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【発明の名称】 草刈機の刈刃
【発明者】 【氏名】吉野 潤一
【住所又は居所】埼玉県川越市南台1丁目9番 小松ゼノア株式会社内

【氏名】土屋 正美
【住所又は居所】埼玉県川越市南台1丁目9番 小松ゼノア株式会社内

【要約】 【課題】良好な切断性能を長時間維持すると同時に、岩石等の硬い物体が当たっても破損しない強度を有し、かつコストの安い草刈機の刈刃を提供すること。

【解決手段】一端部、および他端部に刃部を有するとともに、中央部に幹部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃は、刃部の外縁が刈刃の先端に向けて円弧状に末広がりである刃部を備えるとともに、刈刃の先端に向けて先細りである幹部を備えてなることを特徴とする草刈機の刈刃。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部,および他端部に刃部を有するとともに、中央部に幹部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃は、刃部の外縁が刈刃の先端に向けて円弧状に末広がりである刃部を備えることを特徴とする草刈機の刈刃。
【請求項2】
刈刃の先端に向けて先細りの幹部を備えることを特徴とする請求項1記載の草刈機の刈刃。
【請求項3】
刈刃の裏面に逃げ面を形成することを特徴とする請求項1記載の草刈機の刈刃。
【請求項4】
刈刃の刃部に鋸状の凹凸を形成することを特徴とする請求項1記載の草刈機の刈刃。
【請求項5】
一端部、および他端部に刃部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃の刃部の表面、または裏面に、前記刈刃の運動方向に複数の溝を設けることを特徴とする草刈機の刈刃。
【請求項6】
一端部、および他端部に刃部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃の刃部の表面、または裏面に、前記刈刃の運動方向に複数の溝を設けることを特徴とする請求項1記載の草刈機の刈刃。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、草刈機の刈刃に関する。
【0002】
【従来の技術】
草刈機の作業装置部の一例を図12に示す。図12、図13に示すように、草刈機の刈刃1は、回転軸7の周囲に放射状に、取り付けピン8により回転自在に取着されている。草刈機は回転軸7を移動させながら矢印の方向に高速回転させ、刈刃1により草を切断する。
【0003】
従来の草刈機の刈刃には、例えば図14に示すような、実公平6−42429号公報に開示されたものがある。該刈刃10は、刃部2に沿った溝11、13を形成し、該溝11、13の断面は図15に示すように刃部2Jの外縁3Jの方向へ徐々に深くなる部分を備えている。図14のBB断面図である図15において、刃部2Jの外縁3Jから摩耗が漸次進行し、刃部2Jまで摩耗すると、次の溝11を形成する内側傾斜面12があらわれ、この内側傾斜面12が刃部2Jと同じ働きをする。このようにして、順次、新しい刃部が形成されることになるので、刃部が摩耗しても刃部の再研磨をすることなく、刈刃の寿命にいたるまで切断性能が維持される。
【0004】
また、従来の他の草刈機の刈刃には、例えば図16に示すような、実開昭48−10922号公報に開示されたものがある。該刈刃3Aは刈刃の縁32に沿って、略三角形状の突起部31が連設されている。突起部を備えていない滑らかな刃部を有する刈刃においては、草を切る際に草がすべりを生じるため、切断性能が低下する場合があるが、突起部31を備えた刈刃は、突起部31が草をひっかけて切断する働きをするので、切断性能が一段と向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14の刈刃10においては、作業中に刈刃10が岩石等の硬い物体に当たった場合に、溝部11、13に応力集中による高応力が発生するため亀裂を生じ、破損しやすいという問題がある。前記亀裂の発生を防止するため、刈刃の厚さを大きく形成すると、刃部2Jや内側傾斜面12の角度が大きくなるので切れ味が悪くなる
また、前記刈刃10においては、刃部に沿った溝11、13を形成するための加工工程を必要とするので、刈刃の製造コストが増大するという欠点がある。
【0006】
また、図16の前記刈刃3Aには次のような問題がある。即ち、突起部31が摩耗することによって極端に切断性能が低下することである。突起部31は、稼動時間の増加とともに、徐々に摩耗が進行するので、草をひっかけて切断する機能が次第に低下する。そして突起部31が消滅すると、刈刃3Aに鋭利な部分が無くなってしまうので、刈刃3Aの切断性能は大幅に低下する。
