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【発明の名称】 コンバインの分草装置
【発明者】 【氏名】武方 毅
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】喜安 一春
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】里路 久幸
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】奥本 康治
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】齋藤 学
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】コンバインの中割り刈取作業でも分草位置を容易に確認できる分草装置を提供する。

【解決手段】コンバインの前部に設けた刈取搬送部の左右両側部に前方へ突出するように左・右分草杆を設け、操縦席側の右分草杆の分草ガイド体の前側上方部位に補助ガイド体を設ける。この補助ガイド体は、棒状体により正面視で逆三角形で内部に透視部を構成し、その左右方向中心部を機体の前後方向の垂直面に沿うようにして分草ガイド体の前側上方に近接配置し、補助ガイド体を分草ガイド体よりも高く、その上端部の左右幅を分草ガイド体よりも幅広構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取搬送部7の左右両側部に前方へ突出するように左・右分草杆14,14を設け、操縦席3側の右分草杆14の先端に設けた分草ガイド体16の前側上方部位に後上り傾斜に沿わせて補助ガイド体25を設け、該補助ガイド体25を、棒状体により正面視で逆三角形状に構成しその左右方向中心部を機体の前後方向の垂直面に沿わせて配置し、該補助ガイド体25は前記分草ガイド体16よりも高く、上端部の左右幅を分草ガイド体16よりも幅広に構成したことを特徴とするコンバインの分草装置。
【請求項2】
補助分草ガイド体25の左右方向中心部を支点として左右方向に回動調節可能に、あるいは、補助分草ガイド体25の後上りの傾斜角度を調節可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの分草装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインの分草装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンバインの補助分草装置は、刈取部の前側部に斜設した引越しケースの前方には分草板を斜設し、右端の分草板の機体後側部には操縦コラム及び運転席を構成し、右端の分草板の上面上方には上端部を屈曲させた所定長さのアシストバーを起伏調節可能に装着している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−57119号公報(第1頁〜2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、右端の分草板の上面上方には上端部を少し屈曲させた所定長さのアシストバーを起伏調節可能に装着した構成であるので、中割り刈取作業をする際に、分草板の位置をアシストバーにより確認することはできるものの、穀稈が倒伏している場合には、分草板の上方を倒伏穀稈が覆い、条列間に分草板が位置しているのか否かが分かり難くいという不具合があった。
【0005】
そこで、この発明は分草板の上方に設ける補助ガイド体に設けるにあたり、補助ガイド体に倒伏穀稈の分草機能も合わせて持たせ分草板の条間との位置確認を容易にしようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術手段を講じた。
【0007】
【構成】請求項1の発明は、刈取搬送部7の左右両側部に前方へ突出するように左・右分草杆14,14を設け、操縦席3側の右分草杆14の先端に設けた分草ガイド体16の前側上方部位に後上り傾斜に沿わせて補助ガイド体25を設け、該補助ガイド体25を、棒状体により正面視で逆三角形状に構成しその左右方向中心部を機体の前後方向の垂直面に沿わせて配置し、該補助ガイド体25は前記分草ガイド体16よりも高く、上端部の左右幅を分草ガイド体16よりも幅広に構成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の発明では、分草ガイド体16の前側上方部位に後上り傾斜に設けられ棒状体により正面視で逆三角形に構成されている補助ガイド体25により、穀稈は分草されて後側上方に移動しつつ順次左右に分草され、分草ガイド体16よりも上方で且つ左右両側に案内され、補助ガイド体25の中央の中空部で穀稈条列を見ることができる。
【0009】
【構成】請求項2の発明は、請求項1に加えて、補助分草ガイド体25の左右方向中心部を支点として左右方向に回動調節可能に、あるいは、補助分草ガイド体25の後上りの傾斜角度を調節可能に構成したことを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項2の発明では、請求項1の発明に加えて、補助分草ガイド体25の左右方向中心部を支点として左右方向に回動調節したり、あるいは、補助分草ガイド体25の後上り傾斜角度を調節することにより、倒伏穀稈を確実に掬い上げて分草することができる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明は、穀稈の中割り刈取作業時にも、補助分草ガイド体25により穀稈は分草ガイド体16よりも上方で且つ左右両側方に案内され、補助ガイド体25の中空部で分草穀稈の条列が見やすくなり、運転操作が容易となる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、倒伏穀稈の分草効果を向上させ、作業能率を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
