トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバインにおける操作装置
【発明者】 【氏名】林 晃良
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】残間 茂雄
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】水倉 泰治
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】中川 渉
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】梶岡 律子
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】小山 智弘
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】大西 満輝
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】刈取前処理装置に対する操作手段と、縦搬送チェーンに対する操作手段との操作性を向上させて、畦際で刈取脱穀作業を終了するとき等に、扱残りや稈こぼれの発生を抑制する。

【解決手段】刈取昇降スイッチ74を、前後の端部74a,74bがそれぞれ二段階に押し操作可能なロッカースイッチに構成する。後端部74aを上昇操作位置U1まで押すと刈取前処理装置が上昇し、後端部74aを上昇操作位置U2まで押すと、刈取前処理装置が上昇するとともに縦搬送チェーンが深扱ぎ側に移動する。前端部74bを下降操作位置D1まで押すと刈取前処理装置が下降し、前端部74bを下降操作位置D2まで押すと、刈取前処理装置が下降するとともに縦搬送チェーンが浅扱ぎ側に移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィードチェーン付きの脱穀装置を備えた走行機体の前部に、株元搬送装置を備えた刈取前処理装置を昇降用アクチュエータで昇降調節可能に装着し、前記株元搬送装置を搬送用アクチュエータで移動させることにより、刈取穀稈の扱深さ位置を調節するように構成したコンバインにおいて、
前記走行機体の運転部には、一段目の操作で前記刈取前処理装置を任意の刈高さ位置に移動させ、二段目の操作で前記刈取前処理装置を任意の刈高さ位置に移動させるとともに前記株元搬送装置を所定位置に移動させる二段階操作が可能な刈取操作手段を備えていることを特徴とするコンバインにおける操作装置。
【請求項2】
前記刈取操作手段は、前記走行機体を変速操作する変速操作手段の握り部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載したコンバインにおける操作装置。
【請求項3】
前記刈取操作手段は、その長手方向中途部に位置する支軸周りに回動可能に構成したロッカースイッチであり、
このロッカースイッチの一端部を一段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を上昇させ、二段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を上昇させるとともに前記株元搬送装置を深扱ぎ側に移動させる一方、
前記ロッカースイッチの他端部を一段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を下降させ、二段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を下降させるとともに前記株元搬送装置を浅扱ぎ側に移動させるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載したコンバインにおける操作装置。
【請求項4】
前記刈取操作手段は、その長手方向中途部に位置する支軸周りに回動可能に構成したロッカースイッチであり、
このロッカースイッチの一端部を一段押し操作すると、前記刈取前処理装置を予め設定した刈高さ位置よりも高い所定高さ位置まで強制的に上昇させ、二段押し操作すると、前記刈取前処理装置を前記所定高さ位置まで強制的に上昇させるとともに前記株元搬送装置を深扱ぎ側に移動させる一方、
前記ロッカースイッチの他端部を一段押し操作すると、前記刈取前処理装置を予め設定した刈高さ位置まで強制的に下降させ、二段押し操作すると、前記刈取前処理装置を前記刈高さ位置まで強制的に下降させるとともに前記株元搬送装置を浅扱ぎ側に移動させるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載したコンバインにおける操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィードチェーン付きの脱穀装置を備えた走行機体の前部に、穀稈引起装置や株元搬送装置等を備えた刈取前処理装置を昇降用アクチュエータで昇降調節可能に装着し、前記株元搬送装置を搬送用アクチュエータで移動させることにより、刈取穀稈の扱深さ位置を調節するように構成したコンバインにおける操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種のコンバインは、刈取前処理装置を手動で昇降操作するための刈取昇降レバー(スイッチ)と、刈取前処理装置を予め設定した刈高さ位置(圃場内の植立穀稈を刈取るときの刈取前処理装置の高さ、以下同じ)よりも高い所定高さ位置まで強制的に上昇させるオートリフトスイッチと、刈取前処理装置を前記刈高さ位置まで強制的に下降させるオートセットスイッチとを、運転部に設けた主変速レバーの握り部に備えていることが多く、これらレバーやスイッチの手動操作により、刈取前処理装置の刈高さ位置を変更調節することは公知である。
