| 【発明の名称】 |
刈払機 |
| 【発明者】 |
【氏名】藁科 誠 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】佐々木 英志 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】内谷 博明 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成によって、エンジンに取付けるファンカバーの剛性をより高めること。エンジン冷却ファンによる冷却風をエンジンへ円滑に導くこと。
【解決手段】刈払機10は、エンジン13の出力軸28にクラッチ40を介して駆動軸12の一端部を連結し、駆動軸の他端部に刈刃を連結し、駆動軸をパイプ状の操作杆11で囲い、エンジンの出力軸にエンジン冷却ファン30を取付け、エンジン冷却ファンをファンカバー60で覆い、ファンカバーをエンジンに複数の締結部材81,82にて締結し、ファンカバーに操作杆の一端部を取付けたものである。エンジンの近傍に且つエンジン冷却ファンの径方向外方に点火コイル71を配置した。複数の締結部材のうち1個81が、点火コイルをエンジンに締結する部材を兼ねた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの出力軸にクラッチを介して駆動軸の一端部を連結し、この駆動軸の他端部に刈刃を連結し、前記駆動軸をパイプ状の操作杆で囲い、前記エンジンの出力軸にエンジン冷却ファンを取付け、このエンジン冷却ファンをファンカバーで覆い、このファンカバーを前記エンジンに複数の締結部材にて締結し、前記ファンカバーに前記操作杆の一端部を取付けた刈払機において、 前記エンジンの近傍に且つ前記エンジン冷却ファンの径方向外方に点火コイル等のエンジン用点火装置を配置し、 前記複数の締結部材のうち1個が、前記エンジン用点火装置を前記エンジンに締結する部材を兼ねたことを特徴とする刈払機。 【請求項2】 前記エンジン用点火装置は、前記操作杆側から見たときに、前記エンジンのシリンダ側に配置し、 前記複数の締結部材は、第1締結部材、第2締結部材、第3締結部材及び第4締結部材からなり、これら4個の締結部材の配列を前記操作杆側から見たときに、 前記エンジン用点火装置を締結する部材を兼ねた第1締結部材は、エンジン用点火装置の近傍に配列し、第2締結部材は、前記出力軸に対し前記エンジン用点火装置とは反対側に配列し、第3・第4締結部材は、前記エンジン用点火装置並びに第2締結部材を通る直線に対して左右に且つ第1締結部材寄りに配列した ことを特徴とする請求項1記載の刈払機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、操作杆の先端に設けた刈刃をエンジンで駆動するようにした刈払機の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】 田畑の畦等における雑草は病害虫の巣になりやすいことから、年に数回は刈る必要がある。この作業は重労働であることから、様々な機械が提案され、実用に供されている。そのような機械のうち、刈払機は小型で取扱いが容易であることから、多く用いられている。 【0003】 刈払機は、パイプ状の操作杆に駆動軸を通し、この駆動軸を、操作杆の一端に設けたエンジンで回転させることによって、操作杆の他端に設けた刈刃を回転させるものである。作業者は肩に刈払機を吊り下げ、操作杆の途中に設けたバー状ハンドルを握って操作杆を前後左右に振ることで、刈刃にて雑草を刈ることができる。この種の刈払機としては、例えば実開昭58−100523号公報「刈払機用エンジン」(以下、「従来の技術」と言う。)が知られている。以下、上記従来の技術の概要を説明する。 【0004】 図9は従来の刈払機の概要図であり、実開昭58−100523号公報の第1図を再掲した。なお、符号は振り直した。 従来の刈払機100は、エンジン101の出力軸102にフライホイールマグネット103並びに遠心クラッチ104を介して伝動軸105の一端部を連結し、伝動軸105の他端部に刈刃(図示せず)を連結し、伝動軸105をパイプ状の竿106で囲った携帯式動力作業機である。 