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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】錦織 将浩
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】松川 雅彦
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】扱ぎ深さ搬送装置と脱穀フィードチェンの受継部に詰まった穀稈を手作業で取り除く際、その作業空間を確保することによって穀稈の除去を容易に行えるようにする。

【解決手段】穀稈の株元を挟持し搬送始端側中心に上下回動自在な株元搬送チェン33aで扱ぎ深さ搬送装置33を構成し、前記株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間における穀稈の詰まりを検知する詰まり検知手段35を設け、刈取り作業中の前記詰まり検知手段35の穀稈の詰まり検知に基づいて、前記株元搬送チェン33aを浅扱ぎ方向に応動させるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取った穀稈の扱ぎ深さを調整すると共に該穀稈の株元側を挟持して脱穀フィードチェン(19)へ継送する扱ぎ深さ搬送装置(33)を、穀稈の株元を挟持し搬送始端側中心に上下回動自在な株元搬送チェン(33a)で構成したコンバイン(10)において、前記株元搬送チェン(33a)と脱穀フィードチェン(19)の間における穀稈の詰まりを検知する詰まり検知手段(35)を設け、刈取り作業中の前記詰まり検知手段(35)の穀稈の詰まり検知に基づいて、前記株元搬送チェン(33a)を浅扱ぎ方向に応動させるように構成したことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの刈取部で刈取った穀稈を脱穀部へ継送する扱ぎ深さ搬送装置の作動制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、刈取部で刈取った穀稈を脱穀部へ継送すると共に穀稈の扱ぎ深さを調整する扱ぎ深さ搬送装置を備えたコンバインにおいては、前記扱ぎ深さ搬送装置と脱穀フィードチェンの間に穀稈の詰まり検知手段を設け、刈取り作業中に前記詰まり検知手段が穀稈の詰まりを検知した時、その検知信号に基づいてエンジンを停止することによって刈取り作業を中断し、詰まった穀稈を手作業で安全に取り除けるようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものは、扱ぎ深さ搬送装置と脱穀フィードチェンの受継部に詰まった穀稈を手作業で取り除く際、その作業空間が十分に確保されておらず除去作業がやり難い不具合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決することを目的として創案したものであって、刈取った穀稈の扱ぎ深さを調整すると共に該穀稈の株元側を挟持して脱穀フィードチェンへ継送する扱ぎ深さ搬送装置を、穀稈の株元を挟持し搬送始端側中心に上下回動自在な株元搬送チェンで構成したコンバインにおいて、前記株元搬送チェンと脱穀フィードチェンの間における穀稈の詰まりを検知する詰まり検知手段を設け、刈取り作業中の前記詰まり検知手段の穀稈の詰まり検知に基づいて、前記株元搬送チェンを浅扱ぎ方向に応動させるように構成したことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、コンバイン10は、左右一対のクローラ走行装置11,11により支持された走行機体12を有している。
そして、前記走行機体12の前部には、該走行機体12に対して昇降自在な前処理部13を有し、該前処理部13は穀稈を分草する複数のデバイダ14と、走行機体12の左右側にナローガイド15を有し、前記デバイダ14は、機体前方に延びる前処理フレーム16に夫々取付けられている。
また、前記デバイダ14の後方には、分草された穀稈を引き起こす引起す引起し装置17を前方から後方に向けて上昇する傾斜状に設けてある。
【0006】
そして、前記走行機体12の左右幅方向の右側には、機体前方から後方に向けて運転席(不図示)を配設したキャビン18と、その後方に穀粒タンク(不図示)が設けてある。
また、機体の左側には、前処理部13で刈取った穀稈を搬送する脱穀フィードチェン19及び、該脱穀フィードチェン19により搬送された穀稈を脱穀する脱穀部20が配設してあり、該脱穀部20で脱穀された穀粒は、揚上搬送されて穀粒タンクに一時的に貯留される。
【0007】
