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【発明の名称】 芝刈機
【発明者】 【氏名】飯田 哲生
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】小林 隆夫
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】佐々木 裕光
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】島田 健三
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】進 正則
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【要約】 【課題】バギングモードでの作業効率を確保しつつ、マルチングモードでの作業効率を高めるとともに芝刈仕上がり性を高めること。

【解決手段】芝刈機10は、エンジンから下方へ出力軸15aを延ばし、エンジンの下に下開放のハウジング11を設け、ハウジング内に収納された刈刃14を出力軸に取付け、ハウジングから後上方へ刈芝搬出通路21を延ばし、刈芝搬出通路の出口に刈芝収納体を取外し可能に取付け、刈刃で刈った芝草を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に収納した自走式作業車である。ハウジングに刈刃で刈られた芝草をハウジング内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路へ向かわせるためのスクロール部11dを備える。スクロール部に沿わせたガイド部70を、ハウジングの天板11aの下側に設けるとともに、ガイド部のガイド方向後縁71を、刈芝搬出通路のうちハウジングに臨む通路開口24に対向させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源から下方へ出力軸を延ばし、このような動力源の下に下開放のハウジングを設け、このハウジング内に収納された刈刃を前記出力軸に取付け、前記ハウジングから後上方へ刈芝搬出通路を延ばし、この刈芝搬出通路に開放・遮断する部材を設け、前記刈芝搬出通路の出口に刈芝収納体を取外し可能に取付け、前記ハウジングに前記刈刃で刈られた芝草をハウジング内で旋回運動させつつ前記刈芝搬出通路へ向かわせるためのスクロール部を備えることで、
前記刈芝搬出通路を開放したときには、刈刃にて刈った芝草を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に収納するようにし、前記刈芝搬出通路を遮断したときには、刈刃にて刈った芝草をハウジングの下方に排出するようにした芝刈機において、
前記スクロール部に沿わせたガイド部を、前記ハウジングの天板の下側に設けるとともに、前記ガイド部のガイド方向後縁を、前記刈芝搬出通路のうち前記ハウジングに臨む通路開口に対向させたことを特徴とする芝刈機。
【請求項2】
前記ガイド部のガイド方向後縁を、前記通路開口の下端に概ね指向させたことを特徴とする請求項1記載の芝刈機。
【請求項3】
前記刈芝搬出通路を開放・遮断する部材は、前記刈芝搬出通路に出し入れする栓部材であり、この栓部材は、前記ハウジング内に前記ガイド部のガイド方向後縁へ向かって延び、前記栓部材の下端を前記ガイド方向後縁とほぼ同一高さに設定したことを特徴とする請求項2記載の芝刈機。
【請求項4】
前記刈芝搬出通路を開放・遮断する部材は、前記刈芝搬出通路の通路開口に設けたシャッタであり、このシャッタは、前記刈芝搬出通路のうち左右一方の縦壁に隣接し前記通路開口の近傍に設けた上下に延びる回転軸と、この回転軸にスイング基端を取付けてスイング作動により前記通路開口を開閉する縦板状の縦遮蔽部と、この縦遮蔽部の下端から前記出口側へ延びて前記通路開口の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部と、前記回転軸に連結した操作レバーとからなることで、シャッタにて通路開口の開度を調節するように構成したことを特徴とする請求項1記載の芝刈機。
【請求項5】
前記ガイド部のガイド方向後縁の高さを前記通路開口の下端より高位に設定するとともに、前記ガイド方向後縁を波形状に構成したことを特徴とする請求項4記載の芝刈機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はロータリ式芝刈機の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータリ式芝刈機は、下開放のハウジング内に収納された刈刃を芝草に沿って回転させることで、芝草を刈るものである。このような芝刈機には、(1)刈刃で刈った芝草をバッグ等の刈芝収納体に収納する、いわゆるバギングモードで用いる形式の芝刈機と、(2)刈刃で刈った芝草をハウジングの中で更に細かく刻んでハウジングの下方に排出する、いわゆるマルチングモードで用いる形式の芝刈機がある。上記(1)の芝刈機は刈った芝草(刈芝)の全てを除去できるので芝刈り仕上がり性が良く、ゴルフ場などで多用されている。上記(2)の芝刈機は刈芝を芝地へ戻してしまうことで、「刈芝捨て」作業を不要とすることができるので、公園などで多用されている。
【0003】
しかしながら、これでは用途に応じて2台の芝刈機を使い分けることになるので不便である。そこで近年、1台の芝刈機によって上記(1)と上記(2)を兼ねることができる技術が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭64−3441号公報(第1−3頁、第1図−第4図)
【特許文献2】
米国特許第4951449号明細書(第4頁、図1A−図1B,図8)
【0005】
特許文献1によれば、従来の技術▲1▼は第3図及び第4図に示される通り、ハウジングの天板に草排出シュートを取付けることで、バギングモード型ハウジングにセットすることができる。この場合には、草排出シュートの出口にバッグを取付けることにより、刈刃で刈った芝草をバッグに収納することができる(バギングモード)。
【0006】
また、上記従来の技術▲1▼は第1図及び第2図に示される通り、草排出シュートを外してハウジングの天板にカバープレートを取付けることで、マルチングモード型ハウジングに切換えることができる。この場合には、刈刃で刈った芝草をハウジングの下方に排出することができる(マルチングモード)。
【0007】
特許文献2によれば、従来の技術▲2▼は図1B及び図8に示される通り、ハウジングが、天板から後上方へ草排出シュートを延したバギングモード型ハウジングである。バギングモード型ハウジングは、刈刃で刈られた芝草をハウジング内で旋回運動させつつ草排出シュートへ向かわせるためのスクロール部を備える。草排出シュートを塞いでいるシュートプラグを外し、草排出シュートにバッグを取付けることにより、刈刃で刈った芝草をバッグに収納することができる(バギングモード)。
【0008】
また、上記従来の技術▲2▼は図1Aに示される通り、草排出シュートをシュートプラグにて塞ぐことにより、刈刃で刈った芝草をバギングモード型ハウジングの下方に排出することができる(マルチングモード)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術▲1▼は、手作業にて部品を交換することにより、バギングモード型ハウジングとマルチングモード型ハウジングとに切換えるものである。切換える度に、部品を手作業にて交換する必要があるので、交換作業が面倒であり、能率的ではない。
【0010】
一方、上記従来の技術▲2▼は、草排出シュートに対してシュートプラグを着脱するだけで、バギングモード型ハウジングをバギングモードとマルチングモードとに切換えることができる。このため、モード切換え作業は比較的簡単である。
しかしながら、マルチングモードにおいてもバギングモード型ハウジングをそのまま用いるものである。上述のように、バギングモード型ハウジングは、刈刃で刈られた芝草(刈芝)をハウジング内で旋回運動させつつ草排出シュートへ向かわせるためのスクロール部を備える。
