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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】西田 和彦
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】戸成 厚史
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】 開放揺動姿勢の刈取り部が作業者の意志に反して揺動することを防止して、傾斜地等でのベルト交換等のメンテナンス作業の安全を維持できるようにする。

【解決手段】 刈取り部5を、搭乗運転部2とは反対側に位置する縦軸心P周りでの揺動によって、走行本機4の前方部に位置する刈取り作業位置と、走行本機4の前方を開放するメンテナンス作業位置とに切換え揺動可能に構成し、刈取り部5をメンテナンス作業位置に固定するロック機構Rを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀部と前方に突出する搭乗運転部および原動部とを搭載した走行本機の前部に、植立穀稈を刈り取って前記脱穀部に搬送供給する刈取り部を、前記搭乗運転部の横側に位置する状態で昇降自在に連結し、この刈取り部を、前記搭乗運転部とは反対側に位置する縦軸心周りでの揺動によって、前記走行本機の前方部に位置する刈取り作業位置と、走行本機の前方を開放するメンテナンス作業位置とに切換え揺動可能に構成し、前記刈取り部を前記メンテナンス作業位置に固定するロック機構を設けてあるコンバイン。
【請求項2】
前記ロック機構を、ロックピンをロック孔に挿入する構造に構成してある請求項1記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
 本発明は、脱穀部と前方に突出する搭乗運転部および原動部とを搭載した走行本機の前部に、植立穀稈を刈り取って前記脱穀部に搬送供給する刈取り部を、前記搭乗運転部の横側に位置する状態で昇降自在に連結し、この刈取り部を、前記搭乗運転部とは反対側に位置する縦軸心周りでの揺動によって、前記走行本機の前方部に位置する刈取り作業位置と、走行本機の前方を開放するメンテナンス作業位置とに切換え揺動可能に構成してあるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
 この種のコンバインでは、刈取り部を開放姿勢に揺動させることにより、走行本機の前部はもちろん、搭乗運転部下方の原動部及び刈取り部の後部に対する清掃・点検、特に、穀稈詰り解除などのメンテナンスを作業性良く行えるようにしようとしたものであって、特開平9−248042号公報で見られる技術が知られている。このコンバインは、それ以前のように、刈取り部を取り外すという面倒な準備作業を行うことなく、メンテナンス等の作業を行えるようにする点に工夫を凝らしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
 しかしながら、この種のコンバインでは、刈取り部を開放姿勢に揺動操作した状態で、ベルトの交換や穀稈詰まりの除去等のメンテナンス作業を圃場等の平坦でないところで行っておれば、前記開放姿勢に揺動操作した刈取り部を、完全に固定する手段を備えていない。このため、何らかの外力の作用で不意に動き出す可能性がある点で、さらなる改善の余地があった。
【0004】
 そこで、本発明の目的は、開放揺動姿勢の刈取り部が作業者の意志に反して揺動することを防止して、ベルト交換等のメンテナンス作業の安全を維持できるコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
 請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0006】
 〔構成〕
 請求項1による構成の特徴は、脱穀部と前方に突出する搭乗運転部および原動部とを搭載した走行本機の前部に、植立穀稈を刈り取って前記脱穀部に搬送供給する刈取り部を、前記搭乗運転部の横側に位置する状態で昇降自在に連結し、この刈取り部を、前記搭乗運転部とは反対側に位置する縦軸心周りでの揺動によって、前記走行本機の前方部に位置する刈取り作業位置と、走行本機の前方を開放するメンテナンス作業位置とに切換え揺動可能に構成してあるコンバインにおいて、前記刈取り部を前記メンテナンス作業位置に固定するロック機構を設けるとともに、前記刈取り作業位置とメンテナンス作業位置との間に、刈取り部を所定の開放揺動位置に仮止めするデテント手段を備えてある点にある。
