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【発明の名称】 田植機の変速操作部構造
【発明者】 【氏名】谷 和典
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】森本 琢也
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】小池 康三
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】横送り変速機構をフィードケースの内部に設けるとともに、横送り変速機構の変速操作軸をフィードケースに摺動自在に貫設してある田植機において、横送り変速機構の変速操作が軽く行なえる割には、変速操作部構造がシンプルかつ製作容易に得られるようにする。

【解決手段】フィードケース27にレバー支点部27bを一体鋳造してある。レバー支点部27bと変速操作軸46にわたって変速レバー47を取り付けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗載せ台横送り軸を変速駆動する横送り変速機構をフィードケースの内部に設けるとともに、前記横送り変速機構の変速操作軸を前記フィードケースに摺動自在に貫設してある田植機の変速操作部構造であって、
前記フィードケースにレバー支点部を一体鋳造するとともに、このレバー支点部と前記変速操作軸にわたって変速レバーを取り付けてある田植機の変速操作部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、苗載せ台横送り軸を変速駆動する横送り変速機構をフィードケースの内部に設けるとともに、前記横送り変速機構の変速操作軸を前記フィードケースに摺動自在に貫設してある田植機の変速操作部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記田植機において、変速操作軸のフィードケースから突出している端部に操作ノブを設け、この操作ノブによって変速操作軸をスライド操作することによって横送り変速機構を変速操作するように構成すると、変速操作軸に作用するシール材による摩擦などのために変速操作が重くなることがある。このため、従来、たとえば特許文献1に示されるように、フィードケースにこれとは別に作製した部材を取り付けて設けたレバー支点部と、変速操作軸とにわたって変速レバーを取り付けて、この変速レバーをレバー支点部による支点のまわりで揺動操作して変速操作軸をスライド操作するように構成し、軽く変速操作することが可能になったものがあった。
【0003】
【特許文献1】
実公昭61−42331号公報 ( 第2頁、 第4図 )
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の変速操作部構造にあっては、必要な部材数が多くなり、構造が複雑化していた。また、製作及び組み立てにも必要な手間が多くなっていた。
【0005】
本発明の目的は、軽く変速操作できながら構造面や製作面などでも有利に得られる田植機の変速操作部構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0007】
〔構成〕
苗載せ台横送り軸を変速駆動する横送り変速機構をフィードケースの内部に設けるとともに、前記横送り変速機構の変速操作軸を前記フィードケースに摺動自在に貫設してある田植機の変速操作部構造において、前記フィードケースにレバー支点部を一体鋳造するとともに、このレバー支点部と前記変速操作軸にわたって変速レバーを取り付けてある。
【0008】
〔作用〕
変速レバーをレバー支点部によるレバー支点のまわりで揺動操作して梃子の作用で変速操作軸を摺動操作するものであるから、変速操作軸の摺動抵抗などによる操作抵抗の割には変速操作力が軽くて済む。
【0009】
フィードケースにレバー支点部を一体鋳造してあるものだから、フィードケースとレバー支点部を一体部品にかつ一挙に得られる。
【0010】
〔効果〕
