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【発明の名称】 肥料等の散布装置
【発明者】 【氏名】加藤 次男
【住所又は居所】茨城県水戸市元吉田町1027番地 株式会社タイショー内

【要約】 【課題】粒径や形状、比重等を問わずに数種類の肥料等を短時間で効率的に攪拌混合し得るようにした散布装置を提供する。

【解決手段】トラクターBの後部に3点支持機構6により連結支持され且つトラクターBからの動力により攪拌手段2を回転駆動させて、ホッパ内に投入された数種類の肥料M等を攪拌混合しながらホッパ1の底部の散布口4,5から散布する散布装置Aの攪拌手段2を、平面視略横長矩形状を呈するホッパ1の長手方向に亘り回転架橋状に配設される回転主軸2−1と、この回転主軸2−1の周りに同軸状に固着巻回される攪拌翼とで構成し、該攪拌翼は螺旋方向が互いに逆巻きで且つ螺旋外径が異なる大径リボンスクリュー2−2と小径リボンスクリュー2−3とから内外二重スクリュー構造に構成され且つ大径リボンスクリュー2−2の螺旋外径がホッパ1の短辺幅と略同じ程度に形成されてなることである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数種類の肥料等を投入するホッパと、このホッパ内に設けられ、前記肥料等を攪拌混合する攪拌手段とを備え、
トラクターの後部に支持機構により連結支持させ且つトラクターからの動力により前記攪拌手段を回転駆動させて、前記肥料等を攪拌混合しながらホッパの底部に形成された散布口から落下させて散布する散布装置において、
前記攪拌手段は、平面視略横長矩形状を呈するホッパの長手方向に亘り回転架橋状に配設される回転主軸と、この回転主軸の周りに同軸状に固着巻回される攪拌翼とを備え、
前記攪拌翼は、螺旋方向が互いに逆巻きで且つ螺旋径が異なる大径リボンスクリューと小径リボンスクリューとから内外二重スクリュー構造に構成され、且つ、前記大径リボンスクリューの螺旋外径が前記ホッパの短辺幅と略同じ程度に形成されてなる肥料等の散布装置。
【請求項2】
請求項1記載の大径リボンスクリューと小径リボンスクリューとは少なくともホッパの長手方向中央部位を境に左右に2分割され、少なくとも大径リボンスクリューはホッパの中央部位から左右両側方向へ向けて肥料等を攪拌移送するように螺旋方向が形成され、一方、小径リボンスクリューは左右両側から中央部方向へ向けて肥料等を攪拌移送するように螺旋方向が形成されてなる肥料等の散布装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の小径リボンスクリューは、リボン幅が大径リボンスクリューよりも幅広く形成されてなることを特徴とする肥料等の散布装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、粒状や粉状等の肥料又は種子、飼料等を圃場等に散布する散布装置に係り、特にトラクターの後部に3点支持機構を介して連結支持させ且つトラクターからの出力によりホッパ内の攪拌手段を回転駆動させて、ホッパ内に投入された数種類の肥料等を均質に攪拌混合しながら散布する散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の散布装置としては、円柱状や多角柱状のホッパ内に攪拌手段を配設し、該攪拌手段は、ホッパの軸芯部位に鉛直に配設させる回転軸と、この回転軸から突出長さを異にして放射状に突出させる複数本のアームと、この各アームの突出端に前記回転軸の回転方向前方に突出するように設けるすくい角のある攪拌翼とを備え、トラクターからの動力により攪拌手段を回転駆動させて、ホッパ内に投入された数種類の肥料等を攪拌混合するように構成さているものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−53231号公報(第1頁右欄2行目〜16行目、第2頁左欄6行目〜第3頁右欄4行目、第13図乃至第19図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の散布装置のすくい角のある攪拌翼においては、その攪拌力が回転方向と、この回転方向と直交する方向とに分かれて作用するものであることから、数種類の肥料等を均質に攪拌混合するためには時間を要する問題がある。特に粒径や形状、更には比重が異なる数種類の肥料等を攪拌するにはかなりの時間を要することとなり、結果として効率的な散布作業が望めない。
