| 【発明の名称】 |
刈払機 |
| 【発明者】 |
【氏名】長島 彬 【住所又は居所】東京都青梅市末広町一丁目7番地2 株式会社共立内
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| 【要約】 |
【課題】駆動側ヘリカルベベルギヤと従動側ヘリカルベベルギヤとの不整噛合による異常振動や異音の発生を確実に防止できるようにして、破損や摩耗を生じにくくして、耐久性を向上できるようにされた刈払機を提供する。
【解決手段】ヘリカルベベルギヤユニット20は、ドライブシャフト7に相対回転を生じないように外嵌された駆動側ヘリカルベベルギヤ30と、該駆動側ヘリカルベベルギヤ30の回転軸線Obに対して所定の交差角θaを持って配在された従動軸50と、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30に噛合すべく、前記従動軸50に相対回転は生じないが軸方向には摺動可能に外嵌された従動側ヘリカルベベルギヤ40と、が備えられるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40をその回転軸線Oaに沿って前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30から離れる方向に付勢する付勢手段45が設けられてなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドライブシャフト(7)が内挿された操作桿(2)の先端部にヘリカルベベルギヤユニット(20)を介して刈り刃(4)が取り付けられている刈払機(1)において、前記ヘリカルベベルギヤユニット(20)は、前記ドライブシャフト(7)に相対回転を生じないように外嵌された駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)と、該駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)の回転軸線(Ob)に対して所定の交差角(θa)を持って配在された従動軸(50)と、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)に噛合すべく、前記従動軸(50)に相対回転は生じないが軸方向には摺動可能に外嵌された従動側ヘリカルベベルギヤ(40)と、が備えられるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤ(40)をその回転軸線(Oa)に沿って前記駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)から離れる方向に付勢する付勢手段(45)が設けられていることを特徴とする刈払機。 【請求項2】 前記従動軸(50)の上端側にスプライン軸部(52)が形成され、該スプライン軸部(52)に前記従動側ヘリカルベベルギヤ(40)がスプライン嵌合せしめられていることを特徴とする請求項1に記載の刈払機。 【請求項3】 前記従動軸(50)における前記従動側ヘリカルベベルギヤ(40)と前記従動軸(50)の下端側に取り付けられた前記刈り刃(4)との間に、前記付勢手段としての圧縮コイルばね(45)が配在されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の刈払機。 【請求項4】 前記駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)は、ねじ部材(33、34)により前記回転軸線(Ob)方向の移動を阻止されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の刈払機。 【請求項5】 ドライブシャフト(7)が内挿された操作桿(2)の先端部にヘリカルベベルギヤユニット(20)を介して刈り刃(4)が取り付けられている刈払機(1)において、前記ヘリカルベベルギヤユニット(20)は、前記ドライブシャフト(7)に相対回転を生じないように外嵌された駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)と、該駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)の回転軸線(Oa)に対して所定の交差角(θa)を持って配在された従動軸(50)と、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ(30)に噛合すべく、前記従動軸(50)に相対回転は生じないが軸方向には摺動可能に外嵌された従動側ヘリカルベベルギヤ(40)と、が備えられ、前記駆動側及び従動側ヘリカルベベルギヤ(30、40)の中央ねじれ角(βm)が8°以下に設定されていることを特徴とする刈払機。 【請求項6】 前記駆動側及び従動側ヘリカルベベルギヤ(30、40)の中央ねじれ角(βm)が6°〜8°に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の刈払機。 【請求項7】 前記従動軸(50)の下端側に、滑走接地部材(70)が相対回転を生じないように固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の刈払機。 