従って、梃子の作用で軽く変速操作できるものでありながら、フィードケースとレバー支点部が一体部品になったシンプルな構造に得られる。また、フィードケースとレバー支点部を一挙に作製できるとともにこれらの組み付け手間が不要になってコストダウンできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示すように、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1と左右一対の駆動自在な後車輪2によって自走し、車体前部に位置する原動部、この原動部の両横側方に位置する予備苗載せ装置3、車体後部に位置する運転座席4が備えられた運転部、運転座席4の両横側方に分かれて位置している左右一対の肥料タンク11が備えられた施肥装置10を有した自走車体の車体フレームの後部にリンク機構5を介して苗植付装置20を連結するともに、自走車体の原動部のエンジン6からの駆動力を回転軸7によって苗植付装置20に伝達するように構成して、施肥装置付き乗用型田植機を構成してある。
【0012】
この田植機は、リンク機構5の苗植付装置側の部材にロッド側が連結しているリフトシリンダ8を操作すると、このリフトシリンダ8がリンク機構5を車体フレームに対して上下に揺動操作して苗植付装置20を、これの機体横方向に並んでいる3つの接地フロート21が圃場面に接地した下降作業位置と、この接地フロート21が圃場面から浮上した上昇非作業位置とに昇降操作する。苗植付装置20を下降作業位置にして自走車体を走行させることにより、苗植付装置20がこれの機体横方向に並んでいる4つの苗植付機構22によって圃場面に4条の苗植付けを行い、施肥装置10が4条の植付け苗それぞれの横側近くに粒状の肥料を供給していくものであり、詳しくは、次の如く構成してある。
【0013】
苗植付装置20は、図3、図4などに示すように、苗植付装置20の横方向に沿う角鋼管で成るメインフレーム26と、このメインフレーム26の中間部に前部が連結しているフィードケース27と、前記メインフレーム26の両端部に前端側が連結している植付け伝動ケース28とによって機体フレームを構成し、前記左右一対の植付け伝動ケース28それぞれの後部の両横側に前記苗植付機構22を駆動自在に設け、前記機体フレームの前部の上側に、一つの苗載せ台23を機体横方向に摺動自在に設け、前記機体フレームの下側に機体横方向に並ぶ前記3つの接地フロート21を取り付けて構成してある。
【0014】
各苗植付機構22は、前記植付け伝動ケース28によって駆動回動自在に支持されているロータリケース22a、及び、このロータリケース22aの両端部に回動自在に付いている植付けアーム22bを備えて成り、両植付けアーム22bがロータリケース22aの回動軸芯まわりで公転しながら、ロータリケース内の駆動機構のためにロータケース22aに連結している軸芯まわりで自転することにより、両植付けアーム22bに付設してある植付け爪22cが交互に、苗載せ台23の下方付近の苗取り出し口と圃場の間を上下に往復移動するように苗植え運動を行い、苗載せ台23に載置されているマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を取り出して圃場に植え付けていく。
【0015】
苗載せ台23は、図2の如く苗載せ台23の横方向に並ぶ4つの苗載置部23aを備えているとともに苗植付機構22が苗植え運動を行なうに伴って機体横方向に往復移送されるように構成してあり、4つの苗載置部23aから4つの苗植付機構22に各別に苗供給し、かつ、各苗植付機構22が対応する苗載置部23aに載置されているマット状苗の下端部の横一端側から他端側に向けて一株分のブロック苗を切断して取り出していくように各苗載置部23aのマット状苗を苗植付機構22に対して横送りする。前記4つの苗載置部23aそれぞれの下端側に苗載せ台23の横方向に並ぶ一対の苗縦送りベルト24を備えてあるとともに、各苗縦送りベルト24は、苗載せ台23が左右の横移動ストロークエンドに到達する都度、所定のストロークだけ駆動されるように構成してあり、苗載せ台23は、左右の横移動ストロークエンドに到達して植付機構22がマット状苗の下端部の横端までの苗取り出しを完了すると、駆動される苗縦送りベルト24によってマット状苗を苗植付機構22が取り出す一株分のブロック苗の苗縦方向での長さに相当する分だけ縦送りする。
【0016】
苗植付装置20の駆動構造は、図5、図7に示す如く構成してある。
【0017】
