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【発明の名称】 田植機の車体構造
【発明者】 【氏名】谷 和典
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】森本 琢也
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】小池 康三
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】永田  康弘
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】ミッションケースと後フレームとで車体フレーム後部とし、後フレームの構造を簡単化してコストダウンや各種機械装置類の配置自由度を高める。

【解決手段】フレーム後部Frを、四連リンク機構支持用の後フレーム14とミッションケース3とを連結固定して構成し、後フレーム14を、前端部がミッションケース3に連結固定される横フレーム部15A,16Aの後端部から、上下のリンク17,18の前端部を枢支する縦フレーム部15B,16Bを立設して成る屈曲フレーム部材15を左右一対設けて構成する。屈曲フレーム部材15,16の頂部どうしが後輪フェンダ支持部材19で連結一体化され、かつ、リンク枢支部24,24どうしが、アッパーリンク17を枢支する軸部材21で相対位置決めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造であって、
前記車体フレームにおけるフレーム後部を、前記四連リンク機構が連結される後フレームと、ミッションケースとを連結固定して構成し、
前記後フレームを、前端部が前記ミッションケースに連結固定される前後向きの横フレーム部の後端部から、前記四連リンク機構におけるアッパーリンク及びロアーリンク夫々の前端部が枢支される上下向きの縦フレーム部を立設して成る屈曲フレーム部材を左右一対設けて構成するとともに、
左右の前記屈曲フレーム部材の頂部どうしが後輪フェンダ支持用部材で連結一体化され、かつ、左右の前記屈曲フレーム部材のアッパーリンク枢支部どうしが、前記アッパーリンクを枢支するための軸部材で相対位置決めされている田植機の車体構造。
【請求項2】
苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造であって、
前記車体フレームにおけるフレーム後部を、前記四連リンク機構が連結される後フレームと、ミッションケースとを連結固定して構成し、
前記後フレームを、前端部が前記ミッションケースに連結固定される前後向きの横フレーム部から、前記四連リンク機構におけるアッパーリンク及びロアーリンク夫々の前端部が枢支される上下向きの縦フレーム部を立設して成る屈曲フレーム部材を左右一対設けて構成するとともに、
前記横フレーム部の前部と前記縦フレーム部の上部とを連結する補強部材を設けてある田植機の車体構造。
【請求項3】
左右一対の前記補強部材に亘ってバッテリー支持フレームを架設連結してある請求項2に記載の田植機の車体構造。
【請求項4】
前記補強部材に、前記四連リンク機構の下降作動をロックするロック操作具と、前輪用のデフロックペダルとを支承してある請求項2又は3に記載の田植機の車体構造。
【請求項5】
苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造であって、
前記車体フレームにおけるフレーム後部を、前記四連リンク機構が連結される後フレームと、ミッションケースとを連結固定して構成し、
前記後フレームを、前端部が前記ミッションケースに連結固定される前後向きの横フレーム部から、前記四連リンク機構の上下一対の前側枢支部を有した上下向きの縦フレーム部を立設して成る屈曲フレーム部材を左右一対設けて構成し、