【0005】 さらに刈払機100は、フライホイールマグネット103にエンジン冷却ファン107を一体に設け、エンジン冷却ファン107をファンカバー108で覆い、エンジン101にファンカバー108をボルト109にて取付け、ファンカバー108にクラッチケース111をボルト112にて取付け、クラッチケース111に竿106の一端部を取付けたというものである。 エンジン冷却ファン107によって吸気口113から取り入れた冷却風をファンカバー108でエンジン101周りに案内することで、エンジン101を冷却することができる。 【0006】 さらにこの図は、エンジン101の近傍に且つエンジン冷却ファン107の径方向外方に、点火コイル114を配置したことを示す。ファンカバー108は点火コイル114をも覆っている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、上記従来の技術は、点火コイル114を点火プラグ(図示せず)の近傍に配置することが好ましい。点火コイル114に点火プラグを接続するハイテンションコードを短くできるので、エンジン周りの小型化を図るとともに、低コスト化を図ることができるからである。さらには、点火コイル114は重量物であるから、刈払機100の重量バランスを高めるためには、エンジン101の出力軸102からオフセットさせずに配置することが好ましい。このようなことから、上述のように、エンジン101の近傍に且つエンジン冷却ファン107の径方向外方に、点火コイル114を配置することになる。 【0008】 一方、ファンカバー108については、カバー剛性を十分に確保できる最適な位置を、エンジン101に取付けることが好ましい。ファンカバー108の剛性を高めることで、エンジン101の振動に伴うファンカバー108の振動の発生を抑制できる。この結果、ファンカバー108から竿106に伝わる振動が低減するので、作業者の負担を軽減することができる。 【0009】 しかしながら、点火コイル114が配置されている位置では、エンジン101にファンカバー108を取付けることができない。このような取付条件において、ファンカバー108の剛性を高めるには、カバーの厚みを増すことやカバーを多数の補強リブによって補強することが考えられる。しかし、ファンカバー108の重量が増すとともに、製造コストが増すので得策ではない。しかも、ファンカバー108内に多数の補強リブを設けるのでは、冷却風の流れを抑制することになりかねず、冷却風でエンジン101を効率良く冷却するには改良の余地がある。 【0010】 そこで本発明の目的は、簡単な構成によって、エンジンに取付けるファンカバーの剛性をより高めることができるとともに、エンジン冷却ファンによる冷却風をエンジンへ円滑に導くことができる、技術を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために請求項1は、エンジンの出力軸にクラッチを介して駆動軸の一端部を連結し、この駆動軸の他端部に刈刃を連結し、駆動軸をパイプ状の操作杆で囲い、エンジンの出力軸にエンジン冷却ファンを取付け、このエンジン冷却ファンをファンカバーで覆い、このファンカバーをエンジンに複数の締結部材にて締結し、ファンカバーに操作杆の一端部を取付けた刈払機において、エンジンの近傍に且つエンジン冷却ファンの径方向外方に点火コイル等のエンジン用点火装置を配置し、 複数の締結部材のうち1個が、エンジン用点火装置をエンジンに締結する部材を兼ねたことを特徴とする。 【0012】 エンジンの近傍に且つエンジン冷却ファンの径方向外方に配置したエンジン用点火装置(点火コイル等)については、エンジンに締結部材で取付ける必要がある。これに対して請求項1は、ファンカバーをエンジンに締結する複数の締結部材のうち1個が、エンジン用点火装置をエンジンに締結する部材を兼ねたものである。 【0013】 このようにすることで、エンジン用点火装置が配置されている位置であっても、エンジンにファンカバーを取付けることができる。カバー取付け位置の自由度が高まるので、ファンカバーのうち、カバー剛性を確保できる位置をエンジンに取付けることができる。従って、カバーの厚みを増す又はカバーを多数の補強リブによって補強する必要はない。