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【発明の名称】 移植機のフロート構造
【発明者】 【氏名】高見 幸徳
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】福間 英明
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】フロート長を大きくすることなく、施肥と苗の植付を簡単に行なうことができる移植機のフロート構造を提供する。

【解決手段】植付位置の間を整地する前後に長い幅狭の整地部と、その前側部に連設して植付部の前方を整地する植付整地部13を設けるとともに、植付と同時に施肥を行う施肥装置の植付部8の前側に、作溝施肥具12の施肥案内具26を設けたフロート6を備えた移植機において、施肥案内具26を均し接地部14の後辺から前側に向けて凹溝状に切欠形成した取付溝17に入り込ませて後辺よりも前方に設けた移植機のフロート構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植付位置の間を整地する前後に長い幅狭の整地部と、その前側部に連設して植付部前方を整地する植付整地部を設けるとともに、植付と同時に施肥を行う施肥装置の植付部8の前側に作溝施肥具12の施肥案内具26を設けたフロート6を備えた移植機において、前記施肥案内具26を、均し接地部14の後辺から前側に向けて凹溝状に切欠形成した取付溝17に入り込ませて後辺よりも前方に設けた移植機のフロート構造。
【請求項2】
前記均植付整地部13に取付溝17を切欠形成可能とする薄肉な取付部11を設けて構成した請求項1の移植機のフロート構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロートの側方で植付爪によって苗を植付けるとともに施肥を行う移植機のフロート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フロートの接地本体の側方で植付部によって苗を植付けるとともに、作溝具で地表に筋条の溝を凹入形成(以下施肥溝と言う)し、この溝内に肥料を供給施肥する施肥案内具を設けて施肥を行い、施肥溝の側方に苗を植え付ける移植機は既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−327427号公報(第3頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報で示されるような構成の移植機は、施肥位置と苗の植付位置とが接近しており、作業具または施肥具によって側方へ押しのけられた泥土に苗を植付けたり、押しのけられた泥土によって苗の植付姿勢が乱れたりする欠点がある。
【0005】
また、苗を安定して植え付けるためには、作溝具及び施肥案内具の後方に離間して植付部を設け、作溝具による泥土の押しのけが収まった後に苗を植付ける必要がある。しかし、この形式の装置では、それに応じてフロートの長さが大きくなって植付装置が大型化する欠点があるとともに、走行機体と植付装置との間の代掻作業機等の整地装置を設置する場合は、そのための間隔を充分に確保することができない等の問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の移植機のフロート構造は、植付位置の間を整地する前後に長い幅狭の整地部と、その前側部に連設して植付部の前方を整地する植付整地部を設けるとともに、植付と同時に施肥を行う施肥装置の植付部8の前側に作溝施肥具12の施肥案内具26を設けたフロート6を備えた移植機において、施肥案内具26を均し接地部14の後辺から前側に向けて凹溝状に切欠形成した取付溝17に入り込ませて後辺よりも前方に設けたことを特徴としている。
【0007】
また、植付整地部13に取付溝17を切欠形成可能とする薄肉な取付部11を設けて構成したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0009】
1は、苗の植付けと同時に施肥を行なう移植機である。この移植機1は、前輪1aと後輪1bを備えた走行機体2の前部にエンジン2aを搭載し、後方に操縦部2bを配置し、機体2の後部に昇降機構2cを介して本発明に係るフロート構造を備えた植付装置3を装着している。
【0010】
この植付装置3は、昇降機構2cと連結する横フレーム4に所定の植付間隔を有して植付伝動ケース5を後方に向けて延設し、各植付伝動ケース5の下部にそれぞれ1ケのフロート6を、公知のフロート支持機構7によって揺動回動及び植付深さ調節可能に支持している。
【0011】
また図1、図2で示す移植機1は、図3〜図5で示されるフロート配置及び植付部8の設置によって5条分の苗を植付ける構成にしている。
【0012】
フロート6は平面視で略T字状の2ケのサイドフロート6aと、その中央に配置された略逆U字状の1ケのセンターフロート6bとからなり、サイドフロート6aの幅狭整地部9の後部両側には植付伝動ケース5の両側に設けた植付部8を配置しており、植付爪10によって苗を植付位置pに植付ける。
【0013】
また、センターフロート6bの2本の幅狭整地部9の間の植付位置pには、中央の植付伝動ケース5の一側に設けた植付部8の植付爪10によって苗を植付けるようになっている。
【0014】
この移植機1は,以上の構成によって5条分の苗を植付けることができ、また各フロート6に形成した取付部11に,以下の取付手段によって作溝施肥具12を設けることにより、図示しない施肥装置の肥料タンクから繰り出される粒状の肥料を圃場に施肥することができるようになっている。
【0015】
このフロート6について、図6及び図7で示すサイドフロート6aを参照して説明する。
【0016】
サイドフロート6aは、前後方向に長く両側の植付位置pの間で接地する幅狭整地部9と、この幅狭整地部9の両側で植付位置pの前側に側方に向けて張り出した植付整地部13と、この植付整地部13と幅狭整地部9がT字状に形成されている。
【0017】
そして取付部11は、植付整地部13の基部において、その後片から前側に向けて図7(B)で示すように薄肉な平坦板状に形成し、その前側に作溝施肥具12(図5)を取付ける取付孔15(図6)を設け、この取付孔15の後側に逆U字状の切り溝16を取付部11の下面側から所定の深さに刻設している。
【0018】
この構成により取付部11の中央部を、切り溝16を介して上方又は下方に強く押し出すか或いは切り取ると、取付部11の中央部を簡単に取り去ることができる。これにより取付部11に逆U字状の取付溝17を、作溝施肥具12を嵌合して取付ける巾と長さに形成することができる。