【0011】
これに対してマルチングモードは、刈芝をハウジング内で旋回運動させつつ、刈刃で更に細かく刻んでハウジングの下方に排出するものである。ハウジング内の断面積は、スクロール部が有る部分で大きく、無い部分で小さい。このため、ハウジング内において刈芝を旋回させる空気の流れ、すなわち旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、大きく変化し得る。旋回流の流速が急激に変化することは、ハウジング内に刈芝が滞留する要因となり得る。
【0012】
例えば、スクロール部の後端付近で流速が急激に低下すると、この部分でハウジングの内面に刈芝が堆積する又は草排出シュートの入口に刈芝が堆積することになる。ハウジング内にある程度堆積すると旋回流の流れが低下する。その度に芝刈作業を一時中断して、堆積した刈芝を除去するのでは、連続した作業を行うことができない。これでは、マルチングモードでの作業効率が劣るので、改良の余地がある。
しかも、ハウジング内に部分的に刈芝が堆積すると、刈芝をハウジングから下方へ均一に排出することはできない。これでは、ハウジングから芝地に戻る刈芝の戻り量が不均一になるので、芝刈仕上がり性が劣る。
【0013】
そこで本発明の目的は、バギングモードでの作業効率を確保しつつ、マルチングモードでの作業効率を高めるとともに芝刈仕上がり性を高めることができる技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、動力源から下方へ出力軸を延ばし、このような動力源の下に下開放のハウジングを設け、このハウジング内に収納された刈刃を前記出力軸に取付け、ハウジングから後上方へ刈芝搬出通路を延ばし、この刈芝搬出通路に開放・遮断する部材を設け、刈芝搬出通路の出口に刈芝収納体を取外し可能に取付け、ハウジングに刈刃で刈られた芝草をハウジング内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路へ向かわせるためのスクロール部を備えることで、刈芝搬出通路を開放したときには、刈刃にて刈った芝草を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に収納するようにし、刈芝搬出通路を遮断したときには、刈刃にて刈った芝草をハウジングの下方に排出するようにした芝刈機において、
スクロール部に沿わせたガイド部を、ハウジングの天板の下側に設けるとともに、ガイド部のガイド方向後縁を、刈芝搬出通路のうちハウジングに臨む通路開口に対向させたことを特徴とする。
【0015】
刈芝をバギングモード型ハウジング内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路へ向かわせるためのスクロール部に、ガイド部を沿わせ、このガイド部を、ハウジングの天板の下側に設け、さらにガイド部のガイド方向後縁を、刈芝搬出通路のうちハウジングに臨む通路開口に対向させるようにしたので、ハウジング内で刈芝を旋回させる空気の流れ、すなわち旋回流の流れ方向を、ガイド部にて通路開口へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。
しかも、スクロール部に沿わせたガイド部を、バギングモード型ハウジングの天板の下側に設けたので、スクロール部が有る部分と無い部分とで、ハウジング内の断面積を緩やかに変えることができる。断面積の変化が緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、緩やかに変化する。
【0016】
このため、刈芝搬出通路を遮断したマルチングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流は、ハウジング内で円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング内に刈芝が堆積し難い。刈芝が堆積しないので、芝刈作業を連続して行うことができる。この結果、マルチングモードでの作業効率を高めることができる。しかも、刈芝をハウジングから下方へ均一に排出することができる。このため、ハウジングから芝地に戻る刈芝の戻り量が均一になるので、芝刈仕上がり性が高まる。
【0017】
一方、刈芝搬出通路を開放したバギングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流(搬送流)は、通路開口から刈芝搬出通路へ流れて、刈芝収納体へ刈芝を搬出する。バギングモードでの作業効率を確保することができる。
このように請求項1によれば、バギングモードでの作業効率を確保しつつ、マルチングモードでの作業効率を高めるとともに芝刈仕上がり性を高めることができる。
【0018】
請求項2は、ガイド部のガイド方向後縁を、通路開口の下端に概ね指向させたことを特徴とする。
ガイド部のガイド方向後縁を、通路開口のうち下端に概ね指向させたので、旋回流の流れ方向を、ガイド部にて通路開口の下へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。このため、スクロール部が有る部分と無い部分とで、ハウジング内の断面積を、より緩やかに変えることができる。断面積の変化がより緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、より緩やかに変化する。この結果、マルチングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流は、ハウジング内でより円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング内への刈芝の局部的な堆積を、より防止することができる。このため、より連続した芝刈作業を行うことができるので、マルチングモードでの作業効率を、より高めることができるとともに、ハウジングから芝地に戻る刈芝の戻り量を均一性を高めて芝刈仕上がり性をより高めることができる。
【0019】
請求項3は、刈芝搬出通路を開放・遮断する部材が、刈芝搬出通路に出し入れする栓部材であり、この栓部材が、ハウジング内にガイド部のガイド方向後縁へ向かって延び、栓部材の下端をガイド方向後縁とほぼ同一高さに設定したことを特徴とする。
刈芝搬出通路を開放・遮断する部材を、刈芝搬出通路に出し入れする栓部材(プラグ)にて構成し、この栓部材を、ハウジング内にガイド部のガイド方向後縁へ向かって延ばしたことにより、刈芝搬出通路に対して栓部材を出し入れするだけで、バギングモード型ハウジングをバギングモードとマルチングモードとに切換えることができる。このようなモード切換え作業は簡単であり、短時間で切換えることができる。
【0020】
さらに請求項3によれば、ガイド部のガイド方向後縁へ向かって延した栓部材の下端を、ガイド方向後縁とほぼ同一高さに設定したので、刈芝搬出通路を栓部材で遮断したマルチングモードにおいて、ガイド部で案内された旋回流は栓部材の下を通る。このようにして、ガイド部で案内された旋回流を、栓部材の下端によって、スクロール部が無い部分まで緩やかに変化させつつ、更に案内することができる。このため、スクロール部が有る部分と無い部分とで、ハウジング内の断面積を、より一層緩やかに変えることができる。断面積の変化がより緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、より一層緩やかに変化する。この結果、マルチングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流は、ハウジング内でより一層円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング内への刈芝の局部的な堆積を、より一層防止することができる。
【0021】