【請求項8】 前記従動軸(50)の下端側にスプライン軸部(55)が形成され、該スプライン軸部(55)に、前記刈り刃(4)を挟圧保持すべく、上側抑え部材(60)と下側押さえ部材を兼用する前記滑走接地部材(70)とが相対回転を生じないようにスプライン嵌合せしめられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の刈払機。 【請求項9】 前記従動軸(50)の下端部に締め付け用ナット部材(65)が螺合せしめられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の刈払機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ドライブシャフトが内挿された操作桿の先端部にベベルギヤユニットを介して取り付けられている刈払機に係り、特に、前記ベベルギヤユニットに内蔵された一対のヘリカルベベルギヤの不整噛合による振動、異音の発生を効果的に防止できるようにした刈払機に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、刈払機は、例えば、実開平4−110430号公報や特開平8−187024号公報に所載のように、操作桿の前端部に、刈り刃、ヘリカルベベルギヤユニット、安全カバー等からなる作業部が設けられ、その後端部にクラッチ付きブレーキ装置が配在されるとともに、該ブレーキ装置の後方側に、前記刈り刃を前記操作桿に内装されたドライブシャフト及び前記ヘリカルベベルギヤユニットを介して駆動するための、動力源としての内燃エンジン(小型空冷2サイクルガソリンエンジン等)が取り付けられ、この内燃エンジンにスロットル弁を有する気化器や点火プラグを含む点火装置が備えられている。 【0003】 また、前記操作桿おける中央部付近には、U形ハンドルが取り付けられ、このU形ハンドルの左右両端部にそれぞれ左グリップ、右グリップが装着され、さらに、前記右グリップには、前記気化器スロットル弁の開度を制御するためのスロットルレバーが設けられ、また、前記左グリップには、前記ブレーキ装置の作動を解除させるためのブレーキ解除レバーが設けられている。 【0004】 前記ベベルギヤユニットは、前記ドライブシャフトと一体回転せしめられる駆動側ヘリカルベベルギヤと、該駆動側ヘリカルベベルギヤの回転軸線に対して所定の交差角を持って配在された従動軸と、前記駆動側ベベルギヤに噛合すべく、前記従動軸に一体回転可能でかつ軸方向に摺動可能に外嵌された従動側ベベルギヤと、が備えられる。前記両ベベルギヤとしては、直歯(スパー)ベベルギヤでは5,000h/min前後の高速回転には適さないとして、通常、図5(A)に示される如くの、中央ねじれ角βmが35°程度の曲がり歯ヘリカルベベルギヤが用いられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 前記した如くの刈払機においては、前記内燃エンジンの回転が、前記ブレーキ装置→前記ドライブシャフト→前記駆動側ヘリカルベベルギヤ→前記従動側ヘリカルベベルギヤ→前記従動軸→上から見て左回転するように前記刈り刃へと伝達される駆動時には、前記駆動側ヘリカルベベルギヤに前向き(斜め下向き)のスラストがかかるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤに上向きのスラストがかかり、それとは逆に、前記スロットルレバーが急に解放(前記スロットル弁が急全閉)された急減速時等には、前記刈り刃や従動側ヘリカルベベルギヤ等からなる従動側部分側の慣性力により前記駆動側ヘリカルベベルギヤが逆方向から回される状態となり、前記駆動時とは逆に、前記駆動側ヘリカルベベルギヤに後向き(斜め上向き)のスラストがかかるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤに下向きのスラストがかかる。 【0006】 この場合、前記駆動時において前記両ヘリカルベベルギヤが適正に噛合するように、両ギヤのスラストによる挙動や各部の寸法誤差等を見込んでバックラッシュをある程度大きめに設定してあっても、前記駆動側ヘリカルベベルギヤの軸線方向の位置は固定されているので、前記急減速時等には、バックラッシュが小さくなり過ぎて、前記両ヘリカルベベルギヤの噛合が不整となって、大きな振動、異音が発生し、作業者に不快感を与えるとともに、両ヘリカルベベルギヤやベアリング等に破損、摩耗が生じやすくなり、耐久性が低下するという問題があった。 【0007】 本発明は、前記した如くの問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、駆動側ヘリカルベベルギヤと従動側ヘリカルベベルギヤとの不整噛合による異常振動や異音の発生を確実に防止できるようにして、不快感をなくし、破損や摩耗を生じにくくして、耐久性を向上できるようにされた刈払機を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 前記の目的を達成すべく、本発明に係る刈払機は、基本的には、ドライブシャフトが内挿された操作桿の先端部にヘリカルベベルギヤユニットを介して刈り刃が取り付けられる。