【0003】
また、主変速レバーの握り部に、株元搬送装置を手動操作する扱深さ調節レバー(スイッチ)を備えていることも多く、この扱深さ調節レバー(スイッチ)の手動操作により、刈取穀稈の扱深さ位置(脱穀装置に対する刈取穀稈の供給位置、以下同じ)を変更調節することもよく知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、例えば刈取脱穀作業を終了するときや、刈取方向の変更のため走行機体を旋回させるとき等には、刈取前処理装置が圃場面に接触しないように、刈取昇降レバー(スイッチ)またはオートリフトスイッチを操作して刈取前処理装置を上昇させるようにしており、この上昇中の刈取前処理装置は、植立穀稈を通常の刈取脱穀作業時よりも短くなるように刈取ってしまっていた。
【0005】
このため、短く刈取られた穀稈を刈取前処理装置で搬送するに際して、株元部が株元搬送装置の位置まで届かず、例えば株元搬送装置からフィードチェーン等に受継ぎ搬送するとき等に、稈こぼれが起こり易いという問題があった。
【0006】
また、短く刈取られた穀稈の適切な扱深さ位置は、通常長さの刈取穀稈が脱穀装置で深く脱穀される深扱ぎ位置であるため、通常の扱深さ位置からは外れることになり、扱残りが発生するという問題があった。
【0007】
これらの問題を解消するには、刈取昇降レバー(スイッチ)またはオートリフトスイッチを操作して刈取昇降装置を上昇させるとともに、扱深さ調節レバー(スイッチ)を操作して、株元搬送装置をフィードチェーン等に近づくように深扱ぎ側に移動させればよいと考えられる。
【0008】
しかし、前記従来のコンバインでは、例えば特開2002−17134号公報等に開示されるように、刈取昇降レバー(スイッチ)またはオートリフトスイッチと扱深さ調節レバー(スイッチ)とを、主変速レバーの握り部にそれぞれ別々に設けていたので、双方のレバー(スイッチ)を片手で一遍に操作しなければならず、操作性が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は、以上の問題点を解消することを技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明に係る操作装置は、フィードチェーン付きの脱穀装置を備えた走行機体の前部に、株元搬送装置を備えた刈取前処理装置を昇降用アクチュエータで昇降調節可能に装着し、前記株元搬送装置を搬送用アクチュエータで移動させることにより、刈取穀稈の扱深さ位置を調節するように構成したコンバインにおいて、前記走行機体の運転部には、一段目の操作で前記刈取前処理装置を任意の刈高さ位置に移動させ、二段目の操作で前記刈取前処理装置を任意の刈高さ位置に移動させるとともに前記株元搬送装置を所定位置に移動させる二段階操作が可能な刈取操作手段を備えているというものである。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載したコンバインにおける操作装置において、前記刈取操作手段は、前記走行機体を変速操作する変速操作手段の握り部に設けられているというものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載したコンバインにおける操作装置において、前記刈取操作手段は、その長手方向中途部に位置する支軸周りに回動可能に構成したロッカースイッチであり、このロッカースイッチの一端部を一段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を上昇させ、二段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を上昇させるとともに前記株元搬送装置を深扱ぎ側に移動させる一方、前記ロッカースイッチの他端部を一段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を下降させ、二段押し操作すると、押し操作時間に応じた刈高さ位置まで前記刈取前処理装置を下降させるとともに前記株元搬送装置を浅扱ぎ側に移動させるように構成したというものである。
【0013】