請求項4は、刈芝搬出通路を開放・遮断する部材が、刈芝搬出通路の通路開口に設けたシャッタであり、このシャッタが、刈芝搬出通路のうち左右一方の縦壁に隣接し通路開口の近傍に設けた上下に延びる回転軸と、この回転軸にスイング基端を取付けてスイング作動により通路開口を開閉する縦板状の縦遮蔽部と、この縦遮蔽部の下端から出口側へ延びて通路開口の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部と、回転軸に連結した操作レバーとからなることで、シャッタにて通路開口の開度を調節するように構成したことを特徴とする。
【0022】
刈芝搬出通路を開放・遮断する部材を、刈芝搬出通路の通路開口に設けたシャッタにて構成し、このシャッタを、刈芝搬出通路の左右一方の縦壁に隣接し通路開口の近傍に設けた上下に延びる回転軸と、この回転軸にスイング基端を取付けてスイング作動により通路開口を開閉する縦板状の縦遮蔽部と、この縦遮蔽部の下端から収納体取付部側へ延びて通路開口の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部と、回転軸に連結した操作レバーにより構成したので、シャッタにて通路開口の開度を任意に調節することができる。
【0023】
従って、簡単なシャッタ開度操作だけで、シャッタを全開にし刈芝を刈芝収納体に収納するバギングモード、シャッタを全閉にし刈芝をハウジングの下方に排出するマルチングモード、シャッタを任意の開度に設定しバギングモードとマルチングモードの中間モードとに、適宜切換えることができる。しかも、各モードに切換えるたびに部品を交換する必要はない。
さらには、シャッタを任意の開度に操作することで、芝地の状態、仕上がり条件や好みに応じて、刈芝の排出形態を、きめ細かく自由に設定することができる。
【0024】
請求項5は、ガイド部のガイド方向後縁の高さを通路開口の下端より高位に設定するとともに、ガイド方向後縁を波形状に構成したことを特徴とする。
【0025】
一般に、バギングモードで用いる芝刈機は、刈刃で刈られた芝草をハウジング内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路へ向かわせるものである。従って、バギングモードのハウジングの形状は概ね渦巻状である。
一方、マルチングモードで用いる芝刈機は、刈刃で刈った芝草をハウジングの中で刈刃により更に細かく刻むものである。従って、マルチングモードのハウジングの断面形状は概ね均一である。
このように、バギングモードに用いるハウジングの形状と、マルチングモードに用いるハウジングの形状とは異なる。
【0026】
これに対して請求項5は、1つのハウジングを用いてバギングモード、マルチングモード及び中間モードの作業を行う芝刈機であり、バギングモードの作業を効率良く行うために、スクロール部をハウジングに備えた。さらに、マルチングモードの作業をも効率良く行うために、スクロール部にガイド部を沿わせ、このガイド部をハウジングの天板の下側に設け、ガイド部のガイド方向後縁を通路開口に臨ませた。
【0027】
シャッタを開けたときには、スクロール部並びにガイド部によって、刈芝を旋回運動させつつ通路開口へ円滑に案内することができる。シャッタを閉じたときには、スクロール部を旋回運動中の刈芝が、閉じた状態のシャッタに沿って円滑に流れるように、ガイド板によって案内することができる。中間モードにおいても同様である。このように、1つのハウジングを用いてバギングモード、マルチングモード及び中間モードの各作業をより効率良く行うことができる。
【0028】
さらに請求項5は、刈芝を刈芝搬出通路へ向かわせるためのガイド部のガイド方向後縁の高さを、通路開口の下端より高位に設定したので、中間モードにおいて、ガイド部に沿って旋回運動する刈芝を刈芝搬出通路に容易に取り込むことができる。この結果、必要な量の刈芝を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に確実に収納することができる。従って、中間モードにおける、刈芝収納体に収納する刈芝量とハウジングの下方に排出する刈芝量との比率を比較的正確に設定することができる。中間モードでの作業性をより高めることができる。
【0029】
ところで、刈刃を回転させると、ガイド部の下方にはガイド部に沿った空気の流れ(旋回流)が生じる。この流れはガイド方向後縁の部分で渦流になり易い。渦流が過大であると、刈芝は渦流に巻き込まれ易くなる。この結果、バギングモードや中間モードにおいて、通路開口へ刈芝が流れにくくなる。
【0030】
これに対して請求項5は、ガイド部のガイド方向後縁を波形状にしたので、波形における、凹部の空気の流れと凸部の空気の流れとが干渉し合うことで、渦流の発生を抑制し、通路開口へ流れる空気の流れを整えることができる。この結果、バギングモードや中間モードにおいて、通路開口へ刈芝が流れ易くなる。従って、刈芝を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に円滑に流して、より一層確実に収納することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、CLは機幅中心を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0032】
図1は本発明に係る芝刈機の斜視図であり、この芝刈機10は、機体としてのハウジング11の前部に左右の前輪12,12を備え、ハウジング11の後部に左右の走行輪としての後輪13,13(この図では左右のうち左のみを示す。)を備え、ハウジング11の中央内部に単一の芝刈用刈刃14を備え、ハウジング11の上部に後輪13,13並びに刈刃14を駆動するエンジン15を備え、ハウジング11の後部内部にエンジン15と後輪13,13との間に介設した無段変速装置(図示せず)を備えるとともに、ハウジング11から後方へ操作ハンドル16を延ばし、芝草を刈る歩行型自走式作業機である。
【0033】
図2は本発明に係る芝刈機の左側面図であり、動力源としてのエンジン15から下方へ出力軸15aを延ばし、このようなエンジン15の下に下開放のハウジング11を設け、このハウジング11内に収納された刈刃14を出力軸15aに取付け、ハウジング11から後上方へ略矩形状断面の刈芝搬出通路21を延ばし、この刈芝搬出通路21の出口に収納体取付部22を設け、この収納体取付部22にグラスバッグ等の刈芝収納体23を(すなわち、出口に刈芝収納体23を)取外し可能に取付けることで、刈刃14にて刈った芝草(以下、「刈芝」という。)を刈芝搬出通路21を介して刈芝収納体23に収納するようにしたことを示す。
【0034】
さらにこの図は、ハウジング11の後上部に収納体用カバー31を上下スイング自在に取付け、操作ハンドル16に刈刃クラッチレバー32、走行クラッチレバー33及び走行変速レバー34を備えたことを示す。
【0035】
図3は本発明に係る芝刈機の平面図であり、この芝刈機10は、刈刃14を矢印Raのように図時計回り方向に回転させることで、芝草を刈取るとともに、ハウジング11内に白抜き矢印Rbのような空気の流れ、すなわち旋回流(搬送流)を発生させ、刈芝を刈芝収納体23に送り込むことができる。また、芝刈機10を前方へ自走させることで、芝刈り作業を進めることができる。
【0036】
図4は本発明に係る芝刈機の底面図であり、この芝刈り機10は、刈芝搬出通路21のうちハウジング11に臨む通路開口24にシャッタ40を設けることで、シャッタ40にて通路開口24の開度を調節するようにしたことを特徴とする。すなわち、シャッタ40は刈芝搬出通路21を開放・遮断する部材である。
【0037】
ハウジング11は、バギングモードにおいて、刈芝をハウジング11内で白抜き矢印Rbで示すように、旋回運動させつつ刈芝搬出通路21へ向かわせるための、スクロール部11dを備えた渦巻ケーシング(spiral case、scroll case)、すなわちバギングモード型ハウジングである。
【0038】
詳しくは、ハウジング11は、それぞれ円筒形である外筒部11b及び外筒部11bより小径の内筒部11cを出力軸15aの軸心SCと同心上に配置し、外筒部11bから後方へ外筒部11bの接線方向に刈芝搬出通路21を延ばしたものである。
スクロール部11dは、天板11aと外筒部11bと内筒部11cとによって囲まれた空間であり、刈芝搬出通路21のうちハウジング11に臨む通路開口24に連なる。
【0039】