前記エンジン6から前記回転軸7に伝達された駆動力を前記フィードケース27の下部に位置する入力軸31に伝達するとともに、この入力軸31の駆動力を入力軸31の後端部からベベルギヤ機構32を介して機体横向きの一本の出力軸33に伝達し、この出力軸33の駆動力を、出力軸33の左側端部から伝動軸34を介して前記左側の植付け伝動ケース28の入力軸35に伝達し、この入力軸35の駆動力を伝動チェーン36を介して、左側2つの苗植付機構22の前記ロータ22aが一体回動自在に連結している植付け駆動軸37に伝達し、前記出力軸33の駆動力を、この出力軸33の右側端部から伝動軸34を介して前記右側の植付け伝動ケース28の入力軸35に伝達し、この入力軸35の駆動力を伝動チェーン36を介して、右側2つの苗植付機構22の前記ロータ22aが一体回動自在に連結している植付け駆動軸37に伝達するようしてある。
【0018】
前記出力軸33を左側の植付け伝動ケース28の入力軸35に連動させている前記伝動軸34も、前記出力軸33を右側の植付け伝動ケース28の入力軸35に連動させている前記伝動軸34も、筒軸によって構成し、出力軸33に対しても入力軸35に対しても、図5、図8に示す連結構造によって一体回転するように連結してある。
【0019】
すなわち、伝動軸34の端部34aが出力軸33の端部33aや入力軸35の端部35aに対して外嵌するように構成してある。出力軸33及び入力軸35の端部33a,35aの横断面形状が非円形であることのために、伝動軸34と出力軸33及び入力軸35が一体回転自在に係合するように構成してある。出力軸33及び入力軸35の端部33a,35aの横断面形状を、一方の直線部S1の長さL1と他方の直線部S2の長さL2が異なる非対象小判形にしてある。すなわち、伝動軸34と出力軸33及び入力軸35が単一の特定の回転位相になるように位相合わせされることによって連結し合う非円形状の一例の形状にしてある。
【0020】
これにより、伝動軸34と出力軸33及び入力軸35を連結するに当たり、両軸の位相合わせに誤りが発生しないようにしながら、伝動軸34を出力軸33及び入力軸35に対して外嵌させるだけで一体回動自在に連結できる。
すなわち、苗植付機構22は、一対の植付け爪22cで交互に苗植付けするように構成し、植付け伝動ケース28の入力軸35の駆動力を植付け駆動軸37に対して1/2の回転速度に減速して伝達するように構成してある。このため、出力軸33及び入力軸35の横断面形状を、六角形状であるとか、一対の直線部どうしの長さが等しい対称小判形などの非円形状にし、伝動軸34が出力軸33及び入力軸35に対して外嵌されるだけで一体回動自在に連結するように構成した場合、伝動軸34と出力軸33及び入力軸35が複数の特定の回転位相で連結し合うことになる。すると、伝動軸34と出力軸33及び入力軸35を連結する際の位相合わせに誤りが発生し、定位置停止クラッチが働いた際に植付け爪22cが圃場に位置しているなど、出力軸33の回転位置と、苗植付機構22の回転位置との位置関係に狂いが発生することがある。これに対し、伝動軸34と出力軸33及び入力軸35が単一の特定の回転位相でしか連結しないものであるから、伝動軸34を出力軸35及び入力軸33に対して外嵌させると、両軸が適切な位相合わせになった状態で連結し、出力軸33の回転位置と、苗植付機構22の回転位置とが適切な位置関係になる。
【0021】
図5などに示すように、前記フィードケース27の前記出力軸33の駆動力をフィードケース27の内部に位置する横送り変速機構40の2個の入力スプロケット41a,41bに伝達するように構成するとともに、この横送り変速機構40の2個の出力スプロケット42a,42bを苗載せ台横送り軸50に一体回動自在に連結してある。苗載せ台横送り軸50は、機体フレームに立設の苗載せ台支柱51に固定の支持部材52と、フィードケース27の上部とにわたって回動のみ自在に支持させてある。苗載せ台横送り軸50のフィードケース外に位置する部分に横送り体53を相対回転及び摺動自在に外嵌させてあるとともに、この横送り体53は苗載せ台23に対して一体に横移動するように連結してある。
【0022】
