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【発明の名称】 粉粒体吐出機
【発明者】 【氏名】野村 仁志
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】野村 勝
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】文田 博史
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岡田 英博
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】この発明にかかる課題は、走行停止時に、繰り出された粉粒体が妄りに圃場へ吐出されないように、主クラッチの切り動作に関連して送風機の作動を停止させ、粉粒体が一箇所にまとめて施用される事態を未然に防止することを目的としている。

【解決手段】本発明は、走行車体上に搭載のエンジンから粉粒体吐出装置の繰出部へ伝動するように連動構成し、繰出部で繰り出された粉粒体を送風機からの圧風により移送管を介して吐出口へ移送するように設け、繰出部への伝動を断続する繰出クラッチとその伝動上手側に走行伝動系をも入切する主クラッチとを設け、該主クラッチの伝動「切」の操作に起因して前記送風機の作動を停止させるべく関連構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体上に搭載の原動機から粉粒体吐出装置の繰出部へ伝動するように連動構成し、繰出部で繰り出された粉粒体を送風機からの圧風により移送管を介して吐出口へ移送するように設け、繰出部への伝動を断続する繰出クラッチとその伝動上手側に走行伝動系をも入切する主クラッチとを設け、該主クラッチの伝動「切」の操作に起因して前記送風機の作動を停止させるべく関連構成してあることを特徴とする粉粒体吐出機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粒状肥料、薬剤、種子等の粉粒体を圃場に散布若しくは播種する粉粒体吐出機に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、施肥機付田植機において、苗植付作業再開時に植付クラッチを入りにすると、肥料移送用送風機が自動的に作動するようにして、該送風機のスイッチ入れ忘れを防止するようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−135822号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明にかかる課題は、走行停止時に、繰り出された粉粒体が妄りに圃場へ吐出されないように、主クラッチの切り動作に関連して送風機の作動を停止させ、粉粒体が一箇所にまとめて施用される事態を未然に防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、走行車体上に搭載の原動機から粉粒体吐出装置の繰出部へ伝動するように連動構成し、繰出部で繰り出された粉粒体を送風機からの圧風により移送管を介して吐出口へ移送するように設け、繰出部への伝動を断続する繰出クラッチとその伝動上手側に走行伝動系をも入切する主クラッチとを設け、該主クラッチの伝動「切」の操作に起因して前記送風機の作動を停止させるべく関連構成してあることを特徴とする。
【0006】
作業途中で粉粒体を補給する場合には、主クラッチを「切」にして車体の走行を停止させる。この走行が停止すると繰出部も同時にその作動が停止するが、この時、送風機が依然として作動状態にあると、繰出部で繰り出された粉粒体が圃場の一箇所にまとめて吐出されることになるので、主クラッチの「切」操作に関連して送風機の作動を自動的に停止させる。これによって、上記問題点は解消されることになり、そして、この走行停止状態で粉粒体の補給作業を行えばよい。
【0007】
【発明の効果】
以上要するに、請求項1記載の本発明によれば、走行停止時に、繰り出された粉粒体が圃場に吐出されないようにしたので、一箇所にまとめて粉粒体を施用するような弊害を未然に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