さらにハウジング11は、旋回流によって、刈芝をハウジング11内で白抜き矢印Rcで示すように十分に旋回運動させることで、マルチングモードの作業を効率良く行えるようにしたものである。
具体的には、スクロール部11dにガイド部70を沿わせ、このガイド部70をハウジング11の天板11aの下側に設け、ガイド部70のガイド方向後縁71を通路開口24に臨ませるようにした(すなわち、対向させた)。
72はガイド部70のガイド方向前部、81はスクロールプレートである。
【0040】
この図からも明らかなように、芝刈機10は、ガイド部70及びスクロールプレート81を、スクロール部11dに沿わせつつ通路開口24の両側に間隔をあけて配置することができる。
スクロール部11d内における、ガイド部70及びスクロールプレート81の高さは、概ね同じである。従って、ハウジング11に刈芝搬出通路21を設けたにもかかわらず、スクロール部11dの断面変化(断面形状や大きさの変化)は比較的小さい。この結果、スクロール部11dで空気や刈芝を円滑に十分に旋回運動させることができる。
【0041】
図5は図4の5−5線断面図であり、スクロール部11dの位置において、ハウジング11から後上方へ刈芝搬出通路21を延ばし、この刈芝搬出通路21の出口に収納体取付部22を設けたことを示す。
詳しくは、刈芝搬出通路21は、ハウジング11の天板11aの途中から後上方へ延ばした天板21aと、ハウジング11の外筒部11bの高さ途中から後上方へ延ばした底板21bと、これら天板21a・底板21b間の左右の側板21c,21c(この図では右の側板21cのみ示す。)とからなる、略矩形状断面の通路である。
【0042】
「刈芝搬出通路21のうちハウジング11に臨む通路開口24」とは、ハウジング11に対する天板21aの基端部分、底板21bの基端部分、左右の側板(左右の縦壁)21c,21cの基端部分で囲まれた、開口のことを言う。
以上のことから明らかなように、刈芝搬出通路21のうち通路開口24の部分においては底板21bが無いので、略矩形状断面ではなく、下開放チャンネル状断面(下開放の略コ字状断面、上下逆向きの略U字状断面)となる。
当然のことながら、通路開口24の下端、すなわち外筒部11bに対する底板21bの基端21dは、ハウジング11の天板11aよりも低位になる。
【0043】
ところで、芝刈機10はマルチングモードにおいては、刈刃14(図4参照)で刈った芝草を、刈刃14によってスクロール部11d内を旋回運動させつつ上昇させ、天板21a付近まで到達した後に落下したところを刈刃14で更に細かく刻んで、ハウジング11の下方へ排出するようにしたものである。
【0044】
当然のことながら、芝刈機10はバギングモ−ドや中間モードにおいても、刈芝を刈刃14によってスクロール部11d内を旋回運動させつつ上昇させることになる。刈芝搬出通路21のうち通路開口24の部分を上述の構造にしたので、シャッタ40を開けてバギングモードや中間モードにしたときに、旋回運動中の刈芝が矢印のように通路開口24から刈芝搬出通路21へ入り易い。
21eは、天板11aに対する天板21aの基端部である。
【0045】
さらにこの図は、スクロール部11dにおいて、天板11aから下方へ一定の隙間をあけてガイド部70を設け、ガイド部70のガイド方向後縁71の高さを、通路開口24の下端より寸法H1だけ高位に設定したことを示す。
【0046】
刈芝を刈芝搬出通路21へ向かわせるためのガイド部70のガイド方向後縁71の高さを、通路開口24の下端より高位に設定したので、中間モードにおいて、ガイド部70に沿って旋回運動する刈芝を刈芝搬出通路21に容易に取り込むことができる。この結果、必要な量の刈芝を刈芝搬出通路21を介して刈芝収納体23(図1参照)に確実に収納することができる。従って、中間モードにおける、刈芝収納体23に収納する刈芝量とハウジング11の下方に排出する刈芝量との比率を比較的正確に設定することができる。中間モードでの作業性をより高めることができる。
【0047】
ここで、ハウジング11の構成について図4及び図5を参照しつつ、まとめて説明する。
ハウジング11は、後上方へ延びた刈芝搬出通路21の通路開口24に、渦巻き状のスクロール部11dを連ねるようにしたものである。このため、天板11aは、スクロール部11dの渦巻き方向(図4において白抜き矢印Rc方向)へ進むにつれて高位になるように形成、すなわち図4において紙面裏側へ深くなるように形成されたものである。
【0048】
言い換えると、図4に示すようにスクロール部11dにおける天板11aの高さは、スクロールプレート81を設けた部分が最も低位であり、白抜き矢印Rc方向へ進むにつれて高位になり、通路開口24に連なる部分がもっとも高位である。
【0049】
この実施例においては、スクロール部11dのうち、スクロールプレート81を設けた部分を「スクロール部が無い部分」と言い、スクロールプレート81を設けていない残りの部分を「スクロール部が有る部分」と言うことにする。
【0050】
この実施例は、刈芝をバギングモード型ハウジング11内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路21へ向かわせるためのスクロール部11dに、ガイド部70を沿わせ、このガイド部70を、ハウジング11の天板11aの下側に設け、さらに、ガイド部70のガイド方向後縁71を通路開口24に対向させるようにしたので、ハウジング11内で刈芝を旋回させる空気の流れ、すなわち旋回流の流れ方向Rc(白抜き矢印Rc方向)を、ガイド部70にて通路開口24へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。
【0051】
しかも、スクロール部11dに沿わせたガイド部70を、バギングモード型ハウジング11の天板11aの下側に設けたので、スクロール部11dが有る部分と無い部分とで、ハウジング11内の断面積を緩やかに変えることができる。断面積の変化が緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部11dが有る部分と無い部分とで、緩やかに変化する。
【0052】
このため、刈芝搬出通路21を遮断したマルチングモードにおいては、ガイド部70で案内された旋回流は、ハウジング11内で円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング11内に刈芝が堆積し難い。刈芝が堆積しないので、芝刈作業を連続して行うことができる。この結果、マルチングモードでの作業効率を高めることができる。しかも、刈芝をハウジング11から下方へ均一に排出することができる。このため、ハウジング11から芝地に戻る刈芝の戻り量が均一になるので、芝刈仕上がり性が高まる。
【0053】
一方、刈芝搬出通路21を開放したバギングモードにおいては、ガイド部70で案内された旋回流(搬送流)は、通路開口24から刈芝搬出通路21へ流れて、刈芝収納体23へ刈芝を搬出する。バギングモードでの作業効率を確保することができる。
このようにバギングモードでの作業効率を確保しつつ、マルチングモードでの作業効率を高めるとともに芝刈仕上がり性を高めることができる。
【0054】
図6は図4の6−6線断面図であり、ハウジング11にガイド部70を複数のボルト75・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)にて取付けたことを示す。
【0055】
図7(a),(b)はガイド部のガイド方向後縁周りの構成図であって、(a)は平板状のガイド部70のガイド方向後縁71を下方から見た斜視図であり、(b)はハウジング11に対するガイド方向後縁71の関係を側方から見た断面図である。(a)は、平板状のガイド部70のガイド方向後縁71が、凹部71a・・・と凸部71b・・・とを板幅方向に交互に配列した波形状であることを示す。
【0056】
一般に、刈刃14(図4参照)を回転させると、ガイド部70の下方にはガイド部70に沿った空気の流れが生じる。この流れはガイド方向後縁71の部分で渦流になり易い。渦流が過大であると、刈芝は渦流に巻き込まれ易くなる。この結果、バギングモードや中間モードにおいて、通路開口24(図4参照)へ刈芝が流れにくくなる。