すなわち、前記出力軸33の駆動力を横送り変速機構40に入力して、この横送り変速機構40によって苗載せ台横送り軸50を低速と高速の2段階に切り換えて駆動する。すると、苗載せ台横送り軸50は、低速と高速のいずれで駆動された場合も、横送り体53の内周側に位置している送り爪53aが苗載せ台横送り軸50の螺旋送り溝50aに係入していることによって横送り体53を苗載せ台横送り軸50に沿わせて往復移動させ、これによって苗載せ台23を苗植付機構22の苗植え運動に連動させて横方向に往復移送する。そして、低速で駆動された場合、苗載せ台23を低速で往復移送してマット状苗の苗植付機構22に対する横送り速度を遅くし、苗植付機構22がマット状苗から取り出す一株分のブロック苗の苗横幅方向での大きさを小にし、高速で駆動された場合、苗載せ台23を高速で往復移送してマット状苗の苗植付機構22に対する横送り速度を速くし、苗植付機構22がマット状苗から取り出す一株分のブロック苗の苗横幅方向での大きさを大にする。
【0023】
図6に示すように、前記横送り変速機構40は、前記出力軸33に相対回転自在に外嵌している前記2個の入力スプロケット41a,41b、前記苗載せ台横送り軸50に外嵌しているとともにキー係合によって一体回動自在に連結している前記2個の出力スプロケット42a,42b、一方の入力スプロケット41aと出力スプロケット42aにわたって巻回している伝動チェーン43a、他方の入力スプロケット41bと出力スプロケット42bにわたって巻回している伝動チェーン43b、前記出力軸33のキー溝33aに入り込んでいるシフトキー44を備えて構成してある。
【0024】
図6、図7に示すように、前記シフトキー44の一端部に係止しているシフトフォーク45をフィードケース27に前記出力軸33に沿う方向に摺動自在に取り付けているとともにフィードケース27を摺動自在に貫通しているシフトフォーク支軸で成る変速操作軸46、及び、フィードケース27の横外側に設けた変速レバー47を備えて、横送り変速機構40の変速操作部を構成してある。
【0025】
すなわち、前記変速レバー47は、フィードケース27を構成している一対の分割ケース27aの一方を鋳造する際、この分割ケース27aの外面側に突出するように形成してこの分割ケース27aに一体鋳造してあるレバー支点部27bと、前記変速操作軸46のフィードケース外に突出している端部とにわたって取り付けてあり、変速レバー47をレバー支点部27bに連結している連結ピン48の軸芯まわりで大供給位置Aと小供給位置Bに揺動操作して変速操作軸46を摺動操作するように構成してある。
変速レバー47を大供給位置Aに操作すると、変速操作軸46がシフトフォーク45を伝動チェーン43aに近づく側に摺動操作してシフトキー44を、これの2つの位置決め凹部44a,44bのうちのシフトキー基端側に位置する方の位置決め凹部44aが前記出力軸33に付設のデテント体49に符号した高速位置に操作する。すると、シフトキー44の先端部44cが一方の入力スプロケット41bのキー溝に入り込んでこの入力スプロケット44bと出力軸33を一体回転自在に連結する。これにより、横送り変速機構40は、出力軸33の駆動力を入力スプロケット41bに入力して伝動チェーン43bによって小径側の出力スプロケット42bに伝達し、この出力スプロケット42bによって苗載せ台横送り軸50を高速で駆動するように高速状態になる。
変速レバー47を小供給位置Bに操作すると、変速操作軸46がシフトフォーク45を伝動チェーン43aから離れる側に摺動操作してシフトキー44を、これの2つの位置決め凹部44a,44bのうちのシフトキー先端側に位置する方の位置決め凹部44bが前記デテント体49に符号した低速位置に操作する。すると、シフトキー44の先端部44cが他方の入力スプロケット41aのキー溝に入り込んでこの入力スプロケット41aと出力軸33を一体回転自在に連結する。これにより、横送り変速機構40は、出力軸33の駆動力を入力スプロケット41aに入力して伝動チェーン43aによって大径側の出力スプロケット42aに伝達し、この出力スプロケット42aによって苗載せ台横送り軸50を低速で駆動するように低速状態になる。
【0026】
図10に示すように、前記苗載せ台横送り軸50のフィードケース27で支持されている側の端部に対して一端側が継ぎ手60によって一体回動自在に連結し、途中が前記メインフレーム26に固定の支持部材61で回動自在に支持されている縦送り駆動軸62、苗載せ台23の下端側の裏面側に位置している苗載せ台横向きの縦送りベルト駆動軸63を備えて、苗縦送り駆動機構を構成してある。
【0027】