さらに、請求項4の発明は、請求項1または2に記載したコンバインにおける操作装置において、前記刈取操作手段は、その長手方向中途部に位置する支軸周りに回動可能に構成したロッカースイッチであり、このロッカースイッチの一端部を一段押し操作すると、前記刈取前処理装置を予め設定した刈高さ位置よりも高い所定高さ位置まで強制的に上昇させ、二段押し操作すると、前記刈取前処理装置を前記所定高さ位置まで強制的に上昇させるとともに前記株元搬送装置を深扱ぎ側に移動させる一方、前記ロッカースイッチの他端部を一段押し操作すると、前記刈取前処理装置を予め設定した刈高さ位置まで強制的に下降させ、二段押し操作すると、前記刈取前処理装置を前記刈高さ位置まで強制的に下降させるとともに前記株元搬送装置を浅扱ぎ側に移動させるように構成したというものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図10)に基づいて説明する。図1〜図8は本発明の第1実施形態を示している。はじめに、図1及び図2等を参照して第1実施形態のコンバインの概要を説明する。図1はコンバインの左側面図、図2はコンバインの正面図である。
【0015】
コンバインにおける走行機体1は、左右一対の走行クローラ2,2に対して走行部昇降駆動手段(図示せず)を介して昇降動可能に構成されている。
【0016】
走行機体1の前部には、圃場内の植立穀稈を刈取るための刈取前処理装置3が昇降フレーム4を介して昇降回動可能に支持されており、この刈取前処理装置3は、走行機体1と昇降フレーム4との間に装着した昇降用アクチュエータとしての単動式油圧シリンダ5で昇降調節可能に構成されている。
【0017】
走行機体1の進行方向左側にはフィードチェーン7付きの脱穀装置6が搭載されており、刈取前処理装置3で刈取搬送した穀稈の株元部をフィードチェーン7で受け継いで挟持搬送しつつ、この穀稈の穂先部を脱穀装置6内の扱胴8(図3参照)で脱穀するように構成されている。
【0018】
走行機体1の右側前部には運転部としての運転室9が配置されており、その後方には穀粒タンク10が配置されている。運転室9の下部後方にはエンジン(図示せず)が搭載されている。
【0019】
脱穀装置6の下方には、受網とチャフシーブ等による搖動選別と唐箕ファンの風による風選別とを行うための選別機構(図示せず)が配設されている。この選別機構により選別されて一番受樋(図示せず)に集められた穀粒は、揚穀コンベア(図示せず)で穀粒タンク10内に一旦集積されたのち、排出オーガ11を介して例えばトラックの荷台等に排出される。
【0020】
なお、排わらはフィードチェーン7の後端で排藁搬送チェーン7bに受け継がれて走行機体1の後端から圃場に排出される。
【0021】
次に、図3及び図4等を参照して、刈取前処理装置3の詳細な構成を説明する。図3は刈取前処理装置内の各装置の配置関係を示す概略正面図、図4のうち(a)は刈取前処理装置の上昇状態の概略側面図、(b)は刈取前処理装置の下降状態の概略側面図である。
【0022】
刈取前処理装置3の下部にはバリカン式の刈刃装置21が設けられており、昇降フレーム4の前方には六条分の穀稈引起装置22が配置されている。この穀稈引起装置22とフィードチェーン7の前端との間には穀稈搬送装置23が配置されており、穀稈引起装置22の下部前方には走行機体1の進行方向に向かって突出する分草体24が取付けられている。
【0023】
穀稈引起装置22は、分草体24を介して取込んだ穀稈を起立させる引起タイン26を有する六条分の引起ケース25と、これら各引起ケース25の後方位置に相対向するように配置したスターホイル27及び掻込ベルト28とで構成されている。
【0024】
穀稈搬送装置23は、右側二条分の刈取穀稈を左斜め後方に搬送する右下部搬送チェーン29及び右上部搬送タイン30と、中央二条分の刈取穀稈を右下部搬送チェーン29及び右上部搬送タイン30の送り中間部近傍で合流させる中央下部搬送チェーン31及び中央上部搬送タイン32と、左側二条分の刈取穀稈を右下部搬送チェーン29及び右上部搬送タイン30の送り終端部近傍で合流させる左下部搬送チェーン33及び左上部搬送タイン34と、右下部搬送チェーン29の送り終端部に合流した六条分の刈取穀稈の株元部をフィードチェーン7に渡す縦搬送チェーン35と、右上部搬送タイン30の送り終端部に合流した六条分の刈取穀稈の穂先部を脱穀装置6に搬送する縦搬送タイン36と、六条分の刈取穀稈の株元寄り中途部をフィードチェーン7に渡す第1補助搬送チェーン37a及び第2補助搬送チェーン37bとで構成されている。縦搬送チェーン35は請求項に記載した株元搬送装置に相当する。
【0025】
刈取前処理装置3の昇降フレーム4には、縦搬送チェーン35の送り始端部が支軸38を介して取付けられているとともに、支軸38を中心として縦搬送チェーン35を回動させる搬送用アクチュエータとしての正逆回転可能な電動モータ39が配設されている。この電動モータ39の正逆回転により、縦搬送チェーン35の送り終端部は、第1補助搬送チェーン37aの前端部に対して接離するように回動することができる。
【0026】
したがって、縦搬送チェーン35を反時計方向に回動させると(図3及び図4(a)(b)の実線状態参照)、最終的にフィードチェーン7に受継がれた刈取穀稈の穂先部は、扱胴8の下部左寄り(すなわち深扱ぎ側)に位置する。縦搬送チェーン35を時計方向に回動させると(図3及び図4(a)(b)の二点鎖線状態参照)、最終的にフィードチェーン7に受継がれた刈取穀稈の穂先部は、扱胴8の下部右寄り(すなわち浅扱ぎ側)に位置する。
【0027】