【0007】
 〔作用〕
 上記請求項1に係るコンバインによれば、刈取り部をメンテナンス作業位置に固定するロック機構を設けることで、前記刈取り部が走行作業位置に向けて揺動しないように固定できる。しかも、前記刈取り作業位置と前記メンテナンス作業位置との間の開放揺動位置で前記刈取り部を仮止めするデテント手段を備えることで、作業者が車上から操作して、前記刈取り部を軽く押し開き、一旦前記開放揺動位置に仮止めした後に降車して、あらためて前記刈取り部をメンテナンス作業位置にまでさらに開放揺動し、その開放揺動姿勢で前記ロック機構により前記刈取り部を確実に固定する。前記開放揺動位置での仮止めは、前記デテント手段によるものであるから、車上からの操作で安全に行えるのである。また、刈取り部を一旦仮止めした後にメンテナンス作業位置にまで開放揺動操作するから、作業者は、無理な作業姿勢で作業しなくても済む。
【0008】
 〔効果〕
 従って、開放揺動姿勢の刈取り部が作業者の意志に反して揺動することを防止して、ベルト交換等のメンテナンス作業の安全を維持できる。
【0009】
 請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0010】
 〔構成〕
 請求項2による発明の構成は、請求項1による発明の構成において、ロック機構を、ロックピンをロック孔に挿入する構造に構成するとともに、このロックピンを乗り越え可能に係入する凹部を設けて前記デテント手段を構成してある点にある。
【0011】
 〔作用〕
 デテント手段を、ロック機構を構成するロック孔に挿入可能なロックピンが、乗り越え可能に係入する凹部を設けて構成してあることで、ロックピンという単一の手段により刈取り部をメンテナンス作業位置に固定し、その位置に到達する前に、中間位置で仮止めできる。しかも、ロック孔は複数形成することができるから、メンテナンス作業の種類によって、前記刈取り部の開放揺動角度を異ならせて固定することもできる。こうして、車上から作業者が刈取り部を押し開き、前記ロックピンが前記凹部に係入した位置で前記刈取り部を仮止めし、降車した後に、前記刈取り部をさらに開放揺動して、メンテナンス作業位置に合わせて形成したロック孔に前記ロックピンを挿入し、前記刈取り部を固定するのである。従って、複雑な機構を用いることなく、刈取り部を所定の位置に仮止め及び固定できる。
【0012】
 〔効果〕
 簡単な操作で、メンテナンス作業の安全を維持できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
 本発明の実施の形態の一例について、以下、図面に基づいて説明する。
 図1及び図2に本発明に係るコンバインの一例を示すが、このコンバインは、脱穀部1と前方に突出する搭乗運転部2とを搭載し、かつ、クローラ走行装置3を備えた走行本機4の前部に、刈取り部5を前記搭乗運転部2の左右一側に位置する状態で昇降自在に連結し、この刈取り部5を昇降操作するための昇降駆動機構を設けて構成されている。
【0014】
 前記刈取り部5は、植立穀稈を引起し装置6で引き起こしたのち株元を切断装置7で切断して搬送装置8で前記脱穀部1のフィードチェーン1aに搬送供給するものであって、構成構造部材9の一部は伝動ケースを兼用している。
【0015】
 また、前記刈取り部5は、横軸心X周りでの上下揺動により昇降するものであって、図4に示すように、走行本機4の本機フレーム4Fに立設した支持構造体10の上端にわたる状態で構成構造部材9のうち伝動ケースを兼用する横向き筒状フレーム9Aを横軸心X周りに回転自在に取り付けてある。つまり、左側の支持構造体10Lは、図5に示すように、前記横向き筒状フレーム9Aの左端部の取付け対象部位を刈取り部ホルダ18上に支持しているのである。この点は、後述のように、右側の支持構造体10Rにおいても同様である。つまり、横向き筒状フレーム9Aが、左右の支持構造体10L,10Rに上下揺動自在に支持される軸となっている。
【0016】