【0005】
また、攪拌翼は、回転軸と同期して回転するために回転軸が1回転する毎に攪拌翼が散布口の上方或いはその近傍を通過するものであるために、攪拌翼が肥料等を強制的に散布口へと案内することとなり、攪拌翼が散布口を通過するときに肥料等が間欠的に増加する傾向にある。
従って、従来の散布装置においては数種類の肥料等を均等に攪拌混合させながら圃場への均質な散布が困難で、期待できない等の問題があった。
【0006】
本発明はこの様な従来事情に鑑み、ホッパ内に投入される数種類の肥料等を短時間で均質に攪拌混合する攪拌方法について実験等を繰り返しながら研究を重ねてきた結果、肥料等を横送りで往復させながらホッパ内を流動させることが短時間で均質に攪拌混合し得ることに着目し、本発明に至ったものであり、その目的とする処は、粒径や形状、比重等を問わずに数種類の肥料等を短時間で効率的に攪拌混合し得るようにした散布装置を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために講じる請求項1の発明は、粒状又は粉状等の肥料又は種子、飼料等を投入するホッパと、このホッパ内に設けられ、前記肥料等を攪拌混合する攪拌手段とを備え、
トラクターの後部に支持機構により連結支持され且つトラクターからの動力により前記攪拌手段を回転駆動させて、前記肥料等を攪拌混合しながらホッパの底部に形成された散布口から落下させて散布する散布装置において、
前記攪拌手段は、平面視略横長矩形状を呈するホッパの長手方向に亘り回転架橋状に配設される回転主軸と、この回転主軸の周りに同軸状に固着巻回される攪拌翼とを備え、
前記攪拌翼は、螺旋方向が互いに逆巻きで且つ螺旋外径が異なる大径リボンスクリューと小径リボンスクリューとから内外二重スクリュー構造に構成され、且つ、前記大径リボンスクリューの螺旋外径が前記ホッパの短辺幅と略同じ程度に形成されてなる散布装置にある。
上記小径リボンスクリューのリボン幅としては大径リボンスクリューよりも幅広であることが好ましい。これにより、螺旋径が異なることで変わる移送能力をカバすることができる。換言すれば、大径リボンスクリューの移送能力と同等の能力で肥料等を横送り移送することができる。
【0008】
また、請求項2の発明は、上記大径リボンスクリューと小径リボンスクリューとは少なくともホッパの長手方向中央部位を境に左右に2分割され、大径リボンスクリューはホッパの中央部から左右両側方向へ向けて肥料等を横送り攪拌移送する一方で、小径リボンスクリューは左右両側から中央部方向へ向けて肥料等を攪拌移送するように螺旋方向が互いに逆巻きに形成されてなる散布装置にある。
【0009】
また、請求項3の発明は、上記小径リボンスクリューのリボン幅が、大径リボンスクリューよりも幅広く形成されてなることである。
これにより、螺旋径が異なることで変わる移送能力をカバすることができる。換言すれば、大径リボンスクリューの移送能力と同等の能力で肥料等を横送り移送することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明散布装置Aの実施形態の一例を示し、1はホッパ、2は攪拌手段、3は開閉自在な散布口4,5を有するシャッターユニットである。
この散布装置Aは、トラクターBの機体B−1後部に装設されている3点支持機構6を介してトラクターBの後部に昇降自在に連結支持され、且つ、入力軸(PIC)7を機体B−1後部から突出する出力軸(PTO)8に動力伝達機構9を介して連結することにより、出力軸8からの動力によりホッパ1内の攪拌手段2が回転駆動し、ホッパ1内に投入された数種類の肥料M等をホッパ1の長手方向に横送り往復移送せしめながら均質に攪拌混合するようにしてある。
攪拌混合せしめられたホッパ1内の肥料M等は、シャッターユニット3の各散布口4,5から散布導管10を通して圃場に落下散布される。
【0011】
因みに、動力伝達機構としてはPICアダプター又はユニバーサルジョイント等が挙げられる。
【0012】
ホッパ1は、適宜の長さ(略2m前後)を有する平面視略横長矩形状で、上部並びに底部を開口させた箱型に形成され、長手方向に開口する開口底部にはシャッターユニット3が組み込み装着され、内部には攪拌手段2が長手方向に亘り回転架橋状に配設されるように形成されてなる。
【0013】