図1〜図3に示すように、コンバインの走行車体1は左右のクローラ走行装置2,2により走行し、走行車体1上には、操縦席3、脱穀部4、グレンタンク5、排稾処理装置6等を搭載し、脱穀部4の前方には後部の支点回りに上下回動して昇降する刈取搬送部7が設けられている。
【0014】
しかして、植立穀稈は刈取搬送部7の分草装置により分草され、穀稈引起し装置8a,8b,8cにより引き起こされて刈刃装置で刈り取られる。刈り取られた穀稈は穀稈搬送装置10に受け継がれて揚上搬送され、脱穀部4のフィードチエン11に引き継がれ、フィードチエン11により扱室内に送り込まれ、扱胴(図示省略)の回転により脱穀される。脱穀物のうち受け網を通過した穀粒・藁屑類は揺動選別棚(図示省略)に落下供給され、篩作用により穀粒と藁屑類に分離されて下方の選別風路(図示省略)に移行し風選れる。風選された穀粒は一番揚穀機によりグレンタンク5に揚穀され収納される。また、選別風路の終端側に流れた藁屑類は脱穀部4の後部から機外に排出される。また、フィードチエン11により後方に搬送された脱穀済の排稾は排稾処理装置6により、例えば細断されて機外に排出される。
【0015】
次に、刈取搬送部7について説明する。
刈取フレーム12の後部は支点回りに上下回動設けられていて昇降する構成であり、刈取フレーム12の前側部には左右方向に沿わせて刈刃装置13を設け、刈取フレーム12の左右両側から左・右分草杆14,14を前方に突出するように設け、刈取フレーム12の前側中央部には前方に突出するように中央分草杆(図示省略)を設け、これら分草杆14,14,15の先端には分草ガイド体16を設けている。
【0016】
刈取フレーム12の左右両端部から立ち上げた左・右引越し伝動ケース17,17には、斜後方に急傾斜した左・右穀稈引越し装置8a,8bを設け、刈取フレーム12の中央部から立ち上げた中央引越し伝動ケース(図示省略)には、斜後方に急傾斜した中央穀稈引越装置8cを設けている。この左・右穀稈引越し装置8a,8bを左・右分草杆14,14の分草ガイド体16の内側上方近傍に、また、中央穀稈引越装置8cの下端部を中央分草杆(図示省略)の分草ガイド体16の一側近傍に配置し、これら分草ガイド体16,…により引き起こされた穀稈を左・右穀稈引越し装置8a,8b及び中央穀稈引越装置8cの下端部に引き継ぐように構成している。
【0017】
左・右穀稈引越し装置8a,8b、中央穀稈引越装置8cは、穀稈引越しケースと、穀稈引越しケース内に回動するように巻き掛けられている引越しチエン(図示省略)と、引越しチエンに起伏自在に取り付けられている引越しラグにより構成されていて、左・右穀稈引越し装置8a,8b、中央穀稈引越装置8cに内装した伝動装置(図示省略)から引越しチエン(図示省略)に動力が伝動される構成である。
【0018】
刈取フレーム12の左右両側部から立ち上げた左・右引越し伝動ケース17,17の中途部から、左右の根元搬送伝動ケース18,18を中央側に突出させて設け、根元搬送伝動ケース18,18にはブラケットを介してラグ付きの搬送ベルトからなる左・右根元搬送装置19,19を設け、この左・右根元搬送装置19,19は後側ほど間隔を狭くして、穀稈を左右両側から中央に集め後方に搬送するように構成している。
【0019】
また、左右の根元搬送伝動ケース18,18には穀稈の根元部を掻き込む左・右掻き込みホイール22a,22aを設け、伝動ケース内の伝動装置を経て駆動する構成としている。左・右掻き込みホイール22a,22aの対向位置には被動側の副左・右掻き込みホイール22b,22bを設け、左・右掻き込みホイール22a,22aに副左・右掻き込みホイール22b,22bを噛み合わせて回転駆動するように構成している。
【0020】
しかして、刈取搬送部7の回転各部を駆動し機体を前進させると、左・右分草杆14,14、中央分草杆15の分草ガイド体16,…により倒伏穀稈が掬い上げ分草されながら左・右穀稈引越し装置8a,8b、中央穀稈引越装置8cの下端部に案内される。次いで、穀稈はこれらの穀稈引越し装置8a,8b,8cの起立した引越しラグに引き継がれ、引越しラグの上方への移動により穀稈引越し装置8a,8b,8cに沿って引き起こされる。次いで、引き起こされた穀稈の根元部は左・右根元搬送装置19,19により左右両側から中央部に集められながら後方に搬送され、中央部に集められた穀稈の根元部は左右の左・右掻き込みホイール22a,22a、副左・右掻き込みホイール22b,22bにより後方の穀稈搬送路に掻き込まれる。このようにして直立状態で後方に搬送される穀稈は、その途中で刈刃装置13により刈り取られ、穀稈搬送装置10の始端部に引き継がれて揚上搬送され、脱穀部4のフィードチエン11に引き継がれる。
【0021】
次に、図4及び図5に基づき分草ガイドの他の実施例について説明する。