 前記昇降駆動機構は、前記本機フレーム4Fと、前記構成構造部材9のうち前方への伝動ケースを兼用する前後向き筒状フレーム9Bとの間に介在させた油圧シリンダ11への圧油供給に伴い刈取り部5をその重量に抗して上昇させ、油圧シリンダ11からの排油に伴い刈取り部5をその重量で下降させる機構として構成してある。
【0017】
 そして、前記刈取り部5は、図3に示すように、前記油圧シリンダ11の構成構造部材9(前後向き筒状フレーム9B)への連結ピン12を介する連結を解除した状態で、かつ、ミッションケースからの動力を伝動ベルトを介して受け取る入力プーリIPから伝動ベルトを外した状態で、左右のうち前記搭乗運転部2とは反対側に位置する縦軸心P周りでの揺動により前記走行本機4の前方部に位置する刈取り作業姿勢と走行本機4の前方を開放する開放揺動姿勢とに切り換え自在に構成されている。
【0018】
 前記連結ピン12は、図6及び図7に示すように、油圧シリンダ11の連結ピン12による取付部11Aと前記前後向き筒状フレーム9Bに固着のブラケット13とにわたって一連に挿通することで両者を連結するものであって、連結ピン12に固着のストッパー12aを前記ブラケット13とそれにネジ止めした板バネ製のキャッチャー14とで弾性挟持されることで抜け止めされており、その軸心周りに揺動操作されることにより、前記キャッチャー14を弾性変形させる状態でストッパー12aをキャッチャー14とブラケット13との間から離脱させて抜け止めを解除されるようになっている。前記連結ピン12には、挿抜・揺動用のハンドル12Aが固着されている。
【0019】
 前記刈取り部5は、図4及び図5並びに図8〜図11に示すように、前記支持構造体10のうち前記搭乗運転部2から遠い右側のに、縦軸心構成用の支軸16を、縦軸心P周りに自転自在に支持し、前記支軸16の上端に、縦軸心Pよりも後方に位置する状態で刈取り部取付部17を構成して、前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位を着脱自在に装着するように構成してある。
【0020】
 前記支軸16は、本機フレーム4Fにその下端面を載置して荷重を支持させ、縦軸心周りに自転自在に支持してある。前記支軸16の下端部は、本機フレーム4Fに自転自在に挿通し、その支軸16の上端近くを前記左側の支持構造体10Lの天板15に自転自在に挿通させて、前記支軸16を倒れ止めする手段を構成してある。前記支軸16には、図13にも示すように、天板15の下面にスライド自在に接当して、刈取り部5が刈取り作業姿勢にある刈取り作業位置での支軸16の前後倒れを防止する前後一対の倒れ止め16aがボルト止めされている。
【0021】
 また、前記刈取り部取付部17は、図16にも示すように、支軸16と一体物の状態に形成されて前記刈取り部5の相対的な後方への移動に伴い前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位を受け止め支持する刈取り部ホルダ18と、この刈取り部ホルダ18に受け止め支持された取付け対象部位をボルト19の締め付けに伴い刈取り部ホルダ18に押し付け固定する締付具20とを備えている。前記支軸16のうち刈取り部ホルダ18の前部に連なる上面部分は、後方移動する前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位を刈取り部ホルダ18にスライド案内するガイド面Gとなっている。前記締付具20は、ボルト19を緩めて外すことで刈取り部ホルダ18から離脱させることができるものである。また、締付具20は、刈取り部ホルダ18への取付け状態でその軸心X(横軸心)に沿った方向の両端面を前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位に形成した左右の段部34に接当させることにより、前記取付け対象部位の刈取り部取付部17に対する横軸心Xに沿った方向の位置を規制する。もちろん、刈取り部取付部17は、締付具20で前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位を刈取り部ホルダ18に押し付け固定した状態で、前記横向き筒状フレーム9Aの横軸心X周りでの揺動を許容するのである。
【0022】