また、ホッパ1の長辺一側には中央部位に入力軸7を有するミッション部11が、両側のホッパ機枠1−1に亘り具備されており、このミッション部11のミッション軸の一端側が、攪拌手段2の後述する回転主軸2−1の一端側にスプロケット12,13と、この両スプロケット12,13に亘り巻回装架するチェーン14とにより連繋され、動力伝達機構9を介して入力軸7に伝動されてくる出力軸8からの動力が攪拌手段2に伝達されて、該攪拌手段2が所定の速度で駆動回転するようにしてある。
攪拌手段2の回転速度としては特に限定されるものではないが、例えば40〜70rpm、好ましくは50〜60rpmの範囲が好ましいものである。
【0014】
また、ミッション部11が具備されているホッパ1の長辺一側には連結腕片15,16が夫々具備されており、トラクターBの3点支持機構6のリフトアーム、トップリンク、ロアリンク等にピン止めにより連結支持させるようにしてある。
【0015】
攪拌手段2は、ホッパ1の短辺両側間に亘り回転架橋状に配される回転主軸2−1と、この回転主軸2−1の周りに同軸状で逆巻きに巻回支持される大径リボンスクリュー2−2と小径リボンスクリュー2−3とを備え、この両スクリュー2−2,2−3の夫々の逆巻き回転により、ホッパ1内に投入される数種類の肥料M等をホッパ1の長手方向一方から他方側へ、他方から一方側へと横送り攪拌移送することを継続的に繰り返しながら肥料M等を均質に混合せしめるように構成してなる。
【0016】
大径リボンスクリュー2−2は、螺旋外径がホッパ1の短辺幅に相当する大きさを有する所定リボン幅の帯状に形成されて、回転主軸2−1から軸方向に等間隔をおいて直交放射状に突設させた各支持杆17に溶接等の適宜の固着手段にて固着せしめることで、回転主軸2−1の周りに軸方向全長に亘り等螺旋ピッチにて同軸状に支持巻回させるようにしてなる。
【0017】
また、図2、図3に示すように、大径リボンスクリュー2−2はホッパ1の長手方向中央部位を境に左右に2分割されて回転主軸2−1に支持巻回されて、その一方側(図3において右側)がホッパ1内の中央部から短辺一側方向へ、他方側(図3において左側)が中央部から短辺他側方向へ向けて肥料M等を横送り攪拌移送するように形成されてある(図3で夫々示す矢印方向)。
【0018】
小径リボンスクリュー2−3は、螺旋外径が前述の大径リボンスクリュー2−2の螺旋内径よりも一回りほど小さい所定リボン幅の帯状に形成され、回転主軸2−1から直交状に突出させた前述の各支持杆17に溶接等の適宜の固着手段にて固着せしめることで、回転主軸2−1の周りに軸方向全長に亘り等螺旋ピッチにて大径リボンスクリュー2−2の螺旋方向とは逆巻きで同軸状に支持巻回させるようにしてなる。
【0019】
また、図2、図3に示すように、小径リボンスクリュー2−3は前述の大径リボンスクリュー2−2と同様に、ホッパ1の長手方向中央部位を境に左右に2分割されて回転主軸2−1に支持巻回され、その一方側(図3において右側)がホッパ1内の短辺一側から中央部側方向へ、他方側(図3において左側)が短辺他側から中央部側方向へ向けて肥料M等を横送り攪拌移送するようにしてある(図3で夫々示す矢印方向)。
【0020】
また、小径リボンスクリュー2−3は、リボン幅を大径リボンスクリュー2−2よりも幅広く形成することで、螺旋径の大きさにより変わる肥料M等の移送能力を大径リボンスクリュー2−2と同等の能力にて横送り移送し得るようにしてある。
【0021】
尚、図示を省略しているが、シャッターユニット3はホッパ1の開口底部にヒンジ並びにバックル等の止め具を介して開閉可能に組み込み装着される散布口4…を有する固定シャッターと、この固定シャッターの裏面側にスライド可能に組み込み装着される散布口5…を有する可動シャッターとで構成されている。
可動シャッターは、ホッパ機枠1−1に装備されている駆動機(モータ)に、駆動機の回転方向の動きを水平な動きに変換する変換機構やその他の構成機構からなる連繋手段を介して連繋されており、駆動機が例えば正転することにより、各散布口5…を、固定シャッターの各散布口4…に対して適合位置させる開方向にスライド移動せしめることで、散布が可能な開状態となるように、そして、各散布口5…を、固定シャッターの各散布口4…の開口位置から外れる閉方向にスライド移動せしめることで、散布が停止する閉状態となるように構成されている。
【0022】
上記駆動機は、トラクターBの運転席等に装備されている手元スイッチの正転・逆転切替え操作により正転・逆転するようにしてある。
【0023】
次に、以上の如く構成された本実施例詳述の散布装置Aの作用について簡単に説明する。