前記縦フレーム部における前記枢支部を、前記四連リンク機構を構成するリンク部材と前記縦フレーム部とのうちの一方にボス部材を、かつ、他方にボス部材に相対回動自在に内嵌される連結ボルトを前記ボス部材の軸方向の両端側で支持する両持ち支持部を取付けるとともに、前記両持ち支持部における一方の支持部と前記連結ボルトとを相対回動不能に嵌合してある田植機の車体構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、田植機の車体構造に係り、詳しくは、苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、田植機の車体構造は、前輪を支持するフロントミッションケースと、後輪を支持するリヤーミッションケースとを連結する左右一対の主フレームを基本として、昇降リンク機構を支持すべく板金材で形成された縦壁を、左右の主フレームの後部どうしに亘る状態で立設された構造の車体フレームを有して構成されるもの(例えば、特許文献1を参照)が一般的であった。
【0003】
そこで、後輪の走行面である硬盤に左右方向で起伏や凹凸があっても苗植付装置を水平に維持し易くするとか、後輪の接地追従性向上等を図るべく、左右の後輪を略独立懸架構造とすることが試されている。これは、車体の前後でほぼ中央に配置されたミッションケースの後端部に、前後方向長さの長い左右一対の後車軸ケースを左右軸心周りに揺動自在に枢支連結するとともに、左右の後車軸ケースと車体フレーム後部とに亘ってクッションユニットを架設する構造(例えば、特許文献2を参照)である。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−4611号公報
【0005】
【特許文献2】
特願2002−191185号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記後者の特許文献2に示されたものの場合には、ミッションケースと後車軸ケースとをフレーム部材で相対固定連結する必要がないので、ミッションケース自体が車体フレームの一部を兼ねる構造、すなわち、苗植付装置を昇降するための四連リンク機構を支持するための前後寸法の短い後フレームを、ミッションケースの後端部に連結一体化して車体フレームを構成している。
【0007】
しかしながら、後フレームは、左右の縦壁とこれら左右の縦壁を連結する複数の左右向きフレーム部材、並びに、四連リンク機構を枢支するための上下の枢支部との多数のフレーム部分が全て板金部材から構成されており、部品点数が多く、そのための型費も高くなってコスト的に不利であるとともに、板金部材故に、後フレームの内側と外側とが空間的に仕切られたような状態になって、操作ケーブル、操作ロッドといった機械連係部材やワイヤーハーネス等を通し難い面もあり、後フレームを有する車体構造としては改善の余地が残されているものであった。
【0008】
本発明の目的は、ミッションケースと後フレームとで車体フレームの主要部を構成しながら、後フレームの構造を簡単化して、そのコストダウンや各種機械装置類の配置自由度が改善されるといった利点が得られる田植機の車体構造を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1の構成は、苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造において、
前記車体フレームにおけるフレーム後部を、前記四連リンク機構が連結される後フレームと、ミッションケースとを連結固定して構成し、
前記後フレームを、前端部が前記ミッションケースに連結固定される前後向きの横フレーム部の後端部から、四連リンク機構におけるアッパーリンク及びロアーリンク夫々の前端部が枢支される上下向きの縦フレーム部を立設して成る屈曲フレーム部材を左右一対設けて構成するとともに、
左右の屈曲フレーム部材の頂部どうしが後輪フェンダ支持用部材で連結一体化され、かつ、左右の屈曲フレーム部材のアッパーリンク枢支部どうしが、アッパーリンクを枢支するための軸部材で相対位置決めされていることを特徴とする。
【0010】
〔作用及び効果〕
請求項1の構成は、ミッションケースを車体フレームの一部として活用する手段であり、それによって後フレームとしては、主に四連リンク機構を支持する機能を満たせば強度的に良いものとなる。この場合、後フレームの最小限度の構成要件としては、四連リンク機構を構成するアッパー及びロアーを揺動自在に支持するための各枢支部及びミッションケースとの連結部であるから、これらを満たすべく横フレーム部と縦フレーム部とを備えた左右一対の屈曲フレーム部材で後フレームが構成される。
【0011】