 図4、図8〜図10、図14に示すように、前記支持構造体10のうち搭乗運転部2に近い右側の支持構造体10Rの上部に、前記横向き筒状フレーム9Aのうち前記縦軸心Pから設定距離を隔てた固定対象部位を刈取り部5の開放姿勢への揺動及び前方への相対的移動を許容する状態で載置支持するホルダ21を一体物として形成してある。このホルダ21に対する前記横向き筒状フレーム9Aの固定対象部位に対し載置・離脱を許容する開放揺動姿勢と、前記ホルダ21の設定箇所に前記横向き筒状フレーム9Aの固定対象部位を位置させて押し付け固定する閉塞姿勢とに揺動開閉自在に締付具22をホルダ21に装着してある。この締付具22が閉塞姿勢にある状態において、締付具22に形成の固定用孔23とホルダ21に形成の固定用孔24とにわたって一連に挿通することで締付具22を閉塞姿勢に固定する固定用ピン25を設けて、前記刈取り部5を刈取り作業位置に固定するように構成してある。なお、搭乗運転部2側にある右側の支持構造体10Rは支柱状に形成されており、これの上部と前記左側の支持構造体10Lの上部とは補強フレームFで連結されている。もちろん、締付具22で前記横向き筒状フレーム9Aの固定対象部位をホルダ21に押し付け固定した状態では、前記横向き筒状フレーム9Aの横軸心X周りでの揺動を許容するものである。
【0023】
 前記締付具22は、図15に示すように、閉塞姿勢においてホルダ21に固定用ピン25の挿抜方向で接当してホルダ21に対して前記挿抜方向で位置規制される一対の規制部22aを備え、開閉用の操作部22bを一体に備えている。
【0024】
 前記固定用ピン25は、図15に示したように、差し込みに伴い締付具22を揺動させて両固定用孔23,24を心合わせする先細りテーパー部25aと、差込状態で両固定用孔23,24に密着嵌合する位置規制部25bと、一方の規制部22aの固定用孔23に形成の雌ネジ部26に螺合して抜け止めされる雄ネジ部25cとを形成している。また、この固定用ピン25には、挿抜・螺合用のハンドル27が装着されている。つまり、雄ネジ部25cを雌ネジ部26に螺合させることにより、固定用ピン25の全体を差し込み移動させるようになっており(同図(イ)参照)、先細りテーパー部25aの挿入により心合わせする形式を採用しながらも、固定用ピン25を回転操作する操作力が小さなものですむようになっている。
【0025】
 さらに、コンバインは、前記刈取り部5を昇降範囲の上方域に位置させた状態で前記昇降駆動機構、つまり、油圧シリンダ11に代わって刈取り部5の重量を支持する昇降ロック手段を備えている。
【0026】
 前記昇降ロック手段は、図13に示すように、前記刈取り部5における前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位と走行本機4の固定部材である刈取り部ホルダ18とのうち昇降(揺動)方向で対向する部位a,b間に対して刈取り部5をロック位置よりも上昇させた状態(同図(ロ)参照)で挿抜自在で、挿入状態において前記ロック位置に下降(揺動)してきた前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位側の部位aと刈取り部ホルダ18側の部位bとで挟持されて刈取り部5の重量を刈取り部ホルダ18に支持させる(同図(イ)参照)ことで刈取り部5の下降を阻止するロック部材28を設けて構成されている。前記ロック部材28は、挿入位置と抜出位置とに揺動自在に刈取り部ホルダ18に装着されており、挿入位置で刈取り部ホルダ18に安定載置支持されるものである。また、昇降ロック手段は、図11に示すように、ロック部材28の刈取り部ホルダ18への取付軸を兼用する操作レバー29付きの遠隔操作用の操作軸30を備えている。
【0027】
 上述の構成により、図13(ロ)に示すように、刈取り部5を刈取り作業姿勢の刈取り作業位置に位置させた状態で刈取り部5をロック位置よりも上方に上昇させ、同図(イ)に示すように、この状態で昇降ロック手段のロック部材28を抜出位置から挿入位置に揺動操作したのち刈取り部5を下降させて刈取り部5に対する対地浮上状態での荷重支持を油圧シリンダ11から昇降ロック手段に移行し、その対地浮上状態で連結ピン12を抜いて刈取り部5と油圧シリンダ11との連結を解除する。そして図14に示すように、固定用ピン25を抜いて締付具22を開放姿勢に揺動操作し(同図(ロ)参照)、その状態で刈取り部5を縦軸心P周りでメンテナンス作業位置に開放揺動させる。これにより、搭乗運転部2下方の原動部の側部及び走行本機4の前部を開放できるとともに、刈取り部5の後部を開放して、穀稈搬送詰りの解除などの各種メンテナンスを行えるのである。