図12、図13、図14に示すように、前記縦送りベルト駆動軸63は、苗載せ台23の右側2列の苗載置部23aの全ての前記苗縦送りベルト24が巻回しているベルト駆動輪体64を一体回転自在に支持している1本の筒支軸65と、苗載せ台23の左側2列の苗載置部23aの全ての前記苗縦送りベルト24が巻回しているベルト駆動輪体64を一体回転自在に支持している1本の筒支軸65の一方の筒支軸65をこれの全長にわたって相対回動自在に挿通している六角軸で成り、苗載せ台23の左右中央部で、前記一対の筒支軸65のいずれに対しても図9、図14に示す如く端数条植えクラッチ66を介して連動するように構成してある。図14に示すように、前記一対の端数条植えクラッチ66のそれぞれは、縦送りベルト駆動軸63に対して摺動自在に外嵌するとともに縦送りベルト駆動軸63の六角形状ための一体回動自在に係合しており、入り付勢ばね67によってベルト駆動輪体64の方に摺動操作されてこのベルト駆動輪体64の筒支軸65に連結しているボス部64aの端部に対してクラッチ爪66aが係合することにより、縦送りベルト駆動軸63の駆動力を一つのベルト駆動輪体64に対しては直接に、他のベルト駆動輪体64に対しては係合したベルト駆動輪体64及び筒支軸65を介してそれぞれ伝達するべく入り状態になるように構成してある。
【0028】
図10に示すように、前記縦送りベルト駆動軸63の苗載せ台23の横端近くに位置する端部と、前記筒支軸65の端からやや苗載せ台内側に位置する部位のそれぞれから操作アーム68を延出させてある。図12に示すように、縦送りベルト駆動軸63から延出している方の操作アーム68の縦送りベルト駆動軸63に外嵌しているボス部68aは、縦送りベルト駆動軸63に対して一方向回転クラッチ69を介して連結している。図13に示すように、筒支軸65から延出している方の操作アーム68の筒支軸65に外嵌しているボス部68aは、筒支軸65に対して正回転、逆回転いずれの回転方向にも相対回転するように連結しているが、左右一対の操作アーム68の遊端側どうしにわたって連動プレート70を連結してあり、左右一対の操作アーム68は、前記連動プレート70による連動と前記一方向回転クラッチ69とのために、縦送りベルト駆動軸63が苗縦送りベルト24を苗縦送り方向に駆動する方向には縦送りベルト駆動軸63と共に回動し、この回動方向とは逆の方向には縦送りベルト駆動軸63に対して相対回動する。縦送りベルト駆動軸63の端部にコイル部が外嵌し、一端側が前記一方の操作アーム68に係止している図12のリターンスプリング71が、両操作アーム68を縦送りベルト駆動軸63に対して相対回動する方向に回動操作するとともに待機位置に回動付勢している。
【0029】
図10に示すように、前記縦送り駆動軸62の苗載せ台横送り軸50に連結している側とは反対側の端部に、駆動アーム72を一体回動自在に備えてある。
【0030】
これにより、苗縦送り駆動機構は、各苗縦送りベルト24を次の如く駆動する。
すなわち、駆動アーム72は、一定の位置で常に苗載せ台横送り駆動軸50と共に回動するように駆動されており、左右一対の操作アーム68は、苗載せ台23と共に機体フレームに対して左右に横移動する。苗載せ台23が左右の横移動スロトークエンドに到達するまでは、左右いずれの操作アーム68も駆動アーム72の回動経路から外れていてリターンスプリング71によって待機位置に維持されており、各苗縦送りベルト24を停止させている。苗載せ台23が左側の横移動ストロークエンドに到達した場合には、右側の操作アーム68が駆動アーム72の回動経路に入り込み、苗載せ台23が右側の横移動ストロークエンドに到達した場合には、左側の操作アーム68が駆動アーム72の回動経路に入り込み、いずれの場合も、図11に二点鎖線で示すように、駆動アーム72が操作部72aによって操作アーム68を押圧してリターンスプリング71に抗して揺動操作して縦送りベルト駆動軸63を駆動する。これにより、左右一対の端数条植えクラッチ66のいずれか一方だけが入り状態になっておれば、端数条植えクラッチ66が入り状態になっている方の2列の苗載置部23aのベルト駆動輪体64を縦送りベルト駆動軸63によって駆動し、ベルト駆動輪体64によって苗縦送りベルト24を苗縦送り方向に駆動し、左右一対の端数条植えクラッチ66のいずれもが入り状態になっておれば、全ての苗載置部23aのベルト駆動輪体64を縦送りベルト駆動軸63によって駆動し、ベルト駆動輪体64によって苗縦送りベルト24を苗縦送り方向に駆動する。いずれの場合も、苗縦送りベルト24の駆動ストロークが苗植付機構22によって取り出されるブロック苗の苗縦方向での長さに相当するものになると、駆動アーム72が操作アーム68から外れ、縦送りベルト駆動軸63の駆動を停止して苗縦送りベルト24を停止させ、これとともにリターンスプリング71によって左右一対の操作アーム68を待機位置に復帰させる。