そして、これら左右の屈曲フレーム部材は、その前端部がミッションケースで、かつ、上端部が後輪フェンダ支持用部材で連結一体化されるとともに、屈曲フレーム部材の長手方向の中間部であるアッパーリンク枢支部どうしが軸部材で相対位置決めされることにより、屈曲フレーム部材を強固に連結一体化してループ状の後フレームに形成することができ、必要な機能から決まる長尺状的な屈曲フレーム部材を用いながら、強度十分に四連リンク機構を支持する車体フレームを構成することが可能になる。このように後フレームはいわば「籠状」の構造物に形成されることになるから、操作ケーブル、ロッドやワイヤーハーネス等の操作系、電気系の部品配策がし易いとともに、バッテリーや制御弁といった補機類の配置も行い易くなる。
【0012】
その結果、ミッションケースをフレーム後部に兼用し、かつ、四連リンク機構を支持する必要最小限度の後フレームを設けるという無駄のないコンパクトで補機類等の配置自由度も高い合理的な車体フレームが得られたとともに、屈曲フレーム部材どうしを、後輪フェンダー支持用部材、ミッションケース、及びアッパーリンク枢支部用の軸部材という、元々必要となる構成部材を用いて強度十分に連結一体化して後フレームを構成してあり、経済的にも有利なものにできた。
【0013】
〔構成〕
請求項2の構成は、苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造において、
車体フレームにおけるフレーム後部を、四連リンク機構が連結される後フレームと、ミッションケースとを連結固定して構成し、
後フレームを、前端部がミッションケースに連結固定される前後向きの横フレーム部から、四連リンク機構におけるアッパーリンク及びロアーリンク夫々の前端部が枢支される上下向きの縦フレーム部を立設して成る屈曲フレーム部材を左右一対設けて構成するとともに、
横フレーム部の前部と縦フレーム部の上部とを連結する補強部材を設けてあることを特徴とするものである。
【0014】
〔作用及び効果〕
請求項2の構成は、ミッションケースを車体フレームの一部として活用する手段であり、それによって後フレームとしては、主に四連リンク機構を支持する機能を満たせば強度的に良いものとなる。この場合、後フレームの最小限度の構成要件としては、四連リンク機構を構成するアッパー及びロアーを揺動自在に支持するための各枢支部及びミッションケースとの連結部であるから、これらを満たすべく横フレーム部と縦フレーム部とを備えた左右一対の屈曲フレーム部材で後フレームが構成される。
【0015】
そして、前後に長い横フレーム部と、上下に長い縦フレーム部とによって側面視で「L」又は「く」字状を呈する屈曲フレーム部材の両端部である前端部と上端部とを連結する補強部材を設けてあるから、屈曲フレーム部材は全体として側面視でループ状になって強度・剛性を改善することができるとともに、ミッションケースに支持される箇所から遠い縦フレーム部の上部も効果的に補強することができ、四連リンク機構を強度十分に支持できるようになる。後フレームは屈曲フレーム部材を基本とするものであって、板材による壁構造ではないから、操作ケーブル、ロッドやワイヤーハーネス等の操作系、電気系の部品配策がし易いとともに、バッテリーや制御弁といった補機類の配置も行い易くなる。
【0016】
その結果、ミッションケースをフレーム後部に兼用し、かつ、四連リンク機構を支持する必要最小限度の後フレームを設けるという無駄のないコンパクトで補機類等の配置自由度も高い合理的な車体フレームが得られたとともに、軽量で小型の後フレームとしながら、屈曲フレーム部材の両端部を補強部材で連結一体化することにより、四連リンク機構を強度十分に支持するに必要な強度・剛性を持たすことができた。
【0017】
〔構成〕
請求項3の構成は、請求項2の構成において、左右一対の補強部材に亘ってバッテリー支持フレームを架設連結してあることを特徴とするものである。
【0018】
〔作用及び効果〕
請求項3の構成は、屈曲フレーム部材の補強を行うための部材をバッテリー支持フレームの支持部材に兼用させる手段であり、バッテリー支持フレームを支持するための専用の支持部材が要らないようになり、その分のコストダウンや軽量化が可能であるとともに、左右の補強部材を介して後フレーム全体の強度・剛性を改善できるようにもなる。従って、請求項2の構成による前記作用及び効果を奏するとともに、バッテリー支持フレームの取付け構造工夫により、部材の兼用化を図りながら後フレームの強度向上も可能となる合理的な車体フレーム構造を実現できた。