このため、簡単な構成によって、エンジンに取付けるファンカバーの剛性をより高めることができる。 【0014】 しかも、ファンカバーの内部を多数の補強リブで補強しなくてすむ。冷却風の流れを抑制する補強リブがないので、エンジン冷却ファンによる冷却風をエンジンへ円滑に導くことができる。冷却風の流れをより円滑にすることで、エンジン冷却ファンによるエンジン冷却性能を高めることができる。 【0015】 さらには、ファンカバーをエンジンに締結する複数の締結部材のうち1個が、エンジン用点火装置をエンジンに締結する部材を兼ねたので、エンジン用点火装置を取付ける別異の部材を削減又は廃止することができる。この結果、ファンカバー並びにエンジン用点火装置を取付ける締結部材の数量を削減してコストダウンを図ることができる。また、エンジン、ファンカバー並びにエンジン用点火装置に、締結部材を締結する取付ボス等の突起物を設けた場合には、この突起物の数量をも削減することができる。突起物はファンカバーの内方に配置されるものである。このような突起物を削減することで、冷却風をエンジンへ、より円滑に導くことができる。この結果、エンジン冷却ファンによるエンジン冷却性能をより高めることができる。 【0016】 請求項2は、エンジン用点火装置が、操作杆側から見たときに、エンジンのシリンダ側に配置し、複数の締結部材が、第1締結部材、第2締結部材、第3締結部材及び第4締結部材からなり、これら4個の締結部材の配列を操作杆側から見たときに、エンジン用点火装置を締結する部材を兼ねた第1締結部材を、エンジン用点火装置の近傍に配列し、第2締結部材を、出力軸に対しエンジン用点火装置とは反対側に配列し、第3・第4締結部材を、エンジン用点火装置並びに第2締結部材を通る直線に対して左右に且つ第1締結部材寄りに配列したことを特徴とする。 【0017】 シリンダ内をピストンが往復動することによって、エンジンにはピストンの往復動方向の振動が発生する。 これに対して請求項2は、操作杆側から見たときに、エンジン用点火装置をエンジンのシリンダ側に配置し、このエンジン用点火装置を締結する部材を兼ねた第1締結部材を、エンジン用点火装置の近傍に配列するとともに、第2締結部材を、出力軸に対しエンジン用点火装置とは反対側に配列し、さらに、第3・第4締結部材を、エンジン用点火装置並びに第2締結部材を通る直線に対して左右に振り分け且つ第1締結部材寄りに配列した。 【0018】 ピストンの往復動方向の振動に伴い発生するファンカバーの振動に対しては、シリンダとほぼ同方向に間隔をあけて配列した第1・第2締結部材によって、ファンカバーの振動を抑制することができる。 エンジンの出力軸の回転方向の振動に伴い発生するファンカバーの振動に対しては、4個の締結部材によって抑制することができる。 このようにして、ファンカバーの振動をより効果的に抑制することができる。この結果、ファンカバーから操作杆に伝わる振動が低減するので、作業者の負担をより軽減することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。 図1は本発明に係る刈払機の側面図であり、この刈払機10は、パイプ状の操作杆11に駆動軸12を通し、この駆動軸12を、操作杆11の一端に設けたエンジン13にて回転させることで、操作杆11の他端に設けた刈刃14を回転させる形式の携帯式動力作業機である。すなわち、ファンカバー60に操作杆11の一端部を取付け、操作杆11で駆動軸12を囲い、この駆動軸12の他端部(先端部)に刈刃14を連結した。ファンカバー60の詳細については後述する。さらに刈払機10は、操作杆11の長手中央部にハンドル15を平面視十文字を呈するようにハンドルホルダ16で固定したものである。 【0020】 図2は本発明に係る刈払機の使用状態を示す説明図である。バー状のハンドル15は正面視略U字状を呈し、中央部を操作杆11に取付けるとともに左右に延びる1本のパイプ材又はバー部材からなり、左右の先端にグリップ(左のグリップ17及び右のグリップ18)を設けたものである。右のグリップ18は、エンジン13を制御するスロットルレバーやロックレバーを備える操作部である。 