図3及び図4(a)(b)に示すように、穀稈引起装置22の下部前端には、刈取穀稈が通過したか否かを検出するための穀稈通過センサ40(実施形態では三つ)が二条分の穀稈通過箇所毎に配置されている。脱穀装置6の始端側(穀稈搬入側)には、刈取穀稈の穂先部を検出するための扱深さセンサ41が設けられている。実施形態では、扱深さセンサ41は浅扱ぎセンサ41aと深扱ぎセンサ41bとで構成されている。
【0028】
なお、刈取前処理装置3の対地高さ(圃場面に対する刈取前処理装置3の高さ)を検出する超音波センサ42,42は、発信器の発信部(ホーン部)と受信器の受信部とを圃場面に向けた状態で、左右両端の穀稈引起装置22,22の裏面側に設けたブラケット(図示せず)に各々取付けられている(図2参照)。
【0029】
また、昇降フレーム4の基端部に取付けた昇降位置センサ43(図8参照)は、昇降フレーム4の回動角度から、刈取前処理装置3の対機体高さ(走行機体1に対する刈取前処理装置3の相対高さ)を求めるようになっている。
【0030】
図4及び図8に示すように、これら各センサ40,41a,41b,42,42,43や、縦搬送チェーン35の送り終端部位置を検出するためのポジションセンサ46等は、コンバインの作動全般を制御する電子式制御装置80の入力インターフェイスに各々接続されている。
【0031】
実施形態における電子式制御装置80は、各種演算処理や制御を実行する中央処理装置81(CPU)、制御プログラムやデータ等を記憶させる読出し専用メモリ82(ROM)、制御プログラムやデータ等を一時的に記憶させる記憶手段としての随時読書き可能メモリ83(RAM)等を備えている。
【0032】
前記入力インターフェイスには、前述した各種センサ40,41a,41b,42,42,43,46の他、車速を無段階変速させる主変速レバー66、作業状態に応じて油圧ポンプ油圧モータ式走行駆動部(図示せず)の出力及び回転数を所定範囲に設定保持する副変速レバー67、各種スイッチや設定ダイヤル類57〜62,71〜75(詳細は後述する)等が各々接続されている。他方、出力インターフェイスには、単動式油圧シリンダ5の駆動回路47、電動モータ39の駆動回路48等が各々接続されている。
【0033】
次に、図5〜図7(a)(b)等を参照して、運転室9内の各種操作用のレバーやスイッチ類の構成を説明する。図5は運転室9の概略平面図、図6は主変速レバーの握り部の概略図、図7は刈取昇降スイッチ(または刈取オートスイッチ)の操作説明図であり、(a)は後端部を押し操作した場合、(b)は前端部を押し操作した場合である。
【0034】
運転室9における運転座席51の前方には、立状のステアリングカバー体52と、このステアリングケース体52から左右外向きに延びるフロントパネル体53とが配置されている。ステアリングカバー体52から上向き突出したハンドル軸(図示せず)には、走行機体1を左右に操向操作する操向丸ハンドル54が取付けられている。
【0035】
ステアリングカバー体52の上端部には、コンバインの状態情報を表示する液晶表示装置56が、平面視で操向丸ハンドル54におけるハンドルホイル55の内径側に位置するように設けられている。なお、操向丸ハンドル54は液晶表示装置56とは連結していないが、液晶表示装置56の上面(画面)がハンドルホイル55よりも下方に位置しているので、操向丸ハンドル54は液晶表示装置56と干渉することなくスムーズに回動できる。この場合、液晶表示装置56は動かないので、運転座席51に座った作業者からは画面が見やすい。
【0036】
左右長手のフロントパネル体53上には、走行機体1を左右水平な姿勢に維持する自動水平制御の入り切りを操作するための自動水平スイッチ57、走行機体1の左右傾斜角度を設定するための傾斜設定ダイヤル58、刈取前処理装置3を所定の刈高さ位置に維持する自動刈高さ制御の入り切りを操作するための自動刈高さスイッチ59、自動刈高さ制御時の刈高さ位置を設定するための刈高さ設定ダイヤル60、脱穀装置に対する刈取穀稈の扱深さ位置を所定位置に維持する自動扱深さ制御の入り切りを操作するための自動扱深さスイッチ61、選別機構(図示せず)における穀粒の選別状態を調節する選別調節ダイヤル62等の各種操作用のスイッチ類が配置されている。
【0037】
運転座席51の左方には前後に長いサイドパネル体63が設けられており、このサイドパネル体63のうち後ろ寄り部位には、クラッチレバー64が配置されている。クラッチレバー64は、刈取前処理装置3の動力継断操作用のレバーと脱穀装置6の動力継断操作用のレバーとを一本で兼ねたものであり、平面視略L字状のガイド溝65に沿って左右及び前後方向に傾動可能に構成されている。
【0038】
すなわちクラッチレバー64は、ガイド溝65における左右溝部65aの左端位置に傾動させると刈取前処理装置3の動力継断用の刈取クラッチ(図示せず)及び脱穀装置6の動力継断用の脱穀クラッチ(図示せず)がともに切り状態となり、左右溝部65aの右端位置(前後溝部65bの後端位置でもある)に傾動させると脱穀クラッチのみが入り状態となり、前後溝部65bの前端位置に傾動させると両クラッチとも入り状態となるように構成されている。
【0039】