【0057】
これに対して本発明は、ガイド部70のガイド方向後縁71を波形状にしたので、波形における、凹部71a・・・の空気の流れW1と凸部71b・・・の空気の流れW2とが干渉し合うことで、渦流の発生を抑制し、通路開口24へ流れる空気の流れを整えることができる。この結果、バギングモードや中間モードにおいて、通路開口24へ刈芝が流れ易くなる。従って、刈芝を刈芝搬出通路21(図4参照)を介して刈芝収納体23(図1参照)に円滑に流して、より一層確実に収納することができる。
【0058】
図8は図3の8−8線断面図であり、シャッタ40は、刈芝搬出通路21のうち左右一方の側板21c、すなわち左右一方の縦壁21cに隣接し通路開口24の近傍に設けた上下に延びる回転軸44と、この回転軸44にスイング基端を取付けてスイング作動により通路開口24を開閉する縦板状の縦遮蔽部45と、この縦遮蔽部45の下端から収納体取付部22(図5参照)側へ延びて通路開口24の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部46と、回転軸44に連結した開度操作レバー53(操作レバー53)とからなる。シャッタ40を開度操作レバー53にてスイングさせることができる。
【0059】
詳しくは、シャッタ40は、刈芝搬出通路21の左の側板21cの下部に支承ブラケット41にて下部軸受42を取付け、刈芝搬出通路21の天板21aに上部軸受43を取付け、これら下部・上部軸受42,43で回転軸44を回転可能に支承し、この回転軸44に縦遮蔽部45並びに横遮蔽部46を取付けたものである。
【0060】
この図からも明らかなように、刈芝搬出通路21及びシャッタ40は刈刃14よりも上位にある。従って、刈刃14が回転しても刈芝搬出通路21及びシャッタ40に干渉する心配はない。
【0061】
回転軸44は、先端に開度操作レバー53を上下スイング可能に且つ左右スイングを規制して取付けるとともに、開度操作レバー53を実線にて示す中立側(位置決め溝56b)に、ねじりばね等のリターンスプリング54で弾発させたものである。縦遮蔽部45並びに横遮蔽部46は、板材を側面視略L字状に折曲げ成形することで、一体に形成したシャッタ部材47を成す。開度操作レバー53にて回転軸44を回転させることで、シャッタ部材47はこの図の表裏方向にスイング作動することができる。
【0062】
図9は本発明に係るハウジング並びに開度操作レバー周りの斜視図であり、ハウジング11の後部上面に操作ガイド部56を設け、この操作ガイド部56によって開度操作レバー53の操作を案内するようにしたことを示す。
操作ガイド部56は、開度操作レバー53を挿通する横長のガイド用長孔56a及びガイド用長孔56aに沿って配列した縦長の複数の位置決め溝56b・・・を有する。位置決め溝56b・・・はガイド用長孔56aから下方へ延びる。55はグリップである。
【0063】
図10は本発明に係るハウジング、刈刃、刈芝搬出通路の通路開口及びシャッタの関係を示す平面断面図であり、刈芝搬出通路21に設けたシャッタ部材47によって、通路開口24を開閉可能にしたことを示す。
この図から明らかなように、刈芝搬出通路21のうち、右の側板21cの基端は外筒部11bの接線上にあり、左の側板21cの基端は内筒部11cの接線上にある。
【0064】
上述のように、刈芝搬出通路21の通路開口24は、ハウジング11に対する天板21a(図5参照)の基端21e、底板21bの基端部分、左右の側板21c,21cの基端部分で囲まれた、平面視略三日月状の開口部分である。この開口部分に、図10に示すように回転軸44及び縦遮蔽部45を配置した。このようにすることで、縦遮蔽部45を全開にするバギングモードや、縦遮蔽部45を半開にする中間モードのときに、刈芝の流れをより円滑にすることができる。
【0065】
しかし、縦遮蔽部45を全閉にしたマルチングモードのときに、刈芝搬出通路21は通路開口24を介してスクロール部11dと連通した状態になる。これでは縦遮蔽部45を閉じた効果が半減してしまう。これを防ぐために、縦遮蔽部45の下端から収納体取付部22側へ延びて通路開口24の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部46を設けた。この結果、縦遮蔽部45を全閉にしたときに、スクロール部11dに対して刈芝搬出通路21を遮断する遮断効果を高めることができる。
このようにして、1つのハウジング11を用いてバギングモード、マルチングモード及び中間モードの各作業を、より効率良く行うことができる。
【0066】
操作ガイド部56は、シャッタ40の開度を操作するときの開度操作レバー53の案内となる部材であり、例えば5個の位置決め溝56b・・・を有する。ガイド用長孔56aの一端側に臨む位置決め溝56bの位置が全閉位置を規定し、ガイド用長孔56aの他端側に臨む位置決め溝56bの位置が全開位置を規定する。位置決め溝56b・・・の間隔は、例えばシャッタ40の開度が25%ずつになる間隔に設定すればよい。
【0067】
次に、上記構成の芝刈機10の作用を図10〜図15に基づき説明する。
図10は、開度操作レバー53を全閉位置にセットすることで、シャッタ部材47を全閉位置(開度0%)に操作したことを示す。通路開口24をシャッタ部材47にて閉じることで、芝刈機10をマルチングモードで用いる形式に設定することができる。通路開口24の一部は横遮蔽部46によって塞がれる。
【0068】
この場合には、刈芝は通路開口24の下方でハウジング11内、すなわちスクロール部11d内を矢印方向に旋回運動する。この結果、ハウジング11の中で刈刃14によって刈芝を更に細かく刻んで、ハウジング11の下方に排出することができる。
この状態から、シャッタ部材47を図時計回りにスイングさせて、開くことができる。
【0069】
図11は本発明に係る芝刈機の作用図(その1)であり、上記図10に対応させて表したものである。この図は、開度操作レバー53を半開位置にセットすることで、シャッタ部材47を半開位置(開度50%)に操作したことを示す。通路開口24をシャッタ部材47にて任意の開度だけ開けることで、芝刈機10を中間モード(バギングモードとマルチングモードの中間モード)で用いる形式に設定し、刈刃14で刈った芝草の一部を地面に戻しつつ、残りを刈芝収納体23(図1参照)に収納することができる。この場合にも、通路開口24の一部は横遮蔽部46によって塞がれる。
【0070】
図12は本発明に係る芝刈機の作用図(その2)であり、上記図10に対応させて表したものである。この図は、開度操作レバー53を全開位置にセットすることで、シャッタ部材47を全開位置(開度100%)に操作したことを示す。シャッタ部材47を全開位置にセットすると、縦遮蔽部45は左の側板21cの内面に隣接した状態になる。通路開口24を全開にすることで、芝刈機10をバギングモードで用いる形式に設定し、刈刃14で刈った芝草を刈芝収納体23(図1参照)に収納することができる。
【0071】
このように、下開放のハウジング11から後方へ延ばした刈芝搬出通路21のうち、ハウジング11に臨む通路開口24にシャッタ40を設け、このシャッタ40を、刈芝搬出通路21のうち左右一方の縦壁21cに隣接し通路開口24の近傍に設けた上下に延びる回転軸44と、この回転軸44にスイング基端を取付けてスイング作動により通路開口24を開閉する縦板状の縦遮蔽部45と、この縦遮蔽部45の下端から収納体取付部22側へ延びて通路開口24の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部46と、回転軸44に連結した開度操作レバー53とによって構成したので、シャッタ40にて通路開口24の開度を任意に調節することができる。
【0072】
従って、簡単な構成のシャッタ40の開度操作だけで、シャッタ40を全開にし刈芝を刈芝収納体23(図1参照)に収納するバギングモード、シャッタ40を全閉にし刈芝をハウジング11の下方に排出するマルチングモード、シャッタ40を任意の開度に設定しバギングモードとマルチングモードの中間モードとに、適宜切換えることができる。しかも、各モードに切換えるたびに部品を交換する必要はない。
