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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】片山  靖彦
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】池田 太
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】刈取り前処理部において、刈取穀稈が伝動ケースの上方を通して機体後方向きに搬送して脱穀装置に供給されるコンバインにおいて、搬送穀稈から落下した草や泥が伝動ケース上に落下して載っても、特別な操作を要しないで除去できるように、しかも、除去手段による穀稈搬送障害が出にくいようにする。

【解決手段】走行機体の支持部52からスクレーパ53が機体前方向きに延出している。刈取り前処理部10が上昇操作されると、伝動ケース13がスクレーパ53の作用部53aの近くを上昇移動していき、伝動ケース上に草や泥が載っていてもスクレーパ53によって掻き落とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に揺動昇降操作自在に支持されている刈取り前処理部に、機体横向きの伝動ケース、及び、刈取穀稈を前記伝動ケースの上方を通して機体後方向きに搬送して脱穀装置に供給する搬送装置を備えてあるコンバインであって、
前記伝動ケースのうちの前記搬送装置による搬送穀稈の移動経路の下方に位置する部位に対するスクレーパを、前記走行機体の支持部から機体前方向きに延出させるとともに、前記伝動ケース部位が前記スクレーパの作用部の近くをこの作用部に対して上昇移動するように構成してあるコンバイン。
【請求項2】
走行機体に揺動昇降操作自在に支持されている刈取り前処理部に、機体横向きの伝動ケース、及び、刈取穀稈を前記伝動ケースの上方を通して機体後方向きに搬送して脱穀装置に供給する搬送装置を備えてあるコンバインであって、
前記伝動ケースのうちの前記搬送装置による搬送穀稈の移動経路の下方に位置する部位に対するスクレーパを、前記走行機体の支持部から機体前方向きに上下揺動自在に延出させるとともに、前記刈取り前処理部が走行機体に対して揺動上昇するに伴って前記スクレーパの作用部と前記伝動ケース部位が相対移動するように、前記スクレーパの延出端側を前記伝動ケースに載置してあるコンバイン。
【請求項3】
前記スクレーパを、前記支持部から上下揺動自在に延出している基端側スクレーパ部と、この基端側スクレーパ部の先端部に基端側が機体横向きの軸芯まわりで回動自在に連結している先端側スクレーパ部とによって構成してある請求項2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体に揺動昇降操作自在に支持されている刈取り前処理部に、機体横向きの伝動ケース、及び、刈取穀稈を前記伝動ケースの上方を通して機体後方向きに搬送して脱穀装置に供給する搬送装置を備えてあるコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記コンバインにおいて、草とか泥が刈取穀稈に紛れ込むとか付着していることがあると、刈取穀稈が搬送装置によって搬送される際、刈取穀稈から外れて落ちることがある。また、草や泥の他、稈身が短い穀稈であるとか切れワラが刈取穀稈に混入している場合も、搬送装置によって搬送される刈取穀稈と共に移動する際に刈取穀稈から抜け外れて落ちることがある。このように、刈取穀稈から落下した草やワラ屑とか泥などが伝動ケースの上に落下すると、堆積して嵩たかになり、搬送装置によって搬送される刈取穀稈の株元側に当たって搬送障害になることがある。
このため、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。すなわち、伝動ケースに回転自在に遊嵌した筒体を備え、搬送装置によって搬送される刈取穀稈から草、泥、ワラ屑などが落下しても筒体の上に落ち、草とか泥の重量で筒体が回転するとか機体の振動によって筒体が傾くことによって草や泥などが筒体から落下するというものがあった。また、筒体の外周面側に突起を設け、機体走行時に突起が切り株に当たって筒体が駆動回転されることにより、筒体上に落下して草、泥、ワラ屑などが筒体から落下するものがあった。つまり、搬送装置の刈取穀稈から落下した草や泥などが伝動ケース上に落下して堆積することの回避を図ったものがあった。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−34670号公報 ( 第1〜第2頁、第1〜第4図 )