サイドパネル体63上のうちクラッチレバー64の前方部位には、車速を無段階変速させる変速操作手段としての主変速レバー66と、作業状態に応じて油圧ポンプ油圧モータ式走行駆動部(図示せず)の出力及び回転数を所定範囲に設定保持する副変速レバー67とが配置されている。
【0040】
主変速レバー66は平面視クランク状のガイド溝68に沿って傾動可能に構成されており、副変速レバー67は前後傾動可能に構成されている。
【0041】
主変速レバー66の握り部69の左側面には、作業者(運転者)の左手首を載せるためのハンドレスト70が外向き突設されている。このハンドレスト70に左手首を載せることにより、主変速レバー66を操作する左手を安定した楽な姿勢で支えることができ、左手の疲れ等を軽減できるようになっている。
【0042】
主変速レバー66の握り部69の上面には、刈取前処理装置3の刈取速度を変速操作するための刈取変速スイッチ71と、前述した副変速レバー65と同様の作用を示す副変速スイッチ72と、刈取穀稈の扱深さ位置を手動で変更調節するための扱深さ調節スイッチ73と、刈取前処理装置3を手動で昇降操作するための刈取昇降スイッチ74と、刈取前処理装置3を刈高さ設定ダイヤル60で予め設定した刈高さ位置(以下、設定刈高さ位置という)よりも高い所定高さまで強制的に上昇させたり、設定刈高さ位置まで強制的に下降させたりするための刈取オートスイッチ75とが配置されている。
【0043】
これらのスイッチ71〜75は、主変速レバー66と同様に、コンバインでの刈取脱穀作業時に操作する機会が多いものであるから、このように主変速レバー66の握り部69に配置すると、左手を握り部69から離さずに例えば親指でスイッチ71〜75を簡単に操作でき、非常に操作性がよい。
【0044】
刈取変速スイッチ71と副変速スイッチ72とは、スイッチの一回の押し操作により一つのONパルス信号を発するいわゆるプッシュスイッチであり、ノンロックタイプのものである。
【0045】
扱深さ調節スイッチ73は、長手(左右)方向中途部に位置する支軸(図示せず)周りに回動可能に構成したロッカー(シーソー)スイッチであり、左右のスイッチ部73a,73bの押し操作により、脱穀装置6に対する刈取穀稈の供給位置(扱胴8に対する刈取穀稈の穂先部位置)が適宜位置となるように、縦搬送チェーン35を電動モータ39で移動させて、刈取穀稈の扱深さ位置を変更調節するというものである。
【0046】
なお、扱深さ調節スイッチ73は、左右の端部73a(73b)の押し操作時間が長いと縦搬送チェーン35の回動量も比例して大きくなり、各端部73a(73b)から指を離すと中立位置(回動停止位置)に復帰するように構成されている。
【0047】
刈取昇降スイッチ74と刈取オートスイッチ75とは、長手(前後)方向中途部に位置する支軸(図示せず)周りに回動可能でかつ前後の端部をそれぞれ二段階に押し操作できるように構成したロッカー(シーソー)スイッチである。これら各スイッチ74,75は請求項に記載した刈取操作手段に相当する。
【0048】
刈取昇降スイッチ74は、後端部74aを一段(上昇操作位置U1まで)押し操作すると(図7(a)の一点鎖線状態参照)、単動式油圧シリンダ5が伸長して刈取前処理装置3が上昇し(図4(a)参照)、後端部74aを二段(上昇操作位置U2まで)押し操作すると(図7(a)の二点鎖線状態参照)、刈取前処理装置3の上昇駆動に連動して、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が深扱ぎ側に移動するように構成されている(図3及び図4(a)の実線状態参照)。
【0049】
また、前端部74bを一段(下降操作位置D1まで)押し操作すると(図7(b)の一点鎖線状態参照)、単動式油圧シリンダ5が短縮して刈取前処理装置3が下降し(図4(b)参照)、前端部74bを二段(下降操作位置D2まで)押し操作すると(図7(b)の二点鎖線状態参照)、刈取前処理装置3の下降駆動に連動して、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が浅扱ぎ側に移動するように構成されている(図3及び図4(b)の二点鎖線状態参照)。
【0050】
この実施形態では、刈取昇降スイッチ74は、前後の各端部74a(74b)の押し操作時間が長いと単動式油圧シリンダ5の伸縮量(刈取前処理装置3の昇降量)も比例して大きくなり、各端部74a(74b)から指を離すと中立位置N(図7(a)(b)参照)に復帰するように構成されている。
【0051】
他方、刈取オートスイッチ75は、後端部75aを一段(リフト操作位置L1まで)押し操作すると(図7(a)の一点鎖線状態参照)、単動式油圧シリンダ5が伸長して刈取前処理装置3が設定刈高さ位置よりも高い所定高さまで強制的に上昇し、後端部75aを二段(リフト操作位置L2まで)押し操作すると(図7(a)の二点鎖線状態参照)、刈取前処理装置3の強制上昇駆動に連動して、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が深扱ぎ側に移動するように構成されている。
【0052】