【0073】
さらには、シャッタ40を任意の開度に操作することで、芝地の状態、仕上がり条件や好みに応じて、刈芝の排出形態を、きめ細かく自由に設定することができる。さらにまた、中間モードに切換えることで、ハウジング11から刈芝収納体23へ排出する刈芝の排出流量を減少させることができる。この結果、刈芝収納体23への刈芝の溜まる時間が延びるので、刈芝収納体23の交換頻度を低減することができる。
【0074】
さらにまた、バギングモードの作業を効率良く行うために、刈芝をハウジング11内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路21へ向かわせるためのスクロール部11dを、ハウジング11に備えた。さらに、マルチングモードの作業をも効率良く行うために、スクロール部11dにガイド部70を沿わせ、このガイド部70をハウジング11の天板11aの下側に設け、ガイド部70のガイド方向後縁71を通路開口24に臨ませた。
【0075】
従って、図12に示すようにシャッタ40を開けたときには、スクロール部11d並びにガイド部70(図5参照)によって、刈芝を旋回運動させつつ通路開口24へ円滑に案内することができる。
図10に示すようにシャッタ40を閉じたときには、スクロール部11dを旋回運動中の刈芝が、閉じた状態のシャッタ40に沿って円滑に流れるように、ガイド板70(図5参照)によって案内することができる。中間モードにおいても同様である。
このように、1つのハウジング11を用いてバギングモード、マルチングモード及び中間モードの各作業を、より効率良く行うことができる。
【0076】
ところで、上述のようにハウジング11は、軸心SC(図4参照)を中心とした円筒形の外筒部11b及び内筒部11cを備え、外筒部11bの接線方向に刈芝搬出通路21を延ばし、ハウジング11に臨む通路開口24にシャッタ40を設けたものである。外筒部11bから刈芝搬出通路21が延びる方向は、刈刃14の回転方向Raに合致する。言い換えると、刈芝搬出通路21は刈刃14の回転軌跡の接線方向に延びる。通路開口24は、刈刃14の回転方向Raに開いている。
【0077】
刈芝搬出通路21のうち、外側の側板21cは外筒部11bの接線方向に延び、内側の側板21cは内筒部11cの接線方向に延びる。内側の側板21cの近傍にシャッタ40の回転軸44を配置した。このため、シャッタ部材47のスイング先端は、外側の側板21c側になる。シャッタ部材47は刈刃14の回転方向Raに開く。当然のことながら、シャッタ部材47の縦遮蔽部45を、ある角度だけ開けたとき、縦遮蔽部45のスイング先端側の変位量はスイング基端側の変位量よりも大きい。このため、縦遮蔽部45をある角度だけ開けるときには、縦遮蔽部45のうち大きく変位する外周部分によって、通路開口24を比較的大きく開けることができる。
さらには、刈刃14の回転によって刈芝がハウジング11内を旋回運動するときの旋回速度は、軸心SCから遠いほど高速である。
【0078】
以上のことから明らかなように、中間モードにおいて、外筒部11bの接線方向に延びた刈芝搬出通路21の通路開口24を、縦遮蔽部45である開度(0%より大きく100%より小さい開度)だけ開けたときに、ハウジング11の外周側を高速で旋回運動する刈芝は、通路開口24から刈芝搬出通路21へ流れ易い。このため、中間モードにおいて、刈芝の収納性をより高めることができる。
【0079】
図13は本発明に係る芝刈機の作用図(その3)であり、上記図3に対応させて表したものである。この図は、シャッタ40が全閉位置にあるときの芝刈機10を収納体取付部22側から見たものである。
【0080】
図14は本発明に係る芝刈機の作用図(その4)であり、上記図13に対応させて表したものである。この図は、シャッタ40が半開位置にあるときの芝刈機10を収納体取付部22側から見たものである。
【0081】
図15は本発明に係る芝刈機の作用図(その5)であり、上記図13に対応させて表したものである。この図は、シャッタ40が全開位置にあるときの芝刈機10を収納体取付部22側から見たものである。
【0082】
次に、上記芝刈機10の変形例について、図16〜図22に基づき説明する。なお、上記図1〜図15に示す実施例と同じ構成については上記実施例と同一符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
図16は本発明に係る芝刈機(変形例)の左側面図であり、図17は本発明に係る芝刈機(変形例)の平面図である。
変形例の芝刈機100は、刈芝搬出通路21の出口に開閉可能なリッド101を設けたこと、刈芝搬出通路21を開放・遮断する部材が、刈芝搬出通路21に出し入れする栓部材(プラグ)180であること、及び、スクロール部11dにガイド部170を設けたことを特徴とする。
【0084】
図18は本発明に係る芝刈機(変形例)の底面図である。上記図17を参照しつつ説明すると、変形例の芝刈機100は、バギングモードの作業を効率良く行うために、刈芝をハウジング11内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路21へ向かわせるためのスクロール部11dを、ハウジング11に備えるとともに、マルチングモードの作業をも効率良く行うために、スクロール部11dにガイド部170を沿わせ、このガイド部170をハウジング11の天板11aの下側に設け、ガイド部170のガイド方向後縁171を通路開口24に対向させた(すなわち、臨ませた)ものである。以下、これらの構成を詳細に説明する。
【0085】
栓部材180は、ハウジング11内に、ガイド部170のガイド方向後縁171へ向かって延びる。より具体的には、刈芝搬出通路21の出口側(図の右側)から入れた栓部材180を、通路開口24よりもスクロール部11d内へ突き出し、その先端181をガイド方向後縁171に対向させるべく、スクロール部11dに沿わせて湾曲させつつ、ガイド方向後縁171の近傍まで延した。
【0086】
図19は図18の19−19線断面図であり、スクロール部11dの位置において、ハウジング11から後上方へ刈芝搬出通路21を延ばし、この刈芝搬出通路21の出口に収納体取付部22を設けたことを示す。
【0087】
さらにこの図は、スクロール部11dにおいて、天板11aから下方へ一定の隙間をあけてガイド部170を設け、ガイド部170のガイド方向後縁71を通路開口24の下端、すなわち底板21bの基端21dに概ね指向させたことを示す。Liはガイド方向後縁71が通路開口24の下端を指向する指向線である。栓部材180は、下端182をガイド方向後縁71とほぼ同一高さ、すなわち、指向線Li上に設定したことを特徴とする。
【0088】
なお、リッド101は、想像線にて示す刈芝収納体23を外し、栓部材180を刈芝搬出通路21に納入してセットした後に閉じるものである。刈芝搬出通路21の出口を閉じることで、栓部材180の抜け防止をすることができる。
【0089】
ここで、ハウジング11及びスクロール部11dの構成について、図18及び図19を参照しつつ説明する。
変形例のスクロール部11dは、天板11aと、外筒部11bと、内筒部11cの径外方に形成された渦巻き状の内壁11eと、によって囲まれた空間であり、刈芝搬出通路21のうちハウジング11に臨む通路開口24に連なる。
【0090】
ハウジング11は、後上方へ延びた刈芝搬出通路21の通路開口24に、渦巻き状のスクロール部11dを連ねるようにしたものである。このため、天板11aは、スクロール部11dの渦巻き方向(図18において白抜き矢印Rc方向)へ進むにつれて高位になるように形成、すなわち図18において紙面裏側へ深くなるように形成されたものである。
【0091】
言い換えると、図18に示すようにスクロール部11dにおける天板11aの高さは、スクロール基端部11fが最も低位であり、白抜き矢印Rc方向へ進むにつれて高位になり、通路開口24に連なる部分がもっとも高位である。
この変形例においては、スクロール基端部11fから白抜き矢印Rc方向へ進んで通路開口24に連なる部分までを「スクロール部が有る部分」と言う。通路開口24に連なる部分から白抜き矢印Rc方向へ進んでスクロール基端部11fへ至るまでの部分は、「スクロール部11dが無い部分11g」である。