まず、図1及び図2は、粉粒体吐出機の一例として粒状肥料散布用施肥機を乗用型田植機1に装備した場合の構成例を示すもので、この乗用型田植機1は、走行車体2の前後に走行車輪としての左右一対の前輪3,3及び後輪4,4が架設され、車体2上前部に操作ボックス5及びステアリングハンドル6等を有する操縦装置が設置され、車体後方部には昇降リンク機構7を介して5条植の苗植付部8が昇降可能に装備されている。さらに、走行車体2の後部上側には粉粒体肥料を圃場に繰出散布するための肥料タンク9、肥料繰出部10等からなる施肥機11の本体部が設置されている。
【0009】
操縦装置の後側に操縦席12が設置され、操縦席12の下側に田植機の各部に動力を伝達する原動機となるエンジン13が搭載されている。
苗植付部8は、左右に往復動する苗載タンク14、1株分の苗を切取って土中に植込む5条分の苗植付装置15、苗植付面を整地するサイドフロ−ト16L,16R及びセンタ−フロ−ト16C等からなる。
【0010】
施肥機11は、苗植付部8の前方に設けられていて、肥料タンク9内の粉粒体肥料を肥料繰出部10によって一定量づつ下方に繰り出し、その繰り出された肥料を送風機(ブロア)17から供給されるエアによって移送管18を通って施肥ガイド19まで移送し、該施肥ガイド19の吐出口19aから、この前側に設けた作溝体20よって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落し込むようになっている。なお、前記送風機17は、エンジンル−ム内の暖気を取り入れてこれをエアチャンバ−39内に送風し、更に、エアチャンバ−39から各条の移送管18内に吹き込むようになっている。
【0011】
エンジン13の左側面部に突出した出力軸21の回転動力が、ベルト式変速装置22と主クラッチ機能23a付のベルト伝動装置23とを介して、ミッションケ−ス24のミッション入力軸25に伝達されるようになっている。また、エンジン出力軸21の外端側にはエンジンの回転動力により直接駆動される油圧ポンプ26が設置されている。
【0012】
ミッションケ−ス24に入力された回転動力は、ギヤミッションで変速された後、走行動力と作業動力とに分けられる。走行動力の一部は前輪アクスルケ−ス27内の前輪アクスルを介して前輪ファイナルケ−ス28に伝達されて前輪3を回転駆動し、走行動力の残りは、後輪伝動軸29を介して後輪ファイナルケ−ス30に伝達されて後輪4を回転駆動する。また、作業動力は、PTO出力軸31とPTO伝動軸32とを介して走行車体2の上部に設置された植付クラッチケ−ス33へ伝達される。
【0013】
植付クラッチケ−ス33へ伝達された作業動力は、施肥動力と植付動力とに分岐し、施肥動力は安全クラッチ機能を備えた肥料繰出部10への繰出クラッチ33aを経由して植付クラッチケ−ス33から取り出される。植付クラッチケ−ス33から取り出された植付動力は、該ケ−スの出力側に設けた植付安全クラッチ34を経てから植付伝動軸35を介して苗植付部8へ伝達される。
【0014】
なお、前記苗植付部8を昇降させる昇降リンク機構7は、走行車体2のメインフレ−ム2aのリヤフレ−ム2bから上方に突設する支持フレ−ム2cに枢着連結され、油圧昇降シリンダ36の伸縮作動によって昇降させるべく構成している。油圧昇降シリンダ36を伸縮制御する油圧切替バルブ37はステップ38の下側に設けられている。
【0015】
次に施肥機11への動力伝達装置について説明する。
図5に示すように、植付クラッチケ−ス33の上面から施肥動力取出軸40が上方に向けて突設してあり、この施肥動力取出軸40には該軸40回りに回転する駆動クランクア−ム41を固着して設けている。走行車体上に支持されたブラケット42に支軸43回りに回動固定自在な移動調節部材44を架設すると共に、この移動調節部材44には同一軸で該軸45と共に一体的に回動するカウンタ揺動ア−ム46,47を軸受させて設けている。入力側のカウンタ揺動ア−ム46と前記駆動クランクア−ム41とは略左右横方向に往復動する往復作動ロッド48でもって連結し、出力側のカウンタ揺動ア−ム47は上下方向に往復動する往復作動ロッド49でもって肥料繰出部10側の繰出駆動ア−ム50に連結している。
【0016】