そして、前記前処理部13は、その作動基端側を走行機体12の前部に設けた伝動軸ケース21に回転可能に支持され、且つ該伝動軸ケース21から走行機体12の前方斜め下方に向けて延出する伝動ケース22の略中間部に油圧シリンダ(不図示)を連結し、該油圧シリンダの伸縮によって前処理部13を昇降可能に支持している。
また、前記伝動ケース22の下端には、該伝動ケース22と略T字状に直交する伝動軸筒23を機体左右方向に延設すると共に、両者を一体的に連結している。
【0008】
前記引起し装置17は、爪付チェン24と引起しケース25を有し、前記爪付チェン24には所定の間隔で複数本の爪が取付けてあり、これらの爪が引起しケース25内を上方に回動することにより穀稈を整然とすき上げるようになっている。
そして、前記爪付チェン24を駆動する動力は、伝動軸筒23内の駆動軸を介し、該伝動軸筒23から機体斜め前方に延びる前処理伝動ギヤケース26に伝達される。
【0009】
更に、前記引起し装置17の後方で、且つ伝動軸筒23の前方下部には、地面近接して穀稈の株元を切断する刈刃27が設けられ、この刈刃27により切断された穀稈は、掻き込み装置28(第1の搬送装置)によって略直立状態で掻き込まれて後方に移送される。
【0010】
前記掻き込み搬送装置28は、穀稈の株元側を挟持搬送する左右の株元搬送チェン29,30と中央の株元搬送チェン(不図示)を有し、一方穀稈の穂先側は、左穂先搬送タイン31及び右穂先搬送タイン32により挟持されて後方に搬送される。
更に、前記掻き込み搬送装置28の後方には、刈取り穀稈の稈長を検出して自動的に適正な扱ぎ深さに調節する扱ぎ深さ搬送装置33(第2の搬送装置)を設けている。
前記扱ぎ深さ搬送装置33は、穀稈の株元を挟持して搬送始端側中心(軸線Xを中心)に上下回動自在な株元搬送チェン33aからなり、該株元搬送チェン33aと、その上方で穀稈の株元寄り中途部を挟持する補助搬送チェン33bによって穀稈の株元側を挟持しながら、該穀稈を横に寝かせた状態で脱穀フィードチェン19に継送する。
【0011】
また、前記前処理伝動ギヤケース26の略中間部から補助搬送チェン33bに向けてパイプステー34が延出されており、更に該パイプステー34の後端には、ON・OFFスイッチを備えた板状の穀稈の詰まりセンサ35が脱穀フィードチェン19と重合するように取付けてある。
そして、前記穀稈の詰まりセンサ35は、穀稈の株元側を挟持継送する株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19間の穀稈ガイドを兼ねながら、前記両チェン33a,19の間における穀稈の詰まりを検知することができるようになっている。
【0012】
また、前記脱穀部20で脱穀した後の穀稈は、脱穀フィードチェン19から走行機体12の後部に設けた排稈チェン(不図示)に引き継いでコンバイン10の後部から排出される。
【0013】
ところで、上述したコンバイン10の制御装置85は、図2に示す制御系統図のように構成してある。同図において、当該制御装置85は、入力インタフェース86と、マイクロコンピュータ87及び出力インタフェース89を備え、コンバイン10のメインスイッチ及びスタータスイッチを兼ねるキースイッチ90に接続している。
【0014】
そして、前記入力インタフェース86には、扱ぎ深さポテンショメータ41、作業機クラッチスイッチ92、刈取クラッチスイッチ93、詰まりセンサ35、エンジン回転センサ99等を接続してある。
【0015】
一方、前記出力インタフェース89には、ホーン101、扱ぎ深さ搬送装置36の回動モータ75、E/Gストップソレノイド103等を接続してある。
【0016】
上述した構成のコンバイン10の制御装置85において、刈取り作業中に穀稈の詰まりセンサ35によって、扱ぎ深さ搬送装置33の株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間における穀稈の詰まりを検知した際、当該扱ぎ深さ搬送装置33の扱ぎ深さ(作動)制御について、図3に示すフローチャートを参照しながら以下説明する。
【0017】
先ず、S1では、刈取り作業中の扱ぎ深さ搬送装置33の株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間における穀稈の詰まりが発生したか否かを、前記穀稈の詰まりセンサ35のON・OFFによって判断し、OFFであれば穀稈の詰まりが発生していないのでS2に進んで通常の扱ぎ深さ制御がなされ、ONであれば穀稈の詰まりが発生しているのでS3に進む。
【0018】
S3では、前記扱ぎ深さ搬送装置33を構成する株元搬送チェン33aと補助搬送チェン33bとが離間する方向、即ち浅扱ぎ方向(図1の下矢印方向)に株元搬送チェン33aを応動させる所要時間に対応した減衰タイマーをスタートさせてS4に進む。