【0028】
 そして、このコンバインにおいては、図10及び図11に示したように、刈取り部ホルダ18に付設したロックピン31を前記左側の支持構造体10Lの天板15に形成のロック孔32に自重で落とし込み挿入させることにより、刈取り部5の縦軸心P周りでの揺動を規制して刈取り部5を開放揺動姿勢のメンテナンス作業位置に固定するロック機構Rを設けてある。このロック機構Rには、図12に示したように、前記刈取り部5を、前記刈取り作業位置と前記メンテナンス作業位置との中間に設定した所定の開放揺動位置に仮止めするデテント手段Dを設けてある。このデテント手段Dは、前記支持構造体10Lの天板15の上面に、前記ロック孔32に対して、前記縦軸心P周りでの同一半径上で途中の位置に形成し、前記ロックピン31の下端部が係入し、かつ、さらなる揺動操作によってこの係入状態から前記ロックピン31の離脱を可能にする凹部33(同図(ロ)参照)を設けて構成してある。尚、図12(ロ)に示した前記天板15の断面は、前記縦軸心Pを中心軸とし、前記ロック孔32の中心軸を通る円筒面に沿った縦断面を展開して示した。
【0029】
 こうした構成により、作業者が搭乗運転部2上に位置した状態で、刈取り部5をロック位置よりも上方に上昇させ、前述のように、昇降ロック手段のロック部材28により荷重支持を昇降ロック手段に移行し、前記連結ピン12を抜いて刈取り部5と油圧シリンダ11との連結を解除する。その後、固定用孔24から固定用ピン25を抜き取り、操作部22bを操作して締付具22を開放姿勢に揺動操作し、その状態で刈取り部5を前方に押し操作して、前記横向き筒状フレーム9Aの固定対象部位を、前記ホルダ21から前方に離脱させ、さらに縦軸心P周りで開放姿勢に向けて揺動操作する。この際、前記ロックピン31の下端部は、支持構造体10Lの天板15の上面に接当した状態で、前記縦軸心P周りで前記ロック孔32に向けて摺動し、前記凹部33に達する。ここで、前記ロックピン31の下端部は、前記凹部33に落ち込み、前記刈取り部5のそれ以上の揺動を規制する。そこで作業者は下車して、入力プーリIPに掛けられている伝動ベルトを外し、前記刈取り部5をさらに開放揺動操作すれば、メンテナンス作業位置で前記ロックピン31の自重によりその下端部が前記ロック孔32内に落ち込み、前記刈取り部5を前記メンテナンス作業位置に固定するのである。このように構成したロック機構Rにより、前記刈取り部5が前記メンテナンス作業位置に固定されるから、作業者は安心してメンテナンス作業を行うことができる。
【0030】
 前記刈取り部5を刈取り作業位置に復する場合には、前記ロックピン31を持ち上げてその先端部をロック孔32から抜き出した状態で前記刈取り部5を閉じ側に揺動させ、前記デテント手段Dを作用させ、仮止め状態で前記伝動ベルトを前記入力プーリIPに掛け、さらに前記刈取り部5を本機に向けて押すことで、前記横向き筒状フレーム9Aの固定対象部位をホルダ21上に乗り上げさせることができるから、操作部22bを揺動操作して、前記締付具22を閉塞姿勢に移し、固定用ピン25を固定用孔24に嵌装して、前記横向き筒状フレーム9Aの固定対象部位をホルダ21に押し付け固定すれば、前記刈取り部5を本機に取り付けることができる。
【0031】
 前記ロック孔32は、縦向き軸芯Pに対して同一半径上に複数の位置に形成してあってもよく、例えば前記刈取り部5の刈取り作業位置からの揺動角度が60°になる位置の前記天板15に貫通する第一ロック孔32Aと、前記揺動角度が75°になる位置の前記天板15に貫通する第二ロック孔32Bとを形成すれば、メンテナンス作業の作業内容によって、その開放揺動角度を選択できる。前記第一ロック孔32Aは穀稈詰まりの解除等の前記刈取り部5に対するメンテナンス作業の際に選択し、前記第二ロック孔32Bは前記刈取り部5をさらに開放揺動した位置にあり、駆動ベルト等の交換等本機のメンテナンス作業の際に選択することができる。以上のように複数位置でロックするように構成することで、メンテナンス作業位置のうちのメンテナンス作業に必要な空間を確保できる開放揺動姿勢で前記刈取り部5を固定して作業者の安全を維持することができ、また、前記刈取り部5の一部と本機の一部との干渉により、前記本機が破損することを防止する最大揺動姿勢にメンテナンス作業位置を設定すれば、前記刈取り部5を固定して本機或いは刈取り部5の破損を防止することもできる。例えば、前記第二ロック孔32Bを、これに対応する位置に形成しておけばよい。
