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【発明の名称】 施肥田植機
【発明者】 【氏名】山崎 仁史
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】仲 弘和
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】渡部 一郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】名本 学
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】越智 一志
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】肥料移送管の傾斜のゆるい上側部分で肥料詰まりが生じると、肥料貯蔵部から肥料移送管へ肥料を繰り出す肥料繰出部の肥料繰出口がすぐに塞がってしまい、後の手入れが困難となるばかりか、場合によっては肥料繰出部内に肥料が溜って肥料繰出部の駆動機構が故障する原因となる。

【解決手段】乗用走行車体の後部に肥料ホッパと肥料繰出部を設けて、肥料ホッパ内から肥料繰出部によって繰り出した肥料をエアチャンバを経由してブロアから吹き込まれるエアにて肥料移送管を通して植付部に設けた施肥ガイドへ移送する構成とすると共に、該肥料移送管をフレキシブルなホースよりなる上流側部分とフレキシブルなホースよりなる下流側部分とを継ぎ管を介して接続した構成とし、該継ぎ管にはエア抜きが設けられた施肥田植機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用走行車体に昇降リンク装置を介して植付部を昇降自在に装着し、植付部の各植付条の側部に施肥する施肥装置を設けた施肥田植機において、乗用走行車体の後部に肥料ホッパと肥料繰出部を設けて、肥料ホッパ内から肥料繰出部によって繰り出した肥料をエアチャンバを経由してブロアから吹き込まれるエアにて肥料移送管を通して植付部に設けた施肥ガイドへ移送する構成とすると共に、該肥料移送管をフレキシブルなホースよりなる上流側部分とフレキシブルなホースよりなる下流側部分とを継ぎ管を介して接続した構成とし、該継ぎ管にはエア抜きが設けられたことを特徴とする施肥田植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用走行車体に昇降リンク装置を介して植付部が昇降自在に装着され、各植付条の側部に施肥する施肥装置が設けられている施肥田植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
走行車体の後部上方に肥料貯蔵部を設け、その肥料貯蔵部から繰り出される肥料を肥料移送管を介してエアによって移送して植付部側に設けた施肥ガイドへ導き、その施肥ガイドより圃場に施肥するように構成された施肥田植機がある。
【特許文献1】特開平5−15219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
肥料移送管の傾斜のゆるい上側位置で肥料詰まりが生じると、肥料貯蔵部から肥料移送管へ肥料を繰り出す肥料繰出部の肥料繰出口がすぐに塞がってしまい、後の手入れが困難となるばかりか、場合によっては肥料繰出部内に肥料が溜って肥料繰出部の駆動機構が故障する原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、乗用走行車体に昇降リンク装置を介して植付部を昇降自在に装着し、植付部の各植付条の側部に施肥する施肥装置を設けた施肥田植機において、乗用走行車体の後部に肥料ホッパと肥料繰出部を設けて、肥料ホッパ内から肥料繰出部によって繰り出した肥料をエアチャンバを経由してブロアから吹き込まれるエアにて肥料移送管を通して植付部に設けた施肥ガイドへ移送する構成とすると共に、該肥料移送管をフレキシブルなホースよりなる上流側部分とフレキシブルなホースよりなる下流側部分とを継ぎ管を介して接続した構成とし、該継ぎ管にはエア抜きが設けられた施肥田植機としたものである。
【0005】