【0092】
図20は図19の20−20線断面図であり、ハウジング11にガイド部170を複数のボルト175・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)にて取付けたことを示す。
【0093】
図21は本発明に係る栓部材の斜視図である。この栓部材180は、底板183と、底板183の一方の側端から上方へ延びた側板184と、底板183の中央部から上方へ延びた摘み部185と、を一体に形成したものである。
【0094】
次に、上記構成の変形例の作用について図18、図19及び図22に基づき説明する。
図22は本発明に係る芝刈機(変形例)の作用図であり、上記図19に対応させて表した図である。
【0095】
図18及び図19に示すように、変形例の芝刈機100は、刈芝をバギングモード型ハウジング11内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路21へ向かわせるためのスクロール部11dに、ガイド部170を沿わせ、このガイド部170を、ハウジング11の天板11aの下側に設け、さらに、ガイド部170のガイド方向後縁171を通路開口24に対向させるようにしたので、ハウジング11内で刈芝を旋回させる空気の流れ、すなわち旋回流の流れ方向Rc(矢印Rc方向)を、ガイド部170にて通路開口24へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。
【0096】
しかも、スクロール部11dに沿わせたガイド部170を、バギングモード型ハウジング11の天板11aの下側に設けたので、スクロール部11dが有る部分と無い部分11gとで、ハウジング11内の断面積を緩やかに変えることができる。断面積の変化が緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部11dが有る部分と無い部分11gとで、緩やかに変化する。
【0097】
このため、刈芝搬出通路21を遮断したマルチングモードにおいては、ガイド部170で案内された旋回流は、ハウジング11内で円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング11内に刈芝が堆積し難い。刈芝が堆積しないので、芝刈作業を連続して行うことができる。この結果、マルチングモードでの作業効率を高めることができる。しかも、刈芝をハウジング11から下方へ均一に排出することができる。このため、ハウジング11から芝地に戻る刈芝の戻り量が均一になるので、芝刈仕上がり性が高まる。
【0098】
一方、図22に示すように、刈芝搬出通路21を開放したバギングモードにおいては、ガイド部170で案内された旋回流(搬送流)は、通路開口24から刈芝搬出通路21へ流れて、刈芝収納体23へ刈芝を搬出する。バギングモードでの作業効率を確保することができる。
このようにバギングモードでの作業効率を確保しつつ、マルチングモードでの作業効率を高めるとともに芝刈仕上がり性を高めることができる。
【0099】
さらには、図18及び図19に示すように、ガイド部170のガイド方向後縁171を通路開口24の下端、すなわち底板21bの基端21dに概ね指向させたので、旋回流の流れ方向Rcを、ガイド部170にて通路開口24の下へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。このため、スクロール部11dが有る部分と無い部分11gとで、ハウジング11内の断面積を、より緩やかに変えることができる。断面積の変化がより緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部11dが有る部分と無い部分11gとで、より緩やかに変化する。
【0100】
この結果、マルチングモードにおいては、ガイド部170で案内された旋回流は、ハウジング11内でより円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング11内への刈芝の局部的な堆積を、より防止することができる。このため、より連続した芝刈作業を行うことができるので、マルチングモードでの作業効率を、より高めることができるとともに、ハウジング11から芝地に戻る刈芝の戻り量を均一性を高めて芝刈仕上がり性をより高めることができる。
【0101】
さらにまた、刈芝搬出通路21を開放・遮断する部材を、刈芝搬出通路21に出し入れする栓部材180にて構成し、この栓部材180を、ハウジング11内にガイド部170のガイド方向後縁171へ向かって延ばしたことにより、刈芝搬出通路21に対して栓部材180を出し入れするだけで、バギングモード型ハウジング11をバギングモードとマルチングモードとに切換えることができる。このようなモード切換え作業は簡単であり、短時間で切換えることができる。
【0102】
さらには、ガイド部170のガイド方向後縁171へ向かって延した栓部材180の下端182を、ガイド方向後縁171とほぼ同一高さに設定したので、刈芝搬出通路21を栓部材180で遮断したマルチングモードにおいて、ガイド部170で案内された旋回流は栓部材180の下を通る。このようにして、ガイド部170で案内された旋回流を、栓部材180の下端182によって、スクロール部11dが無い部分11gまで緩やかに変化させつつ、更に案内することができる。
【0103】
このため、スクロール部11dが有る部分と無い部分11gとで、ハウジング11内の断面積を、より一層緩やかに変えることができる。断面積の変化がより緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部11dが有る部分と無い部分11gとで、より一層緩やかに変化する。この結果、マルチングモードにおいては、ガイド部170で案内された旋回流は、ハウジング11内でより一層円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング11内への刈芝の局部的な堆積を、より一層防止することができる。
【0104】
なお、上記本発明の実施の形態において、動力源はエンジン11に限定されるものではなく、例えば電動モータであってもよい。
刈芝収納体23は、グラスバッグに限定されるものではなく、例えばボックスであってもよい。
縦遮蔽部45並びに横遮蔽部46は通路開口24の開度を調節できる構成であればよく、その形状、寸法、材質は任意である。
シャッタ部材47は、結果的に回転軸44に縦遮蔽部45のスイング基端を取付けるものであればよく、例えば、回転軸44に縦遮蔽部45のスイング基端のみ取付ける、又は、回転軸44に横遮蔽部46のスイング基端のみ取付ける構成を包含する。
ガイド部70,170の形状、寸法、材質は任意である。
ガイド方向後縁71は波形状であればよく、凹部71aと凸部71bの形状や寸法は任意である。
【0105】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、刈芝をバギングモード型ハウジング内で旋回運動させつつ刈芝搬出通路へ向かわせるためのスクロール部に、ガイド部を沿わせ、このガイド部を、ハウジングの天板の下側に設け、さらにガイド部のガイド方向後縁を、刈芝搬出通路のうちハウジングに臨む通路開口に対向させるようにしたので、ハウジング内で刈芝を旋回させる空気の流れ、すなわち旋回流の流れ方向を、ガイド部にて通路開口へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。
しかも、スクロール部に沿わせたガイド部を、バギングモード型ハウジングの天板の下側に設けたので、スクロール部が有る部分と無い部分とで、ハウジング内の断面積を緩やかに変えることができる。断面積の変化が緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、緩やかに変化する。
【0106】