繰出駆動ア−ム50は、往復揺動運動により一方向クラッチ51aをもつ一方向クラッチ軸51を一方向に間欠的に回転させると共に、これと連動して繰出部10の繰出ロ−ラ52を間欠的に回転させる構成としている。なお、繰出駆動ア−ム50には複数の連結孔53…を設けてあり、この連結孔53…の選択により往復作動ロッド49を連結する繰出駆動ア−ム50の長さを変化させ、該ア−ム50の揺動ストロ−クを変更させて肥料繰出量の多段調節を行うようにしている。
【0017】
前記移動調節部材44は、支軸43を支点として回動変位可能な構成とし、そして、その移動調節操作機構は回転操作可能な繰出量調節ハンドル54とブラケット42側に枢着して設けた雌ネジ部材55及び移動調節部材44側に設けた雌ネジ部材56とこれらにそれぞれ螺合する雄ネジ部材57とによって構成され、繰出量調節ハンドル54の回転操作で、該移動調節部材44に支承された前記回動軸45を無段階に位置変更させ、肥料繰出量の無段調節を行うように構成している。
【0018】
なお、図6に示す実施例では、施肥機11上部の肥料タンク9が、走行車体から上方に立設する支柱58の上端部に設けられた横軸59を支点として前後方向に回動固定自在に設けられている。肥料タンク9を横軸59を支点として後方に回動させたときには、タンク内に残留している肥料を取り出すことができ、肥料繰出部10の上方が開放されるのでメンテナンスが容易にできる。
【0019】
図中、符号60は変速レバ−、61は植付(昇降)レバ−、62は主クラッチペダルを示す。植付レバ−61は、前記油圧切替バルブ37を作動させることによる苗植付部8の昇降操作や植付クラッチ34を操作することによる苗植付部8の駆動の入切を行えるようになっている。主クラッチペダル62は、これを踏込操作することによって主クラッチ23aを「切」とし、走行部への走行動力及び肥料繰出部や苗植付部への作業動力が停止するようになっている。なお、この主クラッチペダル62にはこれを踏込操作した状態(主クラッチ「切」の状態)でロックするための係止具63が設けられている。
【0020】
送風機の制御回路は図7のように構成されている。図において、64はキ−スイッチ、65はブロア入切スイッチで、通常は「入」の状態に切り替えておく。
66は植付レバ−スイッチで、植付レバ−61の「下げ」位置への操作により、苗植付部8が苗植付状態位置まで下降すると、その植付レバ−スイッチ66が入り送風機17が作動するようになっている。そして、植付レバ−61を「下げ」位置から「植付」位置へ操作すると、植付クラッチ34「入」により苗植付部8が作動を開始し、これと同時に、繰出クラッチ33aが「入」となり、肥料繰出部10が作動を開始するようになっている。67は主クラッチスイッチで、主クラッチペダル62を踏込操作するとスイッチOFFとなり、送風機17の作動が停止するようになっている。
【0021】
苗植付作業及び施肥作業を開始するにあたり、まず、送風機制御回路のキ−スイッチ64をONにする。そして、機体を走行させ、ブロア入切スイッチ65が「入」の状態で、植付レバ−61の「下げ」位置への操作により苗植付部8を植付位置まで下降させると、植付レバ−スイッチ66が「入」となり、ブロア制御回路に電流が流れて送風機17が作動する。続いて、植付レバ−61の「植付」位置への操作により植付クラッチ及び繰出クラッチを「入」にし、植付・施肥作業を開始する。そして、この作業途中において、苗切れや肥料切れが発生すると、苗補給又は肥料補給をしなければならない。この場合には、主クラッペダル62の踏込操作によって機体の走行を停止させる。すると、これに連動して主クラッチスイッチ67がOFFとなり、送風機17の作動が自動的に停止する。これによって、走行停止時に、繰出部より繰り出された肥料が圃場の一箇所にのみ集中して吐出されることがなくなる。
【0022】
図8に示す実施例では、繰出部10の繰出ロ−ラ52上にノズル68を臨ませ、エア−チャンバ−39からのエア−を別経路の送風管69を介して該ノズル58より繰出ロ−ラ52上に吹き付けて残存する肥料を取り出すように構成している。このようにして残存肥料を取り出す時には、肥料流下案内樋70を軸71回りに仮想線の状態位置まで回動させ、吹き出される肥料を受け入れて機外に回収する。なお、この時、繰出ロ−ラ52に接触状態のブラシ72は、該繰出ロ−ラ52から離間する方向に退避させるか、機外へ取り外すかによって回収作用を容易にしている。