【0032】
 また、このコンバインでは、刈取り部5を接地支持させた状態で両締付具20,22を開放するとともに、油圧シリンダ11の刈取り部5への連結を解除し、その状態で走行本機4を相対的に後方に移動させることにより、刈取り部5を走行本機4から離脱させることができるのである。つまり、このコンバインでは、刈取り作業姿勢では、前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位と固定対象部位との2点で刈取り部5を走行本機4に連結し、開放揺動姿勢では、前記横向き筒状フレーム9Aの取付け対象部位の1点で刈取り部5を走行本機4に連結するようになっている。
【0033】
 以上の構成により、本発明に係るコンバインにおいては、刈取り部における穀稈詰まりの解除や駆動ベルトの交換等のメンテナンス作業を、前記刈取り部を開放揺動して、安定させた状態で行うことができる。
【0034】
  〔別実施形態〕
 前記ロック機構は、ロック孔及び凹部にロックピンを自重で落とし込む構成を示したが、バネ等を用いて下方に向けて付勢して構成してあってもよい。
【0035】
 また、ロック孔は貫通させることなく、有底に構成してあってもよい。要するに、ロックピンの下端部が係入し、刈取り部の揺動を規制し、固定できればよい。
【0036】
 前記ロックピンの下端部は、平面で形成した例を図示して説明したが、前記下端部の中心部を突出させた形状であってもよい。例えば小径部分を段差を設けて突出させてあってもよく、これを滑らかな曲面で形成してあってもよい。また、前記下端部を連続面で形成する場合には、例えば、球面、楕円球面等の三次元曲面で形成してあってもよく、円錐面のような母線を有する曲面で形成してあってもよく、これらを組み合わせた形状であってもよい。
【0037】
 前記デテント手段を構成する凹部は、凹入する円錐面で形成した例を図示して説明したが、断面視円弧状或いは楕円弧状の凹入する球面或いは楕円球面で形成してもよい。尚、デテント手段として、刈取り部を仮止めするのに、開放揺動角度を固定しやすくするには、前記凹部の面とロックピンの下端面とが同種の凹凸面で形成されていることが好ましい。この場合には、前記凹部の周縁部は傾斜面を形成させる。
【0038】
 さらに、上記実施の形態に於いては、ロック機構とデテント機構とを同一のロックピンで機能させる構成について説明したが、前記ロック機構の構成は図示の構成に限るものではない。例えば、デテント機構用の凹部に係入する係入手段を前記ロックピンとは別に設けてもよく、また、ロック機構のためのロックピンを複数備えるように構成してもよい。要するに、刈取り部の開放揺動姿勢における開放揺動角度を固定するロック機構と、これを仮止めするデテント機構とを備えておればよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】刈取り部を開放姿勢に揺動させた状態でのコンバインの平面図
【図4】要部の正面図
【図5】要部の側面図
【図6】要部の側面図
【図7】要部の断面図
【図8】刈取り作業姿勢での要部の平面図
【図9】開放揺動姿勢での要部の平面図
【図10】刈取り作業姿勢での要部の横断平面図
【図11】開放揺動姿勢での要部の横断平面図
【図12】要部の構成説明図
【図13】昇降ロック手段の動作を示す要部の縦断側面図
【図14】刈取り作業姿勢に固定する手段の動作を示す要部の縦断側面図
【図15】締付具の開閉動作を示す要部の縦断正面図
【図16】要部の縦断正面図
【符号の説明】
【0040】
 1 脱穀部
 2 搭乗運転部
 4 走行本機
 5 刈取り部
 31 ロックピン
 32 ロック孔
 D デテント手段
 P 縦軸心
 R ロック機構
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成16年1月16日(2004.1.16)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2004−105196(P2004−105196A)
【公開日】 平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願番号】 特願2004−9195(P2004−9195)