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の堆積回避手段にあっては、筒体の回転が必要である。ところが、筒体の泥などが落下した部位とか、落下物の重量などによっては充分な回転操作力が発生しなくて筒体が回転しにくくなっていた。また、走行地面の凹凸などによって刈取り前処理部の対地高さが変化しても筒体突起が切り株に接触して筒体が回転するように突起の長さを長くすると、筒体が突起の長い大型なものになり、搬送装置によって搬送される刈取穀稈に対して突起で接触して障害を与えやすくなっていた。
【0005】
本発明の目的は、前記伝動ケースにおける草や泥などの堆積を精度よく回避でき、しかも、回避手段による穀稈搬送障害も回避しやすいコンバインを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用は、次のとおりである。
【0007】
〔構成〕
走行機体に揺動昇降操作自在に支持されている刈取り前処理部に、機体横向きの伝動ケース、及び、刈取穀稈を前記伝動ケースの上方を通して機体後方向きに搬送して脱穀装置に供給する搬送装置を備えてあるコンバインにおいて、前記伝動ケースのうちの前記搬送装置による搬送穀稈の移動経路の下方に位置する部位に対するスクレーパを、前記走行機体の支持部から機体前方向きに延出させるとともに、前記伝動ケース部位が前記スクレーパの作用部の近くをこの作用部に対して上昇移動するように構成してある。
【0008】
〔作用〕
ある植立穀稈列の刈取り作業を終えて、機体を次の作業対象の植立穀稈列に向けて走行させる際、刈取り前処理部を走行機体に対して上昇させて走行される。このように、刈取り前処理部の持ち上げ操作が行なわれて、刈取り前処理部が走行機体に対して揺動上昇していくと、前記伝動ケース部位がスクレーパの作用部の近くを上昇移動していくものである。これにより、作業走行の際、搬送装置によって搬送される刈取穀稈から落下した草、ワラ屑、泥などが前記伝動ケース部位の上に落下して載っていても、刈取り前処理部が上昇操作された際、スクレーパの作用部に触れて伝動ケースから落とされる。そして、刈取り前処理部の上昇力によってスクレーパが落とし作用するものであるから、伝動ケースにおける草や泥などの載り具合とか、載っているものの種類や重量などにかかわらず、かつ、スクレーパを比較的小型のものにしても、スクレーパが伝動ケース上のワラ屑や泥などに精度よく落とし作用する。
【0009】
請求項2による発明の構成、作用は、次のとおりである。
【0010】
〔構成〕
走行機体に揺動昇降操作自在に支持されている刈取り前処理部に、機体横向きの伝動ケース、及び、刈取穀稈を前記伝動ケースの上方を通して機体後方向きに搬送して脱穀装置に供給する搬送装置を備えてあるコンバインにおいて、前記伝動ケースのうちの前記搬送装置による搬送穀稈の移動経路の下方に位置する部位に対するスクレーパを、前記走行機体の支持部から機体前方向きに上下揺動自在に延出させるとともに、前記刈取り前処理部が走行機体に対して揺動上昇するに伴って前記スクレーパの作用部と前記伝動ケース部位が相対移動するように、前記スクレーパの延出端側を前記伝動ケースに載置してある。
【0011】
〔作用〕
ある植立穀稈列の刈取り作業を終えて、機体を次の作業対象の植立穀稈列に向けて走行させる際など、刈取り前処理部の持ち上げ操作が行なわれて、刈取り前処理部が走行機体に対して揺動上昇していくと、前記伝動ケースとスクレーパの先端側とが相対摺動していき、これに伴ってスクレーパの作用部と伝動ケース部位とが相対移動するものである。これにより、作業走行の際、搬送装置によって搬送される刈取穀稈から落下した草、ワラ屑、泥などが前記伝動ケース部位の上に落下して載っていても、刈取り前処理部が上昇操作された際、伝動ケースと相対摺動するスクレーパの作用部によって伝動ケースから落とされる。そして、刈取り前処理部の上昇力によってスクレーパが落とし作用するものであるから、伝動ケースにおける草や泥などの載り具合とか、載っているものの種類や重量などにかかわらず、かつ、スクレーパを比較的小型のものにしても、スクレーパが伝動ケース上のワラ屑や泥などに精度よく落とし作用する。