従って、乗用走行車体の後部に設けた肥料ホッパ内に貯留された肥料が肥料繰出部にて繰り出され、エアチャンバを経由してブロアから吹き込まれるエアにて肥料移送管を通して施肥ガイドへ移送され、苗植付条の側部に施肥される。そして、乗用走行車体の後部に肥料ホッパと肥料繰出部を設けて、肥料ホッパ内から肥料繰出部によって繰り出した肥料をエアチャンバを経由してブロアから吹き込まれるエアにて肥料移送管を通して植付部に設けた施肥ガイドへ移送する構成でありながら、肥料移送管をフレキシブルなホースよりなる上流側部分とフレキシブルなホースよりなる下流側部分とを継ぎ管を介して接続した構成としたので、肥料移送管を比較的自由に配索することができる。
【0006】
また、下流側部分で肥料詰まりが生じた場合、エアは継ぎ管に設けたエア抜きから外部に抜けるので、少なくとも下流側部分が完全に詰まってしまうまでは肥料繰出部から繰り出される肥料が下流側へ移送され、下流側部分が完全に詰まってしまうにはかなりの時間を要するので、その間に肥料詰まりは発見され、適切な処置を行うことができる。従って、肥料繰出部の部分に肥料が詰まってしまうという最悪の事態を回避することができる。
【発明の効果】
【0007】
以上に説明した如く、本発明にかかる施肥田植機は、肥料移送管を上記の構成とすることにより、肥料移送管内を肥料がエアによって円滑に移送され、下流側部分で肥料詰まりが生じた場合、エアは継ぎ管に設けたエア抜きから外部に抜けるので、少なくとも下流側部分が完全に詰まってしまうまでは肥料繰出部から繰り出される肥料が下流側へ移送され、肥料繰出部の部分に肥料が詰まってしまうという最悪の事態を回避することができる。
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の実施の形態として、図面に例示されている施肥田植機について説明する。
【0009】
この施肥田植機1は、乗用走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して植付部4が昇降自在に装着されていると共に、各植付条の側部近傍に施肥する施肥装置5が走行車体2と植付部4の両方にわたって設けられている。図中の2aは前輪、2bは後輪、2cは操縦席、2dは操縦ハンドル、2eはエンジン、4aは苗載台、4bは苗植付装置、4cはフロートである。
【0010】
施肥装置5は、走行車体2の後部上側に肥料ホッパ10と肥料繰出部11,…を設け、肥料ホッパ10に貯えられている粒状の肥料を肥料繰出部11,…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を肥料移送管12,…を通してフロート4c,…に取り付けた施肥ガイド13,…へ移送し、その施肥ガイド13,…の前側に設けた作溝体14,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に肥料を落とし込む構成となっている。
【0011】
肥料ホッパ10は各条共通の肥料貯蔵部となっていて、その下端に開口する供給口10a,…より下側の肥料繰出部11,…に肥料を落下供給するようになっている。肥料ホッパ10の上部には、共通の蓋10bが開閉可能に取り付けられている。
【0012】
肥料繰出部11,…には繰出ロール16,…が内蔵されている。繰出ロール16は外周部に肥料保持用の凹部17,…が形成された回転体で、該繰出ロールが取り付けられている繰出軸18を肥料繰出モータ19で回転駆動することにより、繰出ロール16が図2の矢印方向に回転し、肥料ホッパ10内の肥料を凹部17,…が保持して下方へ搬送するようになっている。繰出ロール16の肥料繰出量は、下記の方法で肥料繰出モータ19の回転数を変更することにより調節される。
【0013】
肥料ホッパ10の側面部には、肥料繰出量を設定する繰出量設定ダイヤル21が設けられている。また、肥料ホッパ10の側部内面には、肥料の比重を検出する比重センサ22が設けられている。この比重センサ22に付設の肥料カップ22aに肥料を満杯に入れ、その重量を計測することにより、肥料の比重が求められる。そして、繰出量設定ダイヤル21による設定値と比重センサ22の検出値に基づき、コントローラ23から肥料繰出モータ19に出力指令が出され、モータ回転数が決定されるようになっている。
