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【発明の名称】 作業機の運転部構造
【発明者】 【氏名】河瀬 宗之
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】米田 豊
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】操向レバーを支持する手の支持台としても、本来の固定ハンドルとしても使用しやすい固定ハンドルを備えた作業機の運転部構造を提供する。

【解決手段】バー形の固定ハンドル16を、一端側が操向レバー14の手前近くに位置する配置で備えてある。固定ハンドル16の一端側における機体前後方向幅W1を、他端側における機体前後方向幅W2より大にしてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体操向操作のための揺動操作自在な操向レバーを備えてある作業機の運転部構造であって、
機体横向きのバー形の固定ハンドルを、一端側における機体前後方向幅が他端側における機体前後方向幅より大であるように構成して、一端側が前記操向レバーの手前側近くに位置する配置で備えてある作業機の運転部構造。
【請求項2】
前記固定ハンドルの機体前方向きの側面を固定ハンドル長手方向での途中で機体前後方向に位置ずれした段付き面に、前記固定ハンドルの機体後方向きの側面を固定ハンドル全長にわたって滑らかに連なる滑らか面にそれぞれ形成することにより、固定ハンドルに前記機体前後方向幅差を備えさせてある請求項1記載の作業機の運転部構造。
【請求項3】
前記固定ハンドルの機体後方向きの側面を、平面視で機体前方側に凹入した湾曲面にしてある請求項1又は2記載の作業機の運転部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体操向操作のための揺動操作自在な操向レバーを備えてある作業機の運転部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記作業機において、従来、運転部に機体横向きのバー形の固定ハンドルを設けるとともに、この固定ハンドルの一端側が前記操向レバーの手前側に配置され、操向レバーを支持する手の手首付近を固定ハンドルに載せることにより、機体の揺れ動きなどに起因して身体が揺れ動いても、その影響で操向レバーを動かしてしまうことを回避しやすくしながら操縦することが可能になったものがあった。
この種の作業機にあっては、従来、全長にわたって機体前後方向幅が同一の固定ハンドルを採用しているものであり、次の如き問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、操向レバーを支持する手を載置しようとしても、固定ハンドルの機体前後方向幅が狭くて載せにくいか、あるいは、固定ハンドルを本来のハンドルとして使用しようとしても、固定ハンドルの機体前後方向幅が広くて握りにくいという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、固定ハンドルを手の載置台としても本来の固定ハンドルとしても使用しやすい作業機の運転部構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0006】
〔構成〕
機体操向操作のための揺動操作自在な操向レバーを備えてある作業機の運転部構造において、機体横向きのバー形の固定ハンドルを、一端側における機体前後方向幅が他端側における機体前後方向幅より大であるように構成して、一端側が前記操向レバーの手前側近くに位置する配置で備えてある。
【0007】
〔作用〕
操向レバーを支持する手の載置台として使用される固定ハンドルの一端側における機体前後方向幅が他端側における機体前後方向幅より大であるものだから、手の載置台として使用する際は、機体前後方向幅が大きい部分を使用して手を楽に載置でき、固定ハンドルを本来のハンドルとして使用する際には、他端側を握ることにより、この他端側の機体前後方向幅が一端側より小さいことから楽に握ることができる。
【0008】
〔効果〕
従って、固定ハンドルを使用する際には固定ハンドルの他端側を容易に握って使用しやすいものになり、しかも、操向レバーを支持する手の載置台に固定ハンドルを使用して操向レバーを安定的に支持するに当たり、手を固定ハンドルに楽に載せて快適に操縦できるものになった。
【0009】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0010】
〔構成〕
請求項1による発明の構成において、前記固定ハンドルの機体前方向きの側面を固定ハンドル長手方向での途中で機体前後方向に位置ずれした段付き面に、前記固定ハンドルの機体後方向きの側面を固定ハンドル全長にわたって滑らかに連なる滑らか面にそれぞれ形成することにより、固定ハンドルに前記機体前後方向幅差を備えさせてある。
【0011】
〔作用〕
固定ハンドルの機体前方向き側面を前記段付き面に、機体後方向き側面を前記滑らか面にそれぞれして固定ハンドルに前記機体前後方向幅を備えさせてあるものだから、運転部から前方下方を見通しながら作業するなどの際、身体を固定ハンドルの滑らか面に当てて上半身を楽に突き出すことができる。
【0012】
〔効果〕
従って、固定ハンドルが前記幅差を備えるものでありながら、前方下方を見通すなどの際、上半身を前方に楽に突き出して作業しやすいものになる。
【0013】
請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0014】
〔構成〕
請求項1又は2による発明の構成において、前記固定ハンドルの機体後方向きの側面を、平面視で機体前方側に凹入した湾曲面にしてある。
【0015】
〔作用〕
運転部から前方下方を見通しながら作業するなどの際、身体を固定ハンドルの湾曲面に当てて上半身をより楽に突き出すことができる。
【0016】
〔効果〕