また、前端部75bを一段(セット操作位置S1まで)押し操作すると(図7(b)の一点鎖線状態参照)、単動式油圧シリンダ5が短縮して刈取前処理装置3が設定刈高さ位置まで強制的に下降し、前端部75bを二段(セット操作位置S2まで)押し操作すると(図7(b)の二点鎖線状態参照)、刈取前処理装置3の強制下降駆動に連動して、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が浅扱ぎ側に移動するように構成されている。
【0053】
この実施形態では、刈取オートスイッチ75は、前後の各端部75a(75b)から指を離すと中立位置N(図7(a)(b)参照)に復帰するように構成されている。
【0054】
なお、両スイッチ74,75とも、図示しない固定接点及び可動接点が接触することによりクリック感が生ずるので、一段目の押し操作と二段目の押し操作とを明確に区別できる。また、両スイッチ74,75とも、中立位置Nから二段目の操作位置U2,D2,L2,S2まで一気に押し操作することもできる。
【0055】
この実施形態では、両スイッチ74,75とも前後の端部をそれぞれ二段階に押し操作できるように構成されているが、これに限らず、いずれか一方のスイッチ74(75)のみ二段階に押し操作ができるように構成してもよい。
【0056】
以上の構成において、例えば刈取脱穀作業を終了するときや、刈取方向の変更のため走行機体1を旋回させるとき等には、刈取オートスイッチ75の後端部75aを二段(操作位置L2まで)押し操作する。
【0057】
そうすると、刈取前処理装置3が上昇するとともに、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部は、第1補助搬送チェーン37aに近づくように深扱ぎ側に移動する。
【0058】
これにより、上昇中の刈取前処理装置3で短く刈取られた穀稈の株元部は縦搬送チェーン35の位置に届くことになり、この短く刈取られた穀稈をフィードチェーン7に受継ぎ搬送するに際して、稈こぼれするおそれを低減できる。
【0059】
次いで、短く刈取られた穀稈は、株元部のうち株元に近い部位が挟持されるように、縦搬送チェーン35からフィードチェーン7に受継がれるので、その穂先部は扱胴8の下部左寄り、すなわち深扱ぎ側に位置することになる。したがって、稈長さの短い刈取穀稈であっても、適切な扱深さ位置で効率よく脱穀することができる。
【0060】
他方、例えば刈取方向の変更後等には、刈取オートスイッチ75の前端部75bを二段(操作位置S2まで)押し操作すると、刈取前処理装置3が下降するとともに、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部は、第1補助搬送チェーン37aから離れるように浅扱ぎ側に移動する。
【0061】
次いで、下降中の刈取前処理装置3で長く刈取られた穀稈は、株元部のうち穂先寄り部位が挟持されるように、縦搬送チェーン35からフィードチェーン7に受継がれるので、その穂先部は扱胴8の下部右寄り、すなわち浅扱ぎ側に位置することになる。したがって、この場合も、適切な扱深さ位置で効率よく脱穀することができるのである。
【0062】
次に、例えば刈取脱穀作業中に、刈取前処理装置3の刈高さ位置を調整したいとき等には、刈取昇降スイッチ74の後端部74aまたは前端部74bを二段(操作位置U2またはD2まで)押し操作する。
【0063】
後端部74aを二段押し操作した場合は、刈取前処理装置3が上昇するとともに、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が、第1補助搬送チェーン37aに近づくように深扱ぎ側に移動する。
【0064】
上昇中の刈取前処理装置3で徐々に短く刈取られた穀稈は、株元部のうち株元に近い部位が挟持されるように、縦搬送チェーン35からフィードチェーン7に受継がれ、その穂先部は深扱ぎ側に位置するので、この場合も、適切な扱深さ位置で効率よく脱穀することができる。
【0065】
他方、前端部74bを二段押し操作した場合は、刈取前処理装置3が下降するとともに、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が、第1補助搬送チェーン37aから離れるように浅扱ぎ側に移動する。
【0066】
下降中の刈取前処理装置3で徐々に長く刈取られた穀稈は、株元部のうち穂先寄り部位が挟持されるように、縦搬送チェーン35からフィードチェーン7に受継がれ、その穂先部は浅扱ぎ側に位置するので、この場合も、適切な扱深さ位置で効率よく脱穀することができるのである。
【0067】
以上のことから、本発明の操作装置によると、刈取前処理装置3に対する操作手段と縦搬送チェーン35に対する操作手段とを一つにまとめて、刈取前処理装置3及び縦搬送チェーン35に対する操作を片手で簡単に行えるというように、操作性が向上するだけでなく、稈こぼれの低減や脱穀能率の向上という効果をも一遍に奏する。
【0068】
また、この実施形態では、刈取昇降スイッチ74の前端部74bまたは刈取オートスイッチ75の前端部75bを二段目まで押すという簡単な操作をするだけで、脱穀能率を低下させることなく、スムーズに刈取脱穀作業を実行することもできる。
【0069】