粒状又は粉状等の肥料又は種子、飼料等をホッパ1内に投入し、トラクターBの動力によりホッパ1内攪拌手段2を駆動回転させる。
すると、ホッパ1内の肥料M等は左右に2分割された大径リボンスクリュー2−2の作用によりホッパ1の中央部位から左右両側方向へと横送り拡散移送される。この時、スクリュー2−2の螺旋外径がホッパ1の開口短辺幅に相当することから、ホッパ1内の特に壁部に沿って内在する肥料M等は左右両側方向へ向けて確実に攪拌移送される。
そして、ホッパ1の左右両側へと攪拌移送されてきた肥料M等は同じく左右に2分割された逆巻きの小径リボンスクリュー2−3の作用によりホッパ1の中央部位側へと横送り攪拌移送される。この時、スクリュー2−3のリボン幅が前述のスクリュー2−2よりも幅広であることから、該スクリュー2−2の同等の移送能力をもって肥料M等はホッパ1の中央部位へ向けて攪拌移送される。
【0024】
この様に、本実施例詳述の散布装置Aによれば、攪拌手段2がホッパ1の短辺幅に相当する螺旋外径を有する大径リボンスクリュー2−2と、逆巻きでリボン幅を幅広くした小径リボンスクリュー2−3とを回転主軸1の周りに同軸二重構造にて支持巻回させ、更に、両スクリュー2−2,2−3をホッパの1中央部位を境に左右に2分割させて、ホッパ1内に投入される肥料M等をホッパ1の中央部位を境に左右方向に横送り攪拌移送しながら混合するようにしたことで、ホッパ1内全域の肥料M等を満遍なく、効率的且つ短時間で均質に攪拌混合することができる。
【0025】
尚、前述した実施例詳述においては攪拌手段の大径リボンスクリュー2−2と小径リボンスクリュー2−3を、ホッパ1の長手方向中央部位を境に左右に2分割して回転主軸1−1に支持巻回させた2分割構造として詳述したが、更に2分割せしめた4分割構造とするも良い。
また、分割間隔としては等間隔に限らず、例えばホッパ1の中央部位側を広く、左右両側を狭くする等、任意である。
【0026】
【発明の効果】
本発明の散布装置の攪拌手段は叙上の如く構成してなるから、下記の作用効果を奏する。
攪拌手段が平面視横長矩形状を呈するホッパの短辺幅に相当する大径リボンスクリューと、逆巻きでリボン幅を幅広とする小径リボンスクリューとを回転主軸の周りに同軸二重構造にて支持巻回させ、更に、両スクリューをホッパの中央部位を境に左右に2分割させて、ホッパ内に投入される肥料等をホッパの中央部位を境に左右方向に横送り攪拌移送しながら混合するようにしたことで、ホッパ内全域の肥料等を満遍なく、効率的に攪拌混合することができる。ひいては、粒径や形状、比重等を問わずに数種類の肥料等を短時間で効率的に攪拌混合することが可能となる。
【0027】
従って、本発明によれば、作業性の向上と、数種類の肥料等を均質な混合状態にて圃場等へ落下散布することが期待でき、更には散布ムラの無い信頼性の高い散布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明散布装置の実施形態の一例を示した縦断側面図で、トラクター後部の連結支持させた状態を示す
【図2】同装置の平面図
【図3】同横断平面図で、攪拌手段の回転駆動によるホッパ内肥料等の流れを示す
【符号の説明】
A:散布装置         1:タンク
2:攪拌手段         2−1:回転主軸
2−2 :大径リボンスクリュー  2−3:小径リボンスクリュー
3:シャッターユニット    4,5:散布口
6:3点支持機構       7:出力軸(PTO)
8:入力軸(PIC)     9:動力伝達機構
B:トラクター        M:肥料等
【出願人】 【識別番号】000132828
【氏名又は名称】株式会社タイショー
【住所又は居所】茨城県水戸市元吉田町1027番地
【出願日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【代理人】 【識別番号】100109955
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 貞行

【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男

【識別番号】100111785
【弁理士】
【氏名又は名称】石渡 英房

【公開番号】 特開2004−141020(P2004−141020A)
【公開日】 平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願番号】 特願2002−307442(P2002−307442)