S4では、穀稈の詰まり警報出力としてホーン101の連続音出力がなされてS5に進む。
【0019】
そして、S5では、作業機クラッチの入・切を作業機クラッチスイッチ92のON・OFFによって判断し、ONであればS6に進む。
S6では、E/Gストップソレノイド103に出力してエンジンを停止させ、S7に進む。
【0020】
S7では、上述した株元搬送チェン33aを浅扱ぎ方向に応動させる所要時間に対応した減衰タイマーが作動中か否か、或いは前記株元搬送チェン33aが下方回動リミット位置に達しているか否かを判断し、前記タイマーが作動中か、または株元搬送チェン33aが下方回動リミット位置に達していなければS8に進む。
尚、前記株元搬送チェン33aが下方回動リミット位置に達しているか否かは、前記扱ぎ深さポテンショメータ41やリミットスイッチ等によって検出されるように構成すればよい。
【0021】
そして、S8では、前記扱ぎ深さ搬送装置33を構成する株元搬送チェン33aと補助搬送チェン33bとが離間する方向、即ち浅扱ぎ方向(図1の下矢印方向)に、株元搬送チェン33aを応動(下方回動)させる作動制御が行われる。
【0022】
即ち、上述した扱ぎ深さ搬送装置33の作動制御は、刈取り作業中の扱ぎ深さ搬送装置33の株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間における穀稈の詰まり検知手段である穀稈の詰まりセンサ35によって、刈取り作業中の当該穀稈の詰まりを検知し、その検知信号に基づいて警報出力とエンジン停止出力をなすと共に、前記株元搬送チェン33aと補助搬送チェン33bとが離間する浅扱ぎ方向に株元搬送チェン33aを応動(下方回動)させるものであって、それによって、前記扱ぎ深さ搬送装置33終端と脱穀フィードチェン19始端の受継部周辺に広い作業空間を確保できるので、前記株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間に詰まった穀稈の除去作業が、コンバイン10の運転を停止した安全な状態で行えるようになると共に、確保された広い作業空間によってその作業性も著しく向上する。
【0023】
尚、図4に示すものは、前記扱ぎ深さ搬送装置36の扱ぎ深さ制御を、リレーRY1,RY2,RY3,RY4を用いたロジック回路で構成したもので、扱ぎ深さ制御の方向切替回路と、扱ぎ深さ搬送装置回動モータの作動回路を分割することによって、メンテナンスの容易化と低コスト化を図ったものである。
また、図5に示すものは、前述した図4に示す扱ぎ深さ制御の方向切替回路の自動と手動を分離した構成にしたもので、これによって更にメンテナンスの容易化と低コスト化が図れる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、穀稈の株元側を挟持して脱穀フィードチェン19へ継送する扱ぎ深さ搬送装置33を、穀稈の株元を挟持し搬送始端側中心に上下回動自在な株元搬送チェン33aで構成したコンバイン10において、前記株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間における穀稈の詰まりを検知する詰まり検知手段35を設け、刈取り作業中の前記詰まり検知手段35の穀稈の詰まり検知に基づいて、前記株元搬送チェン33aを浅扱ぎ方向に応動させるように構成したことによって、前記扱ぎ深さ搬送装置33終端と脱穀フィードチェン19始端の受継部周辺に広い作業空間を確保できるので、前記株元搬送チェン33aと脱穀フィードチェン19の間に詰まった穀稈の除去作業の作業性は、確保された広い作業空間によって著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側断面図である。
【図2】コンバインの制御系統図である。
【図3】本発明の扱ぎ深さ制御を示すフローチャートである。
【図4】ロジック回路で構成した扱ぎ深さ制御の第一実施例を示す回路図である。
【図5】ロジック回路で構成した扱ぎ深さ制御の第二実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 コンバイン
19  脱穀フィードチェン
33  扱ぎ深さ搬送装置
33a 株元搬送チェン
35  詰まり検知手段
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年6月19日(2002.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−16150(P2004−16150A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−177853(P2002−177853)