さらに、主変速レバー66の握り部69に配置した各スイッチ74(75)はロッカースイッチであるので、左手を握り部69から離さずに例えば親指で各スイッチ74(75)を簡単に押し操作できて、各スイッチ74(75)の操作性がより一層向上するばかりか、主変速レバー66で変速操作するに際して、各スイッチ74(75)を不用意に押し操作するおそれが少ないし、変速操作の邪魔になることもない。
【0070】
なお、刈取脱穀作業中の縦搬送チェーン35の送り終端部位置を、予めポジションセンサ46で検出して、記憶手段であるRAM83に記憶させておき、刈取昇降スイッチ74の前端部74bまたは刈取オートスイッチ75の前端部75bを二段押し操作した場合は、刈取前処理装置3を下降させるとともに、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部を、RAM83に記憶させておいた位置に移動させるように構成してもよい。
【0071】
この場合も、刈取昇降スイッチ74の前端部74bまたは刈取オートスイッチ75の前端部75bを二段目まで押すという簡単な操作をするだけで、脱穀能率を低下させることなく、スムーズに刈取脱穀作業を実行できることになる。この構成は、刈取前処理装置3の刈高さ位置を調整したいとき等に操作する刈取昇降スイッチ74の構成として採用すると好ましい。記憶手段はRAM83に限らず、書換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM等であってもよい。
【0072】
図9(a)(b)及び図10(a)(b)は請求項に記載した刈取操作手段の別例を示している。
【0073】
すなわち、本発明に係る刈取操作手段としての刈取昇降スイッチ74及び刈取オートスイッチ75は、第1実施形態のようなロッカースイッチに限らず、図9(a)(b)に示す第2実施形態のように、操作摘みを一方及び他方にそれぞれ二段階に回動可能に構成したレバースイッチ74′(75′)にしたり、これら各レバースイッチ74′(75′)と同様の作用を示すトグルスイッチにしたりしてもよい。操作摘みを一方及び他方にそれぞれ二段階にスライド可能に構成したスライドスイッチにしたりしてもよい。
【0074】
また、図10(a)(b)に示す第3実施形態のように、刈取昇降スイッチ及び刈取オートスイッチをそれぞれ二つのプッシュスイッチ84a,84b(85a,85b)に分離構成してもよい。
【0075】
この場合、各スイッチ84a,84b,85a,85bは、一回の押し操作により一つのONパルス信号を発するものであり、かつノンロックタイプのものである。後ろ刈取昇降スイッチ84aまたは後ろ刈取オートスイッチ85aを一段(上昇操作位置U1まで)押し操作すると刈取前処理装置3が上昇し、後ろ刈取昇降スイッチ84aまたは後ろ刈取オートスイッチ85aを二段(上昇操作位置U2まで)押し操作すると、刈取前処理装置3の上昇駆動に連動して、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が深扱ぎ側に移動する。
【0076】
他方、前刈取昇降スイッチ84bまたは前刈取オートスイッチ85bを一段(下降操作位置D1まで)押し操作すると刈取前処理装置3が下降し、前刈取昇降スイッチ84bまたは前刈取オートスイッチ85bを二段(下降操作位置D2まで)押し操作すると、刈取前処理装置3の下降駆動に連動して、電動モータ39の駆動で縦搬送チェーン35の送り終端部が浅扱ぎ側に移動する。
【0077】
なお、前後の刈取昇降スイッチ84a,84bの押し操作時間が長いと刈取前処理装置3の昇降量も比例して大きくなり、各スイッチ84a,84b,85a,85bから指を離すと中立位置N(図10(a)(b)参照)に復帰する。
【0078】
以上のことから分かるように、本発明に係る刈取操作手段は、一段目の操作で刈取前処理装置3を任意の刈高さ位置に移動させ、二段目の操作で刈取前処理装置3を任意の刈高さ位置に移動させるとともに縦搬送チェーン35を所定位置に移動させる二段階操作ができるように構成されていればよいのである。
【0079】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば扱深さ調節スイッチ73を、左右の端部をそれぞれ二段階に押し操作できるように構成してもよい。
【0080】
この場合、右端部73aを一段押し操作している間は、電動モータ39の駆動により縦搬送チェーン35の送り終端部を深扱ぎ側に移動させ、二段押し操作すると、縦搬送チェーン35の送り終端部を深扱ぎ側に一気に適宜距離だけ(例えば20cm程度)移動させるようにする。
【0081】
左端部73bを一段押し操作している間は、電動モータ39の駆動により縦搬送チェーン35の送り終端部を浅扱ぎ側に移動させ、二段押し操作すると、縦搬送チェーン35の送り終端部を浅扱ぎ側に一気に適宜距離だけ(例えば20cm程度)移動させるようにする。
【0082】
このように構成すると、刈取昇降スイッチ74や刈取オートスイッチ75とは別々に操作しなければならないものの、扱深さ調節スイッチ73の左端部73aを、連続的に押し操作せずに二段目まで押し操作をするだけで、前述の実施形態と同様に、刈取穀稈を稈長さに応じて効率よく脱穀でき、かつ稈こぼれのおそれを回避できるし、扱深さ調節スイッチ73の右端部73bを、連続的に押し操作せずに二段目まで押し操作をするだけで、前述の実施形態と同様に、脱穀能率を低下させることなく、スムーズに刈取脱穀作業を実行できるのである。
