| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】布野 隆 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】芝田 哲男 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】田中 周二 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】株間変速機構及び不等速変換機構を備える移植機において、構造を簡略化すると共に、株間に適さない等速・不等速切換えが行われる不都合を回避する。
【解決手段】苗載台13から苗を掻取って圃場に移植する植付機構15と、車速に対する植付機構15の相対的な動作速度を変速する株間変速機構30、35と、植付機構15の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせる不等速変換機構38とを備える田植機であって、前記不等速変換機構38を経由する不等速伝動経路と、不等速変換機構38を経由しない等速伝動経路とを構成すると共に、不等速伝動経路と等速伝動経路との切り換えを、第二株間変速機構35の変速ギヤ36で行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗載台から苗を掻取って圃場に移植する植付機構と、車速に対する前記植付機構の相対的な動作速度を変速する株間変速機構と、前記植付機構の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせる不等速変換機構とを備える移植機において、前記不等速変換機構を経由する不等速伝動経路と、前記不等速変換機構を経由しない等速伝動経路とを構成すると共に、不等速伝動経路と等速伝動経路との切り換えを、前記株間変速機構の変速ギヤで行うことを特徴とする移植機。 【請求項2】 前記株間変速機構及び不等速変換機構を、ミッションケース内に配置したことを特徴とする請求項1記載の移植機。 【請求項3】 前記株間変速機構を、株間変速を行う第一株間変速機構と、株間変速及び等速・不等速切換えを行う第二株間変速機構とで構成すると共に、第一株間変速機構及び第二株間変速機構を、前記不等速変換機構の伝動上手側に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、植付機構の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせる不等速変換機構が設けられた田植機等の移植機の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】 近年、この種の移植機では、植え付けた苗の成育条件(日照、通気等)などを考慮し、植付株間を広げる試みがあるが、植付機構の植付爪軌跡は、標準的な植付株間を基準にして設定されているため、植付株間を広げるべく植付機構の動作速度(車速に対する相対的な動作速度)を遅くすると、機体進行に伴う植付爪の前方移動量が土中で大きくなり、植え付けた苗が引き摺られる惧れがある。 【0003】 そこで、植付機構の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせることにより、植付爪の土中動作速度を速くし、苗の引き摺りを防止することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、特許文献1に示されるものでは、植付機構が常に不等速で動作されるため、標準株間であっても、植付機構の土中動作速度が不要に増速されるという問題がある。 【0004】 一方、特許文献2に示されるものでは、不等速変換機構を経由する不等速伝動経路と、不等速変換機構を経由しない等速伝動経路とを構成し、不等速伝動経路と等速伝動経路との切り換えを可能にしているため、株間を広げたときだけ植付機構を不等速で動作させることが可能になる。 【0005】 【特許文献1】 特開2001−224213号公報(第5−6頁、第4図) 【特許文献2】 特許第2643126号公報(第3頁、第11図) 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記特許文献2に示されるものでは、株間変速機構と等速・不等速切換機構とが独立して構成されるため、装置が大型化するだけでなく、部品点数が増加してコストアップをまねく不都合がある。