【0031】
図1、図2に示すように、施肥装置10は、前記左右一対の肥料タンク11、この左右一対の肥料タンク11それぞれの下部に連結している肥料繰出し装置12、この左右一対の肥料繰出し装置12にわたって連結している1本の送風管13、この送風管13の一端側に連結している電動ブロワ14を備えて構成してある。
【0032】
前記左右一対の肥料繰出し装置12それぞれに、車体横方向に並ぶ2つの肥料送出部12a、及び、各肥料送出部12aから苗植付装置10に向かって延出している樹脂管やビニールホースで成る施肥管路15を備えてある。前記4本の施肥管路15の延出端側は、苗植付装置20の4つの苗植付機構22それぞれによる苗植付け箇所の横側付近に1個ずつ位置するように配置して接地フロート21に支持させてある図3の如き施肥具16に各別に接続してある。前記送風管13は、左右一対の肥料繰出し装置12それぞれの前記2つの肥料送出部12aに各別に肥料搬送風を送り込む送風口に連通している。
【0033】
これにより、施肥装置10は、苗植付装置20が苗植え作業を行なう伴い、電動ブロワ14によって肥料搬送風を発生させて送風管13に送り込んでこの送風管13によって各肥料繰出し装置12の各肥料送出部12aに肥料搬送風を送り込むとともに、各肥料繰出し装置12によって肥料タンク内の粒状肥料を肥料タンク11から設定量ずつ肥料送出部12aに繰出し、各肥料繰出し部12aに繰出された肥料を、送風管13からの肥料搬送風によって施肥管路15を通して施肥具16に供給し、各施肥具16によって圃場泥土の苗植付け箇所の横側近くに溝を作成し、この溝内に施肥管路15からの肥料を供給していく。
【0034】
図4、図10に示すように、苗植付装置20においてこの機体横方向に並んでいる前記4個の施肥具16のうち、最も機体右外側に位置する施肥具16に接続している前記施肥管路15は、苗植付装置20の前記メインフレーム26の端部から機体横外側に向かって延出している丸鋼管で成る保護フレーム29と、前記連動プレート70との間を通って車体側から施肥具16に至るようにして配管してある。前記4個の施肥具16のうち、前記最機体右横外側に位置する前記1個の施肥具16以外の3個の施肥具16に接続している前記施肥管路15は、前記縦送り駆動軸62より苗載せ台23の方に位置する部位を通って車体側から施肥具16に至るようにして、又は、前記苗載せ台横送り軸50より苗載せ台23の方に位置する部位を通って車体側から施肥具16に至るようにして配管してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】施肥装置付き乗用型田植機全体の側面図
【図2】施肥装置付き乗用型田植機全体の平面図
【図3】苗植付装置の側面図
【図4】苗植付装置の機体フレームの平面図
【図5】フィードケース及び植付け伝動ケースの断面図
【図6】フィードケースの断面図
【図7】フィードケースの側面図
【図8】伝動軸の出力軸及び入力軸に対する連結部の断面図
【図9】苗縦送りベルト駆動構造を示す説明図
【図10】苗縦送りベルト駆動構造を示す説明図
【図11】縦送り駆動軸による縦送りベルト駆動軸の駆動要領を示す側面図
【図12】縦送りベルト駆動軸の操作アーム延出部を示す断面図
【図13】筒支軸の操作アーム延出部を示す断面図
【図14】端数条植えクラッチ配設部の断面図
【符号の説明】
27      フィードケース
27b     レバー支持部
40      横送り変速機構
46      変速操作軸
47      変速レバー
50      苗載せ台横送り軸
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2004−113072(P2004−113072A)
【公開日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願番号】 特願2002−279349(P2002−279349)