【0019】
〔構成〕
請求項4の構成は、請求項2又は3の構成において、補強部材に、四連リンク機構の下降作動をロックするロック操作具と、前輪用のデフロックペダルとを支承してあることを特徴とするものである。
【0020】
〔作用及び効果〕
請求項4の構成は、屈曲フレーム部材の補強を行うための部材を、運転座席周辺に配置される四連リンク機構の下降作動をロックするロック操作具と、前輪用のデフロックペダルとの支承部材に兼用させる手段であり、ロック操作具とデフロックペダルとの専用の支持部材が要らないようになり、その分のコストダウンや軽量化が可能である。従って、請求項2又は3の構成によるいずれかの前記作用及び効果を奏するとともに、屈曲フレーム部材の補強部材でロック操作具とデフロックペダルとの支承部材を兼ねる合理化構成により、経済性や合理性の向上する車体構造を提供することができた。
【0021】
〔構成〕
請求項5の構成は、苗植付装置を昇降自在に支持する四連リンク機構を、車体フレームの後端部に連結してある田植機の車体構造において、
車体フレームにおけるフレーム後部を、四連リンク機構が連結される後フレームと、ミッションケースとを連結固定して構成し、
後フレームを、前端部がミッションケースに連結固定される前後向きの横フレーム部から、四連リンク機構の上下一対の前側枢支部を有した上下向きの縦フレーム部を立設して成る屈曲フレーム部材を左右一対設けて構成し、
縦フレーム部における枢支部を、四連リンク機構を構成するリンク部材と縦フレーム部とのうちの一方にボス部材を、かつ、他方にボス部材に相対回動自在に内嵌される連結ボルトをボス部材の軸方向の両端側で支持する両持ち支持部を取付けるとともに、両持ち支持部における一方の支持部と連結ボルトとを相対回動不能に嵌合してあることを特徴とするものである。
【0022】
〔作用及び効果〕
請求項5の構成によれば、ミッションケースを車体フレームの一部として活用する手段であり、それによって後フレームとしては、主に四連リンク機構を支持する機能を満たせば強度的に良いものとなる。この場合、後フレームの最小限度の構成要件としては、四連リンク機構を構成するアッパー及びロアーリンクを揺動自在に支持するための各枢支部及びミッションケースとの連結部であるから、これらを満たすべく横フレーム部と縦フレーム部とを備えた左右一対の屈曲フレーム部材で後フレームが構成される。
【0023】
そして、四連リンク機構のリンク部材と屈曲フレーム部材との枢支構造を、ボスとこれを支持する両持ち支持部とに連結ボルトを貫通させるという簡単で廉価な構造にしてある。この場合、相対回動する箇所は連結ボルトとボス部材との間であり、板材で形成されることが多い両持ち支持部と連結ボルトとの間とすべきではないから、両持ち支持部における一方の支持部と連結ボルトとを相対回動不能に嵌合させることにより、連結ボルトとボス部材とで枢支部を確実に構成させることができる。
【0024】
その結果、ミッションケースをフレーム後部に兼用し、かつ、四連リンク機構を支持する必要最小限度の後フレームを設けるという無駄のないコンパクトで補機類等の配置自由度も高い合理的な車体フレームが得られたとともに、強度を要するリンク部材と屈曲フレーム部材との枢支部を、連結ボルトと両持ち支持部とを相対回動不能として、接触面積が十分取れるボス部材と連結ボルトとの間に設定して、リンク部材の良好な揺動移動、すなわち、四連リンク機構の良好な昇降作動に寄与できる利点がある。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、乗用型田植機は、走行機体1の前部にエンジン2、ミッションケース3、エンジン2を覆うボンネット4、ボンネット4の上部に設けられている操縦ハンドル5が配置され、搭乗ステップ6を介して操縦ハンドル5の後方に運転座席7、運転座席7の左右に配置された後輪フェンダー8、後輪フェンダー8の下方でサスペンション9Aを介して上下揺動自在に後車輪ケース9Bに軸支された後車輪9を配置している。
【0026】
左右一対の後車輪ケース9B,9Bは、互いに左右方向が逆向きの対象形状のものであり、左右向きの支点P回りで揺動自在にミッションケース3後部の左右のボスケース部3aの横外側位置にて支承されている。ミッションケース3前部の左右夫々には前車軸ケース10,10が連結され、各前車軸ケース10には、下方に延びる支持ケース15を介して前輪11が操向自在に支持されている。