しかも、株間変速機構と等速・不等速切換機構は、別々の操作具で切換操作されるため、操作が煩雑になる許りでなく、株間に適さない等速・不等速切換えが行われる可能性がある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、苗載台から苗を掻取って圃場に移植する植付機構と、車速に対する前記植付機構の相対的な動作速度を変速する株間変速機構と、前記植付機構の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせる不等速変換機構とを備える移植機において、前記不等速変換機構を経由する不等速伝動経路と、前記不等速変換機構を経由しない等速伝動経路とを構成すると共に、不等速伝動経路と等速伝動経路との切り換えを、前記株間変速機構の変速ギヤで行うことを特徴とする。つまり、株間変速機構の変速ギヤを、等速・不等速切換機構に兼用することにより、部品点数を削減してコストダウンが図れるだけでなく、株間変速機構及び不等速変換機構をコンパクトに構成することができる。しかも、株間変速操作に応じて等速・不等速切換えが自動的に行われるため、別々の操作具で切換操作していた従来に比べ、操作を簡略化できるだけでなく、株間に適さない等速・不等速切換えが行われる不都合を回避することができる。 また、前記株間変速機構及び不等速変換機構を、ミッションケース内に配置したことを特徴とする。この場合においては、株間変速機構や不等速変換機構をミッションケースの外部に配置する場合の如く、別途ケースを設ける必要がない。また、この場合には、植付動力伝動経路における高回転部分で円滑な不等速変換を行うことが可能になる。 また、前記株間変速機構を、株間変速を行う第一株間変速機構と、株間変速及び等速・不等速切換えを行う第二株間変速機構とで構成すると共に、第一株間変速機構及び第二株間変速機構を、前記不等速変換機構の伝動上手側に配置したことを特徴とする。この場合においては、第一株間変速機構又は第二株間変速機構の変速操作に伴い、不等速変換機構の増速位置がずれてしまうような不都合を回避することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】 次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1は乗用田植機の走行機体であって、該走行機体1は、機体前部に搭載されるエンジン2と、エンジン動力を入力するミッションケース3と、フロントアクスルケース4を介して取付けられる左右一対の前輪5と、リヤアクスルケース6を介して取付けられる左右一対の後輪7とを備える。エンジン動力は、ベルト式又は油圧式の無段変速機構8を介してミッションケース3に入力される。ミッションケース3は、入力したエンジン動力を変速し、フロントアクスルケース4、リヤアクスルケース6及び植付PTO軸9に伝動する。 【0009】 走行機体1の後部には、昇降リンク機構10を介して植付作業部11が連結されている。植付作業部11は、昇降リンク機構10にローリング自在に連結される作業部フレーム12と、該作業部フレーム12の上方に左右往復動自在に設けられる苗載台13と、上記作業部フレーム12の左右中間部に取付けられる入力ケース(図示せず)と、上記作業部フレーム12に対して左右方向に所定間隔を存して取り付けられ、作業部フレーム12から後方に延出する複数の植付伝動ケース14と、該植付伝動ケース14の後端部に設けられる植付機構15と、上記植付伝動ケース14の下方に上下揺動自在に設けられるフロート16とを備えて構成される。 【0010】 入力ケースは、ミッションケース3の植付PTO軸9から植付動力を入力し、この植付動力を、図示しない植付伝動軸を介して各植付伝動ケース14に伝動する。さらに、植付伝動ケース14に伝動された植付動力は、植付伝動ケース14内のチェン伝動機構(図示せず)を介して植付機構15に伝動される。 【0011】 植付機構15は、前記植付動力で回転する回転ケース17と、その両端部に設けられる一対の植付爪支持ケース18とを備えて構成される。植付爪支持ケース18は、先端部に備える植付爪19が所定の軌跡を描くように、回転ケース17に内装されるギヤ列(図示せず)で姿勢がコントロールされる。つまり、回転ケース17が回転すると、植付爪19が苗載台13の下端部から苗を掻取った後、前方に膨らむ円弧を描きながら土中の植付位置に達し、その後、直線的に上昇するという半月状の静止軌跡(走行停止時の先端運動軌跡)を描くように構成されている。これにより、回転ケース17が一回転する毎に二回の植付けが実行されることになる。 【0012】 植付機構15の植付動作速度は、車速に連動しており、車速に対する相対的な植付動作速度を変速することによって、植付機構15の植付株間が調節される。また、植付機構15の植付爪軌跡は、標準株間を基準に設定されており、植付株間を広げるべく植付作動速度を遅くすると、機体進行に伴う植付爪19の前方移動量が土中で大きくなり、植え付けた苗が引き摺られてしまう。