【0021】 作業者Maは、操作杆11の長手途中に備える肩掛け用吊りベルト19を肩に掛けることで刈払機10を吊り下げることができる。そして、左右のグリップ17,18を握って操作杆11を前後左右に振りながら、エンジン13で刈刃14を回転させることで、雑草grを刈ることができる。 【0022】 図3は本発明に係る刈払機のエンジン周りの要部断面図であり、このエンジン13はクランクケース21、シリンダブロック22及びシリンダブロック22の先端に一体形成したシリンダヘッド23からなるエンジンケース24を備え、シリンダブロック22のシリンダ25内を往復動するピストン26をコンロッド27を介してクランク軸28に連結し、クランク軸28をクランクケース21に収納した単気筒エンジンである。 【0023】 クランク軸28は、クランクケース21から突き出た動力取出し部を有する。以下、クランク軸28のことを適宜「出力軸28」と言い換える。 この図は、エンジン13をカバー50で覆い、クラッチ40並びにエンジン冷却ファン30をファンカバー60で覆っていることを示す。 【0024】 図4は本発明に係る刈払機のエンジン周りの要部詳細図であり、上記図3に対応させて示した。刈払機10は、エンジン13の出力軸28にクラッチ40を介して駆動軸12の一端部を連結するとともに、出力軸28にエンジン冷却ファン30を取付け、エンジン冷却ファン30をファンカバー60で覆い、ファンカバー60をエンジン13に複数の締結部材81,82,・・・にて締結したものである。 【0025】 より具体的には、出力軸28は、エンジン冷却ファン30を取付けるとともにクラッチ40を介して駆動軸12の一端部を連結したものである。出力軸28に対し駆動軸12を同心上に配列した。 クラッチ40は、出力軸28の回転数が一定以上になると遠心力によってクラッチオンとなる遠心クラッチであり、エンジン冷却ファン30から駆動軸12側へ延びた揺動子連結凸部41と、揺動子連結凸部41に取付けた遠心式の揺動子42と、揺動子42を収納するとともに駆動軸12の一端に連結したカップ状のクラッチドラム43と、からなる。 【0026】 本発明は、エンジン13の近傍に且つエンジン冷却ファン30の径方向外方に、エンジン用点火装置の一部である点火コイル71を配置し、複数の締結部材81,82,・・・のうち1個、すなわち第1締結部材81が、点火コイル71をエンジン13に締結する部材を兼ねたことを特徴とする。 【0027】 具体的には、シリンダヘッド23にエンジン用点火装置の一部である点火プラグ72を取付け、点火プラグ72の近傍に点火コイル71を配置し、点火コイル71と点火プラグ72との間をハイテンションコード73にて接続した。点火プラグ72の近傍に点火コイル71を配置したので、ハイテンションコード73を短くできる。 【0028】 エンジン13は、シリンダブロック22から点火コイル71側へ細長い取付ボス91を延ばし、その先端に点火コイル71のフランジ71aを当て、取付ボス91にフランジ71aをボルトからなる第1締結部材81にて取付け、さらに、この第1締結部材81にファンカバー60のフランジ61を差し込んでナット85にて取付けたものである。このようにすることで、エンジン13に点火コイル71並びにファンカバー60を第1締結部材81にて取付けることができる。 【0029】 この図は、シリンダブロック22からファンカバー60側へ取付ボス92を延ばし、その先端にカバー50のフランジ51並びにファンカバー60を重ねて、ボルトからなる第2締結部材82にて取付けたことを示す。後述する第3・第4締結部材についても同様であり、ボルトからなる。 【0030】 図5は本発明に係るエンジン、ファンカバー並びに点火コイル周りの分解図であり、エンジン13のシリンダブロック22を点火コイル71(エンジン用点火装置71)側に延ばしたことを示す。 【0031】 上記複数の締結部材は4個である。すなわち、複数の締結部材は第1締結部材81、第2締結部材82、第3締結部材83及び第4締結部材84からなる。 第1締結部材81は、シリンダブロック22側において、点火コイル71(エンジン用点火装置71)を締結する部材を兼ねた締結部材である。第2締結部材82は、出力軸28(図4参照)に対し、シリンダブロック22とは反対側に配列した締結部材である。