そして、前記ヘリカルベベルギヤユニットは、前記ドライブシャフトに相対回転を生じないように外嵌された駆動側ヘリカルベベルギヤと、該駆動側ヘリカルベベルギヤの回転軸線に対して所定の交差角を持って配在された従動軸と、前記駆動側ヘリカルベベルギヤに噛合すべく、前記従動軸に相対回転は生じないが軸方向には摺動可能に外嵌された従動側ヘリカルベベルギヤと、が備えられるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤをその回転軸線に沿って前記駆動側ヘリカルベベルギヤから離れる方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴としている。 【0009】 好ましい態様では、前記従動軸の上端側にスプライン軸部が形成され、該スプライン軸部に前記従動側ヘリカルベベルギヤがスプライン嵌合せしめられる。 より具体的な好ましい態様では、前記従動軸における前記従動側ヘリカルベベルギヤと前記従動軸における下端側に取り付けられた前記刈り刃との間に、前記付勢手段としての圧縮コイルばねが配在される。 他の好ましい態様では、前記駆動側ヘリカルベベルギヤは、ねじ部材により前記回転軸線方向の移動を阻止される。 【0010】 本発明に係る刈払機の他の一つは、ドライブシャフトが内挿された操作桿の先端部にヘリカルベベルギヤユニットを介して刈り刃が取り付けられる。そして、前記ヘリカルベベルギヤユニットは、前記ドライブシャフトに相対回転を生じないように外嵌された駆動側ヘリカルベベルギヤと、該駆動側ヘリカルベベルギヤの回転軸線に対して所定の交差角を持って配在された従動軸と、前記駆動側ヘリカルベベルギヤに噛合すべく、前記従動軸に相対回転は生じないが軸方向には摺動可能に外嵌された従動側ヘリカルベベルギヤと、が備えられ、前記駆動側及び従動側ヘリカルベベルギヤの中央ねじれ角が8°以下に設定されていることを特徴としている。 この場合、より好ましくは、前記駆動側及び従動側ヘリカルベベルギヤの中央ねじれ角が6°〜8°に設定される。 【0011】 本発明に係る刈払機の他の好ましい態様では、前記従動軸の下端側に、滑走接地部材が相対回転を生じないように固定される。 さらに好ましい態様では、前記従動軸の下端側にスプライン軸部が形成され、該スプライン軸部に、前記刈り刃を挟圧保持すべく、上側抑え部材と下側押さえ部材を兼用する前記滑走接地部材とが相対回転を生じないようにスプライン嵌合せしめられる。 他の別の好ましい態様では、前記従動軸の下端部に締め付け用ナット部材が螺合せしめられる。 【0012】 このような構成とされた本発明に係る刈払機の好ましい態様においては、前記内燃エンジンの回転が、例えば、上から見て左回転するように前記刈り刃へ伝達される駆動時には、前記駆動側ヘリカルベベルギヤに前向き(斜め下向き)のスラストがかかるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤに上向きのスラストがかかり、それとは逆に急減速時等には、前記刈り刃や従動側ヘリカルベベルギヤ等からなる従動側部分側の慣性力により前記駆動側ヘリカルベベルギヤが逆方向から回される状態となり、前記駆動時とは逆に、例えば、前記駆動側ヘリカルベベルギヤに後向き(斜め上向き)のスラストがかかるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤに下向きのスラストがかかる。 【0013】 ここで、前記駆動時において前記両ヘリカルベベルギヤが適正に噛合するように、両ギヤのスラストによる挙動や各部の寸法誤差等を見込んでバックラッシュを大きめに設定していると、前記急減速時等には、前記従動側ヘリカルベベルギヤに下向きのスラストがかかることになるので、該従動側ヘリカルベベルギヤが下方に移動し、その結果、バックラッシュが大きく変化し、前記両ヘリカルベベルギヤの噛合が不整となって、大きな振動、異音が発生するおそれがある。しかしながら、本発明の刈払機では、前記従動側ヘリカルベベルギヤをその回転軸線に沿って前記駆動側ヘリカルベベルギヤから離れる方向(例えば、上方)に向けて付勢する付勢手段としての圧縮コイルばねを設けているので、前記急減速時等においても、前記従動側ヘリカルベベルギヤにかかる逆向きのスラストが前記圧縮コイルばねの付勢力により適度に打ち消され、前記従動側ヘリカルベベルギヤが実質的には移動せず、したがって、バックラッシュが大きく変化することはない。 【0014】 そのため、前記駆動側ヘリカルベベルギヤと前記従動側ヘリカルベベルギヤとの不整噛合による振動や異音の発生を確実に防止でき、その結果、前記従動軸の軸方向についての各部の加工精度を極端に高くせずとも、破損や摩耗を生じにくくして、耐久性を向上できる。 【0015】 【発明の実施の形態】 以下に添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。 図1は、本発明に係る刈払機の一実施形態を示す斜視図、図2、図3は、それぞれ図1に示される刈払機の作業部を示す拡大斜視図、拡大断面図である。 