に固定するが、強度メンバーとしての強度を確保したうえで、下部ギヤボックス64に可及的に近づけて固定すると、下側の穀稈搬送空間を狭くしないですみ、同様に、連結フレーム75の上部は縦伝動杆65の可及的下方位置に固定すると、穂先の搬送空間を狭くさせずに剛性を向上させられて好適である。
しかして、図15は、別の実施例を示し、中央伝動ケース21の下部伝動杆63中間部と縦伝動杆65の上下中間部との間に連結フレーム75を設け、中央伝動ケース21の剛性を向上させたものである。
したがって、アッパーフレーム70を省略しても中央伝動ケース21の振動を軽減させられ、株元および穂先の搬送通路を確保し、長稈適応性も向上でき、好適である。
【0023】
また、アッパーフレーム70を省略することで、刈取部5の高さは引起装置11の引起ケース61が最高部位置になって、刈取部5を上昇させたとき、操縦部4への圧迫感を減少させられる。
しかして、図17は、引起装置11の実施例を示し、引起装置11の引起ケース61内の上部には引起ラグ76の先端軌跡に重なるようにゴム等の弾性部材により形成したガイド77を設ける。ガイド77はその左右両側を自由端部78、79に形成して正面視「ハ」の字形状に形成し、上昇側の引起ラグ76の当たる上昇側自由端部78の裏側には、押え部材80を設ける。押え部材80はガイド77と該ガイド77を引起ケース61に取付けるステー81との間の隙間に穂先が入るのを防止し、また、上昇側自由端部78に引起ラグ76が当たったときの移動量を規制することで振動騒音を減少させる。
この場合、押え部材80はステー81を折り曲げて形成し、ステー81とガイド77との間の隙間を閉塞してもよい。
また、下降側自由端部79の引起ラグ76が当たって逃げる側には押え部材81を設ける。押え部材81は、反転して下降するとき引起ラグ76が当たって下降側自由端部79が逃げたとき引起ケース61のラバー82に当たって生じる騒音を、下降側自由端部79の逃げを規制することで、減少させる。
【0024】
この場合、押え部材81は引起ケース61の下降側に設けたラバー82を上方に延設させて形成すると、製造、組立てが容易になって好適である。
また、引起装置11の引起ケース61は、その前面形状を、平面視中央部83が前側に位置し、側方に至るに従い後側になるように傾斜した傾斜面84に形成すると、穀稈の引っ掛かりを減少させられ、好適である。
この場合、傾斜面84の傾斜角度は、分草体10の傾斜面に連続させて穀稈の移動の際に抵抗を与えないように形成すると、一層、穀稈の引っ掛かりを減少させられ、好適である。
即ち、引起装置11の引起ケース61にも分草性能を持たせることで、分草体10と共に連続して穀稈が移動するようになり、分草引起性能が向上し、図1における分草ガイド体85を不要にして軽量化を図れる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて、図示あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】同平面図。
【図3】刈取部のフレームの斜視図。
【図4】引継搬送装置部分の平面図。
【図5】同の背面図。
【図6】刈取部の概略図。
【図7】刈取部の搬送路の説明図。
【図8】刈取部の側面図。
【図9】刈取部の正面図。
【図10】刈取部と機体カバーの位置関係を示す側面図。
【図11】刈取部の中央伝動ケースの側面図。
【図12】中央伝動ケースにガイド体を設けた側面図。
【図13】同一部横断平面図。
【図14】刈取部の他の実施例の正面図。
【図15】刈取部の他の実施例の側面図。
【図16】図15の実施例の正面図。
【図17】引起装置の実施例の一部縦断正面図。
【図18】図17の実施例の一部縦断側面図。
【図19】図17の実施例の一部横断平面図。
【図20】図17の実施例の課題を示す正面図。
【図21】引起装置の実施例の一部縦断正面図。
【図22】引起装置の実施例の平面図。
【図23】図22の実施例の側面図。
【図24】図22の実施例の正面図。
【符号の説明】
1…機体、2…走行装置、3…脱穀装置、4…操縦部、5…刈取部、7…基部横伝動ケース、8…支持台、9…刈取上下シリンダ、10…分草体、11…引起装置、12…ラグ式掻込装置、13…スターホイル、14…根元搬送装置、15…刈刃、18…下部横伝動ケース、19…刈取入力プーリ、20…側部伝動ケース、21…中央伝動ケース、22…中間伝動ケース、23…伝動軸、24…伝動軸、25…伝達軸、30…穀稈供給搬送装置、31…株元引継搬送装置、32…穂先引継搬送装置、33…引継搬送チエン、34…引継挾扼杆、35…駆動スプロケット、36…従動スプロケット、37…伝動フレーム、38…回転軸、39…フレーム、40…回転軸、41…逆U型支持フレーム、42…取付台、46…駆動スプロケット、47…従動スプロケット、48…ラグ付き搬送チエン、49…引継搬送ラグ、50…穀稈掻込体、51…穀稈掻込体、52…掻込爪、53…掻込爪、54…噛合部、55…支持部材、58…根元搬送チエン、58a…根元搬送ラグ、60…上下中間屈曲部、61…引起ケース、62…機体カバー、63…下部伝動杆、64…下部ギヤボックス、65…縦伝動杆、66…分草パイプ、67…ガイド体、70…アッパーフレーム、71…左右側フレーム、72…中間フレーム、75…連結フレーム、76…引起ラグ、77…ガイド、78…上昇側自由端部、79…自由端部、80…押え部材、81…押え部材、82…ラバー、83…中央部分、84…傾斜面。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年11月19日(2002.11.19)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎

【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋

【公開番号】 特開2004−166582(P2004−166582A)
【公開日】 平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願番号】 特願2002−335829(P2002−335829)