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【発明の名称】 野菜収穫機
【発明者】 【氏名】野村 一郎
【住所又は居所】埼玉県さいたま市西遊馬698−1 株式会社広洋エンジニアリング内

【要約】 【課題】構造が簡単で、かつ切断しなかった野菜を後方の車輪が踏みつぶさないように工夫した、構造簡単な野菜収穫機を提供する。

【解決手段】野菜収穫機1は、後方機枠20を備えた走行駆動ユニット10と、この後方機枠20に固定された前方機枠30と、この前方機枠30に対して左右に振動可能に支持された野菜切断部40とから構成される。野菜切断部40は、その前方部に前記走行駆動ユニット10の横幅よりも大なる横幅をもった切断刃42aを備える。その切断刃42aの後方には空隙が形成され、そnる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方機枠を備える走行駆動ユニットと、この後方機枠に固定された前方機枠と、この前方機枠に対して左右に振動可能に支持された野菜切断部とから構成され、
前記野菜切断部は、その前方部に前記走行駆動ユニットの横幅よりも大なる横幅をもった切断刃を備えるとともに、その切断刃の後方には空隙が形成される構造とした、
野菜収穫機。
【請求項2】
前記前方機枠には作業者が座るためのサドルを取り付け、サドルにすわった作業者は前記切断刃で切断された野菜を前記空隙を通して拾い上げることができるようにした、請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記前方機枠には底面が地面に接触する高さにそりが固定され、野菜収穫機が前記走行駆動ユニットの推進力により走行するときにはこのそりが地面上を滑りながら野菜収穫機の前方の重量を支えるようにした、請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項4】
前記前方機枠の一側には、コンテナを載置するための台を取り付けて、作業者が拾いあげた野菜をそのコンテナに積み込めるようにした、請求項1または2に記載の野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ほうれん草や小松菜など葉菜類の野菜の根を切断して集める野菜収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ほうれん草や小松菜などの葉菜類は、地面より少し下の根のところを鎌で切断して集めていた。しかし、多量の野菜を鎌を用いて人力で切り取るのは作業者にとって大変つらい作業であり、かつ作業効率も高いとはいえない。
【0003】
なお、近年、ほうれん草などの野菜を自走式の収穫機で切断してすくい上げて集めるという一貫した作業を自動化したものが提案されてはいるが、構造が複雑で値段がかなり高くなる上に、走行車輪をほうれん草の列と列との間を通過させて、切断刃で切断しなかったほうれん草を後ろの車輪で踏みつけないようにしている。しかし、ほうれん草が植わっている行間隔が標準と異なれば走行車輪はほうれん草の列と列との間を通過することができなくなるため、この収穫機は使えなくなるおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、構造が簡単で、かつ切断しなかった野菜を後方の車輪が踏みつぶさないように工夫した野菜収穫機を提供しようとするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における野菜収穫機は、後方機枠を備えた走行駆動ユニットと、この後方機枠に固定された前方機枠と、この前方機枠に対して左右に振動する野菜切断部とから構成される。そして、野菜切断部は、その前方部に走行駆動ユニットの横幅よりも大なる横幅をもった切断刃を備えるとともに、その中央部、すなわち、切断刃の後方にあたる領域には、空隙が形成される構造とする。
【0006】
前方機枠には作業者が座るためのサドルを取り付ける。そのサドルにすわった作業者は、切断刃で切断された野菜をその切断部の後方に形成されている空隙を通して拾い上げることができる。
【0007】
前方機枠には底面が地面に接触する高さにそりが固定される。野菜収穫機が走行駆動ユニットにより走行するときにはこのそりが地面上を滑りながら野菜収穫機の前方の重量を支える。
【0008】
前方機枠の一側にはコンテナを載置するための台を取り付ける。作業者は、拾いあげた野菜をそのコンテナに積み込むことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2において、ほうれん草や小松菜などの葉菜類(以下、ほうれん草で代表させる)を収穫するための野菜収穫機1は、後方機枠20を備える走行駆動ユニット10と、この後方機枠20に固定された前方機枠30と、この前方機枠30に対し左右に振動可能に支持された野菜切断部40とから構成される。
【0010】
後方機枠20には、1本の回転駆動軸11が左右方向に回転可能に架け渡されている。この回転駆動軸11は、後方機枠20に搭載したバッテリー12を動力源とするモータによって回転駆動されるようになっている。この回転駆動軸11の左右両端にはそれぞれ小径の駆動プーリ(図示せず)が固定されている。
【0011】
また、後方機枠20の左右両側にはそれぞれ車輪13が回転可能に支持されている。この左右の車輪13と回転駆動軸11の左右両端に固定された小径駆動プーリとの間には無端帯であるゴムクローラ14がそれぞれ掛け渡されている。ゴムクローラ14の内側全面には凹凸が所定ピッチで形成されており、一方、回転駆動軸11に固定された前記小径の駆動プーリの外側面及び車輪13の外側面にはそれぞれその全域にわたって凹凸が同じピッチで形成されている。そのため、ゴムクローラ14と小径の駆動プーリ及び車輪13との間で滑りが生じることがないので、回転駆動軸11の回転はゴムクローラ14を介して確実に車輪13に伝えられる。これら回転駆動軸11、小径の駆動プーリ、車輪13及びゴムクローラ14で走行駆動ユニット10を構成する。
【0012】
前方機枠30は後方機枠20に取り付けボルト31でもって着脱自在に固定される。この前方機枠30には、収穫作業をする者(作業者)が座るサドル32と、収穫したほうれん草50を収納するコンテナ33を乗せるための台34と、後述する野菜切断部40を左右に振動させる駆動源となるモータ35を載せるための台36と、そり37が固定されている。前方機枠30には、野菜切断部40が前方機枠30に対して左右に振動可能に取り付けられている。