【0016】 本実施形態の刈払機1は、操作桿2の前端部に、丸鋸刃状の刈り刃4、ヘリカルベベルギヤユニット20、安全カバー5等からなる作業部3が設けられ、その後端部に、例えば、図示しない遠心クラッチのクラッチドラム外周に制動バンドを巻き掛けてなるクラッチ付きブレーキ装置18が配在されるとともに、該ブレーキ装置18の後に、前記刈り刃4を前記操作桿2に内装されたドライブシャフト7及び前記ヘリカルベベルギヤユニット20を介して駆動するための動力源としての、リコイルスタータ8や燃料タンク9が付設された内燃エンジン(小型空冷2サイクルガソリンエンジン)6が取り付けられ、この内燃エンジン6には、図示しないスロットル弁を有する気化器や点火プラグを含む点火装置が備えられている。 【0017】 また、前記操作桿2おける中央部付近には、U形ハンドル10が取り付けられ、このU形ハンドル10の左右両端部にそれぞれ左グリップ11、右グリップ12が装着され、さらに、前記右グリップ12には、前記気化器スロットル弁の開度を制御するためのスロットルレバー15が設けられ、また、前記左グリップ11には、前記ブレーキ装置18の前記ドライブシャフト7(前記刈り刃4)を制動する作動を解除するためのブレーキ解除レバー16(握ったときに制動を解除する)が設けられている。 【0018】 前記ヘリカルベベルギヤユニット20は、天底22aを有する段付き円筒状の基筒部22A及び該基筒部22Aから斜め上向きに(60°の交差角θaをもって)突設された取付筒部22Bからなるギヤケース22を備え、前記取付筒部22Bが前記操作桿2の前端部2Aに外嵌固定されている。 【0019】 前記ギヤケース22内には、前記ドライブシャフト7に相対回転を生じないように外嵌された駆動側ヘリカルベベルギヤ30と、該駆動側ヘリカルベベルギヤ30の回転軸線Obに対して所定の交差角θa(ここでは60°)を持って配在された従動軸50(回転軸線Oa)と、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30に噛合すべく、前記従動軸50の上端側に相対回転を生じず、かつ前記回転軸線Oa方向に摺動可能に外嵌された従動側ヘリカルベベルギヤ40と、が備えられ、前記従動軸50の下端側に前記刈り刃4が取り付けられている。前記両ヘリカルベベルギヤ30、40の諸元は同じ(ただし、ねじれ方向は逆)で、図5(A)に前記従動側ヘリカルベベルギヤ40が示されているように、中央ねじれ角βmが35°の曲がり歯ヘリカルベベルギヤとなっている。 【0020】 前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30の後側には筒状ボス部31が一体に固設されており、この筒状ボス部31が、前記ドライブシャフト7の先端部に形成されたスプライン軸部7aに相対回転を生じず、かつ前記回転線Ob方向に摺動可能にスプライン嵌合せしめられている。前記筒状ボス部31の前端側(前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30側)と前記ギヤケース22の前記取付筒部22Bとの間には、ベアリング32、32が装着されている。該ベアリング32のインナーレース32aの前端面は、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30の後端面に当接せしめられ、前記ベアリング32のアウターレース32bの前端面は、前記ギヤケース22の前記基筒部22Aと前記取付筒部22Bとの境界辺りに設けられた係止部22sで係止されている。 【0021】 また、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30の前記筒状ボス部31における後端側外周には、雄ねじ部31bが形成されている。該雄ねじ部31bには、図4(A)に示される如くの六角ナット33が螺合せしめられており、該六角ナット33は、前記ベアリング32の前記インナーレース32aの後端面に当接せしめられている。一方、前記ギヤケース22の前記取付筒部22Bにおける前記六角ナット33の外周に対面する内周部分には、雌ねじ部22bが形成され、該雌ねじ部22bには、図4(B)に示される如くのリング状雄ねじ部材34が螺合せしめられている。該リング状雄ねじ部材34は、前記ベアリング32の前記アウターレース32bの後端面に当接せしめられている。したがって、前記六角ナット33及び前記リング状雄ねじ部材34を締め付けることにより、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30の前記回転軸線Ob方向の移動は完全に阻止される。 【0022】 前記従動軸50は、前記ギヤケース22の前記基筒部22Aにおける前記天底22a近傍と下端近くに装着された上下のベアリング42、44により回動自在に支持されており、この従動軸50における前記上ベアリング42が装着されている上端部51の下側には、ギヤ用スプライン軸部52が形成されており、このスプライン軸部52に前記従動側ヘリカルベベルギヤ40が相対回転を生じず、前記回転軸線Oa方向に摺動可能にスプライン嵌合せしめられている。 