【0014】
肥料の散布量は体積ではなく重量で表されるので、使用される肥料の比重に応じて肥料繰出モータ19の回転数を補正する必要がある。そのため、肥料の比重を計測する必要があるが、比重センサ22は上記の構成となっており、肥料ホッパ10に肥料を投入する際に必然的に肥料カップ22aの中に肥料が入るため、実際上は繰出量設定ダイヤル21を操作するだけで適正な肥料繰出量を調節することができ、繰出量の調節操作が簡単である。肥料カップ22aは肥料ホッパ10内に設けられているため、それに泥や水が付着することがなく、常に正確に比重を計測することができる。
【0015】
なお、図8に示すように、天びん杆24の一方に肥料カップ25を取り付け、天びん杆24の他方に形成されている指針24aを肥料ホッパ10の外に突出させ、その指針24aが肥料ホッパ10の外側面に設けた目盛り26を指し示す位置によって比重を読み取るようにし、このようにして読み取った肥料の比重を別に設けた入力手段によってコントローラ23に入力する構成としてもよい。
【0016】
肥料繰出部11,…の下端部には、前後に連通する接続管11a,…が一体に形成されており、その接続管11a,…の後端部に肥料移送管12,…が接続され、かつ各条の接続管11a,…の前端部は左右方向に設けたエアチャンバ27の背面部に挿入連結されている。エアチャンバ27内にはブロア28からエアが吹き込まれるようになっていて、そのエアがエアチャンバ27を経由して各条の接続管11a,…及び肥料移送管12,…に送り込まれ、肥料繰出部11,…から繰り出される肥料をエアでもって施肥ガイド13,…まで移送するようになっている。ブロア28は送風用モータ29によって駆動される。エアチャンバ27は走行車体2に固定状態で設けられていて、このエアチャンバ27に肥料ホッパ10と肥料繰出部11,…が支持されている。
【0017】
肥料移送管12は、側面視で後輪2bの外側に沿い、かつ苗載台4aの裏面側を通る曲線状に配されている。よって、側面視で後輪2bの上方に位置する部分は傾斜が緩く、そこから側面視で後輪の後方に位置する部分に移るにしたがって次第に傾斜がきつくなっている。傾斜がゆるい部分(傾斜度が45度程度以下)から傾斜がきつい部分(傾斜度が45度程度以上)へ切り換わる位置を境として、肥料移送管12は上流側部分12aと下流側部分12bに分割されている。両部分12a,12bの内径が異ならせてあり、上流側部分の内径D1 に対して下流側部分の内径D2 は約1.2倍になっている。実施例の場合、上流側部分の内径D1 は25mm、下流側部分の内径D2 は30mmとしている。なお、好ましい内径の数値は肥料繰出量や肥料移送用エアの風量によって若干異なる。肥料移送管12は上流側部分12a及び下流側部分12b共にフレキシブルなホースで作られているので、比較的自由に配索することができる。
【0018】
上流側部分12aの内径D1 に対して下流側部分12bの内径D2 を大きくしているのは、次の理由による。すなわち、上流側部分12aは傾斜が緩いので、内径D1 を小さくすることにより肥料移送用エアの風速を速くして、肥料が確実に移送するようにしているのである。一方、下流側部分12bは傾斜がきついので、さほど肥料移送用エアの風速を速くしなくても肥料が自重で落下する。むしろ、エアの風速を小さくして肥料の移送の勢いを抑えた方が、施肥ガイド13から施肥溝に肥料が散布される際に肥料の拡散が少なく好ましいのである。
【0019】
肥料移送管12の上流側部分12aと下流側部分12bは継ぎ管12cを介して接続されており、この継ぎ管12cにはエア抜き用の弁12dが取り付けられている。この弁12dは、弁自体の重量で閉じるようになっていて、管内の圧力が少しでも高くなると、弁が開きエアが外部に抜ける構成となっている。
【0020】
ところで、肥料移送管12内での肥料詰まりは、肥料移送管12の内壁に肥料が付着することに起因している。したがって、仮に肥料詰まりが生じるとしても、そのほとんどは風速の遅い下流側部分12bで生じる。下流側部分12bで肥料詰まりが生じた場合、エアは弁12dから外部に抜けるので、少なくとも下流側部分12bが完全に詰まってしまうまでは肥料繰出部11から繰り出される肥料が下流側へ移送されるので、接続管11aの部分で肥料で詰まってしまうという最悪の事態は回避される。下流側部分12bが完全に詰まってしまうにはかなりの時間を要するので、その間に肥料詰まりは発見され、適切な処置を行うことができる。
