| 【発明の名称】 |
農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡里 圭介 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】加藤 俊彦 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】石田 洋司 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】歩行操作レバーとテンションクラッチ、及びブレーキ部材を機体前部に集中配置して作業機本体の小型化を図る。
【解決手段】ベルト伝動装置60は、機体前部に配置されたエンジン20の出力軸20aに固定された駆動プーリ54と、機体前部に配置されたトランスミッション22の入力軸22aに固定された従動プーリ56との間に巻回された巻掛けベルト58を有し、機体前部に設けられた歩行操作レバー50の操作に基き、巻掛けベルト58を緊張・弛緩するテンションクラッチ62を入切操作するように連繋すると共に、テンションクラッチ62の切操作に略々連動して従動プーリ56側のブレーキ部材82が作動するようにして、歩行操作レバー50とテンションクラッチ62等を機体前部に集中配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部に配置されたエンジンの出力軸と、機体前部に配置されたトランスミッションの入力軸との間を連結し、前記出力軸側に設けられた駆動プーリ及び前記入力軸側に設けられた従動プーリ間に巻回された巻掛けベルトを有するベルト伝動装置を備えた農作業機において、 前記巻掛けベルトに転接して該巻掛けベルトを緊張・弛緩するテンションクラッチと、 機体前部に設けられ、降車して操作される歩行操作具と、 前記歩行操作具と前記テンションクラッチとを連繋する連繋機構と、 前記連繋機構に連動連結され、前記従動プーリに近接配置されたブレーキ部材と、を備え、 前記歩行操作具の操作に基き、前記連繋機構を介して前記テンションクラッチが入切操作されると共に、前記テンションクラッチの切操作に略々連動して前記ブレーキ部材が作動して前記従動プーリに制動作用が付与される、 ことを特徴とする農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、乗用田植機等の農作業機に関し、詳しくは歩行操作具とベルト伝動装置におけるテンションクラッチとを組合せた農作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】 乗用田植機等の農作業機においては、機体を圃場に乗り入れたり、圃場から出したりする際に、急傾斜な畦越えをする場合がある。この畦越えの際には、機体が前後に大きく傾斜するため、このような場合は、オペレータが降車した状態で操縦できるようにすることが好ましい。また、機体を遠隔の地に移動する場合には、該機体をトラック等の荷台に積んで運搬する場合もあり、この積み込み・積み下しの場合も、オペレータが降車した状態で、農作業機の機体を渡し板(傾斜板)の上を走行できるようにすることが望ましい。 【0003】 これに対し、降車して操縦できるような歩行操作具を、農作業機の前部に設けた技術は公知である。例えば、特許文献1によれば、エンジンの出力をミッションケース側に伝達するベルト伝動装置を、乗車位置から操作可能な変速レバーと降車位置から操作可能な歩行操作具とにより操作できるようにした技術が開示されている。また、特許文献2によれば、歩行操作具を走行位置に操作した状態で、その先端部と前輪の軸心との距離が、前輪と後輪の軸心間距離よりも大きくして、降車状態で歩行操作具を押さえ込み操作して機体前部の浮き上がりを抑制可能とした技術が開示されている。 【0004】 【特許文献1】 特開平6−70623号公報 【特許文献2】 特開2000−135009号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、降車状態で操縦可能な歩行操作具を設けた特許文献1によると、歩行操作具にクラッチペダルを連繋機構により連動させて駆動力の入切を行うと共に、ブレーキ機構もトランスミッションの後方に別に設けていたため、複雑な構造となって機体が大型化し、また、特許文献2においても、ブレーキ機構を歩行操作具の作動とは別個に設けていたため、複雑な構造となり、前記と同様に機体が大型化するという課題があった。 