【0023】 そして、前記従動軸50における中央部付近には大径係止部54が形成されており、該大径係止部54と前記従動側ヘリカルベベルギヤ40との間には、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40をその回転軸線Oaに沿って前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30から離れる方向(ここでは上向き)に付勢する付勢手段としての圧縮コイルばね45が縮装されている。なお、前記付勢手段としては、伸縮量は僅かでよいので、前記コイルばね45の他、皿ばね等も用いることができる。 【0024】 前記従動軸50における前記下ベアリング44が装着されている部分より下側には、スプライン軸部55が形成されており、該スプライン軸部55に、前記刈り刃4を挟圧保持すべく、概略断面凸字状の上側抑え部材60と、下側押さえ部材を兼用するハット状の滑走接地部材70と、が相対回転を生じず、かつ前記回転軸線Oa方向に摺動可能にスプライン嵌合せしめられている。前記上側抑え部材60と前記刈り刃4との間には、中央丸穴付きで外周端縁が立ち上げられた円形プレート62が介装されている。前記ギヤケース22の下部外周には、前記円形プレート62と協働して刈り草等が内部に侵入するのを防止するための、スカート状のカバー27が取り付けられている。また、前記従動軸50の下端近くには、雌ねじ部56が形成されており、該雌ねじ部56に前記刈り刃4を前記上側抑え部材60(及び前記円形プレート62)と前記滑走接地部材70との間に挟んで締付固定するための、締め付け用座金付きナット部材65が螺合せしめられ、該ナット部材65の下側には抜け止めピン67が挿着されている。 【0025】 前記のように、比較的慣性質量の大きな前記上側抑え部材60及び前記滑走接地部材70を、前記従動軸50に相対回転を生じないように外嵌したことにより、急減速時やブレーキ作動時等において、前記上側抑え部材60及び前記滑走接地部材70が慣性によって前記ナット部材65を弛ませるように働くことが無くなり、前記ナット部材65の弛みによる不具合(前記刈り刃4の保持力不足で前記従動軸50と一体に回転しない等)が生じにくくなる。また、前記滑走接地部材70が下側押さえ部材を兼用しているので、下側押さえ部材を別途に設けた場合に比して、重量減等が図れるとともに、前記ナット部材65や前記抜け止めピン67の周りに大きなスペースができるので、それらの締め付け、挿着、交換作業等を容易に行うことができる。 【0026】 前記した如くの構成とされた本実施形態の刈払機1においては、前記内燃エンジン6の回転が、前記ブレーキ装置18→前記ドライブシャフト7→前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30→前記従動側ヘリカルベベルギヤ40→前記従動軸50→前記刈り刃4へと伝達される駆動時には、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30に前向き(斜め下向き)のスラストがかかるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40に上向きのスラストがかかる。それとは逆に、作業者が転倒しかかった時等、前記スロットルレバー15が急に解放(スロットル弁が急全閉)された急減速時や、前記ブレーキ解除レバー15が解放されて前記ブレーキ装置18で制動さてた時等には、前記刈り刃4や前記従動側ヘリカルベベルギヤ40等からなる従動側部分側の慣性力により前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30が逆方向から回される状態となり、前記駆動時とは逆に、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30に後向き(斜め上向き)のスラストがかかるとともに、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40に下向きのスラストがかかる。 【0027】 ここで、本実施形態においては、前記駆動時において前記両ヘリカルベベルギヤ30、40が適正に噛合するように、両ギヤ30、40のスラストによる挙動や各部の寸法誤差等を見込んでバックラッシュを大きめ(例えば、従来は0.2mm程度だったものを0.3mm程度)に設定している。ところが、前記急減速時等には、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40に下向きのスラストがかかるので、該従動側ヘリカルベベルギヤ40が下方に移動し、その結果、バックラッシュが大きく変化し、前記両ヘリカルベベルギヤ30、40の噛合が不整となって、大きな振動、異音が発生するおそれがある。 【0028】 しかし、本実施形態では、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40をその回転軸線Oaに沿って前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30から離れる方向、すなわち、上方に向けて付勢する付勢手段としての圧縮コイルばね45を設けているので、前記急減速時等においても、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40にかかるスラストが前記圧縮コイルばね45の付勢力により打ち消され、前記従動側ヘリカルベベルギヤ40が実質的に下方には移動せず、したがって、バックラッシュが大きく変化することはない。 