【0027】
ミッションケース3の前端部には、エンジン2が搭載される前フレーム13がボルト連結してあり、後端部には、四連リンク機構12が連結される後フレーム14がボルト連結されており、これら前フレーム13、ミッションケース3、後フレーム14で車体フレームFが構成されている。そして、四連リンク機構12が連結される後フレーム14と、ミッションケース3とを複数のボルトを介して連結固定されたものをフレーム後部Frと定義する。
【0028】
四連リンク機構12は、1個のアッパーリンク17と、左右一対のロアーリンク18,18を、苗植付装置26を支持するマスト部材27と後フレーム14とに亘って架設した側面視で平行四連形状を為す機構に構成されており、単動型の油圧昇降シリンダ28の駆動短縮及び伸長によって苗植付装置26を平行に昇降移動させることができる。昇降シリンダ28は、アッパーリンク17を枢支するためのシャフト21(後述)に上下揺動自在に支持され、シリンダロッド28aが、ハ字状の連結部材30を介してマスト部材27に連結されている。
【0029】
次に、そのフレーム後部Frについて詳細説明する。図3〜図6に示すように、後フレーム14は、前端部がミッションケース3にボルト連結固定される(図9参照)前後向きの横フレーム部15A,16Aの後端部から、アッパーリンク17及びロアーリンク18夫々の前端部が枢支される上下向きの縦フレーム部15B,16Bを立設して成る板金製で左右一対の屈曲フレーム部材15,16を左右一対設けて構成されている。そして、側面視L又は左右逆L字状で左右の屈曲フレーム部材15,16は、それらの頂部どうしが後輪フェンダ支持用部材19で連結一体化され、かつ、それらのアッパーリンク枢支部24,24どうしが、アッパーリンク17を枢支するためのシャフト(軸部材)21で相対位置決めされるとともに、前端部どうしがミッションケース3を介して連結一体化される構造である。
【0030】
各屈曲フレーム部材15,16の構造を左側の屈曲フレーム部材15で説明する。屈曲フレーム部材15は左右の縦壁15a,15bと上壁(又は前壁)15cとを備えた下(又は後)が開放された「コ」字状の断面形状を有する板金部材で構成され、約90度屈曲される角部では、容易に曲げ形成できるように左右の縦壁15a,15bを大きく切り欠いてあるとともに、その切欠き部分15dを外側から覆う断面「コ」字形状で、屈曲フレーム部材15よりも板厚が厚い補強板22を、溶接による一体連結状態で設けてある。
【0031】
縦フレーム部15Bのやや上側には、パイプ材で成るボス23を左右に貫通させて溶着してあり、これによってアッパーリンク17及びサスペンション(懸架ユニットの一例)9Aに対する枢支部であるアッパーリンク枢支部24が構成されている。前述の補強板22は、ロアーリンク18に対する枢支部25として機能するものである。具体的には、左右のボス23,23の間に、断面形状が下向き開放「コ」字状のアッパーリンク17上端部が配置された状態で、かつ、各ボス23,23の外側夫々にサスペンション9Aの上端ボス部9aの計五者にシャフト21を貫通し、シャフト21両端をナット止めする構造である。昇降シリンダ28は、その上端に固着されたボス材31をアッパーリンク17の内側にてシャフト21に外嵌させて枢支してある。
【0032】
ロアーリンク18の前端部にはボス部材18aが貫通固着され、二股状の補強板22に抱かれる状態で連結ボルト32を通してナット締め固定される。図7、図8に示すように、連結ボルト32は、そのねじ側先端部を断面形状が「D」となるように外周部を部分的にカットした形状の異形部32aに形成されるとともに、補強板22のねじ側の縦壁22aのボルト挿通孔33を、異形部32aに丁度外嵌するよう、同様な「D」形状に穿孔されている。
【0033】
ナット34を締めると、異形部32aによる段差面35とナット34とでねじ側縦壁22aを締め付け固定する状態になり、この状態では補強板22の内幅がボス部材18aよりも若干広くなるように設定してある。従って、連結ボルト32は相対回動不能に補強板22に支持されることになり、連結ボルト32とボス部材18aとが相対回動移動することでロアーリンク18を枢支する構造としてある。
【0034】