【0007】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、良好な切断性能を長時間維持する草刈機の刈刃を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に係わる第1の発明は、一端部,および他端部に刃部を有するとともに、中央部に幹部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃は、刃部の外縁が刈刃の先端に向けて円弧状に末広がりである刃部を備えることを特徴としている。
【0009】
第1の発明によれば、刈刃の刃部の外縁が刈刃の先端に向けて円弧状に末広がりであるので、草の切断作業時に、円弧状の形状の刈刃によって草がすべりにくく、かつ末広がりの形状によって刃部が薄く成形できるので、草の切れ味がよい。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、刈刃の先端に向けて先細りの幹部を備えることを特徴としている。
【0011】
第2の発明によれば、刈刃の幹部は、刈刃の先端に向けて先細りであるので,刈刃の基端部においては十分な幅があり、刈刃の強度が確保される。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、刈刃の裏面に逃げ面を形成することを特徴としている。
【0013】
第3の発明によれば、刈刃の裏面に形成した逃げ面によって、刈刃裏面の草・土との摩擦が低減され摩耗しにくくなるので、優れた切断性能を長時間維持することができる。
【0014】
第4の発明は、第1の発明において、刈刃の刃部に鋸状の凹凸を形成することを特徴としている。
【0015】
第4の発明によれば、刈刃の刃部に形成した鋸状の凹凸に草がひっかかることによって、草の切断作業時の草のすべりを確実に防止できるので、刈刃の切断性能を大幅に向上することができる。
【0016】
第5の発明は、一端部、および他端部に刃部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃の刃部の表面、または裏面に、前記刈刃の運動方向に複数の溝を設けることを特徴としている。
【0017】
第5の発明によれば、刈刃の表面、または裏面に、刈刃の運動方向に複数の溝を設けたことにより、刃部に鋸状の凹凸が形成され、かつ該凹凸が摩耗しても、該溝によって刃部に鋸状の凹凸が持続して形成される。従って、凹凸部が草をひっかけて切断する働きを持続するので、刈刃の良好な切断性能が維持される。
【0018】
第6の発明は、第1の発明において、一端部、および他端部に刃部を有する草刈機の刈刃であって、前記刈刃の刃部の表面、または裏面に、前記刈刃の運動方向に複数の溝を設けることを特徴としている。
【0019】
第6の発明によれば、刈刃の表面、または裏面に、刈刃の運動方向に複数の溝を設けたことにより、刃部に鋸状の凹凸が形成され、かつ該凹凸が摩耗しても、該溝によって刃部に鋸状の凹凸が持続して形成される。従って、凹凸部が草をひっかけて切断する働きを持続するので、刈刃の良好な切断性能が維持される。
また、刈刃の刃部の外縁が刈刃の先端に向けて円弧状に末広がりであるので、草の切断作業時に、円弧状の形状の刈刃によって草がすべりにくく、かつ末広がりの形状によって刃部が薄く成形できるので、草の切れ味がよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる実施の形態を図面を参照して説明する。なお、従来例と同一のものには同一の符号を付す。
【0021】
図1は第1実施例である草刈機の刈刃1の平面図であり、図2は図1の側面図である。刈刃1は、基端部に取り付けピン8の取付部1Pが設けられ、取付部1Pにはピン孔1PHが設けられている。刈刃1は、先端部が側方に曲折した形状をなしている。先端部に設けられた刃部2は左右対称でその外縁3は、刈刃1の先端に向けて円弧状に末広がりに形成されている。一方、刈刃1の幹部4は、刈刃1の先端に向けて先細りに形成されている。図3は図2のAA断面図である。刃部2の外縁3が刈刃1の先端に向けて円弧状に末広がりに形成され、かつ刈刃1の幹部4が刈刃1の先端に向けて先細りに形成されているので、刃部2が幅広く、かつ図3に示すように、刃部2の先端を薄く,即ち図3に示す刃部2の角度αを小さくすることができるので、優れた切断能力を長時間維持することができる。
【0022】