【0006】 本発明は、斯かる課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、歩行操作具とテンションクラッチ、及びブレーキ部材を機体前部に集中配置して作業機本体の小型化を図ることのできる農作業機を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、機体前部に配置されたエンジン(20)の出力軸(20a)と、機体前部に配置されたトランスミッション(22)の入力軸(22a)との間を連結し、前記出力軸(20a)側に設けられた駆動プーリ(54)及び前記入力軸(22a)側に設けられた従動プーリ(56)間に巻回された巻掛けベルト(58)を有するベルト伝動装置(60)を備えた農作業機(10)において、 前記巻掛けベルト(58)に転接して該巻掛けベルト(58)を緊張・弛緩するテンションクラッチ(62)と、 機体前部に設けられ、降車して操作される歩行操作具(50)と、 前記歩行操作具(50)と前記テンションクラッチ(62)とを連繋する連繋機構(70)と、 前記連繋機構(70)に連動連結され、前記従動プーリ(56)に近接配置されたブレーキ部材(82)と、を備え、 前記歩行操作具(50)の操作に基き、前記連繋機構(70)を介して前記テンションクラッチ(62)が入切操作されると共に、前記テンションクラッチ(62)の切操作に略々連動して前記ブレーキ部材(82)が作動して前記従動プーリ(56)に制動作用が付与されることを特徴とする。 【0008】 [作用] 本発明においては、ベルト伝動装置(60)は、機体前部に配置されたエンジン(20)の出力軸(20a)側に設けられた駆動プーリ(54)と、機体前部に配置されたトランスミッション(22)の入力軸(22a)側に設けられた従動プーリ(56)と、の間に巻回された巻掛けベルト(58)を有している。そして、機体前部に設けられた歩行操作具(50)の操作に基き、前記巻掛けベルト(58)を緊張・弛緩するテンションクラッチ(62)が入切操作するように連繋すると共に、前記テンションクラッチ(62)の切操作に略々連動して前記従動プーリ(56)に近接配置されたブレーキ部材(82)が作動するようにして、前記歩行操作具(50)とテンションクラッチ(62)、及びブレーキ部材(82)を機体前部に集中配置した。 【0009】 なお、上述したカッコ内の符号は図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。 【0010】 【発明の実施の形態】 以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。 【0011】 図1は、本発明に係る農作業機としての乗用田植機の全体側面図である。この乗用田植機10は、前輪12及び後輪14に支持された走行機体16を有し、該走行機体16には、前部のボンネット18内にエンジン20が搭載されている。また、走行機体16上には、ステアリングハンドル24と座席シート26、及び各種操作レバー等を有する操縦部28が配設されていて、この操縦部28のステップ面には、クラッチペダル30とブレーキペダル(図示せず)が配設されている。 【0012】 前記エンジン20の後部には、該エンジン20と一体的で、前輪12が軸支されたトランスミッション22が取付けられていて、エンジン20の動力は、後述するベルト伝動装置60を介してトランスミッション22に入力されている。このトランスミッション22に入力された動力は、該トランスミッション22において変速されて前輪12に伝達されると共に、走行PTO軸(図示せず)を介して後輪14に伝達されている。更に、トランスミッション22の後部から、植付PTO(図示せず)を介して作業用の動力が、後述する植付部34に伝達されている。 【0013】 走行機体16の後方には、リンク機構35を介して植付部34が昇降自在に支持されていて、該植付部34には多数の植付杆36、フロー卜37、及びマット苗を載置し得る苗載せ台38が備えられている。なお、この植付部34は、図示しない油圧シリンダ装置の伸縮作動により昇降制御される。 【0014】 機体の左右両側には、前後方向に向けメインフレーム40が延設され、該メインフレーム40の前部は、図示しないエンジンベースに接続されていて、該エンジンベースにエンジン20が載置されている。また、ボンネット18の前方下部には、メインフレーム40に支持されて機体左右方向に延びる回動支点軸52が設けられている。この回動支点軸52には、該回動支点軸52を中心として機体前後に回動自在な歩行操作レバー(歩行操作具)50が設けられている。この歩行操作レバー50は、機体前部に設けられ、降車して操作可能で、揺動操作により機体の走行と停止とに切換え可能である。 【0015】 そして、この歩行操作レバー50を、機体前方に回動操作すると(図のC’側)、後述するように、走行クラッチが入作動して機体は走行側に切換えられ、また、この走行側に操作した位置から手を放すと、スプリングの付勢圧で元の位置に自動復帰し(図のC側)、走行クラッチが切作動して機体は走行停止側に切換えられる。 【0016】 図2は、乗用田植機10の前部の断側面図であり、該乗用田植機10はベルト伝動装置60を備えていて、このベルト伝動装置60は、機体前部に配置されたエンジン20の出力軸20aと、機体前部に配置されたトランスミッション22の入力軸22aとの間を連結する巻掛けベルト58を有している。