そのため、植付株間を広げる場合には、植付機構15の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせることにより、植付爪19の土中動作速度を速くし、苗の引き摺りを防止する必要がある。以下、そのための構成について説明する。 【0013】 前記ミッションケース3は、入力軸20に入力された動力を、入力軸20に回転自在に支持される筒軸21と、該筒軸21に並列する中間伝動軸22と、該中間伝動軸22に並列する株間変速軸23と、該株間変速軸23に回転自在に支持される筒軸24と、該筒軸24に回転自在に支持される筒軸25とを経由して植付PTO軸9に伝動するように構成されている。 【0014】 入力軸20と筒軸21との間には、主クラッチ機構26が構成されており、その入り切り動作に応じて、走行動力及び植付動力が断続される。主クラッチ機構26の伝動下手側となる筒軸21には、走行動力を取り出すギヤ27と、植付動力を取り出すギヤ28とが一体的に設けられており、植付伝動ギヤ28は、常時噛合するギヤ29を介して、中間伝動軸22に植付動力を伝動している。 【0015】 中間伝動軸22と株間変速軸23の伝動上手側端部との間には、第一株間変速機構30が構成されている。第一株間変速機構30は、中間伝動軸22に一体的に設けられる二枚のギヤ31、32と、株間変速軸23にスプライン嵌合される変速ギヤ33とを備えて構成される。変速ギヤ33は、三つのギヤ部33a、33b、33cを有し、各ギヤ部33a、33b、33cが二枚のギヤ31、32に対して選択的に噛み合うことにより、三段の株間変速を可能にする。 【0016】 株間変速軸23の伝動下手側端部と筒軸24の伝動上手側端部との間には、トルクリミッタ34が構成されている。ここでトルクリミッタ34に伝動される植付動力は等速回転である。これにより、トルクリミッタ34の作動負荷が一定となり、安定したリミット動作が可能になる。 【0017】 筒軸24の伝動下手側端部には、第二株間変速機構35を構成する変速ギヤ36がスプライン嵌合されている。この変速ギヤ36は、中間伝動軸22に回転自在に支持されるギヤ37に噛み合う位置と、側面の噛合歯36aが筒軸25の噛合歯25aに噛み合う位置とに変速操作される。変速ギヤ36の噛合歯36aが筒軸25の噛合歯25aに噛み合う状態では、筒軸24の回転が変速されることなく、筒軸25に伝動される一方、変速ギヤ36がギヤ37に噛み合う状態では、そのギヤ比によって植付動力が変速される。これにより、第二株間変速機構35による二段の変速と、第一株間変速機構30による三段の変速とを組み合せることによって、六段階の株間調整を行うことが可能になる。 【0018】 ギヤ37には、不等速変換機構38を構成する偏心ギヤ39が一体的に設けられている。この偏心ギヤ39は、筒軸25に一体的に設けられる偏心ギヤ40に常時噛合される。つまり、第二株間変速機構35のギヤ36、37同士を噛み合わせた場合には、筒軸24の動力が不等速変換機構38を経由して筒軸25に伝動されることになる。これにより、植付動力の等速・不等切換えができるだけでなく、第二株間変速機構35の変速ギヤ36を利用して等速・不等切換えを行うことが可能になる。しかも、不等速変換機構38の伝動上手側に第一株間変速機構30及び第二株間変速機構35が配置されるので、これらの変速操作に伴って、不等速変換機構38の増速位置がずれてしまうような不都合も回避される。 【0019】 筒軸25は、伝動下手側端部からベベルギヤB1、B2を介して植付PTO軸9に植付動力を伝動する。植付PTO軸9側のベベルギヤB2は、植付PTO軸9に回転自在に設けられ、植付クラッチ機構41を介して、植付PTO軸9に連結される。植付クラッチ機構41は、噛み合い位置が一箇所だけに限られた噛み合いクラッチであり、不等速変換機構38の伝動下手側で植付動力を断続しても、不等速変換機構38の増速位置にズレが生じることがない。 【0020】 また、ミッションケース3は、第一株間変速機構30を変速操作するための第一シフタ軸42と、第二株間変速機構35を変速操作するための第二シフタ軸43とをスライド自在に支持している。第一シフタ軸42の内端部には、変速ギヤ33に係合するシフタフォーク44が設けられる一方、外端部には、第一株間変速レバー45が連繋されている。第一株間変速レバー45の操作位置は、第一デテント機構46によって規定されており、前述した三段の株間変速が可能になる。また、第二シフタ軸43の内端部には、変速ギヤ36に係合するシフタフォーク47が設けられる一方、外端部には、第二株間変速レバー48が連繋されている。第二株間変速レバー48の操作位置は、第二デテント機構49によって規定されており、前述した二段の株間変速が可能になる。