【0012】
請求項1及び請求項2に係る発明の効果は、次のとおりである。
〔効果〕
従って、請求項1による発明にあっても、請求項2による発明にあっても、草やワラ屑とか泥などが伝動ケース上に落下して如何なる載置具合で載っていても、かつ、載っているものの種類や重量などの如何にかかわらず、スクレーパによって良好に除去されて堆積しなくなり、ワラ屑や泥などが伝動ケース上に嵩たかに堆積して刈取穀稈の搬送障害になることを精度よく回避して穀稈搬送をスムーズに行なわせられる。その上、スクレーパを比較的小型なものに済ませ、スクレーパによる搬送障害も回避しやすくてこの面からもスムーズに穀稈搬送できる。
【0013】
請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0014】
〔構成〕
請求項2による発明の構成において、前記スクレーパを、前記支持部から上下揺動自在に延出している基端側スクレーパ部と、この基端側スクレーパ部の先端部に基端側が機体横向きの軸芯まわりで回動自在に連結している先端側スクレーパ部とによって構成してある。
【0015】
〔作用〕
スクレーパは、前記基端側スクレーパ部と前記先端側スクレーパ部とによって屈伸自在に構成したものである。そして、刈取り前処理部が上下揺動するに伴い、伝動ケースがスクレーパの支持部に対して昇降するとともにこの支持部と伝動ケースの間隔が変化することにより、刈取り前処理部を下降作業位置にした際、基端側スクレーパ部の先端側が伝動ケースに載り、先端側スクレーパ部が基端側スクレーパ部から下向きに延出した状態になって、スクレーパは、伝動ケースに巻き付いた屈曲状態になる。刈取り前処理部が下降作業位置から上昇していくと、これに伴って伝動ケースが基端側スクレーパ部から先端側スクレーパ部に移動していき、先端側スクレーパ部の先端側が伝動ケースに載り、スクレーパは、先端側スクレーパ部が基端側スクレーパ部から直線状に延出して伝動ケースで受け止め支持された伸展状態に変化するようにできるものである。これにより、作業時には、スクレーパが屈曲状態になっており、穀稈搬送経路に入り込みにくくて刈取り穀稈の搬送障害になりにくくなる。機体旋回時など刈取り前処理部を持ち上げていくに伴い、スクレーパが伸展していき、スクレーパの作用部が伝動ケースに対してその前後方向での広い範囲にわたって相対移動してスクレーパ作用する。
【0016】
〔効果〕
従って、作業時には、スクレーパが刈取穀稈の搬送障害になりにくくて穀稈をスムーズに搬送できる。その割には、刈取り前処理部を持ち上げた際、スクレーパが伝動ケースの広範囲にわたってスクレーパ作用し、伝動ケースに載っていたワラ屑や泥などを除去漏れが発生しにくいように精度よく除去させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1によって自走し、運転座席2を有した運転部、運転座席2の下方に位置するエンジン(図示せず)を有した原動部を備えた自走機体の機体フレーム3の前端側に位置する支持部4に、刈取り前処理部10の前処理部フレーム11の基端部を機体横向きの軸芯P1まわりで回動自在に連結するとともに、前記エンジンの駆動力を刈取り前処理部10に伝達するように構成し、前記機体フレーム3に脱穀装置5及び穀粒タンク6を搭載し、脱穀装置5の後部に排ワラ処理装置7を連結して、コンバインを構成してある。
【0018】
このコンバインは、稲、麦などの穀粒を収穫するものであり、前記前処理部フレーム11にリンク機構8を介してロッド側が連結しているリフトシリンダ9によって前処理部フレーム11を前記軸芯P1まわりで上下に揺動操作することにより、刈取り前処理部10をこれの先端側が圃場の地面近くに位置した下降作業位置と、先端側が地面から浮上した上昇非作業位置とに昇降操作できる。刈取り前処理部10を下降作業位置にして自走機体を走行させると、この刈取り前処理部10が複数の植付け条の植立穀稈を刈取り、脱穀装置5が刈取り前処理部10からの刈取穀稈を脱穀処理し、穀粒タンク6が脱穀粒を回収して貯留し、排ワラ処理装置7が脱穀装置5からの脱穀排ワラを細断処理して圃場に放出していくように構成してあり、詳しくは、次の如く構成してある。