操縦席3側の例えば右側の分草杆14の分草ガイド体16先端部には、補助ガイド体25を設けている。この補助ガイド体25は、棒状体により正面視で逆三角形で内側に透視空間部を形成し、後上り傾斜の分草ガイド体16の前側上方に接近して沿うように配置している。そして、補助分草ガイド体16の左右方向中心部を機体の前後方向の垂直面に沿うように配置すると共に、側面視で傾斜調節自在に構成し、その高さは分草ガイド体16よりも高く、上端部の左右幅が分草ガイド体16よりも幅広に構成している。
【0022】
また、図6に示すように、補助ガイド体25を左・右補助ガイド体25a,25bに分割構成し、分草ガイド体16の先端下部に、機体の垂直方向に沿わせて調整ねじ棒26を立設し、調整ねじ棒26と蝶ねじ27により、左・右補助ガイド体25a,25bを左右方向に傾斜調節自在に取り付けてもよい。
【0023】
コンバインで中割り刈取作業をするときに、右分草杆14の分草ガイド体16に穀稈がかぶさり、稲の条間が見えにくく、分草ガイド体16が条間に沿って進みにくいことがある。
しかし、この実施例では、前記のように補助ガイド体25を設けたので、補助ガイド体25で分草された穀稈は順次後側上方に移動しながら分草ガイド体16よりも上方で且つ左右両側に案内され、補助ガイド体25の中空部で分草穀稈の条列が見やすくなる。また、左右に補助ガイド体25を傾斜調節することにより、倒伏穀稈を確実に掬い上げて分草効果を向上させ、作業能率を向上させることができる。
【0024】
次に、図7及び図8に基づき刈刃装置13の伝動駆動構成の他の実施例について説明する。
脱穀部4の前方には刈取搬送部7の後端部が左右方向の横軸回りに上下回動自在に設けられている。刈取搬送部7の後フレーム28を斜め前下方に延出し、後フレーム28の下端部には下部ケース29を左右に沿うように設け、下部ケース29の左右両側部から左・右引越し伝動ケース(図示省略)を立ち上げ、後フレーム28内の後伝動装置30、下部ケース29内の下部伝動装置31、左・右引越し伝動装置32,32を経て左・右穀稈引越装置8a,8bに動力が伝達される構成である。
【0025】
また、下部ケース29の中央部から中央下部伝動ケース33を前方に向けて延出し、中央下部伝動ケース33から中央引越し伝動ケース34を立ち上げ、中央下部伝動ケース33内の中央下部伝動装置35、中央引越し伝動ケース34内の中央引越し伝動装置36を経て中央穀稈引越装置8cに動力が伝達される。また、中央下部伝動ケース33の先端部から刈刃駆動軸37を突出し、この刈刃駆動軸37から刈刃駆動クランク38を介して刈刃装置13を駆動するように構成している。
【0026】
前記のように、中央穀稈引越装置8cの伝動経路から刈刃伝動経路を分岐して刈刃装置13を駆動するように構成したので、特別の刈刃伝動ケースを不要にし、軽量化及びコストの低減を図ることができる。
次に、図1、図9及び図10に基づき副左・右掻き込みホイール22b,22bの他の実施例について説明する。
【0027】
左右の根元搬送伝動ケース18,18に設けた左・右掻き込み軸には、左・右掻き込みホイール22a,22aを軸支し、左・右掻き込みホイール22a,22aの対向位置には被動側の副左・右掻き込みホイール22b,22bを設け、左・右掻き込みホイール22a,22aに副左・右掻き込みホイール22b,22bを噛み合わせて駆動するように構成して、これらのホイールの間に穀稈の根元部が挟持されて後方に搬送される。
【0028】
下部ケース29の中央部から左右両側に向けて左・右支持アーム39,39を延出し、この左・右支持アーム39,39の先端部に設けた軸40に、副左・右掻き込みホイール22b,22bを軸支している。副左・右掻き込みホイール22b,22bの軸支穴41下側に凹部42を設け、この凹部42にベアリング43を嵌合して、その下側をプレート44で閉鎖し、複数のボルト・ナット45,46,…によりこれらを一体化し、軸40に副左・右掻き込みホイール22b,22bのベアリング43を嵌合支持する。
【0029】
前記のように構成することにより、副左・右掻き込みホイール22b,22bの構成を簡素化しながら高速回転にも耐久性を向上させ、リサイクル時にはベアリング43を樹脂製のホイールから容易に分解することができる。
また、図10に示すように、副左・右掻き込みホイール22bを上・下ホイール部47,47により分割構成し、上・下ホイール部47,47の軸支穴41,41に凹部42,42を設けて、凹部42,42にベアリング43を嵌合支持し、上下ホイール47,47を複数のボルト・ナット45,46,…により一体化するように構成しても、同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体の側面図
【図2】全体の正面図
【図3】全体の平面図
【図4】要部の側面図
【図5】要部の正面図
【図6】要部の正面図、分解した正面図
【図7】要部の斜視図
【図8】伝動展開図
【図9】要部の斜視図、切断側面図
【図10】要部の斜視図、切断側面図
【符号の説明】
1 走行車体
2 クローラ走行装置
3 操縦席
4 脱穀部
5 グレンタンク
6 排稾処理装置
7 刈取搬送部
8 左・右穀稈引越し装置
14 左・右分草杆
16 分草ガイド体
25 補助ガイド体
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−154097(P2004−154097A)
【公開日】 平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願番号】 特願2002−325490(P2002−325490)