第3・第4締結部材83,84は、シリンダブロック22側において、第1締結部材81の左右に配列した締結部材である。 【0032】 ファンカバー60は、第1締結部材81にて取付ける第1フランジ61、第2締結部材82にて取付ける第2フランジ62、第3締結部材83にて取付ける第3フランジ63、及び、第4締結部材84にて取付ける第4フランジ64を一体に形成した、硬質樹脂成形品である。 【0033】 さらにファンカバー60は、点火コイル71に臨む部分を切り欠いて開放部65を形成したものである。このため、点火コイル71にファンカバー60が干渉することがない。さらには、エンジン13からファンカバー60を外すことなく、エンジン用点火装置(点火コイル71、図4の点火プラグ72、ハイテンションコード73)の保守・点検作業を行うことができる。 本発明は、開放部65の縁に第1フランジ61を設け、第1締結部材81にてエンジン13に止めたことを特徴とする。 【0034】 上記エンジン13は、シリンダブロック22から点火コイル71側へ細長い取付ボス95を延ばし、その先端に点火コイル71のフランジ71aをボルトからなる第5締結部材86にて取付けたものである。このようにして、エンジン13に点火コイル71を2個の締結部材81,86にて取付けることができる。 図中、92,93,94は取付ボスである。 【0035】 図6は本発明に係るファンカバーの斜視図であり、ファンカバー60に対する上記図5に示す複数の締結部材81〜84(第2締結部材は省略)の関係を示す。 【0036】 図7は図5の7矢視図であり、4個の締結部材81〜84の配列を操作杆11側(図3参照)から見たことを示す。 刈払機10は、操作杆11側、すなわち図の手前側から見たときに、方位0°に図4に示すエンジン13のシリンダ25を配置し、シリンダ25側に点火コイル71を配置したものである。 さらに本発明は、4個の締結部材81〜84の配列を操作杆11側から見たときに、第1締結部材81を点火コイル71の近傍に配列し、第2締結部材82を、出力軸28に対し点火コイル71とは反対側に配列し、第3・第4締結部材83,84を、点火コイル71並びに第2締結部材82を通る直線L1に対して左右に且つ第1締結部材81寄りに配列したことを特徴とする。 【0037】 すなわち、方位0°にシリンダ25(図4参照)並びに点火コイル71を配置し、方位0°から時計回りに角度θ°だけ偏位した位置に第1締結部材81を配置し、方位180°に第2締結部材82を配置し、方位0°と方位270°の間に第3締結部材83を配置し、方位0°と方位90°との間に第4締結部材84を配置した。 【0038】 さらには、出力軸28から各締結部材81〜84までの距離は概ね同一である。すなわち、出力軸28を中心とする概ね同一円上に、4個の締結部材81〜84を配列した。 【0039】 このようにして、第1締結部材81を、開放部65において図左右方向の概ね中央に配置するとともに、第3締結部材83及び第4締結部材84を、開放部65の図左右両端の近傍に配置した。 ファンカバー60に開放部65を設けたにもかかわらず、開放部65の縁を3個の締結部材(第1締結部材81及び第3・第4締結部材83,84)でエンジンに締結したので、ファンカバー60のうち、比較的剛性が小さい開放部65の、剛性を十分に確保することができる。 【0040】 以上の説明を図3及び図7に基づき、まとめると次の通りである。 図3に示すように、エンジン13の近傍に且つエンジン冷却ファン30の径方向外方に配置した点火コイル71については、エンジン13に締結部材で取付ける必要がある。これに対して第1締結部材81は、点火コイル71をエンジン13に締結する部材を兼ねたものである。 【0041】 このようにすることで、点火コイル71が配置されている位置であっても、エンジン13にファンカバー60を取付けることができる。カバー取付け位置の自由度が高まるので、ファンカバー60のうち、カバー剛性を確保できる位置をエンジン13に取付けることができる。従って、カバーの厚みを増す又はカバーを多数の補強リブによって補強する必要はない。このため、簡単な構成によって、エンジン13に取付けるファンカバー60の剛性をより高めることができる。 