この巻掛けベルト58は、前記出力軸20a側に設けられた駆動プーリ54と、前記入力軸22a側に設けられた従動プーリ56との間に巻回されている。 【0017】 本実施の形態では、前記巻掛けベルト58に転接して該巻掛けベルト58を緊張・弛緩するテンションクラッチ62と、機体前部に設けられ、降車して操作される歩行操作レバー50と、該歩行操作レバー50とテンションクラッチ62とを連繋する連繋機構70と、該連繋機構70に連動連結され、従動プーリ56に近接配置されたブレーキ部材82とを備えている。 【0018】 すなわち、歩行操作レバー50は、回動基部側に連結片51が一体固定されていて、該連結片51は前記回動支点軸52に回動自在に軸着されている。これにより、歩行操作レバー50を機体前方に回動操作すると、後述する連繋機構70を介してテンションクラッチ62が入操作され、機体が走行する。 【0019】 前記テンションクラッチ62は、揺動支点64を中心として揺動自在なテンションアーム66と、巻掛けベルト58に転接して該巻掛けベルト58を緊張・弛緩するテンションプーリ68とを有していて、このテンションクラッチ62と歩行操作レバー50とは、連繋機構70により連繋されている。なお、テンションアーム66は、捩りバネ67の付勢力により揺動支点64を中心として常時図2の時計方向に付勢されている。 【0020】 しかして、前記連結片51の回動支点軸52側には、該連結片51から突出片53が突出されている。上述した連繋機構70は、メインフレーム40に取付けられた支点軸42を中心として機体前後に揺動する揺動アーム44と、前記揺動アーム44の一端と前記突出片53との間にピン46a,46bを介して軸着された連結リンク46とを有し、揺動アーム44の他端は、ピン48を介してテンションアーム66に形成された溝49に係合されている。 【0021】 一方、操縦部28には主変速レバー71が設けられていて、該主変速レバー71に一体的に固定されたレバーカム72は、回動支点73を中心として回動可能であると共に、このレバーカム72に隣接し、かつローラ74を介して該レバーカム72に摺接するクラッチカム75が、回動支点76を中心として回動可能に配設されている。また、このクラッチカム75には、一端をピン77にて該クラッチカム75に軸着され、他端をピン78にて前記テンションアーム66に連結されたクラッチプレート79が延設されている。これらクラッチカム75とクラッチプレート79とは、スプリング80により常時クラッチ入方向に付勢されている。 【0022】 更に、前記従動プーリ56の外周側には、該従動プーリ56の略々半円周部分を覆うように、帯状のブレーキ部材82が近接配置されている。このブレーキ部材82は、一端をスプリング84を介して前記レバーカム72に係止され、他端を前記揺動アーム44に係止されている。 【0023】 そして、本実施形態によれば、歩行操作レバー50の操作に基き、連繋機構70を介してテンションクラッチ62が入切操作されると共に、該テンションクラッチ62の切操作に略々連動してブレーキ部材82が作動して従動プーリ56に制動作用が付与される。 【0024】 なお、クラッチペダル30にはクラッチアーム30aが連結されていて、該クラッチアーム30aの基端側は、クラッチ軸31に回動可能に軸着されている。また、クラッチアーム30aの基端側には、プレート30bが一体的に固定されていて、該プレート30bの先端側には孔(図示せず)が形成されている。そして、前記孔にクラッチロッド32が遊嵌され、該クラッチロッド32の一端にはロックナット33が設けられ、他端はクラッチカム75に連結されている。 【0025】 以上により、クラッチペダル30を踏み込むと、クラッチアーム30a及びプレート30bがクラッチ軸31を中心として図2の反時計方向に回動し、クラッチロッド32が軸方向に引かれる結果、クラッチカム75が回動支点76を中心として図2の反時計方向に回動し、テンションクラッチ62が切られる。すなわち、クラッチペダル30は、中立牽制と走行ストップの機能を有している。 【0026】 次に、作用について説明する。 【0027】 路上走行時や圃場での作業時には、ステアリングハンドル24と主変速レバー71、及びクラッチペダル30等を操作して、機体走行を行う。このとき、主変速レバー71が図2のクラッチ切位置に操作された状態では、クラッチカム75に設けられたローラ74はレバーカム72に当接されているため、スプリング80の付勢力によっても、回動支点76を中心として図の時計方向に回転することはできない。このため、テンションクラッチ62のテンションアーム66は、捩りバネ67の付勢力により揺動支点64を中心として図の時計方向に回転し、テンションクラッチ62は切状態となる。このとき、一端をレバーカム72に係止されたブレーキ部材82は、図のクラッチ切状態で緊張され、従動プーリ56に制動作用が付与されている。 