【0019】
前記前処理部フレーム11は、図2に示す如く構成してある。
すなわち、走行機体の前記支持部4に基端側の入力ケース部12aが前記軸芯P1まわりで回動自在に連結している機体前後向きの主伝動ケース12、この主伝動ケース12の先端部に中央部が連結している機体横向きの横向き伝動ケース13、この横向き伝動ケース13の両端部にわたって連結している支持体14の機体横方向に並ぶ複数箇所から機体前方向きに延出している分草フレーム15、この複数本の分草フレーム15の基端側にわたって連結している機体横向きの刈取りフレーム16、前記横向き伝動ケース13の一端部に立設してある機体上下向きの縦向き伝動ケース17、前記横向き伝動ケース13の他端部に立設してある支柱18と前記縦向き伝動ケース17の上端部どうしにわたって連結している機体横向きの引起し伝動ケース19などによって構成してある。
【0020】
刈取り前処理部10は、図1、図3に示すように、各分草フレーム15の先端部に分草具21を固定し、この分草具21の後側で機体横方向に並ぶ複数の引起装置22を、前記分草フレーム15の先端側に固定の支持部材23と前記引起し伝動ケース19とにわたって支持させ、前記刈取りフレーム16にバリカン型の刈取装置24を支持させ、引起装置22の後方に位置する供給装置30、及び、この供給装置30から脱穀フィードチェーン5aの始端部に至る搬送装置40を前記主伝動ケース12や縦向き伝動ケース17などに支持させて構成してある。
【0021】
主伝動ケース12の前記入力ケース部12aの横一端側に備えてある入力プーリ12bによって走行機体のエンジンからの駆動力を主伝動ケース12に導入し、この主伝動ケース12に入力された駆動力を、主伝動ケース12の先端から前記横向き伝動ケース13に、この横向き伝動ケース13の横端部から縦向き伝動ケース17に、この縦向き伝動ケース17の上端部から引起し伝動ケース19にそれぞれ伝達するように構成し、横向き伝動ケース13から刈取装置24に駆動力を伝達し、主伝動ケース12の図2の如き出力部12c,12dや縦向き伝動ケース17の出力部17aから搬送装置40に駆動力を伝達し、引起し伝動ケース19から各引起装置22に駆動力を伝達するように構成してある。
【0022】
図3に示すように、前記供給装置30は、前記搬送装置40の株元搬送チェーン41によって回転駆動される回転体31、この回転体31と周部の突起どうしが噛合っていてこの回転体31に連動している回転体32、前記搬送装置40の株元搬送チェーン42によって回転駆動される回転体31、この回転体31と周部の搬送突起どうしが噛合っていてこの回転体31に連動している回転体32、前記各回転体31,32に連動している無端搬送ベルト33を備えて成り、前記各引起装置22が引起し作用している植立穀稈の株元側を、その引起装置22に対応する無端搬送ベルト33が備えているアーム形の搬送突起による係止搬送と、回転体31、32の搬送突起による掻き送りとによって機体後方向きに搬送して前記刈取装置24に供給するように構成してある。
【0023】
図3などに示すように、前記搬送装置40は、前記刈取装置24の一端側からの複数条の刈取穀稈を、株元側に挟持搬送作用する前記株元搬送チェーン41と、穂先側に係止搬送作用する穂先搬送チェーン43とによって稈身が機体上下向きとなる縦姿勢に保持しながら機体横方向でかつ機体後方向きに搬送し、前記刈取装置24の他端側からの複数条の刈取穀稈を、株元側に挟持搬送作用する前記株元搬送チェーン42と、穂先側に係止搬送作用する穂先搬送チェーン44とによって稈身が機体上下向きとなる縦姿勢に保持しながら機体後方向きに搬送して、前記株元搬送チェーン41と穂先搬送チェーン43によって刈取装置一端側から搬送されてくる刈取穀稈に合流させ、合流した刈取穀稈を、前記株元搬送チェーン41の搬送終端部に搬送始端部が接続しているとともに株元側に挟持搬送作用する株元搬送チェーン45と前記穂先搬送チェーン43とによって縦姿勢に保持しながらさらに機体横方向でかつ機体後方向きに搬送し、脱穀フィードチェーン5aの前方近くに到達すると、株元側を株元搬送チェーン46に受け継がせてこの株元搬送チェーン46によってさらに機体後方向きに挟持搬送し、この株元搬送チェーン46が株元側を搬送していくに伴い、前記穂先搬送チェーン43が穂先側を株元搬送チェーン46から機体横内側に離れる方向に係止搬送してから係止搬送を解除することにより、株元搬送チェーン45からの刈取穀稈をそれまでの縦姿勢から、穂先側が機体内側に位置した横倒れ姿勢に姿勢変更してから脱穀フィードチェーン5aの搬送始端部に供給するように構成してある。
【0024】
これにより、刈取り前処理部10は、刈取り対象とする複数条の植立穀稈を複数個の分草具21によって分草して対応する一つの引起装置22に案内し、各引起装置22の上昇移動する引起し爪22aによって引起し処理しながら前記供給装置30によって刈取装置24に供給してこの刈取装置24で株元を切断し、この刈取装置24からの複数条の刈取穀稈を前記搬送装置40によって合流させて、稈身が機体上下向きに沿う縦姿勢で脱穀装置5が位置する方の機体横側に向けて、かつ、機体後方に向けて搬送し、搬送終端部で穂先側が機体内側に位置した横倒れ姿勢に姿勢変更して脱穀フィードチェーン5aの搬送始端部に供給する。そして、搬送装置40が前記株元搬送チェーン42及び41の搬送終端側、前記株元搬送チェーン45の搬送始端側によって刈取穀稈を縦姿勢で搬送する際、前記横向き伝動ケース13の横一端側の部位13a(図2)の上方を通して搬送していく。
【0025】
図4、図5に示すように、前記機体フレーム3の前部に固定のミッションケース50の横側部から一方のクローラ走行装置1に動力伝達するように延出している伝動ケース51の途中に連結ボルトの連結力によって締め付け固定した2個の半割ブラケットの一方により、昇降操作される刈取り前処理部10の前記横向き伝動ケース13と相対昇降するように走行機体に固定された状態となっている支持部52を構成するとともに、この支持部52からスクレーパ53を機体前方向きに延出させてある。このスクレーパ53の延出端側に、スクレーパ53を構成している帯板金の折り曲げ部で作製してあることによって機体横方向に沿った平板で成る作用部53aを備えてある。
刈取り前処理部10が走行機体に対して昇降操作されると、前記横向き伝動ケース13のうち前記搬送装置40によって搬送される刈取穀稈の移動経路の下方に位置する前記横一端側部位13aが図4に示す軌跡Tを描いて昇降することにより、刈取り前処理部10が下降作業位置から上昇非作業位置に向けて上昇操作されると、図6の如く前記伝動ケース部位13aがスクレーパ53の前記作用部53aに対してこれの下側付近を後側から前側に移動しながら上昇移動していき、伝動ケース部位13aに草やワラ屑とか泥が載っていると、スクレーパ53の作用部53aに触れて、伝動ケース13の上昇のために作用部53aが発揮する掻き落とし作用によって伝動ケース13から落とされるように構成してある。
【0026】
これにより、作業走行の際、搬送装置40によって搬送される刈取穀稈から落下した草、ワラ屑、泥などが前記伝動ケース部位13aの上に落下して載ったままになっても、その植立穀稈列の刈取り作業を終えて次の作業対象の植立穀稈列に向けて機体を走行させる際など、刈取り前処理部10を持ち上げ操作すれば、スクレーパ53がワラ屑や泥を伝動ケース部位13aに堆積しないように除去する。
【0027】
〔第2実施形態〕
図7、図8は第2実施形態を備えるコンバインのスクレーパ装置を示し、このスクレーパ装置にあっては、前記伝動ケース51にブラケットを固定して設けた走行機体の支持部56から機体前方向きに機体横向きの軸芯X1まわりで上下揺動自在に延出し、延出端側が伝動ケース13に載置されているスクレーパ57を備えてある。
【0028】
このスクレーパ57は、前記支持部56から前記軸芯X1まわりで上下揺動自在に延出している基端側スクレーパ部57aと、この基端側スクレーパ部57aの先端側に基端側が機体横向きの軸芯X2まわりで回動自在に連結している先端側スクレーパ部57bとによって屈伸自在に構成してあるとともに、刈取り前処理部10が下降作業位置にあると、図9(イ)に示す如き屈曲状態になり、刈取り前処理部10が下降作業位置から上昇していくに伴い、図9(ロ)、図9(ハ)に示す如き伸展状態になるように構成してある。