【0042】 しかも、ファンカバー60の内部を多数の補強リブで補強しなくてすむ。冷却風の流れを抑制する補強リブがないので、エンジン冷却ファン30による冷却風をエンジン13へ円滑に導くことができる。冷却風の流れをより円滑にすることで、エンジン冷却ファン30によるエンジン冷却性能を高めることができる。 【0043】 さらには、第1締結部材81が、点火コイル71をエンジン13に締結する部材を兼ねたので、点火コイル71を取付ける別異の部材を削減又は廃止することができる。この結果、ファンカバー60並びに点火コイル71を取付ける締結部材の数量を削減してコストダウンを図ることができる。また、エンジン13、ファンカバー60並びに点火コイル71に設けた取付ボス等の突起物の数量をも削減することができる。突起物はファンカバー60の内方に配置されるものである。このような突起物を削減することで、冷却風をエンジン13へ、より円滑に導くことができる。この結果、エンジン冷却ファン30によるエンジン冷却性能をより高めることができる。 【0044】 ところで、シリンダ25内をピストン26が往復動することによって、エンジン13にはピストン26の往復動方向の振動が発生する。 これに対して本発明は、操作杆11側から見たときに、エンジン13のシリンダ25側に点火コイル71を配置し、この点火コイル71を締結する部材を兼ねた第1締結部材81を、点火コイル71の近傍に配列するとともに、第2締結部材82を、出力軸28に対し点火コイル71とは反対側に配列し、さらに、第3・第4締結部材83,84を、点火コイル71並びに第2締結部材82を通る直線L1に対して左右に振り分け且つ第1締結部材81寄りに配列した。 【0045】 ピストン26の往復動方向の振動に伴い発生するファンカバー60の振動に対しては、シリンダ25とほぼ同方向に間隔をあけて配列した第1・第2締結部材81,82によって、ファンカバー60の振動を抑制することができる。エンジン13の出力軸28の回転方向の振動に伴い発生するファンカバー60の振動に対しては、4個の締結部材81〜84によって抑制することができる。 このようにして、ファンカバー60の振動をより効果的に抑制することができる。この結果、ファンカバー60から操作杆11に伝わる振動が低減するので、作業者の負担をより軽減することができる。 【0046】 次に、上記図5に示すように、開放部65を有するファンカバー60をエンジン13に取付けたときの、ファンカバー60の振動特性を図8に基づき説明する。 図8はファンカバーの振動特性図であり、横軸をエンジン回転数とし縦軸をファンカバー先端の振動を加速度の変化として表したものである。ここで、ファンカバー先端とは、上記図5に示されるファンカバー60の開放部65の縁のことを言う。●印(実線)は実施例を示し、図5のように開放部65の縁を第1締結部材81にてエンジン13に止めた例である。□印(破線)は比較例を示し、第1締結部材81にて止めない例である。 【0047】 この特性図によれば、エンジン回転数が低速であるときには、実施例の加速度(振動)は比較例の加速度と概ね同じである。しかし、エンジン回転数が高速になるほど、比較例の加速度は急激に増大する。これに対し、実施例の加速度は高速時であっても大きく増大することはない。このことからも、実施例において、開放部65の縁を第1締結部材81にてエンジン13に止めることが、振動の抑制に極めて有効であることが判る。 【0048】 【発明の効果】 本発明は上記構成により次の効果を発揮する。 請求項1は、エンジンの近傍に且つエンジン冷却ファンの径方向外方に配置したエンジン用点火装置(点火コイル等)を、エンジンに締結部材で取付ける構成であって、ファンカバーをエンジンに締結する複数の締結部材のうち1個が、エンジン用点火装置をエンジンに締結する部材を兼ねたことを特徴とする。 【0049】 このようにすることで、エンジン用点火装置が配置されている位置であっても、エンジンにファンカバーを取付けることができる。カバー取付け位置の自由度が高まるので、ファンカバーのうち、カバー剛性を確保できる位置をエンジンに取付けることができる。従って、カバーの厚みを増す又はカバーを多数の補強リブによって補強する必要はない。