【0021】
また、施肥装置5には、肥料ホッパ10に肥料を補給するための肥料補給シュータ30が設けられている。この肥料補給シュータ30は、肥料袋Sを載置できるスペースを有する台状になっていて、後端部が肥料ホッパ10内に臨むように肥料ホッパ10の前側に設けられている。肥料補給シュータ30の後端上面には山型の鋭利な突起30a,…が形成されており、肥料補給シュータ30の上に肥料袋Sをセットすると、その突起30a,…によって肥料袋Sの後端下部に穴が開けられ、その穴から漏出する肥料が突起30a,…の周囲に形成されている開口部30bより肥料ホッパ10に投入される。
【0022】
肥料補給シュータ30は、その後部が肥料ホッパ10のガードを兼ねるレール31の上レール部31aに摺動自在かつ回動自在に嵌合していると共に、下レール部31bに基部が摺動自在かつ回動自在に取り付けられているエアダンパー32によって底部が支えられている。よって、肥料補給シュータ30は上レール部31aを支点として上下に回動自在であり、その傾斜度は載置されている肥料袋Sの重量に応じて変化するようになっている。すなわち、肥料袋S内に多量の肥料が入っていて重いときは傾斜が緩く、肥料袋S内の肥料が少なくなって軽くなるにしたがって傾斜がきつくなる。このため、肥料袋S内の肥料残量にかかわらず、肥料投入量がほぼ一定である。
【0023】
また、上下レール部31a,31bと平行にケーブル32が配されており、肥料補給シュータ30の下面に固着されているケーブル取付片33,33がそのケーブル32に一体に取り付けられている。ケーブル32を移動用モータ34で左右方向に移動させることにより、肥料補給シュータ30が肥料ホッパ10の左端条の肥料貯蔵部と右端条の肥料貯蔵部の範囲で往復動し、各条の肥料貯蔵部に肥料を均等に補給するようになっている。なお、肥料補給シュータ30にはレーキ35,35が取り付けられており、肥料補給しながら補給された肥料の表面を均すようになっている。
【0024】
移動用モータ34には、該モータを起動する手動式の起動スイッチ36が設けられている。また、エアダンパー32には、移動用モータ34を停止させる停止スイッチ37が設けられている。この停止スイッチ37は肥料補給シュータ30と一体作動するスイッチロッド38により操作されるようになっていて、肥料袋S内の肥料残量が一定量以下になり、肥料補給シュータ30が一定角度以上に上昇すると、移動用モータ34を自動停止させるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】施肥田植機の側面図である。(実施例1)
【図2】肥料ホッパと肥料繰出部の側面断面図である。(実施例1)
【図3】肥料ホッパと肥料繰出部の斜視図である。(実施例1)
【図4】肥料移送管の断面図である。(実施例1)
【図5】肥料繰出量制御装置のブロック図である。(実施例1)
【図6】肥料補給装置の斜視図である。(実施例1)
【図7】肥料補給シュータの斜視図である。(実施例1)
【図8】異なる比重センサを設けた肥料ホッパと肥料繰出部の斜視図ある。(実施例1)
【符号の説明】
【0026】
1 施肥田植機
2 走行車体
3 植付部
5 施肥装置
10 肥料ホッパ
11 肥料繰出部
12 肥料移送管
12a 肥料移送管の上流側部分
12b 肥料移送管の下流側部分
12c 継ぎ管
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年6月25日(2004.6.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−298194(P2004−298194A)
【公開日】 平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願番号】 特願2004−188297(P2004−188297)