このため、刈芝搬出通路を遮断したマルチングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流は、ハウジング内で円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング内に刈芝が堆積し難い。刈芝が堆積しないので、芝刈作業を連続して行うことができる。この結果、マルチングモードでの作業効率を高めることができる。しかも、刈芝をハウジングから下方へ均一に排出することができる。このため、ハウジングから芝地に戻る刈芝の戻り量が均一になるので、芝刈仕上がり性が高まる。
【0107】
一方、刈芝搬出通路を開放したバギングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流(搬送流)は、通路開口から刈芝搬出通路へ流れて、刈芝収納体へ刈芝を搬出する。バギングモードでの作業効率を確保することができる。
このように請求項1によれば、バギングモードでの作業効率を確保しつつ、マルチングモードでの作業効率を高めるとともに芝刈仕上がり性を高めることができる。
【0108】
請求項2は、ガイド部のガイド方向後縁を、通路開口のうち下端に概ね指向させたので、旋回流の流れ方向を、ガイド部にて通路開口の下へ向かって緩やかに変化させつつ案内することができる。このため、スクロール部が有る部分と無い部分とで、ハウジング内の断面積を、より緩やかに変えることができる。断面積の変化がより緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、より緩やかに変化する。この結果、マルチングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流は、ハウジング内でより円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング内への刈芝の局部的な堆積を、より防止することができる。このため、より連続した芝刈作業を行うことができるので、マルチングモードでの作業効率を、より高めることができるとともに、ハウジングから芝地に戻る刈芝の戻り量を均一性を高めて芝刈仕上がり性をより高めることができる。
【0109】
請求項3は、刈芝搬出通路を開放・遮断する部材を、刈芝搬出通路に出し入れする栓部材(プラグ)にて構成し、この栓部材を、ハウジング内にガイド部のガイド方向後縁へ向かって延ばしたことにより、刈芝搬出通路に対して栓部材を出し入れするだけで、バギングモード型ハウジングをバギングモードとマルチングモードとに切換えることができる。このようなモード切換え作業は簡単であり、短時間で切換えることができる。
【0110】
さらに請求項3によれば、ガイド部のガイド方向後縁へ向かって延した栓部材の下端を、ガイド方向後縁とほぼ同一高さに設定したので、刈芝搬出通路を栓部材で遮断したマルチングモードにおいて、ガイド部で案内された旋回流は栓部材の下を通る。このようにして、ガイド部で案内された旋回流を、栓部材の下端によって、スクロール部が無い部分まで緩やかに変化させつつ、更に案内することができる。このため、スクロール部が有る部分と無い部分とで、ハウジング内の断面積を、より一層緩やかに変えることができる。断面積の変化がより緩やかなので、旋回流の流速はスクロール部が有る部分と無い部分とで、より一層緩やかに変化する。この結果、マルチングモードにおいては、ガイド部で案内された旋回流は、ハウジング内でより一層円滑な旋回運動を続ける。このようなことから、ハウジング内への刈芝の局部的な堆積を、より一層防止することができる。
【0111】
請求項4は、刈芝搬出通路を開放・遮断する部材を、刈芝搬出通路の通路開口に設けたシャッタにて構成し、このシャッタを、刈芝搬出通路の左右一方の縦壁に隣接し通路開口の近傍に設けた上下に延びる回転軸と、この回転軸にスイング基端を取付けてスイング作動により通路開口を開閉する縦板状の縦遮蔽部と、この縦遮蔽部の下端から収納体取付部側へ延びて通路開口の下部を塞ぐ横板状の横遮蔽部と、回転軸に連結した操作レバーにより構成したので、シャッタにて通路開口の開度を任意に調節することができる。
【0112】
従って、簡単なシャッタ開度操作だけで、シャッタを全開にし刈芝を刈芝収納体に収納するバギングモード、シャッタを全閉にし刈芝をハウジングの下方に排出するマルチングモード、シャッタを任意の開度に設定しバギングモードとマルチングモードの中間モードとに、適宜切換えることができる。しかも、各モードに切換えるたびに部品を交換する必要はない。
さらには、シャッタを任意の開度に操作することで、芝地の状態、仕上がり条件や好みに応じて、刈芝の排出形態を、きめ細かく自由に設定することができる。
【0113】
請求項5は、刈芝を刈芝搬出通路へ向かわせるためのガイド部のガイド方向後縁の高さを、通路開口の下端より高位に設定したので、中間モードにおいて、ガイド部に沿って旋回運動する刈芝を刈芝搬出通路に容易に取り込むことができる。この結果、必要な量の刈芝を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に確実に収納することができる。従って、中間モードにおける、刈芝収納体に収納する刈芝量とハウジングの下方に排出する刈芝量との比率を比較的正確に設定することができる。中間モードでの作業性をより高めることができる。
【0114】
さらに請求項5は、ガイド部のガイド方向後縁を波形状にしたので、波形における、凹部の空気の流れと凸部の空気の流れとが干渉し合うことで、渦流の発生を抑制し、通路開口へ流れる空気の流れを整えることができる。この結果、バギングモードや中間モードにおいて、通路開口へ刈芝が流れ易くなる。従って、刈芝を刈芝搬出通路を介して刈芝収納体に円滑に流して、より一層確実に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る芝刈機の斜視図
【図2】本発明に係る芝刈機の左側面図
【図3】本発明に係る芝刈機の平面図
【図4】本発明に係る芝刈機の底面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】ガイド部のガイド方向後縁周りの構成図
【図8】図3の8−8線断面図
【図9】本発明に係るハウジング並びに開度操作レバー周りの斜視図
【図10】ガイド部本発明に係るハウジング、刈刃、刈芝搬出通路の通路開口及びシャッタの関係を示す平面断面図
【図11】本発明に係る芝刈機の作用図(その1)
【図12】本発明に係る芝刈機の作用図(その2)
【図13】本発明に係る芝刈機の作用図(その3)
【図14】本発明に係る芝刈機の作用図(その4)
【図15】本発明に係る芝刈機の作用図(その5)
【図16】本発明に係る芝刈機(変形例)の左側面図
【図17】本発明に係る芝刈機(変形例)の平面図
【図18】本発明に係る芝刈機(変形例)の底面図
【図19】図18の19−19線断面図
【図20】図19の20−20線断面図
【図21】本発明に係る栓部材の斜視図
【図22】本発明に係る芝刈機(変形例)の作用図
【符号の説明】
10,100…芝刈機、11…ハウジング、11a…ハウジングの天板、11d…スクロール部、14…刈刃、15…動力源(エンジン)、15a…出力軸、21…刈芝搬出通路、21c…刈芝搬出通路の縦壁(側板)、21d…通路開口の下端(底板の基端)、22…収納体取付部、23…刈芝収納体、24…通路開口、40…シャッタ(開放・遮断する部材)、44…回転軸、45…縦遮蔽部、46…横遮蔽部、47…シャッタ部材、53・・・操作レバー、70,170…ガイド部、71,171…ガイド方向後縁、71a,71b…ガイド方向後縁の凹部及び凸部、180・・・栓部材(開放・遮断する部材)、182…栓部材の下端、Li…指向線、SC…出力軸の軸心。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
【出願日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎

【識別番号】100094020
【弁理士】
【氏名又は名称】田宮 寛祉

【公開番号】 特開2004−127(P2004−127A)
【公開日】 平成16年1月8日(2004.1.8)
【出願番号】 特願2002−325846(P2002−325846)