【0083】
縦搬送チェーン35は、第1補助搬送チェーン37a及び第2補助搬送チェーン37bを両方とも省略して、その送り終端部をフィードチェーン7の始端部に直接臨ませるように配置してもよい。また、補助搬送チェーン37a,37bのうちいずれか一方のみを省略してもよい。
【0084】
【発明の効果】
請求後1のように構成すると、走行機体の運転部に、一段目の操作で刈取前処理装置を任意の刈高さ位置に移動させ、二段目の操作で刈取前処理装置を任意の刈高さ位置に移動させるとともに株元搬送装置を所定位置に移動させる二段階操作が可能な刈取操作手段を備えているので、前記刈取前処理装置に対する操作手段と前記株元搬送装置に対する操作手段とを一つにまとめることができる。これにより、前記刈取前処理装置及び前記株元搬送装置に対する操作を片手で簡単に行えるというように、操作性が向上するという効果を奏する。
【0085】
請求項2のように構成すると、前記刈取操作手段を、前記走行機体を変速操作する変速操作手段の握り部に設けているので、一方の手を握り部から離さずに例えば親指で前記刈取操作手段を簡単に操作できる。したがって、前記刈取操作手段の操作性がより一層向上するという効果を奏する。
【0086】
請求項3及び4の構成は、請求項1または2の発明に係る操作装置の構成をより具体化したものである。いずれの発明においても、例えば刈取脱穀作業を終了するときや、刈取方向の変更のため走行機体を旋回させるとき、または刈取脱穀作業中に刈取前処理装置の刈高さ位置を上昇調整したいとき等には、刈取操作手段の一端部を二段押し操作するという簡単な操作で、刈取前処理装置を上昇させるとともに、搬送用アクチュエータの駆動で株元搬送装置を深扱ぎ側に移動させることができるので、上昇中の刈取前処理装置で短く刈取られた穀稈の株元部が株元搬送装置の位置に届いて、稈こぼれのおそれを低減でき、また、短く刈取られた穀稈を適切な扱深さ位置に移動させて、効率よく脱穀することができるという効果を奏する。
【0087】
さらに、例えば刈取方向の変更後や、刈取脱穀作業中に刈取前処理装置の刈高さ位置を下降調整したいとき等には、前記刈取操作手段の他端部を二段押し操作するという簡単な操作で、前記刈取前処理装置を下降させるとともに、搬送用アクチュエータの駆動で株元搬送装置を浅扱ぎ側に移動させることができるので、下降中の刈取前処理装置で長く刈取られた穀稈を適切な扱深さ位置に移動させて、脱穀能率を低下させることなく、スムーズに刈取脱穀作業を実行できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるコンバインの左側面図である。
【図2】コンバインの正面図である。
【図3】刈取前処理装置内の各装置の配置関係を示す概略正面図である。
【図4】(a)は刈取前処理装置の上昇状態の概略側面図、(b)は刈取前処理装置の下降状態の概略側面図である。
【図5】運転室の概略平面図である。
【図6】主変速レバーの握り部の概略図である。
【図7】刈取昇降スイッチ(または刈取オートスイッチ)の操作説明図であり、(a)は後端部を押し操作した場合、(b)は前端部を押し操作した場合である。
【図8】制御装置の機能ブロック図である。
【図9】第2実施形態における刈取昇降スイッチ(または刈取オートスイッチ)の操作説明図であり、(a)は後端部を押し操作した場合、(b)は前端部を押し操作した場合である。
【図10】第3実施形態における刈取昇降スイッチ(または刈取オートスイッチ)の操作説明図であり、(a)は後端部を押し操作した場合、(b)は前端部を押し操作した場合である。
【符号の説明】
1 走行機体
2,2 走行クローラ
3 刈取前処理装置
5 昇降用アクチュエータとしての単動式油圧シリンダ
6 脱穀装置
7 フィードチェーン
9 運転部としての運転室
22 穀稈引起装置
23 穀稈搬送装置
35 株元搬送装置としての縦搬送チェーン
39 搬送用アクチュエータとしての電動モータ
51 運転座席
63 サイドパネル体
66 変速操作手段としての主変速レバー
69 握り部
70 ハンドレスト
74 刈取操作手段としての刈取昇降スイッチ
75 刈取操作手段としての刈取オートスイッチ
80 電子式制御装置
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成14年8月8日(2002.8.8)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫

【識別番号】100096747
【弁理士】
【氏名又は名称】東野 正

【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸

【公開番号】 特開2004−65155(P2004−65155A)
【公開日】 平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願番号】 特願2002−231226(P2002−231226)