このため、簡単な構成によって、エンジンに取付けるファンカバーの剛性をより高めることができる。 【0050】 しかも、ファンカバーの内部を多数の補強リブで補強しなくてすむ。冷却風の流れを抑制する補強リブがないので、エンジン冷却ファンによる冷却風をエンジンへ円滑に導くことができる。冷却風の流れをより円滑にすることで、エンジン冷却ファンによるエンジン冷却性能を高めることができる。 【0051】 さらには、ファンカバーをエンジンに締結する複数の締結部材のうち1個が、エンジン用点火装置をエンジンに締結する部材を兼ねたので、エンジン用点火装置を取付ける別異の部材を削減又は廃止することができる。この結果、ファンカバー並びにエンジン用点火装置を取付ける締結部材の数量を削減してコストダウンを図ることができる。また、エンジン、ファンカバー並びにエンジン用点火装置に、締結部材を締結する取付ボス等の突起物を設けた場合には、この突起物の数量をも削減することができる。突起物はファンカバーの内方に配置されるものである。このような突起物を削減することで、冷却風をエンジンへ、より円滑に導くことができる。この結果、エンジン冷却ファンによるエンジン冷却性能をより高めることができる。 【0052】 請求項2は、操作杆側から見たときに、エンジン用点火装置をエンジンのシリンダ側に配置し、このエンジン用点火装置を締結する部材を兼ねた第1締結部材を、エンジン用点火装置の近傍に配列するとともに、第2締結部材を、出力軸に対しエンジン用点火装置とは反対側に配列し、さらに、第3・第4締結部材を、エンジン用点火装置並びに第2締結部材を通る直線に対して左右に振り分け且つ第1締結部材寄りに配列したので、ピストンの往復動方向の振動に伴い発生するファンカバーの振動に対しては、シリンダとほぼ同方向に間隔をあけて配列した第1・第2締結部材によって、ファンカバーの振動を抑制することができる。また、エンジンの出力軸の回転方向の振動に伴い発生するファンカバーの振動に対しては、4個の締結部材によって抑制することができる。 このようにして、ファンカバーの振動をより効果的に抑制することができる。この結果、ファンカバーから操作杆に伝わる振動が低減するので、作業者の負担をより軽減することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る刈払機の側面図 【図2】本発明に係る刈払機の使用状態を示す説明図 【図3】本発明に係る刈払機のエンジン周りの要部断面図 【図4】本発明に係る刈払機のエンジン周りの要部詳細図 【図5】本発明に係るエンジン、ファンカバー並びに点火コイル周りの分解図 【図6】本発明に係るファンカバーの斜視図 【図7】図5の7矢視図 【図8】ファンカバーの振動特性図 【図9】従来の刈払機の概要図 【符号の説明】 10…刈払機、11…操作杆、12…駆動軸、13…エンジン、14…刈刃、22…シリンダブロック、28…出力軸、30…エンジン冷却ファン、40…クラッチ、60…ファンカバー、71…エンジン用点火装置(点火コイル)、81…エンジン用点火装置を締結する部材を兼ねた第1締結部材、82…第2締結部材、83…第3締結部材、84…第4締結部材、L1…シリンダブロック並びに第2締結部材を通る直線。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年6月5日(2002.6.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎
【識別番号】100094020 【弁理士】 【氏名又は名称】田宮 寛祉
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| 【公開番号】 |
特開2004−8054(P2004−8054A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月15日(2004.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−164653(P2002−164653) |
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