【0029】
すなわち、刈取り前処理部10が下降作業位置にあると、基端側スクレーパ部57aの先端側が伝動ケース13に載って受け止め支持され、先端側スクレーパ部57bが伝動ケース13から外れてこの先端側スクレーパ部57bの重量のために軸芯X2まわりで基端側スクレーパ部57aに対して下降側に回動し、先端側スクレーパ部57bの基端側に備えてある機体横向きの帯板で成る作用部57cの基端側の角部が基端側スクレーパ部57aの先端部に当接するとその回動が停止する。これにより、スクレーパ57は、先端側スクレーパ部57bが基端側スクレーパ部57aから下向きに延出して横向き伝動ケース13に巻き付いた屈曲状態になり、搬送装置40によって搬送される刈取穀稈の移動経路に入り込みにくくなって搬送刈取穀稈の移動障害になりにくくなる。
【0030】
刈取り前処理部10が下降作業位置から上昇していくと、これに伴い、先ず図9(ロ)に示すように、横向き伝動ケース13が基端側スクレーパ部57aから先端側スクレーパ部57bの基端側に移動し、横向き伝動ケース13が先端側スクレーパ部57bに対して下方から受け止め作用することにより、先端側スクレーパ部57bが基端側スクレーパ部57aに対して上昇側に回動し、前記作用部57cの内面側が基端側スクレーパ部57aの上面側に当接するとその回動が停止する。これにより、スクレーパ57は、先端側スクレーパ部57bが基端側スクレーパ部57aから機体前方側に直線状に延出して横向き伝動ケース13で受け止め支持された伸展状態になる。横向き伝動ケース13がさらに上昇していくと、図9(ハ)に示すように、横向き伝動ケース13が先端側スクレーパ部57bに対してこれの先端側に摺動していきながら押し上げ作用することにより、スクレーパ57は、前記伸展状態のままで支持部56に対して揺動上昇していく。
【0031】
これにより、刈取り前処理部10が下降作業位置から上昇操作されていくと、これに伴い、横向き伝動ケース13とスクレーパ57が相対摺動してスクレーパ57の作用部57cが横向き伝動ケース13に対して機体前後方向に相対移動していき、作用部57cが前記伝動ケース部位13aに載っている草、ワラ屑、泥などに触れてこれらを横向き伝動ケース13から掻き落としていく。そして、スクレーパ57は横向き伝動ケース13に載置して受け止め支持されているものだから、スクレーパ57の作用部57cは、横向き伝動ケース13に対してこれの機体前後方向での広範囲にわたって作用してワラ屑、泥などを除去漏れが発生しにくいように精度よく除去する。
【0032】
刈取り前処理部10が上昇非作業位置から下降作業位置に下降操作されると、横向き伝動ケース13は先端側スクレーパ部57bから基端側スクレーパ部57aに戻って受け止め作用するため、スクレーパ57は伸展状態から横向き伝動ケース13に巻き付いた屈曲状態に自ずと戻る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】前処理部フレームの斜視図
【図3】搬送装置の概略平面図
【図4】スクレーパ配設部の側面図
【図5】スクレーパ配設部の平面図
【図6】伝動ケースのスクレーパに対する移動を示す説明図
【図7】第2実施形態のスクレーパ配設部の側面図
【図8】第2実施形態のスクレーパ配設部の平面図
【図9】第2実施形態のスクレーパの作用を示す説明図
【符号の説明】
5      脱穀装置
10     刈取り前処理部
13     伝動ケース
13a    伝動ケースの部位
40     搬送装置
52,56  支持部
53,57  スクレーパ
53a,57c   スクレーパの作用部
57a    基端側スクレーパ部
57b    先端側スクレーパ部
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2004−113070(P2004−113070A)
【公開日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願番号】 特願2002−279347(P2002−279347)