【0028】 次いで、主変速レバー71を図2の位置から機体前方に操作すると、レバーカム72は回動支点73を中心として図2の反時計方向に回動し、クラッチカム75に設けられたローラ74との当接状態が解除される。これにより、クラッチカム75は、スプリング80の付勢力により回動支点76を中心として図の時計方向に付勢され、クラッチプレート79の先端の長孔79aの端部がピン78を図の右方に引く。このため、テンションアーム66は、捩りバネ67の付勢力に抗して揺動支点64を中心として図の反時計方向に回転し、テンションクラッチ62が入状態になる。これと略々同時に、一端を主変速レバー71(レバーカム72)に係止されたブレーキ部材82は、主変速レバー71の回動に伴い弛緩し、従動プーリ56への制動作用が解除される。 【0029】 次に、例えば畦越えする場合に、急傾斜の畦の場合には機体が前後に大きく傾斜するため、オペレータが降車して操縦することが望ましい。そこで、オペレータは機体を畦際に移動させ、主変速レバー71を機体後方に操作してテンションクラッチ62を切り、機体を停止させる。 【0030】 この状態でオペレータが降車し、機体前部に設けられた歩行操作レバー50を機体前方(図のC’側)に回動操作する。すると、基端側の連結片51が回動支点軸52を中心として反時計方向に回動し、連結リンク46の端部のピン46bが揺動アーム44の一端側を引くため、該揺動アーム44の他端側に設けられたピン48がテンションアーム66を押し、該テンションアーム66は揺動支点64を中心として反時計方向に回動する。こうして、テンションプーリ68が巻掻けベルト58を緊張されてテンションクラッチ62が入作動し、機体は畦際の傾斜面に沿って登坂走行を開始する。このとき、歩行操作レバー50を機体前方(クラッチ入位置)に回動操作すると、ブレーキ部材82が弛緩され、従動プーリ56への制動作用が解除される。 【0031】 やがて、畦越えが終り、オペレータが歩行操作レバー50から手を放すと、該歩行操作レバー50は図示しないスプリングの付勢力によりクラッチ切位置(図のC位置)に戻される。これと略々同時に、揺動アーム44の戻り移動に伴い、該揺動アーム44に係止されたブレーキ部材82が引かれて緊張し、従動プーリ56に制動作用が付与される。 【0032】 本実施形態によれば、機体前部に配置した歩行操作レバー50とテンションクラッチ62とを、連繋機構70により連繋すると共に、ブレーキ部材82をこの連繋機構70に連動連結したことで、歩行操作レバー50とテンションクラッチ62、及びブレーキ部材82等を機体前部に集中配置することができたので、作業機本体の小型化が図られる。 【0033】 【発明の効果】 以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、歩行操作具とテンションクラッチとを連繋する連繋機構と、該連繋機構に連動連結されたブレーキ部材とを備え、歩行操作具の操作に基き連繋機構を介してテンションクラッチが入切操作されるように連繋すると共に、テンションクラッチの切操作に略々連動してブレーキ部材が作動するようにしたので、これら歩行操作具とテンションクラッチ、及びブレーキ部材等を機体前部に集中配置することができ、作業機本体の小型化を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る農作業機としての乗用田植機の側面図である。 【図2】同上の乗用田植機の前部の断側面図である。 【符号の説明】 10 乗用田植機 16 走行機体 20 エンジン 20a 出力軸 22 トランスミッション 22a 入力軸 50 歩行操作レバー(歩行操作具) 52 回動支点軸 54 駆動プーリ 56 従動プーリ 58 巻掛けベルト 60 ベルト伝動装置 62 テンションクラッチ 70 連繋機構 82 ブレーキ部材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成14年11月6日(2002.11.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫
【識別番号】100083138 【弁理士】 【氏名又は名称】相田 伸二
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| 【公開番号】 |
特開2004−154054(P2004−154054A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月3日(2004.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−322768(P2002−322768) |
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