【0019】
また、センターフロート6bは上記サイドフロート6aの取付部11と同構造の取付部11を、左右の幅狭整地部9を接続する植付整地14の後辺で、植付位置pから左側に少しずらした位置に形成している。
【0020】
そして、サイドフロート6a及びセンターフロート6bには、フロート支持機構7に対する取付孔20と、土寄具21を取付ける取付孔22を所定の位置に設けている。
【0021】
この構成により、フロートの製造段階で取付部11を切欠くことなく、この取付部11を形成したままのサイドフロート6aとセンターフロート6bを設けることによって植付作業のみを行なう移植機1に構成することができる。
【0022】
この場合には、植付位置pの前側において取付部11もその平坦面で土を均すことができるので、きれいに均された地表に苗を植付けることができる。
【0023】
なお、フロートの前部を前方まで大きく切り欠いて、そり状の前端部まで切り欠きがある場合に、施肥案内具26を設けない場合は、切り欠きから泥水が勢いよくフロート上面側に流出して苗の植付姿勢に影響がでることがあるが、本発明の実施の形態においては、施肥案内具26を取付ける場合にのみ切り欠くので、その問題は発生しない。
【0024】
このような移植機1に施肥装置を設け、その作溝施肥具12をフロート6に取付ける場合には、前述したように各フロート6の取付部11を切り溝16を介して切欠した取付溝17に対して、作溝施肥具12の作溝具25(図5)と施肥案内具26を取付けると、植付位置pの前側で一側に変位させた位置に施肥することができる。
【0025】
この際、上記作溝具25は取付部11の下面に接合し、施肥案内具26は取付部11の上面に接合し、施肥案内具26と取付部11の取付孔15(図6)にボルト27を貫挿し、共締めすることによって固定する(図4、図5)。
【0026】
この構成により作溝具25は、フロート6の下面に突出した部分で地表に凹溝を所定の施肥深さとなるように形成する。
【0027】
また、施肥案内具26は肥料タンクに通ずる肥料管28を備えて、繰り出される肥料を作溝具25で形成された凹溝内に供給施肥する。
【0028】
そして、この施肥装置は、施肥案内具26を、取付部11を介して植付整地部13内に設けていることにより、植付位置pの前側に適正な距離を確保しながら離間することができるので、施肥案内具26による作溝施肥後に行なわれる植付爪10による苗の植付けに支障を与えないものである。
【0029】
また、このとき取付部11の側方に位置する植付整地部13が、作溝時に凹溝の側方を均して整地し、施肥後の凹溝を埋め戻すようにして均すので、苗の植付けをスムーズに行うことができる。
【0030】
さらに植付整地部14の後部に、作溝具25を突出させた従来の装置のようにフロート長さを大きくしないので、植付装置3の小型化を図ることができる等の特徴がある。
【0031】
また、上記構成からなるフロート6を用いて、6条分の苗を植付ける移植機1に適用する場合には、図8で示すようにセンターフロート6bをサイドフロート6aと同じものを取付けるとともに、中央の植付伝動ケース5の両側に植付部8を設けることにより、従来の装置と同様に6条植付型の植付装置3にすることができる。
【0032】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明に係る移植機のフロート構造は、植付位置の間を整地する前後に長い幅狭の整地部と、その前側部に連設して植付部前方を整地する植付整地部13を設けるとともに、植付と同時に施肥を行う施肥装置の植付部8の前側に作溝施肥具12の施肥案内具26を設けたフロート6を備えた移植機において、前記施肥案内具26を、均し接地部14の後辺から前側に向けて凹溝状に切欠形成した取付溝17に入り込ませて後辺よりも前方に設けたことを特徴としている。
【0033】
従って、作溝具25を均し接地部14に入り込ませて形成した取付溝17に取付けることにより、植付爪10の前側に適正な土戻し距離を確保することができるので、フロート長を大きくすることなく植付装置3の小型化を図ることができる。
【0034】
また、作溝具25及び施肥案内具26で形成される溝の側方を植付整地部13で均すことができるので、苗の植付けをスムーズにすることができる。
【0035】
更に、植付整地部13に取付溝17を切欠形成可能とする薄肉な取付部11を設けて構成した1つのフロートを使用しながら、作溝施肥具12を設ける植付装置3と、植付けのみを行なう植付装置3とに使用することができる。
【0036】
また、薄肉に形成した取付部11は取付溝17を簡単に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロート構造を備えた移植機の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の3ヶのフロートに作溝具を取付けた状態を示す平面図である。
【図4】図3のサイドフロートに作溝施肥具を設けた構成を示す側面図である。
【図5】図3のセンターフロートに作溝施肥具を設けた構成を示す側面図である。
【図6】本発明に係るサイドフロートの構成を示す平面図である。
【図7】図6のサイドフロート断面図であり、(A)はA−A線、(B)はB−B線、(C)はC−C線、及び(D)はD−D線断面図である。
【図8】本発明に係る6条植付型のフロート配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 移植機 2 走行機体 3 植付装置
6 フロート 6a サイドフロート 6b センターフロート
8 植付部 9 幅狭整地部 10 植付爪
11 取付部 12 作溝施肥具 13 植付整地部
14 均し接地部 15 取付孔 16 切り溝 17 取付溝
25 作溝具 26 施肥案内具
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年12月9日(2002.12.9)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一

【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照

【識別番号】100068685
【弁理士】
【氏名又は名称】斎下 和彦

【公開番号】 特開2004−187513(P2004−187513A)
【公開日】 平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願番号】 特願2002−356297(P2002−356297)