また、刃部2の外縁3は、図1に示すように刈刃1の先端に向けて円弧状の形状であるため,草を切断するときに、刃部2で草がすべりにくく、切れ味が良い。一方、刈刃1の幹部4は、図1に示すように刈刃1の基端部においては幅広く形成されているので、刈刃1は草刈作業中に加わる過酷な衝撃力に対して、十分な耐久性を発揮する。
【0023】
刈刃1の製造に際しては、素材に帯板を使用し、鍛造加工により、図1のような薄く幅広い刃部2を容易に成形することが可能であるので,刈刃1の製造コストを低く抑えることができる。
【0024】
第2実施例の刈刃1Aは、表面の形状は第1の実施例と同一であり、刈刃1Aの断面形状が異なる。第2実施例の刈刃1Aの断面は、図4のような形状をなしており、刈刃1Aの裏面に逃げ角βを有する逃げ面5を形成している。この逃げ面5により、刈刃1Aの裏面の草・土との摩擦が低減され摩耗しにくくなるので、切断性能が長時間維持される。
【0025】
第3実施例の刈刃1Bを図5に示す。第3実施例の刈刃1Bは、刃部2Bに、図5に示すような鋸状の凹凸6を形成している。これにより、作業時に刈刃1Bの刃部2Bの凹凸6に草がひっかかり、草の切断効率を更に向上することができる。
【0026】
図6は第4実施例を示す刈刃1Cの斜視図であり、図7は刈刃1Cの裏面の斜視図である。刈刃1Cは、第1実施例と同様に先端部が側方に曲折した形状をなしている。図7に示すとおり、刈刃1Cの先端部に設けられた刃部2Cの裏面には、刈刃1Cの運動方向(矢印で示す)に複数の溝12Cを形成している。一方、刈刃1Cの刃部表面13Cには、複数の溝12Cを形成したことによって複数の鋸状の凹凸11Cが形成される。
【0027】
図8において、刈刃1CAは、刈刃1Cの刃部表面13Cの摩耗が進行した状態を示している。鋸状の凹凸11Cは、前述のとおり、草の切断作業によって徐々に摩耗が進行するが、凹凸11Cは溝12Cによって形成されているので、図8に示すように、摩耗した刃部20に、溝12Cによって複数の凹凸21が形成される。これにより、刈刃1Cは、優れた切断性能を長時間維持することができる。
【0028】
図9は第5実施例であり、形状は第4実施例の刈刃と同様であるが、溝12Dを刈刃1Dの刃部2Dの表面に形成した例である。
【0029】
溝は図10および図11に示すように、前記の実施例とは異なった形状の刈刃の場合には、刈刃の形状に応じて、刈刃に溝を形成しても良い。図10は第6実施例であり、刈刃1Eは刃部2Eの長手方向の中央部に、取り付けピン8の取付部1PEが設けられ、ピン孔1PEHの軸方向と刃部2Eの長手方向は平行となっている。溝12Eは刈刃1Eの運動方向(矢印で示す)に刃部2Eの裏側に設けてある。
【0030】
図11は第7実施例であり、刈刃1Fは刃部2Fの長手方向の両端に、取り付けピン8の取付部1PF、1PFが設けられ、ピン孔1PFH、1PFHの軸方向と刃部2Fの長手方向は平行となっている。溝12Fは刈刃1Fの運動方向(矢印で示す)に刃部2Fの裏側に設けてある。
【0031】
なお、第1〜第3実施例の草刈機の刈刃に,第4、又は第5実施例で示したような刈刃の運動方向に複数の溝を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す刈刃の平面図である。
【図2】第1実施例を示す刈刃の側面図である。
【図3】図2のAA断面図である。
【図4】第2実施例を示す刈刃の断面図である。
【図5】第3実施例を示す刈刃の平面図である。
【図6】第4実施例を示す刈刃の表面の斜視図である。
【図7】第4実施例を示す刈刃の裏面の斜視図である。
【図8】第4実施例の刈刃の摩耗が進行した状態を示す平面図である。
【図9】第5実施例の刈刃を示す斜視図である。
【図10】第6実施例の刈刃を示す斜視図である。
【図11】第7実施例の刈刃を示す斜視図である。
【図12】草刈機の作業装置部の一例を示す側面図である。
【図13】図12の部分側面図である。
【図14】従来の草刈機の刈刃の一例を示す平面図である。
【図15】図14のBB断面図である。
【図16】従来の草刈機の刈刃の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F…刈刃、2,2A,2B,2C,2D,2E,2F…刃部、3…外縁、4…幹部、5…逃げ面、6…鋸状の凹凸、12C,12D,12E,12F…溝。
【出願人】 【識別番号】000184632
【氏名又は名称】小松ゼノア株式会社
【住所又は居所】埼玉県川越市南台1丁目9番
【出願日】 平成14年6月20日(2002.6.20)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久

【公開番号】 特開2004−16209(P2004−16209A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−180567(P2002−180567)