つまり、縦フレーム部15B(16B)における枢支部25を、四連リンク機構12を構成するリンク部材と縦フレーム部15Bとのうちの一方にボス部材18aを、かつ、他方にボス部材18aに相対回動自在に内嵌される連結ボルト32をボス部材18aの軸方向の両端側で支持する両持ち支持部22a,22aを取付けるとともに、両持ち支持部22a,22aにおける一方の支持部22aと連結ボルト32とを相対回動不能に嵌合してある。
【0035】
図3〜図6に示すように、横フレーム部15A,16Aの前部と縦フレーム部15B,16Bの上部とを斜交いにボルト止め連結する帯鋼状の補強部材36を設け、これら左右の補強部材36,36に亘ってバッテリー支持フレーム37を架設連結してある。バッテリー支持フレーム37は、バッテリー38を搭載するための板金部材を左右の補強部材37に溶接一体化してあり、バッテリー38の頂面後部を押えるL字金具39と、左右一対の固定用ねじ棒40,40とでバッテリー38をバッテリー支持フレーム37に載せて締め付け固定自在に構成されている。
【0036】
後輪フェンダ支持用部材19から、前方に伸びてから下向きに屈曲する側面視で逆L字状の補助フレーム47が延設され、この補助フレーム47に運転座席7支持用の蝶番48が取付けられるとともに、座席後部がクッションゴム7aを介して載せ付けられている。そして、補助フレーム47の下方にバッテリー38が収容されるように配置されている。
【0037】
図4に示すように、補強部材36には、四連リンク機構12の下降作動をロックするためのロック操作具41と、前輪用のデフロックペダル42とを支承してある。デフロックペダル42は、右側の補強部材36のほぼ前後中央位置において左右向きの支点X回りで揺動自在に枢支されており、連動ロッド43を介してミッションケース3のデフロック被操作レバー44に連動連結されている。
【0038】
図5、図6に示すように、ミッションケース3の上部においてPTO軸45と左側の屈曲フレーム部材15との間に位置させて、昇降シリンダ28用の制御弁46を取付けてあり、制御弁46の作動油の給排操作によって昇降シリンダ28が伸縮駆動されて、苗植付装置26が昇降駆動される公知の構造が採用されている。制御弁46を切換操作する昇降レバー20は、ボンネット4における操縦ハンドル5の後方部位に装備してある。
【0039】
ロック操作具41は、制御弁46における下降を許容する作動油の流れを阻止するための下降ロック片を操作するもの(公知構造)であり、ロック操作部41をロック位置に操作すると、昇降シリンダ28の短縮動が阻止され、苗植付装置26をそのときの高さ位置に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】機体下部構造を示す平面図
【図3】機体後部の構造を示す側面図
【図4】車体フレーム後部の構造を示す側面図
【図5】後フレームの構造を示す平面図
【図6】後フレームの構造を示す背面図
【図7】ロアーリンク枢支部の構造を示す断面図
【図8】ロアーリンク枢支部に用いるボルト先端部の斜視図
【図9】後フレームのミッションケースへの取付け構造を示す背面図
【符号の説明】
3       ミッションケース
12      四連リンク機構
14      後フレーム
15,16   屈曲フレーム部材
15A,16A 横フレーム部
15B,16B 縦フレーム部
17      アッパーリンク
18      ロアーリンク
18a     ボス部材
19      後輪フェンダ支持用部材
21      軸部材
22      両持ち支持部
22a     一方の支持部
24      アッパーリンク枢支部
26      苗植付装置
32      連結ボルト
36      補強部材
37      バッテリー支持フレーム
41      ロック操作具
42      デフロックペダル
F       車体フレーム
Fr      フレーム後部
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年9月24日(2002.9.24)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2004−113026(P2004−113026A)
【公開日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願番号】 特願2002−277724(P2002−277724)