【0013】
野菜切断部40は、左右の側枠41とU字状の切断刃部42とを含む。この切断刃部42の前端にはその幅いっぱいに野菜切断刃42aが形成され、また、切断刃部42の左右両端からそれぞれ後方に延びた部分の先端部は左右の側枠41の前端部と取り付けボルト43によって相互に連結されている。
【0014】
切断刃部42の横幅、すなわち、野菜切断刃42aの長さは、後方の左右のゴムクローラ14間の距離よりも大きい。したがって、左右のゴムクローラ14は必ず野菜切断刃42aがほうれん草を切断した跡を通ることになる。
【0015】
切断刃部42は前述したようにU字状をしているので、その前端の野菜切断刃42aの後方には空隙が形成される。したがって、野菜切断刃42aで切断されて根から切り離されたほうれん草は、この空隙を通して、サドル32に座った作業者が手によって上から容易に拾いあげることができる。
【0016】
野菜切断部40を構成する左右の側枠41の後方部分には、それぞれ内側に向けて延びる2本の軸44、45が固定されている。一方、前方機枠30には、上記2本の軸44、45に対応した箇所に、それぞれ受け入れる軸受け部材46、47が固定されている。
【0017】
この野菜切断部40は、その左右の側枠41に固定した軸44、45を前方機枠30に固定した軸受け部材46、47にはめ込むことで、前方機枠30に支持され且つ前方機枠30に対して左右に振動できる状態となる。
【0018】
前方機枠30の台36上に載せたモータ35の出力軸は偏心カム(図示せず)に連結している。さらにこの偏心カムと野菜切断部40の左の側枠41との間には連結リンク61、揺動ピン62及びリンク受け63が設けられている。偏心カムの回転は連結リンク61に伝えられ、連結リンク61の運動はこのリンク受け63と揺動ピン62を介して直線往復運動を引き起こし、その結果、左の側枠41、すなわち、野菜切断部40を、左右に振動させる。
【0019】
野菜畑にこの野菜収穫機1を置くと、その機体後方ではゴムクローラ14が接地し、また、機体前方ではそり37が接地することにより、野菜収穫機1は地上に支えられ、かつゴムクローラ14の回動によって推進力が与えられる。
【0020】
したがって、バッテリー12の電源を入れてゴムクローラ14を回動させると野菜収穫機1は前進する。さらに、モータ35を起動して野菜切断部40を前方機枠30に対して左右に振動させると、野菜切断部40の前端に形成された野菜切断刃42aがほうれん草50の根を切断する。この切断されたほうれん草50を野菜収穫機1のサドル32に腰掛けた作業者がただちにすくい上げて、作業者の左側にある台34に載っているコンテナ33の中に収納する。
【0021】
コンテナ33を載せる台34は、図3の鎖線に示すように、作業者の方に自由に傾けることができる。コンテナ33にほうれん草50がいっぱいになったら、コンテナ33をスライドさせて台34から取り出すことができる。なお、図3の符号51は、台34の平常の傾斜状態を調節するための調節ネジである。
【0022】
前方機枠30に固定されたそり37には図2に示すようにある程度の面積を持たせることによって、野菜収穫機1の重量の一部とさらにサドル32に座った作業者の体重の一部を地面に支えさせている。そり37の高さは、サドル32の前に設けられたつまみ39Aを回してネジ39Bを回転させることによって調節することができる。このそり37を合成樹脂で形成することで、野菜収穫機1が走行するときのそり37と地面との摩擦を少なくすることできる。以上のように、この野菜収穫機1には前輪(遊動輪)がないが、その代わりに、そり37が地面上を滑っていく。
【0023】
また、前述のように、切断刃部42の横幅は後方の左右のゴムクローラ14間の距離よりも大きいので、ゴムクローラ14は、ほうれん草50を切断刃42aで切断したところを必ず通過する。すなわち、収穫作業中、切断刃42aで切断していないほうれん草をゴムクローラ14が踏みつけてゆくことはない。
【0024】
走行駆動ユニット10の後方機枠20から4本の支柱71を立てて、それら支柱71の上端部に予備のコンテナ33を載せておくための台72を設ける。
【0025】
以上、本発明にかかる野菜収穫機1をほうれん草の収穫に適用した例を説明したが、この野菜収穫機1はほうれん草のみ適用されるものではなく、小松菜やその他の葉菜類の野菜にも適用可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明による野菜収穫機は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を有する。
【0027】
構造が簡単で、どのような行間隔で播種された野菜でも、また、ばらまきの野菜でも、切断刃で切断しなかった野菜を後方の車輪などの走行駆動ユニットで踏みつけることはない。
【0028】
走行する野菜収穫機に乗っている作業者は、この野菜収穫機の機枠に対して左右に振動する切断刃で切断した野菜を手でつまみ上げてすぐ近くのコンテナに入れることができるので、機械化した部分は野菜の切断だけであるにも拘らず、作業効率が優れている。また、構造も簡単であるので、安価に制作することを可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による野菜収穫機の側面図である。
【図2】本発明による野菜収穫機の上面図である。
【図3】本発明による野菜収穫機の背面図である。
【符号の説明】
1 野菜収穫機
10 走行駆動ユニット
20 後方機枠
30 前方機枠
32 サドル
33 コンテナ
37 そり
40 野菜切断部
42a 野菜切断刃
【出願人】 【識別番号】597162617
【氏名又は名称】株式会社広洋エンジニアリング
【住所又は居所】埼玉県さいたま市西遊馬698−1
【出願日】 平成14年10月15日(2002.10.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−135635(P2004−135635A)
【公開日】 平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願番号】 特願2002−334335(P2002−334335)