【0029】 そのため、前記駆動側ヘリカルベベルギヤ30と前記従動側ヘリカルベベルギヤ40との不整噛合による大きな異常振動や異音の発生を確実に防止でき、その結果、前記従動軸50の軸方向についての各部の加工精度を極端に高くせずとも、破損や摩耗を生じにくくして、耐久性を向上できる。 【0030】 以上は、中央ねじれ角βmが35°の駆動側ヘリカルベベルギヤ30及び従動側ヘリカルベベルギヤ40を用いた場合の一実施形態であるが、次に、図5(B)に示される如くの、中央ねじれ角βmが0°のゼロル(zerol)ヘリカルベベルギヤを、駆動側ヘリカルベベルギヤ30’及び従動側ヘリカルベベルギヤ40’として用いた場合を説明する。 【0031】 前記中央ねじれ角βmが0°の駆動側ゼロルベベルギヤ30’及び従動側ゼロルベベルギヤ40’を用いた場合には、両ギヤ30’、40’を互いに近付ける方向にはスラストがかからないので、前記急減速時等においても、前記従動側ベベルギヤ40’は軸方向にほとんど移動しない。すなわち、前記両ゼロルベベルギヤ30’、40’自体が付勢手段の作用を奏することになるため、前記圧縮コイルばね45等を付勢手段として別途に設ける必要がない。このように駆動側ベベルギヤ及び従動側ベベルギヤとしてゼロルベベルギヤを用いることで、前記実施形態と同様に、駆動側ヘリカルベベルギヤと従動側ヘリカルベベルギヤとの不整噛合による異常振動や異音の発生を確実に防止でき、破損や摩耗を生じにくくい、耐久性を向上できる。なお、ゼロルベベルギヤを用いた場合には、中央ねじれ角βmが35°のものを用いた場合に比して、負荷容量が若干(5%程度)低下する。 【0032】 また、図5(C)に示される如くの、前記中央ねじれ角βmが6〜8°(圧力角は20°)のものを駆動側ヘリカルベベルギヤ30’’、及び従動側のヘリカルベベルギヤ40’’として用いた場合には、前記付勢手段が不要となって前記ゼロルベベルギヤを用いた場合とほぼ同様な作用効果が得られることに加えて、前記負荷容量の低下も可及的に抑えられる。 【0033】 以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において適宜変更できるものである。 【0034】 【発明の効果】 以上の説明から理解されるように、本発明に係る刈払機は、駆動側ヘリカルベベルギヤと前記従動側ヘリカルベベルギヤとの不整噛合による異常振動や異音の発生を確実に防止でき、その結果、前記従動軸の軸方向についての各部の加工精度を極端に高くせずとも、破損や摩耗を生じにくくして、耐久性を向上できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る刈払機の一実施形態を示す斜視図。 【図2】図1に示される刈払機の作業部を示す拡大斜視図。 【図3】図1に示される刈払機の作業部を示す拡大断面図。 【図4】(A)は、図1に示される刈払機に用いられている六角ナットを示す斜視図、(B)は、同じくリング状雄ねじ部材を示す斜視図。 【図5】駆動側ヘリカルベベルギヤ及び従動側ヘリカルベベルギヤの中央ねじれ角の説明に供される図。 【符号の説明】 1 …刈払機 2 …操作桿 4 …刈り刃 7 …ドライブシャフト 20…ヘリカルベベルギヤユニット 30…駆動側ヘリカルベベルギヤ 33…六角ナット(ねじ部財) 34…リング状雄ねじ部材 40…従動側ヘリカルベベルギヤ 45…圧縮コイルばね(付勢手段) 50…従動軸 52…スフライン軸部 55…スプライン軸部 60…上側抑え部材 65…締め付け用ナット部材 70…滑走接地部材 Oa…従動軸及び従動側ヘリカルベベルギヤの回転軸線 Ob…駆動側ヘリカルベベルギヤの回転軸線 θa…交差角 βm…中央ねじれ角
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| 【出願人】 |
【識別番号】000141990 【氏名又は名称】株式会社共立 【住所又は居所】東京都青梅市末広町1丁目7番地2
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| 【出願日】 |
平成14年6月5日(2002.6.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100099128 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 康
【識別番号】100105463 【弁理士】 【氏名又は名称】関谷 三男
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| 【公開番号】 |
特開2004−8048(P2004−8048A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月15日(2004.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−164352(P2002−164352) |
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