従って、固定ハンドルが前記幅差を備えるものでありながら、前方下方を見通すなどの際、上半身を前方により楽に突き出して作業しやすいものになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1によって自走し、運転座席11が装備されている搭乗型運転部10、運転座席11の下方に位置するエンジン3が装備されている原動部を備えている機体の機体フレーム4の運転部の横側に、植立穀稈に作用する引起装置5a及び刈取装置5bが装備されている刈取り部5を昇降操作自在に連結するとともに、刈取り部5の穀稈搬送装置5cからの刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置6、この脱穀装置6からの穀粒を回収する穀粒タンク7を前記機体フレーム4に搭載して、稲・麦などを収穫するようにコンバインを構成してある。
【0018】
図2などに示すように、運転部10の運転座席11の前方に、運転部デッキ12の前端部に立設してある操縦パネル13、この操縦パネル13の上部の横一端側に設けてある操向レバー14、操縦パネル13の上部に立設の左右一対の支柱15の上端部どうしにわたって連結して操縦パネル13に固定されているとともに一端側が前記操向レバー14の手前側近くに位置した配置になっている機体横向きのバー形の固定ハンドル16を設けてある。
【0019】
操向レバー14は、機体横方向に揺動操作できるように支持させてあり、かつ、エンジン3の駆動力を左右の走行装置1に伝達する変速装置(図示せず)に対してこれの変速制御を行なうように連係させてある。
【0020】
図2、図3などに示すように、固定ハンドル16の機体前方向きの側面16aが、固定ハンドル長手方向での途中に位置する段付き部aを備えていて、この段付き部aのために操向レバー14に対して近い側が遠い側より機体前方側に位置した状態に機体前後方向に位置ずれしている段付き面になり、固定ハンドル16の機体後方向きの側面16bが、固定ハンドル全長にわたって滑らかに連なるとともに平面視で機体前方側に凹入した湾曲状態の滑らかな湾曲面になるように固定ハンドル16を形成することにより、固定ハンドル16の操向レバー14が位置する方の一端側での機体前後方向幅W1を、他端側での機体前後方向幅W2より大にしてある。
【0021】
つまり、操向レバー14を操作して機体の操向操作を行なうようにしてある。すなわち、操向レバー14を中立位置から機体左側や右側に揺動操作することにより、左右のクローラ走行装置1の間に駆動速度差が発生して機体が操向レバー14の操作方向に等しい左向きや右向きに走行し、操向レバー14を中立位置に操作することにより、左右のクローラ走行装置1の駆動速度が等しくなって機体が直進走行する。このとき、操向レバー14を支持する手の手首付近を固定ハンドル16の一端側に載せて支持させることにより、身体が揺れ動いてもその影響で操向レバー14が動いてしまうことを回避しやすくなるようにしてある。固定ハンドル16を握って身体の安定化を図るなど固定ハンドル16を使用する場合、固定ハンドル16の操向レバー14から離れた他端側を使用することにより、この他端側の機体前後方向幅W2が操向レバー14に近い一端側のそれよりも小さくて握りやすくなっている。
【0022】
図3(ハ)に示すように、操縦パネル13は、樹脂材のブロー成型によって内部13dが中空の構造の樹脂パネルに作製してある。前記固定ハンドル16も、左右一対の支柱15も、操縦パネル13をブロー成型する際に同時にブロー成型することにより、操縦パネル13との一体部品で、かつ、固定ハンドル16の内部16cも、支柱15の内部15aも中空の構造の樹脂ハンドルや樹脂支柱に作製してある。
【0023】
図4に示すように、操縦パネル13の上端部の裏面側に、金属パイプで成る支持フレーム20が入り込む凹部13aを設け、この凹部13aや前記支持フレーム20を覆う板金製の裏カバー21を取り付けてある。図3(イ)に示すように、操縦パネル13の表面側に、操向レバー14の操作位置を検出する検出スイッチ(図示せず)などに接続している電気ケーブルなどを収容する凹部13bを設け、この凹部13bを図4の如き樹脂製の化粧カバー22によって覆うように構成してある。
【0024】
図4(イ)に示すように、前記裏カバー21の一端部に、裏カバー本体に対してこれから機体前方向きに延出する状態に折れ曲がっている部分21aを備え、この折れ曲がり部分21aに、サイドミラー23を支持させるミラー支持を備えてある。操縦パネル14に取り付けた前記裏カバー21の前記折れ曲がり部分21aを前方から見えないように入り込ませる凹入部13cを、操縦パネル14の前記支柱15の基部に設けてある。
【0025】
〔別実施形態〕
稲や麦を収穫対象とする他、玉ねぎとか人参など各種の作物を収穫対象とする収穫機に装備される運転部にも本発明は適用できる。従って、これらコンバインなどを総称して作業機と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】運転部の平面図
【図3】(イ)は、操縦パネルの前面側から見た斜視図、(ロ)は、操縦パネルの裏面側から見た斜視図、(ハ)は、操縦パネルの縦断側面
【図4】(イ)は、操縦パネルの裏カバー取り付け部を示す斜視図、(イ)は、操縦パネルの裏カバー取り付け状態を示す斜視図、
【図5】操縦パネルの化粧カバー取り付け状態を示す正面図
【符号の説明】
14     操向レバー
16     固定ハンドル
16a    固定ハンドルの前向き側面
16b    固定ハンドルの後向き側面
W1     固定ハンドルの一端側での機体前後方向幅
W2     固定ハンドルの他端側での機体前後方向幅
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年7月1日(2002.7.1)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2004−33056(P2004−33056A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−192295(P2002−192295)