そして、第二株間変速機構35においては、前述したように、株間変速と共に等速・不等速変換が行われるため、第二株間変速レバー48が、株間変速操作具と等速・不等速切換操作具に兼用されることになる。 【0021】 上記のように第一株間変速機構30と第二株間変速機構35の組み合せによって調節可能な六段階の株間(K1〜K6)は、K1<K2<K3<K4<K5<K6であるとすると、第一株間変速レバー45及び第二株間変速レバーが下記の位置に操作されたとき現出する。 K1:第一株間変速レバー(小)、第二株間変速レバー(小) K2:第一株間変速レバー(中)、第二株間変速レバー(小) K3:第一株間変速レバー(大)、第二株間変速レバー(小) K4:第一株間変速レバー(小)、第二株間変速レバー(大) K5:第一株間変速レバー(中)、第二株間変速レバー(大) K6:第一株間変速レバー(大)、第二株間変速レバー(大) 従って、株間がK4〜K6のとき、植付動力が不等速となる。 【0022】 叙述の如く構成されたものにおいて、苗載台13から苗を掻取って圃場に移植する植付機構15と、車速に対する植付機構15の相対的な動作速度を変速する株間変速機構30、35と、植付機構15の植付周期を変えることなく、一周期中の植付動作速度に変化を生じさせる不等速変換機構38とを備える田植機であって、前記不等速変換機構38を経由する不等速伝動経路(筒軸24−変速ギヤ36→ギヤ37→不等速変換機構38→筒軸25)と、不等速変換機構38を経由しない等速伝動経路(筒軸24→変速ギヤ36→筒軸25)とを構成すると共に、不等速伝動経路と等速伝動経路との切り換えを、第二株間変速機構35の変速ギヤ36で行うように構成される。これにより、第二株間変速機構35の変速ギヤ36を、等速・不等速切換機構に兼用し、部品点数を削減してコストダウンが図れるだけでなく、第二株間変速機構35及び不等速変換機構38をコンパクトに構成することができる。しかも、株間変速操作に応じて等速・不等速切換えが自動的に行われるため、別々の操作具で切換操作していた従来に比べ、操作を簡略化できるだけでなく、株間に適さない等速・不等速切換えが行われる不都合を回避することができる。 【0023】 また、株間変速機構30、35及び不等速変換機構38を、ミッションケース3内に配置したため、株間変速機構30、35や不等速変換機構38をミッションケース3の外部に配置する場合の如く、別途ケースを設ける必要がない。また、この場合には、植付動力伝動経路における高回転部分で円滑な不等速変換を行うことが可能になる。 【0024】 また、株間変速機構30、35を、株間変速を行う第一株間変速機構30と、株間変速及び等速・不等速切換えを行う第二株間変速機構35とで構成すると共に、第一株間変速機構30及び第二株間変速機構35を、不等速変換機構38の伝動上手側に配置したので、第一株間変速機構30又は第二株間変速機構35の変速操作に伴い、不等速変換機構38の増速位置がずれてしまうような不都合を回避することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】乗用田植機の側面図である。 【図2】同上平面図である。 【図3】エンジン及びミッションケースを示す側面図である。 【図4】ミッションケースの展開図である。 【図5】植付動力伝動系を示す展開図である。 【図6】株間変速機構及び不等速変換機構を示す展開図である。 【図7】第二株間変速機構の操作系を示す展開図である。 【符号の説明】 1 走行機体 2 エンジン 3 ミッションケース 9 植付PTO軸 11 植付作業部 13 苗載台 15 植付機構 30 第一株間変速機構 33 変速ギヤ 34 トルクリミッタ 35 第二株間変速機構 36 変速ギヤ 38 不等速変換機構 39 偏心ギヤ 40 偏心ギヤ 41 植付クラッチ機構 45 第一株間変速レバー 48 第二株間変速レバー
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成14年12月11日(2002.12.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085394 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2004−187576(P2004−187576A) |
| 【公開日】 |
平成16年7月8日(2004.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−359420(P2002−359420) |
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