【0023】
別実施例について説明する。図9及び図10は肥料含有育苗マットの構成例を示す。一面側に無数の播種孔70…を施し他面側に無数の肥料袋用溝71…を備えたフェノ−ル樹脂材72に、液状肥料入りの肥料袋73…を収容する。そして、このフェノ−ル樹脂材72の他面側には、別のフェノ−ル樹脂材74を重ね合わせて、両者を接着剤により一体的に接着して肥料袋封入の育苗マットを構成する。
【0024】
以上のように、液状肥料入りの肥料袋を封入したフェノ−ル樹脂製育苗マットによれば、液状肥料を袋に収容しているので、苗育苗時は肥料が効かず肥料焼けの防止となる。また、田植機での苗植付時には肥料袋を植付爪が破断し、圃場での肥料効果を得ることができ、施肥作業の省力化が図れる。なお、肥料袋を植付株ごとに設けると、各苗株に確実に肥料効果を与えることができ、苗の成育を促進させることができる。
【0025】
次に、水稲や野菜を育苗する育苗用培土について説明する。
従来の育苗培土は次のような工程を経て製品化されるようになっている。即ち、水稲用育苗培土は、山土の採土→乾燥→粉砕→ふるい選別→化学肥料の混合→粒状化→を経て製品化され、また、野菜用セル用培土は、ピ−トモスの選別→水分調整→無機質素材の混合→化学肥料の混合→を経て製品化されるようになっている。これらの育苗培土はいづれも化学肥料が混合されており、有機栽培用作物の育苗には適さないものである。
【0026】
本実施例の有機栽培用培土(1)は、天然の素材100%からなる育苗培土であって、
▲1▼、有機質素材として、泥炭・ピ−トモス・ココナツピ−ト・腐食酸質資材
▲2▼、天然素材として、ゼオライト・パ−ライト・ベントナイト・山土
▲3▼、肥料として、動物質又は植物質の有機肥料
を混合してなるものである。従って、これによれば、有機栽培の良質な農産物が得られる。
【0027】
また、本例の有機栽培用培土(2)は、上記有機栽培用培土(1)において、混合する肥料のN(窒素)量が0.01〜10%の重量比とする。このN成分として添加する素材は有機質肥料で魚粕、ダイズ油粕、ナタネ油粕、棉実油粕、家畜糞尿、鶏糞、乾燥菌体肥料、活性汚泥などからなる。
【0028】
更に、本例の有機栽培用培土(3)は、上記有機栽培用培土(1)において、混合する肥料のP(燐酸)量が0.01〜30%の重量比とする。このP成分として添加する素材は有機質肥料で骨粉や草木灰などからなる。
また、本例の有機栽培用培土(4)は、上記有機栽培用培土(1)において、混合する肥料のK(加里)量が0.01〜20%の重量比とする。このK成分として添加する素材は有機質肥料で草木灰、木炭、ワラ灰などの灰類もしくは籾殻、くん炭などからなる。
【0029】
以上のような有機栽培用培土(2)(3)(4)によっても作物の育苗に適した良質の育苗培土が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施肥田植機の側面図
【図2】施肥田植機の平面図
【図3】走行車体の一部を省略した平面図
【図4】施肥機の要部の側面図
【図5】肥料繰出部への動力伝達装置を示す側面図
【図6】施肥機要部の背面図
【図7】送風機制御回路図
【図8】施肥機要部の切断側面図
【図9】苗育苗マットの斜視図
【図10】同上要部の断面図
【符号の説明】
1 田植機 2 走行車体
3 前輪 4 後輪
8 苗植付部 9 肥料タンク
10 肥料繰出部 11 施肥機
13 エンジン 17 送風機
18 移送管 23a 主クラッチ
24 ミッションケ−ス 33 植付クラッチケ−ス
33a 繰出クラッチ 34 植付クラッチ
61 植付レバ− 62 主クラッチペダル
64 キ−スイッチ 65 ブロア入切スイッチ
66 植付レバ−スイッチ 67 主クラッチスイッチ
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−180581(P2004−180581A)
【公開日】 平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願番号】 特願2002−351245(P2002−351245)